20 政府からの圧迫に加え，とくにカナダとアメリカの宗教指導者はどのようにエホバの民を悩ませましたか。

²⁰ ものみの塔協会の役員に対する迫害に加え，彼らと協力して御国を伝道し，バビロンの倒れを宣明したクリスチャン聖書研究生にも，暴行，逮捕，解雇その他の激しい迫害が及びました。そのすべてはカナダとアメリカの牧師の扇動によるものです。

21 （イ）1914年およびその直後の出来事に関し，だれのとった立場が正しいかは，どのように示されていますか。（ロ）第一次世界大戦の目的はなんでしたか。それはどんな結果になりましたか。（ハ）大いなるバビロンはすでに倒れていましたか。神の目から見て，それはどんな立場を占めていましたか。

²¹ 正しいのはだれでしたか。戦争で無数の人命が失われ，また疫病，地震，ききんが戦争に伴ったことは，マタイによる福音書 24章7節から13節および黙示録 12章5節から10節にしるされたイエスのことばの成就であり，また1914年にイエスが権力を執って天のシオンの山に立ち，神の国が天に建てられた証拠です。（マタイ 24:3，7-9）1918年11月11日に休戦協定が成立して戦争は終わりました。それは神の国を建てるための戦争ではなく，世界支配を目ざす国々の戦争でした。黙示録 11章18節に預言されていたように，諸国民は神の国を受け入れて喜ぶことをせず，かえって怒りを抱いたのです。大戦は世界支配をめぐる，キリスト教国内部の争いであり，聖書に預言された7番目の世界強国すなわち英米世界強国が神の国のかわりに世界支配をつづける結果となりました。しかし大いなるバビロンはまだ倒れていませんでした。大いなるバビロンは神の証人すなわち彼女に対する神のさばきを宣明していたクリスチャン聖書研究生をとらわれの身にして，彼らの世界的組織を破壊し，そのわざをやめさせることに成功したからです。しかし彼女は神の前にどんな立場を占めていましたか。天のシオンに建てられた神の国に敵対し，その意志を行なうために政治権力と霊的な姦淫をしてクリスチャンの証人を迫害し，彼らをとらわれの身にしたゆえに，彼女は神のさばきを受けることになりました。

大いなるバビロンは倒れ，とらわれ人を束縛する力を失う

22 キリスト教国の僧職者は何を見すごしていましたか。何が突然に起きましたか。

²² エホバのクリスチャン証人のとらわれを見て，僧職者とくにキリスト教国の僧職者は歓喜しました。このとらわれが永久につづき，御国の音信を地に伝えるわざがやんだままになることを，彼らは願ったにちがいありません。f しかし彼らは驚愕しました。彼らは，大いなるクロスであるイエス･キリストが天と地におけるすべての権力を得て天のシオンから治めている事実を忘れていたのです。難攻不落を誇った古代都市バビロンがペルシャ人クロスの前に一晩で倒れたのと同じく，事態は急速に逆転しました。1919年3月，連邦控訴院の命令によって刑務所のとびらはエホバの証人の前に開かれ，彼らは無実の罪で投獄されたことが明らかになりました。協会の8人の役員は無罪になりました。

23 （イ）大いなるバビロンはどのように倒れましたか。（ロ）エホバのクリスチャン証人はそのとき何をしましたか。また，どんな預言がそのとき適用されることを認めましたか。

²³ 何が起きたのですか。古代バビロンがクロスの占領後もそのまま存続したのと同じく，大いなるバビロンは滅びませんでした。しかしとらわれ人を束縛する力を完全に失ったのです。いまやエホバの崇拝者および大いなるバビロンの支配下にあった人々のうち，エホバの崇拝を望む人々は大いなるバビロンから離れ，霊とまことをもって自由にエホバを崇拝できるようになったのです。彼らはバビロンに対するさばきを宣明するわざに加わることができます。大いなるバビロンはエホバに敵対した当然の報いとして，まもなく完全に滅ぼされてしまうでしょう。協会の役員は釈放後ただちに世界的な組織の再建に着手し，国際的なつながりを再び確立しました。9月1日から8日まで国際大会が開かれ，第5日目にものみの塔協会のラザフォード会長は「御国を宣明する」と題する話をしました。会長はイザヤ書 52章7節の預言を現代に適用しました。それはバビロンのとらわれから解放されたイスラエル人にはじめ適用した預言です。「よきおとずれを伝え，平和を告げ，よきおとずれを伝え，救を告げ，シオンにむかって『あなたの神は王となられた』と言う者の足は山の上にあって，なんと麗しいことだろう」。ついで9月7日，日曜日，会長は「苦悩する人類の希望」と題して7000人の聴衆を前に公開講演を行ない，人間の手に成る代用物，つまり当時，提案されていた国際連盟ではなくて神の国が人類の希望であることを述べました。

24 1919年に大いなるバビロンが倒れたことは，さらに何の証拠ですか。

²⁴ 「あなたの神は王となられた」ことを告げる知らせは，神の民シオンを喜ばせました。1919年にバビロンが倒れたことは，大いなるクロスが御国の支配を始め，バビロンの門を開き，エホバの民を束縛していた「青銅のとびら」をこわし，「鉄の貫の木」を断ち切った証拠です。―イザヤ 45:1，2。

25 無実の人々の受けた害は，キリストの国の支配の下でどのようにいやされますか。わたしたちはいま何をすべきですか。

²⁵ こうしてエホバは，聖書が大いなる奥義と呼ぶもの，すなわち神のものではなく，神の敵サタン悪魔がつくり出した奥義を明らかにされます。サタンは敗北しました。その秘密はあらわされ，もうだれも死に至る無知に束縛される必要はありません。大いなるバビロンが，その仲間である政治家，商人および支持者もろともに滅びて，キリストの御国政府の治める新秩序が到来するとき，人々を混乱させる宗教的な無知は存在しません。かつて大いなるバビロンの犠牲者であった何百万の人々が復活して真理を学ぶことでしょう。急速に近づいている大いなるバビロンの永遠の滅びの日に滅びることを避けるため，いま機会のあるうちに大いなるバビロンからのがれ，その外にとどまってください。

ベテルにいる息子から

◆ ものみの塔協会の支部は世界の96ヵ所にあります。各支部事務所に付属しているのはそこで働く奉仕者たちが住むベテルホームです。アメリカ，コロラド州で開かれた最近の巡回大会で，ある父親はアメリカ･ベテルの自分の息子から来た2通の手紙の一部をそれぞれ読みました。

はじめの手紙はそのベテル奉仕者が9歳の弟にあてたものです。その一部はこうでした。「それであなたもベテルに来たいのですね。かなえられるなら，それほどすばらしいことはありません。でも，まずあなたは家にいる間に一生懸命に働かねばなりません。これから学ぶべきことが多いからです。学校ではできるだけ多くのことを勉強して下さい。家に帰ったら，聖書と『ものみの塔』をよく読んで下さい。これはとても大切です。どんな割当てを受けてもそれを軽く見てはいけません。心をこめてそれを果たして下さい。心から働き，喜んでエホバに仕えることを学ぶべきです。全時間開拓伝道者になることを自分の目標とし，それから心をそらしてはなりません。機会があったらいつでも開拓奉仕をして下さい。そうすればあなたがベテル奉仕の申込書を出すとき，協会はあなたがほんとうにエホバに仕えようとしていることを知るでしょう」。

もう一つの手紙は両親にあてられたものです。この二親は全時間宣教奉仕にはいることを子供たちに忍耐づよく教えてきたのです。ベテルの仕事について何度も話して聞かせ，ベテル奉仕者の資格について説明のある大会に連れて行くこともありました。この両親にあてた息子の手紙の一節はこうです。「お父さん，お母さん，わたしの前にベテル奉仕の良い目標をおいて下さってありがとう。ここでの奉仕はまさに新秩序における生活の前ぶれのようです。ほんとにありがとう」。

自分もこのような手紙を受け取りたいと思われますか。自分の子供を幼いうちから聖書に従って育て，生涯の良い目標をもつように助けるなら，このような喜びの結果を得ることができるでしょう。