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結婚は神の始めたものものみの塔 1956 | 12月1日
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べきでありません。彼は,自分と妻との間に第三者の入るのを禁ずるべきです。
20 (イ)エバを創造せられた神は,何を意味しませんでしたか,そしてどんな結果を得ることを目的とされましたか。(ロ)アダムとエバが結婚しても,不均衡な不具の子供が生まれないのは,なぜですか。
20 アダムには最初,男性と女性の特質,すなわち性質が平衡のとれた状態で結合されていました。神がその男性と女性の性質を取つて,それぞれを両性に分けた時,神はエデンの楽園の中で両性の戦を始めさせたわけではありません。また,両性のあいだに競争的な共存を始めさせたわけでもありません。男のアダムから女性の特質が取られて,それが彼の妻に体現されても,アダムは完全でありました。アダムは神の像と状であつたのです。女性の特質により支配されていたエバは,同じく完全でしたが,しかし,彼女はアダムとひとつの肉でした。ひとつの肉は,自分自身を害しません。ひとつの肉は,自分自身と戦いません。肉の生きている細胞は,大いなる組織者ヱホバ神の律法によると,いろいろな器官や組織で結合し,接合します。同じことは,両性についても言えます。なぜなら,それは実際にはひとつの肉だからです。両性は互に補い合い,他方の必要と感ずるものをお互に補給し合います。神は両性についてそう組織しました。それで,両性は互に協力して天的な御父の完全な意志を行つたとき,最大の幸福と満足を見出したのです。アダムの骨と肉からつくられた女がアダムと結婚しても,どこか均衡が整わず,そして異常な特質や不具を示す奇妙な子共たちが産まれるわけではありません。男も女も,両人は完全でした。完全と完全が結合すれば,完全が生じます。アダムとエバの完全な子が,同じ両親の完全な娘と結婚すれば,完全な子供が産まれます。
21 どんな面で女は補助者なる助者(たすけ)になりましたか。なぜアダムは,釣合のとれたように見えましたか。
21 アダムを分けて,男性と女性の両性をつくられたのは,神の御意であつて,神は,アダムのために妻をつくられた時に,そのことを述べました。神は,次のように言われています,『我彼に適う助者を彼のために造らん。』神はアダムに支配者なる頭を与える,とは言わなかつたのです。アダムは,すでに頭を持つていました。彼の創造者なる神は彼の頭であつて,他の頭を必要としませんでした。補助者は頭ではありません。神の創造の記録を記した言語,ヘブル語の中では,『補助者』という言葉は,人の前にあるもの,前に立つているごとく人の視界内にあるものという意味です。それは,反対するものではなく,対をなすもの,適合するもの,具合良く適宜に行われるもの,そして良い釣合となるものです。女だけが,アダムに満足を与える配偶者となり,アダムの補助者になることができたのであつて,下等動物の雌は,とうていなることができません。(レビ 18:23)特に,女には彼の子たちを産む器官が備えられていたのです。女は彼の子たちの体を備える卵子をつくります。しかし,夫婦の頭である男が生命の精を伝えて,始めて卵子の中に生命が始まるのです。最初に男が人間の生命を持ちました。彼の妻は,男の肋骨からつくられることにより,その生命を受けました。その故に,男が自分の子たちに生命を伝え続けることは適当です。男には男の機能があり,そして女には女の機能があります。女は夫に従つて夫に依存します。それで,神の御意によると,女は夫の『助者』にならねばなりません。助者は支配者でも,独裁者でも,または命令者でもないのです。助者は命令を聞いて,その援助を受ける人といつしよに働きます。エバは必要な援助をアダムに提供し,子供を多く産んで完全な人間家族で全地に充ちよ,という両人に対する神の命令をなしとげることができます。エデンにいた堂々たる雄獅子と牝獅子の側に立つても,また番になつているどんな動物の側に立つても,アダムはもはや不均一とか,不備であるように見えませんでした。なぜなら,彼の完全な配偶者,彼の補助者,助者である妻が彼の側に立つていたからです。すべてのものは,釣合が取れていました。その光景は美しく,創造者の目から見て良いものでした。
22 (イ)何時アダムは,自分の妻と最初の関係を持ちましたか。このことは,最初の結婚が何時完了したかについて,何を示していますか。(ロ)完全な状態にいた2人は,互にどんな態度をとりましたか。
22 ヱホバ神がこの完全な女を,エデンの中で目を覚ました男のところに連れて行き,そして両人に祝福を述べて共同の義務を示されたとき,ふたりの結婚は完了しました。その結婚を完了するために,2人のあいだの最初の性交は必要でなかつたのです。もし結婚を真実に正しく,絶対的なものにする為に,性交は第一に必要なものである,というならば,アダムとエバはエデンの中で結婚しなかつたことになります。時経て2人がエデンの外に追出されて後になつて,始めて『アダムはその妻エバと交接し,エバはみごもつて,カインを生んだ。』と記されているのです。(創世 4:1,新世)性交の目的は,子供たちを産むことである,とアダムとエバは知つていました。それで,完全な2人は,完全な自制力を有しており,自分たちが裸でいてもすこしの羞恥心をも感ぜず,また一糸も身につけていないお互の体を見てもなんの欲情も起らず,エデンにいるあいだは性交をつつしんで子供をはらまなかつたのです。しかし,彼らは正しく結婚していたのであつて,愛と信頼の気持の中にたがいに結ばれていたのです。結婚設立者である神,ヱホバは,2人を結び合わせられました。2人を分け離し得る被造物はひとつもありません。
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不完全な状態下の結婚ものみの塔 1956 | 12月1日
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不完全な状態下の結婚
1 結婚は人間に何をもたらし,また何を達成すると,神は思われましたか。
不完全の故に,結婚は多くの圧迫と負担をうけるようになりました。不完全は罪に起因します。罪とは,ヱホバ神の完全な律法に対する不義,不従順です。エデンにおけるアダムとエバの結婚は,完全なものでした。なぜなら,すべての行は完全で,すべての道は公正であるヱホバ神によつて,その結婚が遂行されたからです。(申命 32:4)アダムから1本の肋骨が取られ,そしてそれと共に,最初アダムにあつた女性の特質が取られても,アダムは不幸に感じませんでした。神はそれらのものを,アダムの妻となる完全な女という形でアダムに戻しました。これによりアダムは以前には知らなかつた幸福を感じたのです。エデンにおいて,アダムの結婚した日は最も幸福な日でありました。エデンで始まつた結婚は,常に仕合わせなものであり,そして完全な子供を沢山産むという,言葉では言つくせない幸福に導くはずでした。2人を結び合わせられた神御自身も,このことに幸いを感ぜられるでしよう。なぜなら,こうすることによつて,地を創造した目的,すなわち地を『人の住所』にする目的は成就されるからです。―創世 1:26-28。イザヤ 45:18。
2 (イ)何が最初の人間夫婦の全き幸福を中断しましたか。(ロ)アダムはどのように自分の妻を教えましたか。彼は,何をすることによつて神と彼女への愛を示しますか。
2 それでは,何が人間の結婚の完全な幸福を中断し,人間の結婚を不完全な状態にもたらしましたか。先づ最初に,神の設立し給うた夫婦間の正しい関係を認めることに失敗したことと,そしてその関係を守ることを拒絶したことです。アダムとエバは,丁度頭と体がたがいに属するように,互に属しました。『なぜなら,アダムがさきに造られ,それからエバが造られたからである。』(テモテ前 2:13,新世)アダムはエバを教えました。アダムは,自分の良く知つていたエデンの楽園の中にエバを周遊させました。また,動物に与えた名前をエバに告げたのです。しかし,一番大切なことは,アダムは,ヱホバ神の特別ないましめをエバに告げました。これによつて,完全な人類の母親として,エバはこのよろこびの楽園でどのように永遠に生き得るか,ということをアダムから告げられたのです。このいましめは,特別なものであつて,生物全部の食物について2人に与えられた神の指示に先だつものでした。(創世 1:28-30)アダムがまだ一人だけであつたときに,神の特別ないましめはアダムに与えられました,『園のすべての木の実は汝こころのままに食うことを得。されど善悪を知るの樹は汝その実を食うべからず,汝これを食う日には必らず死べければなり。』(創世 2:16,17)このいましめは,エバにも適用しました。彼女は彼の一部であつて,彼とひとつの肉だつたからです。アダムはエバにこの神の命令を救えましたが,また彼女の頭としてこの生命を守る律法を施行することはアダムの責任でした。もしアダムがエバを愛するなら,この律法を施行するでしよう。なぜなら,そうすることはまた自分自身を愛することになるからです。エバはアダムの骨と肉の一部でした。アダムが自分の骨と肉を憎むようなことはあり得ません。この律法を施行することにより,アダムは貴重な生命の授与者,ヱホバ神を特別に愛することになります。アダムもエバも,自分自身やお互を愛する以上にヱホバ神を愛すべきでした。
3 (イ)法律違反者がエバのところに現われるまでのエバの行は何でしたか。(ロ)サタンはどんな目的を達成する為に何をしましたか。
3 しばらくのあいだ,エバは自分の夫の頭の地位に服従しました。彼女は,神の律法を破ることに対する刑罰を疑問に思わなかつたのです。また,この律法を破ることについて述べた神の言葉に,自分の夫が欺かれていた,などとも考えなかつたのです。そして,何が善であり,何が悪であるかについて,自分で決定し自分で規則を設けねばならぬ,とも考えなかつたのです。彼女はアダムの真実の助者であり,アダムの生活にぴつたり適合し,かくして安全と幸福を見出しました。ところが,彼女が一人だけでいるとき,法律違反者である結婚妨害者がエバのところに来ました。エデンの園にいた一匹の蛇を用いて,その者は彼女に問うたのです。エバは,夫から聞いたことをその者に語りました。すると,その蛇,すなわち蛇によつて語つた見えざる者は,つまらぬことを話したり,嘘をくり返すというような噂話をしなかつたのです。その者は,イエス・キリストの言われた通りのことをなし,あからさまな嘘を述べて,自らあらゆる嘘の父になりました。(ヨハネ 8:44。コリント後 11:3)その者は,アダムがエバに告げ
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