-
性質の全く異なる兄弟分目ざめよ! 1983 | 3月22日
-
-
ロバの優れた記憶力は,その頭のよさの証拠です。初めて通った道でもロバは忘れません。ある飼い主たちはロバが家まで自分たちを引いて行ってくれるので,手綱を手離し,荷車の中で昼寝をします。荷車の中で座って宿題をしている間に,ロバが学校へ連れて行ってくれた時のことを思い起こす人もいます。
ロバの力は品種によって違います。ロバは平均75㌔の荷物を運ぶことができ,2.5㌧の物を引っぱることができると言う権威者もいます。ロバは馬とは違いだ円形をしていますが,それは荷物を運ぶには理想的な形なのです。
重い物を運ぶ能力と足取りの確かさとによって,ロバは山の多い国で重宝がられています。南アフリカの山岳王国レソトでは,ロバは貴重な財産です。この山に住む人々は,道路が余りないため,畑から店に荷物を運ぶ時にはロバに頼っています。このことで思い起こすのは,山の多いエドムの近くに住んでいたと思われる裕福な人,ヨブのことです。ヨブは確かに,自分の持っていた幾千頭もの雌ロバの働きに感謝しました。―ヨブ 42:12。
科学技術の進歩のため,世界の数多くの地域でロバは時代遅れになっています。では,人間の言いなりになる奴隷,耳長さんにはどんな将来がありますか。
人間の愛ある創造者が,ロバだけではなく,ご自分の地上の創造物全体を絶滅から救うために時宜にかなった方法を取られることをわたしたちは確信できます。その方は,この地球が全世界的な楽園に変えられると約束しておられます。野生動物も家畜も,その美しさに貢献し,神から与えられた性質に応じて各々の役割を果たすことができるでしょう。このことは従順な人類に何とすばらしい喜びをもたらすのでしょう。―創世記 1:28。ホセア 2:18。啓示 11:17,18; 21:3-5。
-
-
ロバは御しやすい ― そうとばかりは限らない!目ざめよ! 1983 | 3月22日
-
-
ロバは御しやすい ― そうとばかりは限らない!
ゆっくりと山道を登っていた50頭のロバが,どう猛な牧羊犬に襲われました。ロバは背中に重い荷物を負いながら,恐れた風もなく犬を無視して歩き続けました。様子が変わったのは,1匹の犬が先頭を行くロバの後ろ足にかみつこうとした時です。
ネイチャー・マガジン誌の中でフランク・ヒベンはこう書いています。「犬がロバの足を襲った瞬間,そのロバは重い荷物をものともせず,電光石火の勢いで向きを変え,すんなりとしたひづめで,歯をむいてうなっている犬の顔を蹴り上げた。と同時にロバは洞窟のような口を開け,力の限り叫んだのである。……この時まで,私はロバの鳴き声を一度も聞いたことがなかった」。1頭また1頭と,50頭全部がそれに倣いました。それは驚くべき鬨の声でした。
犬が攻撃を再開するや,後方にいたロバが何頭か走って来て2匹の犬を取り囲みました。怒り狂ったロバの輪に入り込んでしまった「1匹の犬は,逃げ道を見付けたと考え……しっぽを巻いてその方向に走って行った。一番近くにいたロバは頭をすばやく下げた。その歯は犬の背中でがっちりかみ合わされた」。こうして2匹の犬は共に捕らえられ,その輪の外に投げ出されました ― 死体となって。他の犬は逃げました。「3ないし4頭のロバはその鼻の穴を大きくふくらませ,まるで仕事が終わったかのように大声で鳴いた。それから全体が再びいかにも眠たげな重い足どりになり,隊列に戻った。ロバはまた“ただのロバ”になった」。
-