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錠のない世界ものみの塔 1958 | 8月1日
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を持つ人が盗みをすることはできません。愛と不正直とは両立しないのです。
しかし,貪欲,利己主義,盗みを決して改めようとしない人が大勢いるのに,果してこのような世界が来るのかと,尋ねる人もあるでしよう。このような人が一人でもいるなら,錠のない世界は実現しないのではありませんか。答は簡単です。その類の人が何時までも生きることはありません。『悪しき者は久しからずしてうせん,なんじ,こまかにその処を思いみるも在ることなからん。』『ヱホバはおのれを愛しむものをすべて守りたまえど,悪しき者をことごとく滅ぼしたまわん。』― 詩 37:10; 145:20。
神の高い道徳の標準に従う生活をこばむ人が神の新しい世に,住むことはできません。きたるべきハルマゲドンの戦いのときに,その人々は拭い去られてしまうでしよう。そのとき,ヱホバ神は今の悪い組織制度の上に滅びの裁きを行われます。彼らは『在ることなからん。』この戦いに生き残る人々は,心をかえて生活を新らたにした人々です。使徒パウロは教えました,『この世の組織制度に従うのをやめなさい。むしろ,神の善にして御旨にかなう全き御心をわきまえ知るために,あなた方の思いをかえて変化しなさい。』― ロマ 12:2,新世。
神より任命された王,キリスト・イエスは義をもつて新しい世を治め,地に住む人は義のうちに生活します。不正直をはぐくむ今日の状態はその時に存在しないでしよう。不法な者が人々の間に現われる機会はないので,平和を愛する柔和な人々の生活がおびやかされることはありません。大切なものに錠をおろす必要はなくなるでしよう。
自分が働いて得たものを,人は長く楽しみ,人は死ぬこととさえもないので,死のために持ち物を他の人に残さねばならないこともありません。『かれら家をたてて之にすみ葡萄園をつくりてその果を食うべし。かれらが建てるところにほかの人すまず,かれらが造るところの果はほかの人くらわず,そはわが民のいのちは樹の命の如く,我がえらみたる者はその手の工ふるびうするとも存うべければなり。かれらの勤労はむなしからず。』― イザヤ 65:21-23。
神の新しい世こそ,私たちの質問に対する答です。それは錠のない世界となるでしよう。その世界に住む人々はかぎを持ち歩くこともなく,持ち物の安全を気づかう必要もなくて,安全に暮すでしよう。夜の戸じまりも必要がなく,家にかぎをかけなければ盗賊が入るのではないかと恐れることもありません。その新しい世は最も高い道徳を持つ世界なのです。
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大きな行事に備えなさいものみの塔 1958 | 8月1日
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大きな行事に備えなさい
むかし,イスラエル民族は毎年エルサレムで3つの大きな大会を開きました。人々はこれらの大会を待ち望んで,早くから準備にとりかかりました。ある人々は長い距離を旅行することが必要でしたから,かなりの期間にわたって必要な費用を貯えたのです。
これらの大会の前には,何十万人の人が移動したために,途中の町々で宿舎や食物を得ることは困難であり,家族は必要な食物を殆ど携え,泊るための天幕も持つてゆくのが常でした。
これら3つの大きな大会すなわち祭に,人々は空しい手で行くべきではなかつたのです。捧げ物も大会の準備の一部でした。『汝のうちの男は皆なんじの神ヱホバの選びたまう処にて1年に3度すなわち酵いれぬパンの節と七週の節と結茅の節とにおいてヱホバの前に出ずべし。但し空手にてヱホバの前に出ずべからず。各々汝の神ヱホバに賜わる恵みにしたがいて其力におよぶ程の物を捧ぐべし。』― 申命 16:16,17。
イスラエル人は早くから大会の準備をしました。それと同じように,今年の夏に開かれるヱホバの証者の国際大会に出席することを望むすべての人は,前以て準備しなければなりません。ニューヨーク市へ旅行するための費用として,個人的な大会の資金を貯えておくことも必要です。
大会の費用が余るならば,会衆内で資金が不足のため大会に出席できない人々に金銭の援助の手を差しのべることは,クリスチャンの愛を示す行いです。外国の兄弟たちを助けてきたのと同じく,会衆の兄弟をも援助しましよう。このような個人的な援助も,大会の準備の一部です。これによって大会から受ける幸いは更に大きなものとなるでしよう。
出席が可能であり健康な人は一人として家に留まつていることを望みません。大会が終つてから,努力して行けばよかつたと思つても間に合いません。大会を前途にひかえている今こそ,出席を考える時です。この大きな行事に備えるのは今です。
ニューヨークの大きな大会の準備についてここで言われている事は,1958年8月28日-31日まで王子公園内の児童文化会館で開かれる神戸地域大会の準備にも全く同様に当てはまります。
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