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  • 結婚は神の始めたもの
    ものみの塔 1956 | 12月1日
    • べきでありません。彼は,自分と妻との間に第三者の入るのを禁ずるべきです。

      20 (イ)エバを創造せられた神は,何を意味しませんでしたか,そしてどんな結果を得ることを目的とされましたか。(ロ)アダムとエバが結婚しても,不均衡な不具の子供が生まれないのは,なぜですか。

      20 アダムには最初,男性と女性の特質,すなわち性質が平衡のとれた状態で結合されていました。神がその男性と女性の性質を取つて,それぞれを両性に分けた時,神はエデンの楽園の中で両性の戦を始めさせたわけではありません。また,両性のあいだに競争的な共存を始めさせたわけでもありません。男のアダムから女性の特質が取られて,それが彼の妻に体現されても,アダムは完全でありました。アダムは神の像と状であつたのです。女性の特質により支配されていたエバは,同じく完全でしたが,しかし,彼女はアダムとひとつの肉でした。ひとつの肉は,自分自身を害しません。ひとつの肉は,自分自身と戦いません。肉の生きている細胞は,大いなる組織者ヱホバ神の律法によると,いろいろな器官や組織で結合し,接合します。同じことは,両性についても言えます。なぜなら,それは実際にはひとつの肉だからです。両性は互に補い合い,他方の必要と感ずるものをお互に補給し合います。神は両性についてそう組織しました。それで,両性は互に協力して天的な御父の完全な意志を行つたとき,最大の幸福と満足を見出したのです。アダムの骨と肉からつくられた女がアダムと結婚しても,どこか均衡が整わず,そして異常な特質や不具を示す奇妙な子共たちが産まれるわけではありません。男も女も,両人は完全でした。完全と完全が結合すれば,完全が生じます。アダムとエバの完全な子が,同じ両親の完全な娘と結婚すれば,完全な子供が産まれます。

      21 どんな面で女は補助者なる助者(たすけ)になりましたか。なぜアダムは,釣合のとれたように見えましたか。

      21 アダムを分けて,男性と女性の両性をつくられたのは,神の御意であつて,神は,アダムのために妻をつくられた時に,そのことを述べました。神は,次のように言われています,『我彼に適う助者を彼のために造らん。』神はアダムに支配者なる頭を与える,とは言わなかつたのです。アダムは,すでに頭を持つていました。彼の創造者なる神は彼の頭であつて,他の頭を必要としませんでした。補助者は頭ではありません。神の創造の記録を記した言語,ヘブル語の中では,『補助者』という言葉は,人の前にあるもの,前に立つているごとく人の視界内にあるものという意味です。それは,反対するものではなく,対をなすもの,適合するもの,具合良く適宜に行われるもの,そして良い釣合となるものです。女だけが,アダムに満足を与える配偶者となり,アダムの補助者になることができたのであつて,下等動物の雌は,とうていなることができません。(レビ 18:23)特に,女には彼の子たちを産む器官が備えられていたのです。女は彼の子たちの体を備える卵子をつくります。しかし,夫婦の頭である男が生命の精を伝えて,始めて卵子の中に生命が始まるのです。最初に男が人間の生命を持ちました。彼の妻は,男の肋骨からつくられることにより,その生命を受けました。その故に,男が自分の子たちに生命を伝え続けることは適当です。男には男の機能があり,そして女には女の機能があります。女は夫に従つて夫に依存します。それで,神の御意によると,女は夫の『助者』にならねばなりません。助者は支配者でも,独裁者でも,または命令者でもないのです。助者は命令を聞いて,その援助を受ける人といつしよに働きます。エバは必要な援助をアダムに提供し,子供を多く産んで完全な人間家族で全地に充ちよ,という両人に対する神の命令をなしとげることができます。エデンにいた堂々たる雄獅子と牝獅子の側に立つても,また番になつているどんな動物の側に立つても,アダムはもはや不均一とか,不備であるように見えませんでした。なぜなら,彼の完全な配偶者,彼の補助者,助者である妻が彼の側に立つていたからです。すべてのものは,釣合が取れていました。その光景は美しく,創造者の目から見て良いものでした。

      22 (イ)何時アダムは,自分の妻と最初の関係を持ちましたか。このことは,最初の結婚が何時完了したかについて,何を示していますか。(ロ)完全な状態にいた2人は,互にどんな態度をとりましたか。

      22 ヱホバ神がこの完全な女を,エデンの中で目を覚ました男のところに連れて行き,そして両人に祝福を述べて共同の義務を示されたとき,ふたりの結婚は完了しました。その結婚を完了するために,2人のあいだの最初の性交は必要でなかつたのです。もし結婚を真実に正しく,絶対的なものにする為に,性交は第一に必要なものである,というならば,アダムとエバはエデンの中で結婚しなかつたことになります。時経て2人がエデンの外に追出されて後になつて,始めて『アダムはその妻エバと交接し,エバはみごもつて,カインを生んだ。』と記されているのです。(創世 4:1,新世)性交の目的は,子供たちを産むことである,とアダムとエバは知つていました。それで,完全な2人は,完全な自制力を有しており,自分たちが裸でいてもすこしの羞恥心をも感ぜず,また一糸も身につけていないお互の体を見てもなんの欲情も起らず,エデンにいるあいだは性交をつつしんで子供をはらまなかつたのです。しかし,彼らは正しく結婚していたのであつて,愛と信頼の気持の中にたがいに結ばれていたのです。結婚設立者である神,ヱホバは,2人を結び合わせられました。2人を分け離し得る被造物はひとつもありません。

  • 不完全な状態下の結婚
    ものみの塔 1956 | 12月1日
    • 不完全な状態下の結婚

      1 結婚は人間に何をもたらし,また何を達成すると,神は思われましたか。

      不完全の故に,結婚は多くの圧迫と負担をうけるようになりました。不完全は罪に起因します。罪とは,ヱホバ神の完全な律法に対する不義,不従順です。エデンにおけるアダムとエバの結婚は,完全なものでした。なぜなら,すべての行は完全で,すべての道は公正であるヱホバ神によつて,その結婚が遂行されたからです。(申命 32:4)アダムから1本の肋骨が取られ,そしてそれと共に,最初アダムにあつた女性の特質が取られても,アダムは不幸に感じませんでした。神はそれらのものを,アダムの妻となる完全な女という形でアダムに戻しました。これによりアダムは以前には知らなかつた幸福を感じたのです。エデンにおいて,アダムの結婚した日は最も幸福な日でありました。エデンで始まつた結婚は,常に仕合わせなものであり,そして完全な子供を沢山産むという,言葉では言つくせない幸福に導くはずでした。2人を結び合わせられた神御自身も,このことに幸いを感ぜられるでしよう。なぜなら,こうすることによつて,地を創造した目的,すなわち地を『人の住所』にする目的は成就されるからです。―創世 1:26-28。イザヤ 45:18。

      2 (イ)何が最初の人間夫婦の全き幸福を中断しましたか。(ロ)アダムはどのように自分の妻を教えましたか。彼は,何をすることによつて神と彼女への愛を示しますか。

      2 それでは,何が人間の結婚の完全な幸福を中断し,人間の結婚を不完全な状態にもたらしましたか。先づ最初に,神の設立し給うた夫婦間の正しい関係を認めることに失敗したことと,そしてその関係を守ることを拒絶したことです。アダムとエバは,丁度頭と体がたがいに属するように,互に属しました。『なぜなら,アダムがさきに造られ,それからエバが造られたからである。』(テモテ前 2:13,新世)アダムはエバを教えました。アダムは,自分の良く知つていたエデンの楽園の中にエバを周遊させました。また,動物に与えた名前をエバに告げたのです。しかし,一番大切なことは,アダムは,ヱホバ神の特別ないましめをエバに告げました。これによつて,完全な人類の母親として,エバはこのよろこびの楽園でどのように永遠に生き得るか,ということをアダムから告げられたのです。このいましめは,特別なものであつて,生物全部の食物について2人に与えられた神の指示に先だつものでした。(創世 1:28-30)アダムがまだ一人だけであつたときに,神の特別ないましめはアダムに与えられました,『園のすべての木の実は汝こころのままに食うことを得。されど善悪を知るの樹は汝その実を食うべからず,汝これを食う日には必らず死べければなり。』(創世 2:16,17)このいましめは,エバにも適用しました。彼女は彼の一部であつて,彼とひとつの肉だつたからです。アダムはエバにこの神の命令を救えましたが,また彼女の頭としてこの生命を守る律法を施行することはアダムの責任でした。もしアダムがエバを愛するなら,この律法を施行するでしよう。なぜなら,そうすることはまた自分自身を愛することになるからです。エバはアダムの骨と肉の一部でした。アダムが自分の骨と肉を憎むようなことはあり得ません。この律法を施行することにより,アダムは貴重な生命の授与者,ヱホバ神を特別に愛することになります。アダムもエバも,自分自身やお互を愛する以上にヱホバ神を愛すべきでした。

      3 (イ)法律違反者がエバのところに現われるまでのエバの行は何でしたか。(ロ)サタンはどんな目的を達成する為に何をしましたか。

      3 しばらくのあいだ,エバは自分の夫の頭の地位に服従しました。彼女は,神の律法を破ることに対する刑罰を疑問に思わなかつたのです。また,この律法を破ることについて述べた神の言葉に,自分の夫が欺かれていた,などとも考えなかつたのです。そして,何が善であり,何が悪であるかについて,自分で決定し自分で規則を設けねばならぬ,とも考えなかつたのです。彼女はアダムの真実の助者であり,アダムの生活にぴつたり適合し,かくして安全と幸福を見出しました。ところが,彼女が一人だけでいるとき,法律違反者である結婚妨害者がエバのところに来ました。エデンの園にいた一匹の蛇を用いて,その者は彼女に問うたのです。エバは,夫から聞いたことをその者に語りました。すると,その蛇,すなわち蛇によつて語つた見えざる者は,つまらぬことを話したり,嘘をくり返すというような噂話をしなかつたのです。その者は,イエス・キリストの言われた通りのことをなし,あからさまな嘘を述べて,自らあらゆる嘘の父になりました。(ヨハネ 8:44。コリント後 11:3)その者は,アダムがエバに告げたこと,そして神が最初にアダムに告げたことと,全く反する矛盾したことを直ちに語りました。『蛇女に言けるには,汝らかならず死る事あらじ。』それから,その禁ぜられた木についての事実をあたかも知つている振をした彼は,次のように言葉をつづけました,『神汝らがこれを食う日には,なんじらの目開け,汝ら神のごとくになりて,善悪を知るに至るを知りたもうなりと。』(創世 3:1-5)このように神に反対して,神をそしつた蛇なるサタン悪魔の真実の目的は,ヱホバ神とその制度的な妻,すなわちヱホバ神の『女』との結婚関係を破り始めることでした。ヱホバ神の『女』とは,聖なる被造物で成立つているヱホバの宇宙的な制度で,アダムとエバはそのとき,その制度に属していたのです。

      4 (イ)エバはどのように答え応ずべきでしたか。しかし,彼女は誰の言葉以上に誰の言葉を取入れましたか。(ロ)なぜエバの例は結婚における不従順の例でしたか。何が彼女をしてそうせしめましたか。

      4 自分の結婚関係を尊重したエバは,いま次のように答えましたか,「私の夫の語つた言葉と矛盾することが言えるなどとは,いつたいお前にどんな権利があるのか。また,私を夫に与え給うた神の言葉と矛盾することが言えるなどとは,いつたいお前にどんな権利があるのか。私は神の定め給うた私の頭である夫に従います。単なる獣に過ぎないお前に従う,などということは決してしない。」エバはそのようには答えなかつたのです! またエバは自分の夫の言葉以上に,神の言葉と律法に従つた,というのでもありません。エバは,ヱホバの言葉と一致している自分の夫の言葉よりも,先ず蛇の言葉に従つたのです。ひとりの偽りの証者,大いなる蛇に対して,ヱホバ御自身とアダムという2人の証者がいました。自分の人間的な頭を尊重して安全を図るために,エバは最初自分の夫と相談してみて,はたして夫は禁ぜられた木の実を食べて神のいましめに反することを許すか,どうかをたしかめてみる,と言うべきでした。アダムはエバよりも神を良く知つていたからです。エバは自分の夫に頼つて,一緒に神の律法を検討することをせず,むしろ獣の示した新しい見地から禁ぜられた実を見ました。彼女はその実に対する欲望を生ぜしめましたが,その欲望は,彼女を誘惑に導いて行を為さしめ,かくして罪がはらまれたのです。この罪がはらまれたことは,死の刑罰を間ちがいなく生ぜしめました。(ヤコブ 1:14,15)『(女)遂にその実を取て食い』(創世 3:6,新世)彼女は自分の夫に先駈して,頭である夫の叡智よりも自分の叡智を重んじました。彼女は非常な惑しにかかつたのです。いずれにせよ,それは結婚における不従順の例でした。

      5 エバがその実を食べても,どんな直接の結果が生じませんでしたか。反つてどんな結果を生じましたか。

      5 エバは,天的な至上者である神と自分の頭である夫に全く背き,その禁ぜられた実を食べました。直ちに彼女は良心の苛責を感じ,自分が丸裸でいるのを悟つて愕然とし,異性である夫から隠れようと欲した,とは聖書の記録に述べられていません。シンゲン 9章17,18節は,こう述べています,『盗みたる水は甘く,密に食う糧は美味ありと。かしこにある者は死し者,その客は陰府(人類の共通の墓)のふかきところにあることを是らの人は知らざるなり。』それで,エバは全く欺かれてしまい,死の刑罰にも恐れを感ぜず,また性の羞恥をも知らなかつたのです。そして,禁ぜられた木から盗んで,夫にかくれて食べたその実の甘さを賞味しながら,うぬぼれた気持になつてアダムのところに行き,その禁ぜられた実のいくらかを彼にすすめました。さて,アダムは何を為すべきですか。

      6 後に述べられたどんな神権的な律法は,アダムの取るべき行を示していますか。なぜそうですか。

      6 アダムは,エバが蛇によつて欺かれ,罪を犯したことを直ぐに知りました。神の言葉は,次のように述べています,『アダムは惑わされなかつたが,女は惑わされて,あやまちを犯した。』(テモテ前 2:14,新世)エバは自分の頭であるアダムを代表して語つたり行つたりしたのではありません。頭は決定を下すべきであり,アダムは意識的に故意にエバと共に盗んだ実を食べて彼女の罪を是認するか,あるいはエバの行を否認して,家族内の行にならないように直ちに中止させなければなりません。後になつてイスラエルの国民に与えられたヱホバの神権的な律法は,このことと一致していました。その律法は,こう述べています,『女……ヱホバに誓願をかけ,又はその身断物を為ことあらんに……夫に適く身にして自ら誓願をかけ,またはその身に断物せんと軽々しく口より言いだすことあらんに,その夫これを聞くもそのこれを聞る日にこれにむかいてもの言うこと無ば,その誓願を行い,その身に断し断物を守るべし。されど,夫もしこれを聞る日にこれをゆるさざるなればこれがかけし誓願またはこれがその身に断物せんと軽々しく口に出ししところの事を空しうするを得べし。ヱホバはその女をゆるし給うなり。』(民数紀略 30:3,6-8)それで,アダムはエバを叱責して神を真実な方とし,蛇なる悪魔を偽り者にすることができたはずです。そしてエバが神の律法を破つたことに,自分は加担しないということを立証し得たはずです。神はアダムを頭に任じました。彼は神よりの任命を尊重し,頭のごとく振舞つて決定をつくつたエバの行を抑止すべきでありました。

      結婚義務の不履行による悪い結果

      7 アダムがエバの提供した実を拒絶したならば,彼は何を示したことになりますか。その実を受け取ることにより,何を示しましたか。

      7 アダムが自分自身を愛し,また,自分と自分の子孫の生命を愛したなら妻の手によつてすすめられたこの禁断の実をうけとらなかつたことでしよう。アダムは拒絶することにより正しい道をエバに示し得たはずです。なぜなら,エバはアダム自身の肉だつたからです。彼が自分自身や妻を愛する以上に神を愛したならば,アダムは妻のすすめを断つて,神のいましめを守つたでしよう。神と分れるよりは,自分の妻と分れる方を望んだでしよう。アダムは,真実の夫の責任を果し,神より任命された自分の頭の地位を尊重して,自分と家族のために正しい決定をつくつたことでしよう。そして,力のあることを示して,自分の責任を遂行し,神に対する忠実を守つたことでしよう。しかし,アダムは神のことを考えなかつたのです。彼は実をさし出している自分の妻を見ました。いまや,彼女に対する欲望を感じました。アダムは,エバを産めよ殖えよ,と言われた神の命令を成就するための自分の援助者または補助者と見なさず,むしろ自分の肉の思を満足させる手段に見なしたのです。アダムはその欲望に誘われました。彼は神のいましめに従うよろこびに思と注意を払うよりも,その欲望に多くの思と注意をかたむけたため,心が弱まりました。彼は夫としての自分の頭の地位を否認して棄てました。彼は神の声に耳を傾けず,自分の妻の声に耳を傾けたのです。彼は禁断の実を受け取つて,食べました。

      8,9 アダムが自分の神よりも妻を好んだ結果は何でしたか。彼らはどのように神に答えましたか。

      8 彼は,たしかに悪しき事柄において妻にかたくつきましたが,自分の父である神とは分れました。アダムは惑わされたのでなく,故意に蛇である悪魔サタンに加わつて神に反逆したのです。聖書は,必然的に生じた精神的な葛藤や感情のことを述べていませんが,簡潔にこう記しています,『(女)これを己とともなる夫に与えければ,彼食えり。』このようにして,両人は罪を犯しました。しかし,アダムの罪はエバの罪よりも重いものでした。彼には多くの責任が課せられていたからです。両人は,もはや清い自然の仕方でお互を見ることができなくなりました。『ここにおいて,彼らの目ともに開けて彼らその裸なるを知り,すなわち無花果樹の葉をつづりて裳をつくれり。』― 創世 3:6,7。

      9 無花果樹の葉をつづつたもの,ということからも示されるように,アダムとその妻とのあいだには障壁がつくられたのです。妻の前に立つて自分は潔白であるとは感じなかつたアダムは,神の御前に立つても潔白であるとは感じませんでした。アダムは,神と話をすることにもはやよろこびを感じなくなりました。アダムは,神と話をすることを熱心に待望むどころか,いまでは逃げてかくれてしまいました。それで,見えない状で神の近よるのを聞いたアダムとエバは,木のうしろに身を隠したのです。神は,アダムの妻を呼ばずアダムを呼びました。アダムは,神の前に身を表わせない,と神に告げました。それはなぜですか。アダムは禁ぜられていた実を食べましたか。その木から直接に実を取つて食べたわけではありませんが,妻の手からその実を受け取つて,妻をよろこばす為に食べました。すると,なぜ女は禁ぜられた木から直接実を取つて食べましたか。女は,自分の行の愚かであつたことを認めました。こう語つています,『蛇われを誘惑して,我食えり。』(創世 3:8-13)その結果がこのようになる,とはエバはすこしも考えなかつたのです。

      10 (イ)サタンは,どんな結婚を破ることができませんか,そしてなぜですか。(ロ)神は,サタンとその裔に対して何を定めましたか。

      10 それで,神は大いなる蛇,悪魔サタンに注意を向けられました。この悪魔サタンは,アダムとエバの結婚を極めて難しいものにしたのです。しかし,蛇なる悪魔サタンが,ヱホバの『女』― つまりヱホバの独り子の支配下にあつたヱホバの天的な宇宙的な制度,― とヱホバ神の結婚を破れる,などと一瞬でも思うなら,それは全くの間ちがいです。大いなる夫ヱホバ神は,サタン悪魔を詛い,サタンは塵だけを食べて生きて行くような卑しい存在をしなければならぬ,と言われました。そして,そのときに御自分の『女』のことを述べられたのです。ヱホバの定めにより,ヱホバの女はエバの取つた行とは違う行をします。ヱホバは次の言葉を言われました,『我なんじと女のあいだ,および汝の裔と汝の裔のあいだに怨恨をむかん。彼はなんじの頭をくだき,なんじは彼の踵をくだかん。』(創世 3:14,15)ヱホバの天的な制度的な妻は,ヱホバを愛して,ヱホバにかたくつき従うでしよう。しかし,欺瞞者なる蛇,すなわちサタン悪魔を憎みます。彼女の子孫である子供たちは,惑しを行う蛇の子孫,すなわち裔に反抗するでしよう。彼女の子孫が大いなる蛇にくわえる傷は,蛇が彼女の子孫にくわえる一時的な跛行という傷よりも,はるかに悪いものです。その傷は,一番の急所になされるのであつて,サタンの頭は打砕かれ,サタンの裔はみな亡ぼされてしまいます。神の制度的な妻である『女』は,その夫なるヱホバの御名を負う実を永遠にわたつて結びます。

      11 それ以後の人間の結婚に対して,神は何を予言しましたか。女の地位は,なぜ特に難しくなりますか。

      11 このとき以後の,人間の結婚には難しい問題がくわわり,夫婦は『その身に苦難』をうけるであろう,とヱホバは予言しました。結婚における女の立場は,特に難しくなりました。ヱホバがそれについてエデンで語つたことは,6000年の経験から照らして真実である,と証明されています。『女に言たまいけるは,我大になんじの懐妊のくるしみを増すべし。なんじは苦みて子を産ん。また汝は夫をしたい,彼はなんじを治めん。』(創世 3:16)夫が妻を治めたいという欲望を感じて,また,妻がよろこんでそれに服従したいというときだけに夫が妻を治めるものではありません。妻が懐妊のくるしみを増して,苦しんで子を産むのと同じように,夫は,たしかに妻を治めるのです。このすべてのことにもかかわらず,女は夫を持ちたいと切望します。夫を持たないことは,気まずいことであり,恥ずかしいことである,と女は考えます。もし子供を産まないなら,女性の目的が失敗して駄目になり,自分自身と自分の夫に失望をもたらす,と考えます。夫を所有者,支配者にしてまでも女は結婚と子供を切望します。

      12 自分の妻をよろこばせよう,と努めたために,アダムにはどんな結果が生じましたか。

      12 神は『なんじその妻の言葉を聴きて,』と語ることにより,アダムに死の宣告を述べられました。それは,任命された夫婦の頭にとつてなんと面目のないことだつたのでしよう。たしかに,すべてのことは,これに起因したのです。彼は,善悪を知るの木の実を食べてはいけない,と命じた創造主の言葉に聴き従わず,つくられたものの言葉に聴き従いました。夫であるアダムは,自分の妻を失いたいとは思わず,妻をよろこばせようと努めた結果,反つて妻を悲しませる事柄をしてしまつたのです。アダムは,妻から立派に思われ,尊敬されるものと確信していました。彼に智恵の欠如していたことは,その結果に表われました。彼は妻の故に楽園の住居を失い,または神の御旨にかなつた子としての立場を失いました。故に,惑わされた女である妻のために神に取なしを願うこともできず,妻に対する情状酌量をお願いすることもできなくなつたのです。今後の惑や,サタン悪魔の目論む悪い支配に対して,アダムは十分な保護を妻に与えることができなくなりました。もしエバが先に死なないなら,アダムは死んでエバを,夫がいない未亡人にするでしよう。神より否認された状態で死ぬために,エバはアダムといつしよにエデンの園から追払われました。―創世 3:17-24。

      13,14 エデンの外における彼らの生活はなぜ幸福なものでありませんか。このことに対する原因は何でしたか。

      13 神の言葉は,エデンの楽園外におけるアダムとエバの結婚生活について殆ど述べていません。それが幸福な生活でなかつたことはたしかです。お互に見つめ合いこの悲しい結果をもたらした各自の行を想い起したとき,両人のどちらも幸福に感じなかつたのです。アダムは,完全な自制力を失いました。エデンの園から追出されてから初めてアダムは妻と性関係を持つたのです。長男を産む際の妻の出産の苦痛を見て,アダムは決して幸福に感じませんでした。この子,カインは殺人者になり,自分の兄弟を殺しました。カインは,ヱホバの最初の証者,忠実な人間アベルを暗殺したのです。カインは,アベルが証を立てた神の呪をうけるようになりました。カインは,神御自身によつて処刑され,亡ぼされるしるしをうけたのです。カインは,自分の姉妹の中の一人と結婚していましたが,さすらいの地における結婚生活は,幸福なものでありませんでした。―創世 4:1-17。ヨハネ第一書 3:12。ヘブル 11:2,4; 12:1。

      14 アダムとエバは長生きして,自分たちの不完全な結婚生活によつて生じた多くの悪い結果を目撃しました。子孫たちの結婚生活の中で,ひとつとして完全に幸福なものはなかつたのです。このすべてのことに対する責任は何でしたか。先ず第一に,最初の男と女が一致した愛を神に捧げず,またお互同志を愛する以上に神を愛さなかつたことによるのです。神にたいする愛が不足していたことと,またその結果のために,両人とも結婚の取極内における夫と妻という神の定め給う立場を尊重することに失敗し,かつその立場の責任と義務に沿う生活をし得なかつたのです。頭であつたアダムは,すべてのことに対して一番重い責任を持ちます。彼らの害われた結婚の結果に生まれた私たちには,罪や死が伝えられました。裁き主なる神の言葉は,このすべてのことの主要な責任者はアダムである,と指摘しています,『ひとりの人によつて,罪がこの世にはいり,また罪によつて死がはいつてきたように,こうして,すべての人が罪を犯したので,死が全人類にはいり込んだのである。アダムから……死の支配を免れなかつた。』(ロマ 5:12-14,新口)最初に神の設立し給うた結婚の取極を不適当に取扱つたため,害がひき起されました。その害の影響は極めて大きく,災をもたらすものです。

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