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変革を受け入れようとしているイタリア
● 1929年,ファシストの独裁者ベニト・ムッソリーニと法王ピオ十一世は,ラテラン条約として知られ,一般には「政教条約」と呼ばれる協定を結びました。締結以来46年になる条約を改正する交渉が,今イタリア政府とバチカンの間で行なわれています。改正を目ざす動きは近年強まりつつありました。それは第二次世界大戦後に始まり,最近には離婚の問題が改訂への圧力を加えるものとなっていました。政教条約は教会法に対して民法と同じ地位を与えているため,明白な矛盾がいま生じています。イタリアの立法府は民法による離婚を合法化しましたが,教会法は今でも離婚を禁じています。しかも政教条約によれば,両方の法律は同等の効力を有するのです。
昨年,カトリック教会は政府の離婚法を阻止するために大規模な運動を展開しましたが,その結果は決定的な敗北でした。ローマ発のロイタア電が伝えるところによれば,「国民が変革を受け入れようとしている徴候としてこれより明らかなものはなく,また政教条約を見直すべき時期はまさに熟し」ました。イタリアの有力な政党であるキリスト教民主党は離婚反対運動で教会を支持して以来,選挙でいくらかの敗北をこうむりました。彼らも失った議席を取り戻せるならば,変革は必要であると感じています。彼らが懸念しているのは,イタリアで進出を続ける共産党に脅かされることです。
宗教の影響
● 昨年のこと,USニューズ・アンド・ワールド・リポート誌は,18の主要な組織と団体について,それが国家の決定や行動にどれほど影響力を持つか,指導的な立場にあるアメリカ人の考え方を調査しました。この調査で「既成宗教」は最下位を占めました。今年の同様な調査で「既成宗教」は最下位から二番目を占めています。しかしこれは対象とされた組織の数が18から24に増えたからにほかなりません。実際には「既成宗教」は,国民生活に及ぼす影響力の点で,米国の諸団体のうち18位から23位に転落しました。
同様に,「ブンテ」と題する出版物は,税制改革の結果こうむった経済的打撃に多くのドイツ人がどう対処しようとしているかを述べています。多くの人は教会から脱退し,教会員に課せられる税を払わなくてもすむようにしています。「ブンテ」によれば,カトリックの司教管区および新教の国教会とを合わせて1975年度の教会税からの収入は12億ドイツマルクの減少が見込まれています。
同性愛の危険
● 「同性愛行為に関連した病気の範囲は非常に広い」と,1975年4月15日号の「現代医学」に述べられています。最も多く見られる結果を指摘して,この記事は次のことを述べています。「同性愛行為を行なう男性の間に性病がまんえんしていることに疑問の余地はない。同性愛行為を行なう女性の羅病率はそれほど高くないが,それでも性関係を異性との間に限っている男女に比べるとやはり多い」。
かかる病気の病名リストは,淋病,梅毒のようなふつうの性病の範囲をはるかに越えています。医師の観察によれば,よく見られる症状として,性器では前立腺の炎症,尿道の炎症と圧迫,リンパ組織の腫れ及び潰瘍化,そけい部に見られ,でん部と性器にまでひろがるかいよう化と肉芽形成があり,肛門部では肛門の筋肉が次第に弱くなって括約筋の働きが失われたり,痔疾の拡大,結腸の貫通と裂傷,アミーバ性赤痢,悪性腫瘍などがみられます。
このすべては,「自らの自然の用を自然に反するものに変え」る者がその誤りに対して「十分な返報を身に受け」ると述べた聖書のことばの正しさを強調しています。―ローマ 1:26,27。