ものみの塔 オンライン・ライブラリー
ものみの塔
オンライン・ライブラリー
日本語
  • 聖書
  • 出版物
  • 集会
  • 目77 6/22 16–22ページ
  • わたしたちは聖書預言に頼れますか

視聴できるビデオはありません。

申し訳ありません,ビデオをロード中にエラーが発生しました。

  • わたしたちは聖書預言に頼れますか
  • 目ざめよ! 1977
  • 副見出し
  • 関連する記事
  • 重要な預言
  • 相応の最期
  • その到来を先に延ばす
  • 預言の成就
  • 今日に対する教訓
  • 必要な行動
  • パシュフル
    聖書に対する洞察,第2巻
  • 「命の道」それとも「死の道」― あなたはどちらを選びますか
    エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 1979
  • 「あなたがたの救いが近づいている」
    エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 1969
  • 予表された,きたるべき「大かん難」
    エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 1970
もっと見る
目ざめよ! 1977
目77 6/22 16–22ページ

わたしたちは聖書預言に頼れますか

振り返って,ネロがまだローマ皇帝の位に座していた西暦一世紀に注意を向けてみましょう。時は西暦66年,場所はエルサレム。

歴史的記録は,そのころエルサレムで実際に起きたことについて,かなり信頼できる情報を提供してくれます。当時エルサレム市内に住んでいた個々の家族についての詳細は,確かにあまりよく分かりません。しかし,今得られる資料から,一部の人々がどんな態度を取ったかを,ある程度確実に推察することは可能です。

以下の物語は,イエス・キリストの預言の成就となった出来事に基づいており,脚注から分かるように,物語の基本となる事実は,聖書および他の歴史的記録からとられています。パシュフルとアビガイルの家族は架空の家族ですが,当時広まっていた危機に対する彼らの反応の仕方は,その時そこに住んでいた幾つかの家族が示した反応の典型的なものであったと言えるかもしれません。

重要な預言

エルサレムの盛り場は大ぜいの人で雑踏しています。きらびやかな服装をした祭司たちが,そまつな衣服の労働者たちを押しのけるようにして進んで行きます。得意顔の金持ちが,幾人かの召し使いを供に連れて通っていきます。店の数はおびただしく,そこから聞こえてくる声高な掛け合いは,全般に商売が繁盛している証拠です。その雑踏の中に,布地を商う商人パシュフルの姿が見えます。彼はユダヤ教を捨ててキリスト教徒になった改宗者です。イエス・キリストを個人的に知っていたある弟子が彼と聖書の勉強をし,その結果クリスチャンになったのです。

33年前にイエスが死なれたとき,彼はまだほんの子供でした。覚えていることと言えば,イエスが広くうわさの種になっていたことと,非常な論議をかもした人物であったということくらいでした。イエスを約束のメシアとパシュフルが確信したのは,聖書的証拠を調べてからのことでした。パシュフルはエルサレムの住人だったので,同市の滅びに関するイエスの預言は彼の関心をとらえました。パシュフルと勉強をしたその弟子は,マタイとルカによって書かれた聖書の巻物の写本を証拠として見せながら。次のように説明してくれました。

「ある日のこと,使徒のうちの四人が,オリーブ山の上におられたイエスのところへやって来ました。彼らはエルサレムに滅びが臨む時を示すしるしを知りたいと思っていました。しかし,イエスの臨在と事物の体制の終結についても関心がありました。彼らの問いに対するイエスの答えは,エルサレムの荒廃とユダヤ教の事物の体制の終わり以上のことに触れるものでした。つまりイエスは,世界の全体制の終結についても語られたのです」。a

こう言ってその弟子は,クリスチャンだった弟子ルカが記録したイエスの次の言葉を引用しました。

「エルサレムが野営を張った軍隊に囲まれるのを見たなら,その時,その荒廃が近づいたことを知りなさい。その時,ユダヤにいる者は山に逃げはじめなさい。都の中にいる者はそこを出なさい。町外れにいる者は都の中に入ってはなりません。なぜなら,これは処罰の日であり,それによって,書かれていることのすべてが成就するのです。その日,妊娠している女と赤子に乳を飲ませている者にとっては災いになります! その土地に非常な窮乏が,そしてこの民に憤りが臨むからです。そして人びとは剣の刃に倒れ,捕われとなってあらゆる国民の中へ引かれてゆくでしょう。そしてエルサレムは,諸国民の定められた時が満ちるまで,諸国民に踏みにじられるのです」。b

相応の最期

パシュフルに関する限り,エルサレムがそのような最期を遂げるのは当然のことでした。目撃者たちから聞いた話によると,人々はイエスの処刑を求め,「取り除け! 取り除け! 杭につけろ!」と叫び立てたというのです。しかも,ローマ総督が,「わたしがあなたがたの王を杭につけるのか」と問いかけたとき,「わたしたちにはカエサルのほかに王はいません」と,人もあろうに祭司長たち自身が答えたというのです。c 宗教指導者たちのこの殺人行為に対してパシュフルは嫌悪をおぼえました。

イエスの追随者の多くは同様の扱いを受けていました。イエスの死から20年以上たった後でも,使徒パウロがエルサレムで暴徒の襲撃に遭っています。d そして最近では,イエスの異父兄弟ヤコブと他の忠実なクリスチャンたちが,エルサレムで石打ちに遭って死にました。e 混雑した街路を,自分の家の方に向かって歩きながらパシュフルは考えます。「エルサレムは確かに世間の評判にそむかぬやり方をしてきたのだ!」「エルサレム,エルサレム,預言者たちを殺し,自分に遣わされた人びとに石を投げつける者よ」f というイエスの言葉がよみがえってきました。

パシュフルの胸のうちには何の疑問もありません。エルサレムは確かにイエスが預言されたことに値するのです。イエスは言われました。「あなたの敵が,先のとがった杭でまわりに塁を築き,取り囲んで四方からあなたを攻めたてる日が来るからであり,彼らは,あなたとあなたの中にいるあなたの子らを地面にたたきつけ,あなたの中で石を石の上に残したままにはしておかないでしょう。あなたが自分の検分されている時を見分けなかったからです」。g

「しかしそれはいつのことなんだろう」。彼の頭はこの疑問でいっぱいです。特に今は,ローマ軍の駐留に対してエルサレムで反乱が発生したりしている時です。

その到来を先に延ばす

パシュフルと彼の家族はその滅びがあまり早く来ないように願っていました。長年骨おって働いたかいがあって,布地の商売もどうやら利益があがるようになり,子供たちも今は大きくなって手が離れたので,妻のアビガイルは全部の時間を商売につぎ込んでいます。それに子供たちは運動や音楽に夢中になっていて,将来はそれで身をたてようかとさえ考えています。

家の近くまで戻ったときパシュフルは,「まあ,エルサレムがどれほど滅びに値したところで,今滅びるとは思えないな」とつぶやきます。

彼は戸口の上り段のところで立ち止り,神殿の方を見ます。あの神殿がローマ軍に危うく取られそうになったのはつい先ごろのことです。ローマ軍は反乱を鎮めるために来ました。しかしそのとき,同軍の指揮官ケスチウス・ガルスは部下に撤退開始の命令を下したのです。

「一体なぜだろう」とパシュフルは思いました。「しかしまあ,今はそんなことはどうだっていい。なんでも撤退中のローマ人が何千人も殺されたということだが,h エルサレムにとっては大きな勝利だ ― しかし危いところだったな!」

こう考えてパシュフルは自らを慰め,あんどの吐息をして家の中に入ります。家にはすでにクリスチャン会衆の仲間が幾人か来ていました。どんな用事で来たのだろう,と思いながらパシュフルは彼らと親しいあいさつを交わしました。

「わたしたちはエルサレムからすぐに出て行かなければならないのです!」と,グループの中の長老が言いました。

「それはまたどういうわけですか。このたび派遣された軍隊が敗退したばかりですから,ローマもそうすぐには出兵しないのではありませんか」と,パシュフルはやや確信のある口調で答えました。

「イエスは,エルサレムが野営を張った軍隊に囲まれるのを見たなら山へ逃げなさい,と言われましたね。わたしたちはそれを見たのです。その軍隊が今は撤退してここにいないから,わたしたちは逃げられるのです」。

「わたしは,ローマ人の脅威は去ったと思いますがねえ」。

「しかし,パシュフル,あなたには起きた事柄の重要な意味がお分かりになっていないようですね。ローマ軍が撤退するように仕向けたのはエホバなのです。それはクリスチャンたちがエルサレムの破滅の前に町から逃げ出せるようにするためです。『エルサレムが野営を張った軍隊に囲まれるのを見たなら,その時,その荒廃が近づいたことを知りなさい。その時,ユダヤにいる者は山に逃げはじめなさい』というイエスの指示を思い出してください」。i

「しかしイエスはそれが今であると言われたのではないでしょう」,とパシュフルは答えます。「先になればそういう時も来るでしょう。そのときにはわたしも家族を連れてエルサレムを出ます」。

どんなに説得しても,家族を連れて他のクリスチャンたちと一緒にギレアデの山地のペラのあたりまで行くよう,パシュフルを納得させることができません。j クリスチャンの兄弟たちが幾度も幾度も訪問しましたが,物質面で物事がどんなにうまくいっていてもエルサレムから出て行く必要のあることを,パシュフルや彼の家族に理解させることはできませんでした。それに彼らはエルサレムの軍隊を信頼していました。

エルサレムから出て行くクリスチャンたちの最後の者に別れを告げるときパシュフルは,事態が収まればみんなまたすぐに帰ってくるように感じ,そのときには度量の大きいところをみせて,しかったりするようなことはすまい,と考えました。

67年,68年,69年が過ぎ去りましたが,その間もエルサレム市内の状態は安定せず,しだいに悪化していきました。そしてついに,対立するユダヤ人の諸党派は,同市からの逃走を妨害するようになりました。何よりも悪いことに,パシュフルとその家族は,ヨルダン川を渡ってギレアデの山地に逃げたクリスチャンの兄弟たちと霊的な交わりを持つことができません。

預言の成就

西暦70年の春と共に,全く異なる恐怖の源が訪れました。新しい皇帝の実子ティツスの率いるローマ軍が再び来襲し,エルサレムを包囲しました。そして周囲何キロにもわたって樹木を切り倒し,先のとがった杭を作って町の周りに堅固なさくを設けました。もう逃げることは不可能です!k

包囲下の恐怖に満ちた日々が,一日,また一日と過ぎていきます。パシュフルの手持ちの食糧も底をつきました。飢えが情け容赦なく家族の者を襲います。家の外では慎みのない兵士たちが,食糧と見ると何でも略奪します。すでに絶え間ない心配をかかえているパシュフルをこれ以上心配させまいと,アビガイルは自分の空腹を口にしませんが,彼女も夫もお互いに苦痛を隠すことができません。

ききんがいよいよひどくなってきたある日,いつになく外が騒がしいのでパシュフルは見に行きます。彼が戻って来た時にアビガイルは,夫が何か恐ろしいものを見てきたことを直感しました。「ベセズブから来たエレアザルの娘マリアが,自分の赤ん坊を食べてしまった」と彼は説明しました。l 「エレミヤの時代に起きたことがまた起きている。アビガイル,わたしたちも死ぬかもしれない」。a

エルサレムは長く苦しみません。西暦70年の夏までにローマ人はついにエルサレムを占拠し,破壊しました。包囲攻撃の全期間に100万を上回るユダヤ人が殺され,9万7,000余人が捕虜にされました。b 死者の中には,パシュフルとその家族も混じっていました。彼らは,イエスが救いのために与えた預言と指示を知っていました。しかし,その知識に従って行動しようとしなかったので,不従順の代価を支払うことになりました。c

今日に対する教訓

この聖書預言は成就しました。同様に,神の言葉の中で預言されている,または約束されていることはすべて成就します。古代の神の民イスラエルの指導者ヨシュアが述べた通りです。「あなたがたは心を尽くし魂を尽くしてこの事を知っています。すなわち,あなたがたの神エホバの語られたすべての良い言葉は,その一言といえども果たされないものはありませんでした。それはあなたがたにとってすべてそのとおりになりました。一言も果たされなかったものはありません」― ヨシュア 23:14,新。

この物語の冒頭で述べた通り,西暦70年のエルサレムの滅び以前に,または滅びの期間中に住んでいた人々の私生活について聖書はもちろん何も告げておらず,エルサレムの破滅についてさえ述べていません。一般の歴史はそれを伝えています。しかし,さきほどの物語の中の家族に似た家族,知識に従って行動しなかった,そしてイエスの教えに従って山地へ逃げなかった家族が,いくらかいたことは考えられます。

それにしても,このすべては,今日生きているわたしたちとどんな関係があるのでしょうか。わたしたちはそれと同様の事態に直面してはいません ― それとも直面しているのでしょうか。

実は,直面しているのです。そのイエスの預言は,西暦70年におけるユダヤ教の事物の体制の終わり以上のことを示しました。同預言はまた,王国の権を持つキリストの「臨在」の時,この世界の事物の全体制の終わりが近づく時を示しています。「これらの事が起きているのを見たなら,神の王国の近いことを知りなさい」というイエスの言葉こそ,そのことが分かる何よりも大きな理由です。―ルカ 21:31。

ではイエスは,この体制全体の終わりの時と,神の王国が近づいた時に見られるどんなしるしを預言されたでしょうか。イエスはその時に起こる多くの事柄を預言されましたが,なかでも,「国民は国民に,王国は王国に敵対して立ち上がるでしょう。そして,大きな地震があり,そこからここへと疫病や食糧不足が起こります」ということを言われました。―ルカ 21:10,11。

実をいうと,これらの出来事は,わたしたちが今日実際に起こるのを見てきた出来事のことなのです。今世紀になって人類は,1914年以降,二つの悲惨な世界大戦に突入し,しかも諸国家は今日,さらに破滅的な核戦争の危機に直面しています。また,地震,疫病,食糧不足なども,歴史における他のどの時代よりも広範囲に広がっています。

したがって,イエスの預言全部を今日起こっている出来事と比べてみるなら,この預言がまさに現在驚くべき成就を見つつあることが明らかになってきます。これは何を意味しますか。

それは,現体制全体の終わりが近いことを意味するもので,ケスチウス・ガルス指揮下のローマ軍によるエルサレムの包囲が,エルサレムの終わりの近いしるしであったのと同じなのです。そしてその時救われるために特別の行動 ― 山地の安全なところへ逃げること ― が必要であったのと同じく,今日でも,やがて来ようとしている,神が邪悪な者に裁きを執行されるときの世界的破滅から救い出されるためには,適切な行動を取る必要があるのです。

必要な行動

地理上の特定の場所に逃げれば救われるというのではありません。イエスご自身がそのことを示しておられます。イエスは,この事物の体制全体の終わる時について明確に語り,次のように述べて預言を終えられました。

「食べ過ぎや飲み過ぎまた生活上の思い煩いなどのためにあなたがたの心が押しひしがれ,その日が突然,わなのように急にあなたがたに臨むことがないよう,自分自身に注意を払いなさい。それは地の表に住むすべての者に臨むからです。それで,起きることが定まっているこれらのすべての事をのがれ,かつ人の子の前に立つことができるよう,常に祈願をしつつ,いつも目ざめていなさい」― ルカ 21:34-36。

今大事なことは,どこか文字通りの山に逃げることではなく,霊的に目ざめていることです。わたしたちはイエスの預言の今日における成就に敏感でなければならず,またその成就が今の体制の終わりが近いことを意味することも思いに留めておかねばなりません。それでわたしたちは使徒ペテロが書いているように,自分の振る舞いによく注意する必要があります。

「これらのものはこうしてことごとく溶解するのですから,あなたがたは,聖なる行状と敬神の専念のうちに,エホバの日の臨在を待ち,それをしっかりと思いに留める者となるべきではありませんか。……それゆえに愛する者たちよ,あなたがたはこれらのものを待ち望んでいるのですから,最終的に汚点もきずもない,安らかな者として見いだされるよう力をつくして励みなさい」― ペテロ第二 3:11-14。

必要な行動というのはこれです。今日におけるわたしたちの避難所への逃避は,神の義にかなった要求に一致して生きることにより成し遂げられます。神のご意志を行なうことによってわたしたちは,人類の世界全体に臨もうとしている破滅を逃れるのです。使徒ヨハネはこう書いています。「世は過ぎ去りつつあり,その欲望も同じです。しかし,神のご意志を行なう者は永久にとどまります」― ヨハネ第一 2:17。

これらの聖書の預言が成就することを,一瞬でも疑うことのないようにしてください。エルサレムの破滅に関するイエスの預言が一世紀に実現したのと同じほど確実に,現在の事物の体制の終わりに関する預言も成就します。わたしたちには,聖書預言の確実さを信ずべき,そしてその信仰に従って行動すべき十分の理由があるのです。

[脚注]

a マタイ 24:1-3。マルコ 13:3,4。ルカ 21:5-7。

b ルカ 21:20-24。

c ヨハネ 19:15。

d 使徒 21:26-32。

e フラビウス・ヨセフス著,「ユダヤ古誌」第20巻,第9章,1節。

f マタイ 23:37,38。

g ルカ 19:43,44。

h フラビウス・ヨセフス著,「ユダヤ戦記」第2巻,19章。

i ルカ 21:20,21。

j 「エウセビウス・パンフィルスの教会史」,75ページ。C・F・クルーズによるギリシャ語からの翻訳(1894年)

k フラビウス・ヨセフス著,「ユダヤ戦記」第5巻,12章。

l フラビウス・ヨセフス著,「ユダヤ戦記」第6巻,3章,4節。

a 申命 28:53。哀歌 2:20。

b フラビウス・ヨセフス著,「ユダヤ戦記」第6巻,9章,3節。

c マタイ 7:24-27。

[17ページの図版]

「エルサレムが野営を張った軍隊に囲まれるのを見たなら」― ルカ 21:20。

[19ページの図版]

エルサレムから出ていくクリスチャンたち

[20ページの図版]

ローマにあるティツスの記念門。西暦70年にユダヤ人が捕虜として連れて行かれるところを示している。このことは,神の預言の言葉の真実性を確証する

    日本語出版物(1954-2026)
    ログアウト
    ログイン
    • 日本語
    • シェアする
    • 設定
    • Copyright © 2025 Watch Tower Bible and Tract Society of Pennsylvania
    • 利用規約
    • プライバシーに関する方針
    • プライバシー設定
    • JW.ORG
    • ログイン
    シェアする