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    目ざめよ! 1981 | 9月22日
    • を取っています。視聴者は番組で宣伝された石けんなどを買ってその番組を間接的に支えるのではなく,寄付で直接その番組を支えなければならないのです。寄付を募り,保ってゆくことは,大抵の電波教会のスターにとってコンピューター化された膨大な作業になっています。電波教会にとってコンピューターはブラウン管と同じほど重要なものとなっています。

      絶えず資金を集めていなければならないため,電波説教者はにわか景気と不景気のサイクルにはまり込みます。“大聖堂”や大学や病院などの大事業を手掛けると,そのあと信者たちに「神の業を終わらせ」なければならないということでさらに多くの寄付を懇願します。ある地元の銀行家は電波教会の一スーパースターについてこう述べています。「ジェリーのような宣教方法には一つだけ難点がある。資金集めをやめられないということだ。やめたら途端にすべてが崩壊してしまう」。

      電波教会のこの側面を知ると,考え深いクリスチャンは山上の垂訓の中のイエスの言葉を思い起こすでしょう。イエスははっきりと言われました。「だれもふたりの主人に奴隷として仕えることはできません。一方を憎んで他方を愛し,あるいは一方に堅くついて他方を見下げるようになるからです。あなたがたは神と富とに奴隷として仕えることはできません」― マタイ 6:24。

      視聴者から絶えず膨大な寄付を得る必要があるならば,電波教会の説教者たちは視聴者の感情をあえて害するようなことをするでしょうか。そのようなことはまずしないでしょう。ですから,電波教会の神学が安易で,自己満足を促すものであっても驚くには当たりません。「自分の宗教に対して自分に何ができるかを考えるのではなく,むしろ自分の宗教が自分にどんなことをしてくれるかを考えよ」とフォーブズ誌は述べています。

      電波教会に好意的な人々の中にさえ,それにほとんど内容のないことを認めている人がいます。福音主義的な神学者カール・F・ヘンリーはこう評しています。「テレビを利用している宗教の多くは,あまりにも体験に重点を置き過ぎ,あまりにも教理が浅薄なので,現代の混乱した宗教と道徳に取って代わることはできない」。言い換えれば,テレビの宗教は人生の諸問題を解決する面で本当の助けにはなり得ないということです。

      むしろ,ハーバード大学の神学教授ハービー・コックスの述べるように,電波教会の説教者は「物質主義的な消費文化の価値基準を存続させ,それを深めているに過ぎません。彼らは商業主義の極みと言えるような道具立てをして手軽な救いを約束し,同時に非常に浅薄な価値基準を受け入れるよう人々に手を貸しています」。

      そのような音信が,命への道は容易でなく困難だというイエスの警告と一致するでしょうか。イエスは,「命に至る門は狭く,その道はせばめられており,それを見いだす者は少ないのです」と言われました。(マタイ 7:14)この言葉は,テレビのチャンネルを合わせるだけでとこしえの命を得られるという意味に取れますか。

      『人もし我に従い来たらんと思わば,己をすて,日々おのが十字架[苦しみの杭,新世界訳]を負いて我に従え』というイエス・キリストの勧めについても考えてみましょう。(ルカ 9:23,文語訳)人は毎日テレビの前に座っているだけで,自分を捨て,自分の“十字架”を負っていることになるでしょうか。イエス・キリストは,苦しみの杭も自己否定も伴わず,ある人の“世界的なテレビ宣教”に毎月寄付を送るだけで簡単に救われると約束する宗教を本当に是認されるでしょうか。

      むしろ,電波教会は使徒パウロがテモテに対して次のように警告したものの20世紀版と言えるようです。「人びとが健全な教えに堪えられなくなり,自分たちの欲望にしたがい,耳をくすぐるような話をしてもらうため,自分たちのために教え手を寄せ集める時期が来るからです。彼らは耳を真理から背け,一方では作り話にそれてゆくでしょう」― テモテ第二 4:3,4。

      人々はどうして電波教会を支持するために幾百万ドルもの寄付を喜んでするのでしょうか。それは自分たちの聞きたいことを聞かされるからです。神は確かにあなたの祈りを聞いてくださると言われているのです。自分を捨て,『十字架を負い』,キリストの業を行なわなくても,小切手を送り続ける限りあなたは“救われ”,神はあなたを愛してくださると言われるのです。

      しかし,電波教会の神学はあいまい模糊としていますが,その政治方針は明確です。次の記事ではその点が取り上げられています。

  • アメリカの政界を揺るがす電波教会
    目ざめよ! 1981 | 9月22日
    • 第3部

      アメリカの政界を揺るがす電波教会

      講演者は興奮して熱弁をふるっていました。1,000人の牧師夫人から成るグループに向かって聖書を振りながら言いました。「わが国の政治上の混乱や経済面の荒廃,道徳面での恥ずべき状態,家族の弱体化などに対する解決策はここにあるのです」。

      その解決策とは何ですか。「わたしたちは心を一つにし,手をつないで,この国を元の姿に戻さなければなりません。……わたしたちは方向転換を求めなければならないのです」と,テキサス州の説教者,ジェームズ・ロビソンは言いました。

      多くの誠実なクリスチャンの心に訴えるような言葉で,ロビソンは堕胎を痛烈に非難しました。「胎児を切り刻んで虐殺することが悪でないとすれば,人間のすることはどんなことでも罪にはならないということになってしまいます」。

      一方,別の地域では同じほど雄弁な話し手が,部屋一杯に集まった僧職者仲間に助言を与えていました。話し手は,「説教壇からどんなことができるでしょうか」と問い掛け,こう答えました。「投票の大切さを人々の心に銘記させることができます。問題点を人々に説明するのです。そして,日曜日の朝,教会の中で候補者を推薦するのもよいでしょう」。電波教会のスーパースターであるジェリー・フォールウェルも,ロビソン同様,政治問題に関して精力的な運動を繰り広げていました。

      多くの人々はこれらの説教者の言うことに耳を傾けます。ジェームズ・ロビソンの週1回のテレビ番組は100局を結んで放送されます。フォールウェルのショーはそれよりもさらに人気があり,毎週,400近くのテレビ局と400のラジオ局を通じて,600万ないし1,800万の人々に語りかけます。

      政治面では保守的なそれら電波教会の説教者たちは,昨年秋の米国における選挙に際して有権者を動かすことに力を注ぎました。選挙の少し前に,そのうちの幾人かはテキサス州ダラス市で開かれた国政報告会で演説しました。その報告会には敬けんな根本主義者約1万5,000人が出席しましたが,その大半は僧職者でした。共和党の大統領候補であったロナルド・レーガンもそのグループに対して演説し,それを称賛して,「アメリカの宗教心は目ざめようとしています。これは我が国にとって正に時宜を得ていると言えるでしょう」と語り,温かい拍手を受けました。

      レーガンは選挙で“保守派の地滑り的勝利”と呼ばれる勝利を収めました。宗教的政治行動団体の“道徳的多数派”は,選挙運動中に約400万人の

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