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エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 1969
塔69 12/1 717–722ページ

信仰の欠如した世界

「信仰はすべての人が持っているものではない」― テサロニケ後,3:2,新。

1 どんな人は世界の状態が変化したと考えていますか。そのような人はこのことをどのように実証できますか。

わずか半世紀のあいだに物事はなんと変化したのでしょう。若い人々の中には,この世界は昔も今も変わりなく信仰のないところであると考える人がいます。しかし年配の人々は実情をよりよく知っています。社会の年配の人々はこれまでの生涯中,この世界に生じた驚くべき変化を知っています。それら年配者の孫にあたる若者が信ずる信じないにかかわらず,事態が悪化の一途をたどっていることは,歴史の事実です。試みに歴史を半世紀さかのぼって,当時の世界情勢と現状とを比べてごらんなさい。そうすれば,神と,神のみことば聖書とに対する信仰をほとんど,あるいは全く持っていない人がなぜ多いかを理解できるでしょう。

2 第一次世界大戦に続いて生じた事柄をあげなさい。

2 50年前と言えば,第一次世界大戦がちょうど終わったところでした。歴史の本はこの戦争を第一次世界大戦と呼んでいます。人類史上,これが最初の世界戦争だったからです。当時の諸大国はすべて,比類のないその恐るべき戦争に参画し,幾十万もの将兵を戦場で失い,ほかに幾百万人もの負傷者を出しました。戦争によるそうした大量殺人に続いて,幾百万もの人間が餓死し,さらに何千万もの人々が疫病その他の病気で死んだのです。このすべてを考えれば,これはまさに恐るべき経験でした。この時以来,世界はもはや以前の状態に戻りませんでした。

3 最初の世界大戦後の西ヨーロッパおよび東欧における政治上の変化について述べなさい。

3 この苦難を生き残りながらも,戦争,飢饉,疫病などの大きな影響を受けて依然よろめいていた当時の人々の人生観は一変していました。ヨーロッパ各地の君主政体は事実上すべて崩壊し,赤い熊とも呼ばれる“共産主義”ロシアが東欧圏に勢力を及ぼして多くの人々の心をとらえ勢力を増すにつれて,世界の他の国々もその侵略の脅威にさらされるようになりました。また,西欧世界には国際連盟という機構が設けられ,多数の有名な牧師から,「地上における神の国の政治的表現」という賛辞を受け,世界の平和のための唯一の希望として幾百万の人々の信頼を集めることになりました。

4 平和に対する希望はやがてどのように打ち砕かれましたか。その結果,どんな戦争が起きましたか。

4 ところがほどなくして多数の識者は真の平和と繁栄への望みを失いました。独裁者たちが台頭して国民を統制し,諸大国は再び国家主義を標榜しはじめたからです。たちまち全世界の軍需工場は全力操業をしいられ,破壊力の著しい新型兵器が貯蔵され,またたくまに人類は新たな世界戦争に巻き込まれたのです。冷厳な統計の示すところによれば,第二次世界大戦は動員数,費やされた資金およびもたらした結果の点で,第一次世界大戦のおよそ4倍の規模の戦争でした。同じ世代のわずか25年のあいだに二度もこうした殺りくを経験したのですから,人々の信仰が薄れるのも驚くにはあたりません。

5 第一次世界大戦が招来した経済事情の大変動について述べなさい。

5 第一次世界大戦以来,人々はこうした政治および軍事事情のため信仰を弱められたうえ,経済事情の大変動によりそれまでの生活様式に重大な影響を受けました。国々が科学上の数々の発見に基づいて産業および科学技術を開発し,国家の再建を始めるにつれ,一般大衆は物質主義に基づく高圧的な販売攻勢にさらされました。物質主義は,快楽をほしいままにできる有閑社会を人間が独力で作り出せるという考えを売り込んだのです。こうした物の見方を受け入れた人々は,物質主義を信奉するようになりました。従来の宗教的価値や理想を守ろうとした人々さえ,商業主義の大波に押し流されてしまいました。都市は新たな発展を遂げ,人々は農業を捨てて続々と都会に移り,商工業の世界に職を求めたため,都市生活上の困難な問題はいよいよその深刻さを増しました。こうした社会事情は人人の心に信仰と希望を培うどころか,不満,不安,不信感その他の悲痛な結果はもとより,経済上のあつれきや動揺,また労使間の公然とした闘争をさえもたらしたのです。

6 輸送面のどんな変革のため,ある人々は信仰を失いましたか。

6 また別の二つの分野,つまり輸送および通信手段の変革により,人間関係はいっそう緊密なものになりました。これらの手段そのものは人類の祝福となり得るにもかかわらず,多くの場合,人間を無神論に追いやる要因となっています。人間は,無着陸単独飛行による大西洋横断に成功するや,たちまち商業空路を縦横に切り開き,かつ増設しました。やがて従来のプロペラ機に代わって高速ジェット機が登場し,所要時間は大幅に短縮され,地球はいよいよ狭く感じられるようになりました。高慢な人々は尊大なことに,こうした進歩発展を誇って得意になり,超音速旅客機時代の到来や,人工衛星による宇宙探測上の業績を,人間による宇宙征服の第一歩とみなし,これは神が存在しないことの証拠であろうと唱えています。

7 皮肉なことに,進歩した通信技術は,神に対する人々の信仰を砕くために用いられてきました。どうしてそう言えますか。

7 通信の分野にも驚くべき変化が生じました。わずか四,五十年で,ラジオがその全盛時代を迎えたかと思うと,より強力な通信手段であるテレビがその地位を奪いました。しかしラジオやテレビはいずれも,宣伝や群衆心理などを操作する専門家のにぎる凶器になってしまいました。そしてそれらの人々は一般大衆の考えを,「神はいない」といった信仰を否定する考え方に形造ってきました。

宗教上の規準の変化

8 第一次世界大戦後に生まれた子供が受けた教育は,その親が受けたものと同じですか。その結果,道徳上のどんな変化が生じましたか。

8 また,これまでの50年間に,道義,美徳,宗教上の考え方なども大きく変わりました。今世紀の騒乱の20年代およびそれに続く30年代の不況時には,多年維持されてきた宗教上の種々の規準が大いに変わり,決してぬぐい去ることのできない影響を一般社会に及ぼしました。第一次世界大戦前に受け入れられていた道徳規準は過去のものとして退けられました。そして次代の子供たちが生まれましたが,その中には,戦前からの道徳的抑制力を退けた男女が生んだ私生子もいました。戦後生まれたそれら次代の子供たちをその人格形成期に養育し,教育したのは,神と聖書に対する信仰を公然と退けた偽善的な牧師たちの,哲学を重視した説教で培われた新たな,いな,新奇な考え方を追い求めた親や教育者だったのです。

9 (イ)国際連盟が平和を守れなかったため,どんな結果が生じましたか。(ロ)第二次世界大戦後まもなくどんな事態が生じましたか。

9 こうして育てられた子供たちは徴兵適齢に達するやいなや,今度は第二次世界大戦の火中に投げ込まれました。成人したばかりの彼らは不幸にも第二の世界戦争に遭遇したのです。キリスト教世界の生んだいわゆる「救世主」,国際連盟は,宗教および政治指導者の支持を受けたにもかかわらず,その大戦を阻止することができませんでした。そしてこの第二の世界戦争を生き残った人々は,以前の国際連盟が建て直され,“国際連合”と改名されるのを見,人々の多くは,この新たな機構が苦悩する世界に恒久平和をもたらすだろうと考えました。と同時に,活動的なおとなから成るこの若い世代は,技術と労働力を供給して,恐るべき威力を持つ水素爆弾を完成し,かつ貯蔵するに至りました。その水爆に比べれば,広島や長崎に投下された原爆は手製の花火のようなものです。

10,11 (イ)20数年前の若い世代の姿について述べなさい。(ロ)今日の若者の多くはどんな人間になりましたか。

10 これが20数年ほど前の若い人々の姿でした。彼らの多くは信仰をことごとく失いました。それが親や教師の感化によるものでなければ,第二次世界大戦前,また大戦中の戦りつすべき経験のためでした。さて,大多数が道徳心の欠けた若いおとなから成るその世代の人々が戦後結婚し,なかには不義の関係をもち,さらに次代の子供を生んだのです。1969年の今日,おとなになろうとしているのはこれらの若者たちです。

11 1960年代の今日,大学にたむろする過激分子,挑発行動に出る抗議デモ隊,麻薬常習者,セックス狂,年若い暴漢などを出しているのはそれら若者たちの世代です。こうした非行分子は単に“刺激”やスリルのみを求めて生活し,将来を考えることもなく,またこの事物の体制の行くえにも無とん着です。この不信仰な世代の人間が政権を執るとき,それはまさに人類の悲劇となるでしょう!

12 (イ)現代の若い世代の多くは宗教および道徳に関してどんな奇妙な考えをもっていますか。(ロ)その結果,彼らの社会的感覚はどんな影響を受けましたか。

12 宗教についてどう考えているかと彼らに,またその親たちに尋ねてごらんなさい。「神は死んだ」と答えるでしょう。彼らにとって従来の保守的な生き方は,死んだものであり,彼らは新しい考え方を持っています。彼らの“天国”は,マリファナ,LSDまた,さらに強い麻薬を用いて幻覚症状の下で味わうような,つかのまの快楽です。また現代はまさに暴力の時代です。それは反逆,つまり法と秩序に類する物事すべてに対する反逆の時代です。今や,上品なこと,潔いこと,高潔なこと,公正なこと,純粋なこと,真実なことに対するゆがんだ感覚を追い求める人がいよいよふえています。これはまさに“ビート・ゼネレーション”つまり敗北の世代です。彼らは自制心をかなぐり捨て,その代わりに堕落を愛し,美術や音楽,また人間生活における敬虔で美しいものすべてを軽べつし,一種の集団となって今日の社会に浸透しているのです。

さまざまな変化の原因

13 信仰心に関するこうした徹底的な変化をもたらした理由とされるものを幾つかあげなさい。

13 過去50年間に人々の信仰心に前述のような徹底的な変化の生じた理由はたくさんあります。科学技術の進歩は物質主義を重んずる社会をもたらし,産業構造の変革により人口の相当部分が都市に移りました。また,教育制度の根本的な改変,政治の腐敗,司法および警察機構の弱体化などもその理由であり,家族構成,家庭環境および近隣の地域社会の性格に見られる変化も上げられます。そのほか,今日の世代の祖父たちが第一次世界大戦当時の兵役を終えて以来,さまざまな変化が生じました。

14 こうした変革も信仰の欠けた世界をもたらした真因でないと言えるのはなぜですか。

14 しかしこれら諸環境の変化自体は,問題の誘因ではあっても,主要な原因ではないことに留意しなければなりません。たとえ生活の仕方は変わっても(アメリカその他の国々のように,軽装馬車に乗る人がいなくなっても),神に対する強固な信仰を持つ人は今日でも多数いるのです。この事実は,産業,科学技術,教育,社会および生活環境上の変化自体は,信仰の欠如をもたらした主要原因でないことを実証するものです。

15 では,この世界の信仰の欠如をもたらした張本人はだれですか。

15 信仰の瓦解をもたらした唯一最大の原因を指摘するとすれば,それはまさしく「この事物の体制の神」である悪魔サタンと,配下の偽りの宗教の世界帝国にほかなりません。キリスト教世界の高位牧師階級はこの偽りの宗教の世界帝国で指導的な役割をはたしています。(コリント後 4:4。ヨハネ 12:31; 14:30; 16:11。ヨハネ第一 5:19)現代社会の悲惨な状態を招いた点で,これほど重大な責任を負うべき人間の一団はほかにありません。

16 (イ)しかしこの点でどんな異論が出されますか。(ロ)その異論にどう答えることができますか。

16 現実の証拠を冷静に考慮しないで結論を急ぐ人は,このような思い切ったことばに接すると直ちに異議を唱え,次のように抗議するかもしれません。「教会に通うことのない不信仰な人間,無神論に傾く科学者,不可知論の政治家などの考え方や,非行,はてはヒッピーの乱行の責任を,どうして敬虔な牧師に問えるのだろうか。彼らはみな牧師の手もその説教も届かぬところにいるではないか」。では歴史の事実に答えてもらいましょう。いわゆるボルシェビキ派の人々の父祖はロシア国教の会員であり,フランスおよびイタリアの共産党員の父祖はローマ・カトリックの追随者だったのです。同様に,今日の不敬虔な10代の青年男女および若いおとなの親や祖父母の大半は,当時のキリスト教世界の諸教会の成員で,それぞれ教会に通っていました。またその多くは今でも教会に通っています。古いことわざにもあるとおり,おとなの非行がもたらすのは少年非行にほかならず,その逆ではありません。子供の歩みは家庭や学校で見聞きする事柄や,若い時代の訓育によって大きく左右されます。それはぶどうの木の伸び方が添え木のあて方で異なるのと同じです。

17 第一次世界大戦中,キリスト教世界の牧師は自らどんな記録を残しましたか。また,どんな結果を招きましたか。

17 キリスト教世界の僧職者自身がその説教で自らの信仰の欠如をあらわにしている以上,どうして神に対する信仰を教区民に期待できますか。第一次世界大戦中,キリスト教諸国家の教会がその流血の大乱行を遂行するための徴兵事務所と化したことは周知の事実です。a 大戦中,神のしもべ,また奉仕者を自任する従軍牧師の戦場における行為を見て帰還した兵士は,神についてどう考えたでしょうか。幻滅の悲哀をいだいた彼らは,キリスト教世界の人々が帰依していると唱える神について,自分の子供にいったい何を教えたでしょうか。次代の子供たちがその親の若い時よりも信仰心の欠けた者になるのはまさに当然です。

18 30年前当時,牧師たちはどうすれば世界大戦を回避できましたか。

18 やがて第二次世界大戦が勃発しました。これはキリスト教世界の指導的な牧師たちの協力なしには行ない得ぬ大戦でした。もしヒトラー,ムッソリーニ,フランコなどが,バチカンと結んだ政教条約や秘密協定の大きな助けを得なかったなら,また,もしドイツのカトリック教会の司教たちが,自国の軍事機関を支持せずに,ヒトラーと,カトリックの教会員だったそのかいらいとを破門していたなら,その世界大戦は生じなかったでしょう。b またこれは一方の側の牧師たちの支持のみを受けた大戦でもありませんでした。キリスト教世界の全交戦国の教会は大戦に参画し,教区民に同じことを奨励したのです。

19 第二次世界大戦以来,牧師たちはエホバに対する信仰を鼓舞してきましたか。

19 では第二次世界大戦後のこれまでの24年間についてはいかがですか。キリスト教世界の諸教会における,信仰をくつがえす説教は,その性格を少しでも変えましたか。その正反対です! 牧師は,聖書を霊感の所産とする信仰を公然と,かつ思いのままに退け,エデンの園やノアの洪水などの記述を伝説と唱えています。イエスの処女降誕やキリストのあがないの犠牲などは彼らにとって神話にすぎません。多数の牧師は聖書の古いことばに出てくる愚か者のように,『神は死んだ』のだから『神はいない』と繰り返すばかりです。(詩 14:1)したがって,彼らが自らを教会の牧師と称することさえ,ゆゆしい偽善です。

20 (イ)イエスのことばによれば,人類社会はどんな悲惨な状態に陥っていますか。なぜですか。(ロ)しかし高等教育を受けた牧師をそれほど盲目にしたものはなんですか。

20 「彼らは盲人を手引する盲人なり」と言われたイエスのことばは真実です。そしてイエスは,「盲人もし盲人を手引せば,二人とも穴に落ちん」と言われました。(マタイ 15:14)それにしても,これら盲目の宗教指導者に従ってきた人々すべては,暗黒と失望のなんと悲惨な穴に落ちているのでしょう。一般の,それも多くの場合,文盲をも含む膨大な群衆がその指導者に盲従したために誤導されているということはわかります。しかしそれら教育のある知的指導者自らが全く盲目になり,道につまずき,暗黒にとざされ,窮境に陥ったのはどういうわけですか。それには彼ら以上に強力な力が働いていたに違いありません。こうした事態がどうして生ずるか,また牧師とその追随者がなぜこうした精神的暗やみの中に陥っているかを説明するものとして使徒パウロはこう述べています。「この世の神はこれらの不信者の心を暗まして神のかたちなるキリストの栄光の福音の光を照さざらしめたり」― コリント後 4:4。

21 不信仰なこの世を導いている目に見えない勢力とはなんですか。それはどこに向かっていますか。

21 したがって,キリスト教世界の宗教指導者を盲目にさせてきたのは「この世の神」である悪魔サタンです。そしてサタンは,この邪悪な体制を全能の神の戦いであるハルマゲドンに導いている配下の目に見えない一群の悪霊を用いてそのことを行なってきたのです。このことに関する幻を見せられた使徒ヨハネは現状をこう描写しています。「我また竜の口より,獣の口より,偽預言者の口より,蛙のごとき三つのけがれし霊の出づるを見たり。これはしるしをおこなう悪魔の霊にして,全能の神の大なる日の戦闘のために全世界の王たちを集めんとて,その許にいでゆくなり。かの三つの霊,王たちをヘブル語にてハルマゲドンと称ふるところに集めたり」― 黙示 16:13,14,16。

不信仰な世界の終わりの日

22,23 (イ)今が「終わりの時」であることを示すどんな証拠がありますか。(ロ)今日,全地に見られる状態と直接関係のある事柄が天で起きました。そのできごとを述べなさい。

22 20世紀の今日,不信心すなわち信仰の欠如がこれほどあらわになったおもな理由は,今が特別な時代,つまり「終わりの時」であるということにあります。今は,天からこの地の付近に追い落とされた悪魔と配下の悪霊が,全力をつくしてエホバとエホバのなさった貴重な約束とに対する信仰を打ち砕こうとしている時なのです。第一次世界大戦の勃発した1914年以来,この世界がその終わりの時にはいったことは,聖書に基づく年代計算と歴史上の諸事実とが,疑問の余地なく実証しています。黙示録 12章7-12節は,1914年以来,この地上であらわに生じた事態をもたらした,目に見えない天で起きたできごとをこう描写しています。

23 「かくて天に戦争おこれり,ミカエルおよびその使たち竜とたたかふ。竜もその使たちもこれと戦ひしが,勝つことあたはず,天には,はやその居るところなかりき。かの大なる竜,すなわち悪魔と呼ばれ,サタンと呼ばれたる全世界をまどはす古き蛇は落され,地に落され,その使たちもともにおとされたり」― 黙示 12:7-9。

24 天における喜びとは対照的などんな状態が全地に見られますか。なぜですか。

24 サタンが放逐された時,天の領域では大いなる喜びがありました。そのことはこの幻の中で次のように予告されていたとおりです。「我また天に大なる声ありて『われらの神の救と能力と国と神のキリストの権威とは,今すでにきたれり。我らの兄弟を訴へ,夜昼われらの神の前に訴ふるもの落されたり……このゆえに天および天に住める者よ,よろこべ……』と云ふを聞けり」。しかし悪魔と配下の悪霊が追い落とされたこの地上の人類社会はどうですか。このことについて同じ預言は,その事態が全く異常なものになることをこう述べています。「地と海とは禍害なるかな,悪魔おのが時のしばしなるを知り,大なるいきどほりをいだきて汝らのもとに下りたればなり」― 黙示 12:10-12。

25 すべての人が神に対する信仰を失っているわけではありません。どうしてそう言えますか。

25 ゆえに聖書はエホバ神に対する信仰が今日の世界になぜ欠けているかをよく説明しています。しかしながら,「信仰はすべての人が持っているものではない」と聖書にしるされていますから,なかには信仰を持っている人もいるのです。そのうえ,このことを述べた同じ使徒はさらにこう語っています。「しかし主は忠実であられ,あなたがたを強固にし,またあなたがたを邪悪な者から守ってくださるであろう」。(テサロニケ後 3:2,3,新)主はどのようにしてこのことを行なわれるのですか。また,信仰において強くされるには,わたしたちは何をしなければなりませんか。これらの重要な問題は次の記事で論じましょう。

[脚注]

a 第一次世界大戦後,ジョージ・ウィリス・クック師は,アメリカ,シカゴ・ユニティ紙上で次のように言明しました。「わが国の諸教会の態度は,まじめに信仰を鼓舞するものではなかった。このことは他の国々ではいっそうひどいものであった。諸教会は愛国主義を奉じ,キリスト教を完全に放棄したも同然だった。そして戦争と,戦争遂行に必要なあらゆる悪事に対する残忍非道な執念深い欲望に身をまかせた。……最も残忍非情,かつ復しゅう心に燃えた要求を述べたのは,ほかならぬ敵味方双方の教会であった」。「ものみの塔」誌,1919年版,356ページ(英文)をごらんください。

1919年8月6日付,デトロイト・フリー・プレス紙は第一次世界大戦に関する牧師の責任についてこう述べました。「彼らは,盲目的愛国主義者および,いかなる犠牲をもいとわず戦争を支持する愛国者中,最も強暴な者たちと結託して戦闘意欲をあおった。……牧師のほとんどすべては,大量殺人計画後援の輝かしい功労者として名誉昇進に値したであろう。……確かに全交戦国の牧師は激情と暴力を大いにかもし出したゆえに,その大戦は彼らの戦争と呼べるであろう」。

b 1941年12月7日,ヒトラーおよびムッソリーニの枢軸国日本が真珠湾を攻撃したその日,ニューヨーク・タイムズ紙は「ナチ国家のための『戦勝祈願』」と題する一文を掲げ,「カトリックの司教,フルダで戦勝祈願を捧げる」の副見出しの下に次のことを明らかにしています。

「12月6日,ドイツ,フルダ発: フルダで開かれたドイツ・カトリック司教会議は,今後,教会のあらゆる礼拝の前後に唱えられる特別な『戦勝祈願』の採用を勧告した。

「この祈りはドイツ軍隊の勝利はもとより,自国の全将兵の健康と守護とを神に祈願するものである。同司教会議はまた,ドイツの『陸,海,空』三軍の従軍将兵のための特別日曜礼拝を少なくとも毎月1回行なって武運を祈るよう命じた。

「ドイツのカトリック教会の僧職者は,ナチ政府の人種政策のある面には強く反対したが,当面の大戦に関する忠節なドイツ国民としての全カトリック信徒の自国に対する義務をきまって強調してきた」。

[718ページの図版]

人々は,輸送および通信手段の変革とともに,物質主義的な物の見方の影響を受けて,「神はいない」式の,信仰を否定する考え方に従っている

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