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目ざめよ! 1978
目78 11/8 23–27ページ

エホバの証人の「勝利の信仰」国際大会

大阪大会

大阪の万博記念公園スポーツ広場で,8月2日から6日に行なわれた「勝利の信仰」国際大会は,日本における一番大きなものとなりました。関西地方以南,沖縄県までの代表者たちが集まったため最高出席者は3万1,785名に達したのです。このことは5年前に万博会場お祭り広場で行なわれた「神の勝利」国際大会を思い出させます。日本全体からその時に集まったのは3万1,263名でしたからほとんど同じ規模の大会になりました。しかし今年は他の3か所でも行なわれましたから証人たちの数がいかに増加したかが感慨をもって思われます。

大阪での大会が最初から海外にも通知されていたために,この5年ぶりの国際大会に海外から日本に来た代表者たちはほとんど大阪大会に出席しました。アメリカ合衆国とカナダから約150名,ドイツから44名,スイスから24名,その他南米,ヨーロッパ,東南アジアからの代表者が大会の色どりを一段と“インターナショナル”なものにしました。風土や生活の背景のちがう世界のクリスチャンたちと接することは出席者たちにとり良い経験となりました。会場のあちこちで外国人たちに近づいて会話を楽しんでいる風景は見ていて快いものでした。地元の証人たちの歓迎や握手は海外の訪問者たちを励ますものでした。子供たちからのものをも含めいくつかのおみやげ,扇子とか本のしおりを沢山もらったオランダ出身の出席者は「こんなうれしい経験をしたのは生まれて初めてです」と語っていました。

大会の主題,「勝利の信仰」にふさわしく,この大会に出席するために努力と信仰が見られました。外国ほど遠くないとは言え沖縄からの証人たちは普通以上の努力を払って大阪に来ました。800名以上の証人たちは前もって船をチャーターしていました。ところが台風8号の影響で出発が一日遅れてしまったのです。しかも船が鹿児島近くに来たとき天候はさらに悪化し人々の船酔は極度のものとなりました。船長はこれ以上そのコースを行くことは危険であると判断し沖縄へ引き返すことにしました。なんということでしょう,せっかくここまで来たのに! ここで引き返したら大阪大会には絶対に間に合いません! 沖縄の離島に住む証人はこの船に乗るため7月27日に自分の家を出たのです! 彼らの努力はみなむだに終わるのでしょうか。数人の長老は船長に熱心に話します。是非大阪まで運んで欲しいのです。引き返すなんてとてもできません! そしてついに船長は航海の続行を決心してくれました。なんという喜びだったのでしょう。船長の,「そのかわり安全については保証できない」という言葉もひとりの証人の意気をもくじくものとはなりません。引き続き苦しい旅になることも大会出席への意欲のゆえに耐えられます。すばらしい意気ではありませんか。普通一日半で行けるのですが台風をさけながら遠回りをしたためその航海は64時間にもおよぶものとなりました。しかし,彼らの信仰は報いを得ました。大会の二日目,8月3日の午前のプログラムの開始時に彼らは会場に入り,特別の歓迎の言葉と出席者全員の拍手により暖かく迎えられました。

大会出席者のなかに,エホバの証人の世界的な活動の本部にある統治体の成員である三人がいました。ロイド・バリーは今年二度目の来日でしたが,大会の初日に基調をなす話をしました。ヨハネの第一の手紙 5章4節に基づき,神のみ言葉に対する信仰そしてその故にクリスチャンは神の王国に希望を置き,人間製の代用物を退けねばならないことを述べました。「わたしたちの信仰,これが世を征服する力となったものです」と上記の聖句は述べています。

彼の話の時にも出席者たちの決意と信仰を試みるようなことが起きました。台風8号の影響でしょうか,どしゃぶりの雨が突然に降って来ました。会場のスポーツ広場は露天会場ですから全員がびしょびしょになったのです。雨具の用意のない人々がほとんどでしたが,ひとりも席をたたずに終わりまで話を聞きました。その後同様なことが午後にも,次の日の8月3日にも繰り返し起きましたが証人たちはしんぼう強さを示しました。彼らの顔の表情をみてごらんなさい。がっかりしたり喜びを失っていますか。とんでもありません! そのようなことで彼らの信仰は少しでも弱るものではありません。

この出来事はその様子を見ていた会場の南側の高層住宅の住人に良い影響を与えました。以前いくらかエホバの証人と聖書を学んだことのある主婦は大会の前からその様子を見ていて,その舞い上がる土ほこりの故に少し雨が降ったらよいのにと思っていたそうです。それで大会の最初の日に,拡声器の音量について相談するためそのアパートに来たエホバの証人に彼女は「エホバの祝福が少し多すぎたみたいですね」と言いました。彼女が「エホバ」の名前を口にしたのでその証人は驚きました。そして以前いくらか聖書を学んだことを知りました。彼女はそこからスピーカーを通して話を聞くことができましたが,自分も大会に出席してみるつもりであると言ったのです。それで周りの人々にも心に残るものを与えることができました。

他の統治体の成員の二人,ダニエル・シドリックとレオ・グリーンリースは土曜日と日曜日にそれぞれ話し出席者を励ましました。二人は初めての来日でしたから,日本に25年余滞在したことのあるロイド・バリーとは違いキリスト教の熱心な信仰が東洋の国でどのように根をはっているかを見て感銘を受けました。

海外の出席者たちはそれぞれの自国の奉仕活動について短い報告を述べました。台湾省からの二人の出席者はこのような大きなクリスチャンの集まりに出席したのは初めてであると言いました。そして海外の大会の出席を初めて政府が許可したことを喜んでいました。スイスから出席した一家は大会のプログラムの間に余興としてヨーデルを3曲楽しそうに歌って皆をなぐさめました。数年前まではプロの演奏一家でしたのでその歌声は万博会場スポーツ広場一帯にこだましました。

土曜日の日にはバプテスマが行なわれ,629名の男女が水の浸礼を受けました。

5年ぶりに開かれたこうした国際的な集まりから出席者たちは何を学んだのでしょう。一つの際立った点は全世界にいるそれぞれ異なった人種の人々の持つ美しさです。エホバ神はクリスチャンたちに将来の地上のパラダイスの美しさを見せているのでしょう。全地が公園のような所になることだけでなく,あらゆる人種の人々が一つの家族の兄弟姉妹として結ばれる時の美しさはわたしたちの想像を超えるものです。しかし大阪での国際大会を通してわたしたちはそれをかいま見ることができたのです。

札幌大会

北の果ての北海道や東北地方に住むエホバの証人にとって,国際大会は大きな旅行をしなければならないことを意味しました。大会は大抵,東京,大阪といった都市でしか開かれなかったからです。もちろん,旅行に要する日数や距離,多額の費用のために彼らがたじろぐことはありませんでした。何か月いや一年も前から費用を蓄えて備えたのです。そのために新聞や牛乳配達などのアルバイトをした人も少なくありません。神の霊的な備えに対するこうした信仰は,大会から与えられる大きな喜びや励ましをもって豊かに報われてきました。しかし,「勝利の信仰」国際大会の一つが初めて北海道で開かれることを知って彼らが喜び感謝したことは言うまでもありません。

とはいえ,札幌市の真駒内屋外競技場で開かれるこの大会に出席するため何の努力も要らなかったわけではありません。福島県会津若松市のエホバの証人はこの大会への出席を予定していた最も遠隔の人たちでした。彼らの3分の2は団体列車に21時間ゆられて出席し,残る3分の1は途中仮眠しながら車で40時間の旅行をして来ました。そのほかの地方からも,団体列車,フェリー,飛行機,中にはバイクに20時間も乗って,大勢の出席者が集まりました。

会場の真駒内屋外競技場は冬期オリンピック大会に使用されたところで,夏の間テニス・コートに利用されているスケートリンクを囲んで楕円形の観客席があります。大会の準備が行なわれていた間,北海道は連日摂氏30度を超す暑さに見舞われ,屋根のないスタンドで話を聞かねばならない聴衆のことが思いやられました。しかし,開催日の8月9日が近づくと気候は比較的穏やかなものとなり,暑さの心配は消え去りました。会場側の協力で大切にされていたテニスコートの上に美しい簡素なステージが作られ,出席者たちの胸に着けられたバッジと同じデザインで大会の主題が書かれています。両端に置かれた二本のやしの木が全体を引き立てています。

大会の初日に聴衆はニューヨークにあるエホバの証人の世界本部で奉仕しているバリー夫妻を迎えて喜びに包まれました。「ここにいるのをわたしが喜んでいる理由」と題するプログラムの中でインタビューに答えたメルバ・バリーは,合衆国のワシントンを初めとしてヨーロッパ,日本,韓国で出席してきた8つの大会の印象を語りました。次いで,大会の基調をなす話のために演壇に立ったロイド・バリーは,エホバの証人の統治体や各地の大会出席者からのクリスチャン愛を聴衆に伝え,割れるような拍手が起こりました。この札幌国際大会には海外からの出席者がこのほかにはほとんどありませんでしたが,聴衆はこうして神の民の国際的な交わりが進行中であることを実際に感じることができました。

二日目の話の中でロイド・バリーは,ニューヨークの世界本部にあるギレアデ聖書学校で学んでいる4人の生徒からのあいさつを伝えましたが,とりわけ北海道の出席者にとってそれは大きな励みを与えるものでした。というのは,その中の二人,桐谷和幸および坂井泰文は北海道の会衆で成長した証人だったからです。彼らは今や日本から遣わされる海外への最初の宣教者としてブラジルに行く任命を受けたのです。

この二人ばかりか,東北・北海道地方の若者が自分を役立たせたいという願いに燃えていることは,「ベテル奉仕 ― 信仰の表明」という話に対する反応となって表われました。用意された30枚の申込書は二日もたたないうちになくなってしまったのです。彼らは,ベテルと呼ばれる日本支部の施設で,聖書文書印刷の仕事のために奉仕の生活を喜んで送りたいという願いを言い表わしたのです。

金曜日の午前は,神の言葉を伝えたいとの聴衆の熱烈な願いや信仰が示される時となりました。ユニークなかばんに出版物を携えた出席者たちは札幌市内および近隣の六つの都市で合計90か所に,あるいは50人あるいは90人と群れをなして集まり,まさにいなごのように区域を網羅したのです。この活動を組織した野外奉仕部門の推定によれば出席者の90%近くがこの奉仕に参加しました。何という大規模な証言がなされたのでしょう。

大会のハイライトとなった「あなたの家族生活を幸福にする」および「わたしの聖書物語の本」に対しても,「こういう本が出ることをエホバに祈っていました」,「どの章もみな読みたいと思うものばかりですね」など,数多くの感謝や日本語版に対する期待の言葉が聞かれました。

土曜日にバプテスマによって信仰を表明した205人の人々を含め,出席したすべての人々にとって確かにこの大会は勝利の信仰を励ますものとなりました。日曜日に8,099人の最高数を数えた聴衆すべては,厳しい気候や世の圧迫をものともせず不屈の精神をもってこれからも王国の良いたよりを宣べ伝えることでしょう。

東京大会

東京大井競馬場は8月11日から15日の5日間「勝利の信仰」国際大会の大会会場として用いられ,最高,2万7,970人もの人がここに集まりました。その競馬場はわたしたちの創造者について学ぶための美しい環境でした。広場のようなステージは毎晩分解され翌朝組立てられました。それは毎朝練習する競馬うまが見なれないものをみて興奮しないようにするためです,大会のために初めてこの場所が用いられましたが,大会がよく組織されていることや子供たちが静かに座って話のメモをとっている様子は競馬場の管理者に良い印象を与えました。

この大会に出席するため,多くの人は普通以上の努力を払いました。沖縄から出席した4人の子供を持つある婦人の経験は励みを与えます。この人には夫がないため家族を養うために仕事を持っていますが,大会に参加するため早くより計画して2週間の休暇をとり,船と電車でこの大会に出席しました。この婦人は次のように語っています。「私には高校2年を頭に中学2年それに9才の双子の合計4人の子供がいます。大会に参加するための費用の計画は1年前から実施しました。上の3人は新聞配達をしました。一番下の女の子は,こづかいやバスに乗るお金を倹約したりして費用を蓄えました。長男は9万円,二男は6万円,三男は8,000円,一番下の女の子も7,000円程蓄えることができました。家族が一緒に大会と長い旅を楽しめた事を感謝しています」。

現在研究中のあるご主人もこの大会に全部出席するために努力しました。この方は新聞社に勤務しておられ自分の希望する日に休みを取ることが難しい状態でした。しかし150名のうち先着順で8人は希望する日に休みをとることができます。それでこの方は公休日の一日を使い,朝から夕方まで待ち良い順番を得るよう努力しました。幸い8人のうち7番目に入ることができ3日間は自分の希望する日に休みをとることができました。でも大会は5日間ですがもう1日は会社の公休日です。残る1日は午前中に野外奉仕がなされたのでその間,勤務につき,午後のプログラムから出席できました。この方は以前,真理に反対で妻と2人の子供を迫害したこともありましたが,こうして大会全部に出席でき,自発奉仕にも参加しました。

特別の野外奉仕の取り決めは「勝利の信仰」国際大会のよい思い出となりました。また,良い経験をした奉仕者も少なくありません。例えば,ある証人がこの奉仕をしているところに娘さんとその母親が近づいて来ました。この親子は「エホバの証人」と記されたそろいのカバンを手にして歩いている奉仕者を見,その奉仕者に近づき話しかけてきました。その娘さんはミッションの学校に通っている方で“エホバの証人”についてのレポートを書いて提出する宿題があったのです。それでエホバの証人の行列を見つけて驚いて近づいてきました。さっそく奉仕者から,「二十世紀におけるエホバの証人」の冊子を喜んで求めました。そして再び訪問する約束もすることができました。

この大会での際立った点の一つは外国から出席した証人たちの経験を聞くことでした。長年真理のうちを歩んできた人や迫害下や禁令下で忠実に奉仕してきた人たちの経験は励みを与えるものです。例えばエホバの証人の業が禁止されているアジアのある国から来た一人の婦人は禁令下で小さいグループで集まることについて語りました。注意を引かないようにするために賛美の歌をうたいません。次の集会の集まる場所は前の集会まで発表されません。しかし聖書にある互いに集まり合うようにとの命令に従うことがどれほど信仰を強めることかを知っているそれら証人たちは定期的にこの状況の下で集まり合っています。(ヘブライ 10:24,25)集会はこの日本人の証人の母国語で行なわれてはいませんが,この婦人は集会に定期的に出席しています。彼女は日本の大会に出席してプログラムを母国語で明確に理解できたことをたいへん喜びました。

1975年の年鑑ですでに読んだことでしたが,9年間ドイツの強制収容所に入れられたコンラード・フランケの経験を本人から聞けたのは心を動かすものでした。彼は1924年にバプテスマを受け,1931年にベテル奉仕に入り,以来47年間全時間奉仕を続けてきました。フランケは直接日本語で話すことができませんでしたが,大会に関する彼の観察は次のようなものでした。「ことばで通じなくてもエホバの聖霊がここにあることを感じています」。

ほかの国からも幾人かの代表者がこの大会に出席しました。グアム島,ミクロネシアのポナペ,アメリカ,スペインなど各国からの報告を聞いて出席者たちは外国で奉仕している証人たちに親しみを感じ,世界中のエホバの証人の一致を身をもって知ることができました。

大会はわずか5日間で終わりましたが,出席者の皆は大会を通してうけた励みや大勢との交わりを忘れることはないでしょう。親切に備えられた氷水や,出席者が間違って電車に乗らないように場外のかなり遠方まで案内係が導いて,優しく見送ってくれたことなどいろいろなことが思い出されます。また,プログラムが実際的なものであり,どのような立場にある人でも益を得られるものであったことに多くの人々は感謝しました。確かにすべての出席者は5日間のこの霊的なうたげを十分に満喫することができました。

ハワイ大会

エホバの証人は4,5年に一度の割合で国際大会を開いてきました。先回の国際大会は1973年に開かれたものであり,今年1978年再び全世界で国際大会が開かれました。1973年当時,日本には約1万8,000人程のエホバの証人がおりましたが,今日ではその数が4万5,000人に増加しています。それで日本の多くのエホバの証人にとって今年の国際大会は初めての喜ばしい経験だったのです。

国際大会には諸外国の大勢の信仰の仲間が日本を訪れることに加え,日本の大勢のエホバの証人たちが海外の国際大会に参加し,信仰を共にする仲間と励ましある交わりを持つ機会があります。

今年7月5日-9日までと12日-16日までの二つのハワイの国際大会に日本から1,000人を超える大勢の人々が出席しました。ハワイには日系の人々が多く,日本語を話すエホバの証人は大勢います。現にホノルル市には日本語で聖書を学んだり,集会を開いたりする日本語会衆が存在しているのです。それで日本からハワイの国際大会に出席した大勢のエホバの証人たちにとって,この大会は特に喜ばしいものとなりました。

以前にも国際大会の会場として用いられたブレスデール・センターが今回の国際大会の会場にあてられました。これはホノルル市のほぼ中央部に位置する,約8,000人を収容する大きなホールです。これに付随するいろいろな施設も大会の運営のためエホバの証人たちによって用いられました。この会場はいわば本会場となって,地元ハワイおよび世界の各地から来た大勢の方々のため英語でプログラムが行なわれました。

ブレスデール・センターと隣り合わせに,大変りっぱなホノルル市コンサート・ホールがあります。数々の有名な音楽家やオーケストラがここで演奏を行なってきましたが,これが今回ハワイ国際大会の日本語会場として用いられたところです。美しい庭や並木に囲まれた2,000人を収容できるこの会館は冷房が完備していることに加え,優れた音響設備を備えているので,出席者のすべては大変快適に大会を楽しみました。

5日間にわたる大会のプログラムは英語も日本語も共通のものですから,言葉こそ異なりますが全く同じ霊的な食物が出席者のすべてに供されました。大会の5日間に四つの聖書劇が上演されました。英語の大会では地元のエホバの証人たちが劇を準備し,上演しました。そして日本語の大会では日本から行った参加者たちが劇を演じました。劇に必要な小道具を日本で作って持ってゆくのは大変なことですから,実際的な計画が立てられ,劇のプログラムだけを前後に入れ替えることにより,一つの小道具を両方の会場で使えるように工夫されました。概してハワイの方々は大きいので,ある小道具,例えば劇中の兵士が身につけるよろいなどを日本の参加者が着用した場合よろいがひざまで垂れ下がるといったこっけいな場面もありましたが,演じられた劇の中の優れた教訓が損なわれたことはありません。

英語大会のために出席していたエホバの証人の統治体の成員やブルックリン・ベテルで奉仕している方々が忙しいスケジュールの中から時間をさいて日本語大会に出席しているわたしたちのために話をしてくださったのは,日本語大会出席者にとって本当に大きな励ましを与えるものとなりました。例えばT・ジャラズは献身したエホバの証人たちの働きにつき言及し,目的を持たず,喜びを失って働いている現代の多くの人々とは対照的にエホバの証人が目的と喜びをしっかり保って働いていることを指摘しました。なぜエホバの証人たちは喜びを保って奉仕できますか。なぜならそれは自分のため,金銭のために働くのでなく,他の人の霊的な益のため,エホバのため,神とキリストと共に働いているからだと話されました。ものみの塔協会の副会長であるM・G・ヘンシェルも励みある話によりわたしたちを勇気付けてくれました。「イエス・キリストがわたしたちのために祈りをした時」,これがその話の主題でした。ヨハネ 15章から17章に基づくこの話で,まさに刑柱に付けられようとしていたイエスが今日のわたしたちのためにも父エホバに祈ってくださっていることが指摘されました。ヨハネ 17章20,21節にはこう記されているのです。「わたしは,これらの者だけでなく,彼らのことばによってわたしに信仰を持つ者たちについてもお願いいたします。それは,彼らがみな一つになり……彼らもまたわたしたちと結びついて(いるためです)」。イエスがわたしたちのためにもエホバに祈ってくださったので,このお二方はいつもわたしたちと共にいてくださり,たとえ孤立したところでたった一人になるようなことがあったとしても,わたしたちは一人だけになってしまっているのでないことを確信すべきだとM・G・ヘンシェルは語りました。その他ギレアデ聖書学校の教訓者U・V・グラス,ブルックリン印刷工場の委員M・H・ラーソンの二人も喜んで話をしてくれました。多くの出席者は「このような話を聞くためだけでも,ハワイの国際大会に来たかいがあった」と語っていました。

ハワイ大会に参加した日本からの出席者にとって,もう一つ忘れることのできないことがありました。それは大会第三日目の午前,出席者全員が備えられた簡単な伝道カバンを手にして街路に立って伝道したことです。日本からこの大会に出席したほとんどの人は英語を話しませんが,大会で発表された冊子「二十世紀におけるエホバの証人」と題する出版物を野外で配布しました。与えられた区域はたった二つのホテルの前の街路という限られたものでした。しかし,それでも良い成果が得られました。日本からのある観光客が通った時一奉仕者はためらわずに聖書からの証言をしました。観光に来ていたこの人は本当に聖書を知りたいと常々考えていた人で,喜んで出版物を求め,日本に帰ったら是非支部を訪問して,さらに詳しく知りたいといったそうです。

楽園を思わせるかのような美しいハワイで国際的な交わりのうちに霊的なすばらしい大会を持てたのは喜びです。いろいろな国から来た人々と自由に話し合うということはできないにしても,わたしたちすべては真理という共通の基礎の上に立っているので,お互いに深い愛を交わしあい,一つの信仰で結ばれていることを喜び合いました。それは霊的な意味で真のパラダイスです。近い将来,言語,国籍など人々を分けへだてているすべてのものが古い体制と共に過ぎ去る時,わたしたちすべてはこの霊的なパラダイスに加えて全地に広がる文字通りのパラダイスを楽しむでしょう。

[26ページの写真]

特別に用意された伝道かばんを携えて,バス停で証言する奉仕者。第三日目に行なわれた野外伝道はこの大会の特色のひとつであった

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