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こけら板<シェイク>と薄手のこけら板<シングル>となた<フロウ>目ざめよ! 1979 | 3月22日
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さて,シェイク,シングルそしてフロウの何たるかを心得ている建築家のことに話をもどしましょう。この特別のグループは,ブリティッシュコロンビア州サリーでその地区のエホバの証人の立派な大会ホールを建てるため自発的に働いている人々から成っています。かなりの量のこけら板<シェイク>が必要とされる以上,適当な木をどこで見つけるかが問題です。このような木は年々,減少しています。それでも北西に97キロ離れた土地で一本の木が手に入りました。
ある秋の週末,そのグループは朝早くサリーを出てホースシューベイに行き,そこから一時間でハウ・サウンドを横断するフェリーに乗ってゼッケルト半島のラングデイルに行きました。そこから再び陸路をたどる二時間半の最後の行程では,山と森とフィヨルドのすばらしい景色をたんのうできました。
ポーポイス湾沿いを東に走る舗装道路を離れて,材木切出し道に入る時がきました。そして遂に見いだしたその目的物は,さしわたし約2.4メートル,高さ55メートルはあろうかと思われる枯れた大木でした。この木が放置されていたのも不思議ではありません。それを切り倒すならば,近くの送電線に当たって木の時価を上回る罰金を支払う破目になりかねないからです。そこでこずえの部分23メートルを切り取ることがまず必要でした。次いで幹が切り倒され,その後ただちに46センチの厚さに輪切りにされました。
ひとつの厚切りができると,こけら板<シェイク>を作り始めることができます。厚切りは先ず真っ二つにされ,それから取扱いに便利な大きさになるまで何回も切り分けられて小さな木塊が作られます。木塊のひとつを調べると,上下の面の木目は木の年輪を示していますが,側面の木目は上から下に真っすぐの線が細かく走っており,浅いうね模様を成しています。そしてどんな雨でもすぐに流し去る天然の波形になっているので,この面を外側にして使います。割られた木には芳香がありますが,これは天然の防腐剤である油脂を含んでいる証拠です。
見守るうちに,なた<フロウ>が木塊にあてがわれ,木づちを使って刃を木に打ち込む用意ができます。熟練したその人は次のこけら板<シェイク>を作る手の動きを遅くして見せてくれることになりました。その説明によると,なた<フロウ>は実際には木の中心に向かう線上にあり,木の年輪にそった線上にはありません。もしそうするなら,雨を流し去る波形の細かい木目が得られず,質の劣る製品になります。木片の端から約1.3センチ内側に,そして木の端と平行になた<フロウ>を当てがうと用意万端です。木づちが振り下ろされると,鋼鉄の刃が木に食い込みます。こじあけるように柄を素早く手前に引くと,薄板がはがれます。何ができましたか。長さ46センチ厚さ約1.3センチの同じ厚さのこけら板<シェイク>です。
しかし先の方になるほど薄くなるこけら板<シェイク>はどのようにして作られるのですか。経験からすぐに分かることですが,長さ約66センチの木片の場合,木目に少し裂け目を入れると先の方が徐々に薄くなっていく具合いのよいこけら板<シェイク>ができます。次の割れ目も木目の裂け具合いが同じようになるので同じ厚さのこけら板<シェイク>ができます。しかし木塊をひっくり返して割るなら,次第に薄くなる別の形ができます。同じ厚さのこけら板<シェイク>は木塊をひっくり返す必要がないので早く作ることができます。
こけら板<シェイク>を作り,運び,そして屋根にふいて大会ホールの外装は遂に完成しました。出来上がった建物は見る人々を喜ばせ,自然の森から直接に建築材料を入手することにあずかった人々に楽しい記憶を呼び起こします。
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“アルマタン”目ざめよ! 1979 | 3月22日
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“アルマタン”
コートジボアールの「目ざめよ!」通信員
「バン!」という音が隣の部屋から聞こえてきました。私はぎくっとしてあたりをこわごわ見回しましたが,他のだれもその音に気づいた様子はありませんでした。
「な,なんですかあの音は」と私はご主人に尋ねました。
その人はテーブルからほとんど目を上げずにコーヒーをかき混ぜながら答えました。「アルマタンですよ」。
その時,私はエホバの証人の宣教者としてコートジボアールに着いたばかりでした。好奇心にかられて窓の外をながめてみると,空はもやのようなものがたちこめ,その向こうに血の色をした太陽が輝いて,気味の悪い感じです。
私は心配になって,「暗くなるにはちょっと早過ぎないでしょうか。台風か何か来るんでしょうか」と聞きました。
返ってきたのは,「あれですか。あれはただのアルマタンですよ」というご主人のそっけない返事です。それからご主人はバルコニーの手すりを指でこすり,指先についた赤い色のほこりを見せてくれました。そして大きなくしゃみをしてから言いました。「これもアルマタンですよ」。
みなさんも私のように「アルマタンとは何ですか」と尋ねられるに違いありません。それは砂じんを多量に含んだ乾いた熱風だと土地の人々は答えることでしょう。この風はサハラ砂漠の焼けつく砂地から起こり,それが西アフリカを横切って南西に吹きつけてくるのです。普通12月,1月,2月に発生し,二,三日ないしは数週間続きます。
発生する原因
サハラ砂漠では日陰でも摂氏54度になることが知られています。地表から10センチ余り下の砂は摂氏93度を超えるようです。この焼けつくような砂で暖められた空気はたちまち上昇し,これが上空の冷たい空気にぶつかったときに,大規模な乱流が生じます。それで砂じんが山脈の上空に舞い上がるのです。12月から2月にかけてこの砂混じりの風は,南西方向のギニア湾北海岸に向かって吹き始めます。
涼しくなり乾燥する
アルマタンが吹く時期には,気温がかなり下がります。ギニアとリベリアの間にあるシエラレオネのエホバの証人の一宣教者は次のように語っています。「この地域は
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