ものみの塔 オンライン・ライブラリー
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  • 第1部 ― ドイツ
    1975 エホバの証人の年鑑
    • は,それら官憲が ― 少なくともそのゲシュタポは ― 何も見つけたくはなかったような印象を受けました。また,その突撃隊員は家宅捜査が十分徹底的に行なわれたとは思えなかったので,その捜査を続けたかったようでした。ところが,ゲシュタポはその突撃隊員を叱りつけて,それ以上捜査することを差し止めたのです。そして彼は家を去った後,すぐさま独りで戻って来て,ポディク姉妹にこうささやきました。「ポディクさん,私の言うことを聞きなさい。当局はお子さんたちを連れ去ろうとしています。それはお子さんたちがヒトラー青年隊に入っていないためです。見せかけのためだけでもよいから,お子さんを送り出しなさい」。「こうしてその二人が去った後,私たちはオランダから届いた郵便物を静かに読むことができ,読んで知った多くの新しい事柄や郵便物の中にまたもや入っていた『ものみの塔』誌に対してエホバに感謝しました」と,ポディク兄弟は書いています。

      裏をかかれる官憲

      もち論,ゲシュタポの官憲が捜査を行なっている際に突然盲目状態にされたり,兄弟たちの電光石火の早わざでしばしば裏をかかれたりした例が数多くありますが,それはエホバの保護やみ使いの助けがあったことをはっきりと示しています。

      マルクトレドゥィツ出身のコルネリウス姉妹は次のような経験を述べています。「ある日,もう一人の警官が家を調べるために現われました。私たちは謄写版刷りの『ものみの塔』誌を含め,数冊の印刷物を持っていました。とっさに私は,たまたまテーブルの上にあった,からのコーヒー・ポットにそれらの印刷物を全部突っ込みました。それ以外に隠す方法はなかったからです。しかし,警官があらゆるものを調べ終えてしまえば,それら印刷物を隠した場所が見破られるのは単に時間の問題に過ぎませんでした。すると,丁度その時に私の肉身の妹が何の前触れもなくアパートに入って来ました。私は何ら前置きの言葉も言わずに妹にこう言いました。『ここにあるあなたのコーヒーを持って行ってね』。妹は最初ちょっとけげんそうな顔をしましたが,しかし私の言った言葉の意味を理解し,すぐにそのコーヒー・ポットを取って出て行きました。こうして,それらの文書は難を免れましたが,官憲たちは裏をかかれたことに気づきませんでした」。

      コルネリウス兄弟姉妹は5歳になる息子のジーグフリードに関するおもしろい話を述べました。その息子は当時まだ学齢期前だったので,「ドイツ式敬礼」その他同様の問題は何もありませんでした。しかし両親は真理に従ってその息子を育てましたし,親は読み終えると必ず文書類を隠していたので,その子はそれらの文書が非常に大切なものであって,ゲシュタポに見つかるようなことがあってはならないということを知っていました。ある日,二人の官憲が庭を通って,両親のいる所にやって来るのを見つけたその息子は,隠されている文書を見つけるために官憲がやって来たことに直ちに気づき,またそれらの文書を官憲に見つけられないようにする方法をすぐ考え出しました。まだ学齢期前でしたが,学校に通っている兄の鞄を取って,その中のものを全部取り出してからにし,文書類を全部詰め込んで,その鞄を背負って道路に出て行き,官憲が何も捜し出せずに帰って行くまで外で待ちました。その後,家に戻って来て,それらの文書を自分が見つけた元の場所に再び隠しました。

  • 第2部 ― ドイツ
    1975 エホバの証人の年鑑
    • 第2部 ― ドイツ

      刑務所で見いだされた「羊」

      兄弟たちは刑務所にいる際,あらゆる種類の人々に接したので,当然のことながら,自分たちの希望についてそうした人々にもできるかぎり話しました。仲間の囚人の一人が真理を受け入れたとき,兄弟たちはどんなに喜んだか知れません! ヴィリ・レーンベカーはそうした経験についてこう述べています。彼は他の何人かの囚人と一緒にある部屋に監禁されましたが,そこでは喫煙が許されていました。

      「私の寝台は上段でしたが,下段に休んでいた囚人があまりたばこを吸うので,私は息を吸うのもやっとでした。他の囚人が皆寝静まった後,私は人類に対する神の目的についてその囚人に聖書から証言することができました。彼は私の話を注意深く聞いてくれました。その青年は政治活動を活発に行ない,不法な雑誌を配布したかどで監禁されていました。私たちは,もしなお生き長らえて再び自由の身となったなら,お互いに訪ね合うことにしようと約束し合いました。ところが,それとは違った仕方で会うことになりました。1948年のこと,私はある巡回大会で彼と再びめぐり会ったのです。彼はすぐに私を見てそれと知り,喜びにあふれながら私にあいさつし,それからその後のいきさつを話してくれました。彼は刑期を終えて釈放された後,徴兵を受けてソ連国境で軍務に従事し,そのとき,かつて私から聞いた事柄すべてを思いめぐらす機会を得ました。……そして最後に彼は私にこう言いました。『今日,私はあなたの兄弟になりました』。そのとき私がどんなに感動させられ,またどんなに嬉しく思ったかを想像していただけるでしょうか」。

      ヘルマン・シュレマーも同様の経験をしました。これも同様に巡回大会でのことでしたが,ある兄弟が近づいて来て彼に尋ねました,「私を覚えておられますか」。シュレマー兄弟は答えました。「お顔は見覚えがありますが,あなたがだれかはわかりません」。すると,その兄弟は,フランクフルト-プロインゲシャイム刑務所で5年間服役していたシュレマー兄弟を扱ったかつての看守であると言って自己紹介をしました。シュレマー兄弟は真理に関する非常に多くの事柄をその看守に話したのです。同兄弟

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