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白内障になったらどうすればよいか目ざめよ! 1977 | 6月22日
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よう冷凍装置と連結した探り針のことです。これは水晶体を凍結させ,それを探り針と一緒にひと塊にして徐々に摘出できるようにさせます。水晶体が切除された後の空間には食塩水が満たされます。そうすることによって,目は元のままの形と内圧を保てるのです。
水晶体を切除する別の方法は,水晶体乳状化です。これには,水晶体に穴をあける特殊な探り針が用いられます。バーラー博士はこう説明しています。「この探り針は一秒間に4万回ほど振動し,白内障を破壊してしまう。それから,破壊された組織は,非常に細い管を通して吸引される。もう一本の管が目の中に液体を送り込み,液体が常に流れ込み,破壊された組織が流れ出るようにしている」。この方法には,特殊な振動探り針を入れるための切り口がごく小さくて済むという利点があります。その切り口は一針で縫い合わせることができ,患者は手術の当日,あるいはその後間もなく退院できるかもしれません。
手術後
しかし,白内障摘出手術を受けると,網膜に鮮明な画像を結ばせる水晶体がなくなってしまうことになります。何がその代役を果たしますか。
摘出された水晶体の代わりとして最も手っ取り早いのは,特殊な眼鏡です。しかし,白内障用眼鏡のレンズはとても部厚くなります。それは重いだけでなく,あらゆるものを25%ないし30%拡大するので,物が実際よりも近く見えるようになってしまいます。そして周辺部が非常にゆがんで見えるようになります。白内障用眼鏡をかけている人は,側面や上下を見る際,目だけでなく自分の頭をも動かすことを学ばねばなりません。
コンタクトレンズを用いれば,こうした問題はほとんどなくなります。コンタクトレンズの倍率はずっと低い上,角膜にぴったりと付いているので,コンタクトレンズは目と一緒に動き,いちいち頭を動かす必要がなくなります。
研究者の中には,正常な水晶体の代わりに,目の中にそのまま入るプラスチック製のレンズを開発した人もいます。一つのタイプは水晶体が元あった場所にはまり込み,別のタイプは虹彩の前に取り付けられます。しかし,プラスチック製のレンズは,様々な距離にある物体に焦点を合わせるために,その形を変えることはできません。
物がぼやけて見えるようになりましたか。その原因は白内障でしょうか。その場合,比較的簡単で,痛みの伴わない手術を受け,矯正用のレンズを用いれば,視力を取り戻すことができるでしょう。眼科医のところへ行き,診察してもらってはいかがですか。
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物を“見る”自動車目ざめよ! 1977 | 6月22日
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物を“見る”自動車
● 沖繩で開かれた国際海洋博覧会,エキスポ '75を訪れた人は,数々の興味深いものを目にしました。CVSの略称で呼ばれる,コンピューターで制御された輸送システムもその一つです。このシステムで用いられる車の乗車定員は六名で,軌道の上,あるいは一般道路を走るよう設計されています。この自動車の技術面での新機軸として,別の車を“見る能力”を挙げることができます。行く手に突然何かが現われると,この未来の車は速度を落し,停車することもあります。また,別の車の後を走っている場合にも,事故を防ぐために適正な車間距離を保つことができます。海洋博に登場したこれらの自動車は完全にコンピューターで制御され,運転手はいませんでした。
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