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教会は聖書を格下げする
● イタリアのローマ・カトリック教会は,ミラノの大司教枢機卿の出版許可を得て新しい訳の聖書を発行しました。その前書きの中で,聖書に対する同教会の態度が次のように表明されています。「聖書は……真実であるとも偽りであるとも言えない。例えば,聖書が世界の起源について説明している箇所は真実であろうか」。同教会は次のように答えています。「聖書の最初の数章は,科学的な研究のレベルで真実であるのではない」,むしろそれらの章は「昔の伝説や昔の修正された神話」である。
その聖書の前書きは,さらにこう述べています。「歴史上の物語は,しばしば実際に起きたとおりに事実を語っているが,叙事詩と言ってもよいほど事実を潤色している場合がある」。例として,ヨナ書とダニエル書の数節を引き合いに出し,それらは「歴史上の事実を記したものではない」と述べています。さらにそうした記述は,「作り話」のようなものである,とも述べています。
しかし,聖書にはこう書かれています。「聖書はみな神の霊感を受けたものであって,教えのために,いましめのために,矯め直すために,正義を教えるために有益である」。(テモテ第二 3:16,カトリックのバルバロ訳聖書)真理の神が人々に偽りを教えるために霊感を与えたと考えるのは,理にかなっているでしょうか。イエスが偽りを教えながら,その追随者に,「あなたたちは真理を知り,真理はあなたたちを自由な人にするだろう」などと語ることがあるでしょうか。―ヨハネ 8:32,カトリックのバルバロ訳聖書。
ぶどう酒対ウイルス
● 伝染病対策局のカナダ人研究員たちは,ぶどう酒はバクテリアのみならず,ウイルスをも殺す,と報告しています。ぶどう酒の殺菌性については幾年も前から知られていますが,これは,「ぶどう及びぶどう酒が,人間を冒すウイルスに及ぼす影響に関する最初の研究」である,とサイエンス・ニュース誌は述べています。試験管内で,とりわけ赤ぶどう酒は,「単純疱疹ウイルス,ポリオウイルス,及びレオウイルス(髄膜炎,軽度の熱病,下痢の病原菌とみられる)に対して効果」が幾分あった,とその微生物学者たちは述べています。
こうした研究結果は,医薬また刺激性の少ない消毒薬としてのぶどう酒の価値について語る聖書の記述をさらに裏付けるものです。使徒パウロはテモテに対して,「胃のため,またたびたびかかる病気のために,少しばかりぶどう酒を用いなさい」と勧めました。また,イエスの例え話の中で,サマリア人は古代の“強盗”の犠牲者のために,「その傷に油とぶどう酒を注いで」包帯をしてやりました。―テモテ第一 5:23。ルカ 10:34。
もとよりパウロは,『少しばかりのぶどう酒』をテモテに勧めており,また責任のある立場にいる神のしもべたちは『大酒にふける』べきではないと語りました。しかし控え目に用いられるぶどう酒は,神の是認の下に,「人間の心を歓ばす」ことができます。―テモテ第一 3:8。詩 104:15,新。
サッカリンとたばこ
● 最近米国政府が甘味料としてのサッカリンの使用を禁止したことに対して,激しい批判が起きています。国民がこの特定の措置に賛成するしないは別として,政府が国民の健康を気遣うのは,もちろん賞賛に値します。しかし,サッカリンよりはるかに致命的であることが証明済みのたばこに同様の反対が唱えられないなら,サッカリンに関するこうした気遣いはどれほど誠実なものだろうか,と多くの人は疑問を抱いています。
英国医学ジャーナル誌に最近報告された,3万4,000人の英国人医師による20年間の研究によると,喫煙者の三分の一ないし二分の一はその習慣のために早死にするとのことです。また,ナチュラル・ヒストリー誌にはこう述べられています。「たばことガンとの関係がこれほど知られているにもかかわらず,喫煙による死亡率はガンによるものよりも,大半の先進国で主な死亡原因となっている冠状動脈系の心臓病によるものの方がはるかに多い。……さらに,喫煙は,血液中のコレステロールの過剰や高血圧など他の主要な危険要因と結び付いて,心臓病の危険を幾倍も増している」。にもかかわらず,たばこは禁止されず,見落としやすい注意書きが箱に記されているに過ぎません。
比較的害の少ないものが激しい怒りの対照となっている一方で,恐ろしい致命的なものがそうした穏やかな扱いを受けているのはなぜでしょうか。ナチュラル・ヒストリー誌には,「たばこの扱い方に見られる政府の偽善」,また「たばこ生産者の政治力の人質となり,利己心[税収入]に誘惑される政府」について述べられていました。
そうした圧力に影響されない神の王国が,人類の永遠の福祉を考慮して支配するとき,わたしたちはどんなにかさわやかさを感じることでしょう。―イザヤ 32:1。