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エホバはその僕に良きものを拒み給うことなしものみの塔 1963 | 9月15日
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別れを経験したことは何度もありますが,エストニアの兄弟たちとの別れほど感動的なものはありませんでした。何時,どのようにして神の国の福音がソ連に達するか,これはしばしば私の念頭に浮かんだ事柄です。しかしバルト諸国で私たちのした事が,将来ソ連に福音の伝わる基礎になるとは思いもよりませんでした。ソ連は当時でも今でも必要の大きなところです。いまソ連で,おそらくはシベリヤにおいても兄弟姉妹たちがエホバの御国の福音を効果的に伝道し,また教えているものと私は確信しています。
さてリガを出立した一行はソ連を通ってウラジオストックの港に着きました。11日かかった汽車の旅は大変でしたが,興味深いものでした。焼き払われた教会の建物,食料を待つ農民の行列などが途中で目につきました。中国の鉄道の待合室では,「創造」という本のさし絵で見たヒューバート・フオン・ハーコマーの「避難民」と題する絵とそっくりな光景を見ました。目に見るものだけではありません。換気の悪い部屋に大ぜいの人間が汚れたからだのままつめ込まれ,部屋は臭気でむせ返るようでした。遂に一行はウラジオストックからハイ・タン号に乗船し,オーストラリアに行くことを知らされました。沈む太陽と共にウラジオストックを水平線のかなたにした時,ようやく安堵の空気がみなぎりました。香港ではじめて東洋に接した時,その状態に驚きました。そして「御国のきたらんことを」と衷心より祈ったものです。(マタイ 6:10)1940年12月のはじめ,私は協会のオーストラリア支部に着き,兄弟たちに暖かく迎えられました。
ストラスフィールドに着いて間もなく,エホバは敵が証者の活動を禁止するのを許し,協会の資産は接収されました。それでもわざは半ば地下に潜ってつづけられました。私は謄写板で「ものみの塔」を刷って兄弟たちに配る仕事を手伝いました。こうして「ものみの塔」1号たりとも休刊せず,エホバはその僕に良いものを拒まないことが証明されました。禁令の最中に私はブリスベーンにあった協会の文書集配所で働き,禁令が解除されてからはメルボルンで同様な仕事をしました。1948年,ストラスフィールドのベテルに戻って以来,今日までそこで奉仕しています。
エホバへの奉仕に召されてより,霊的なものも物質的なものも良いものに欠けたことは一度もありません。多くの旅行をし,さまざまな経験をするうち,この世で成功する機会にも多くめぐり合いましたが,私の心の願いは何時もエホバにささげる全時間奉仕でした。「そは神エホバは日なり盾なり,エホバは恩とえいくわうとをあたへ 直くあゆむものに善物をこばみたまふことなし万軍のエホバよなんぢに依頼むものはさいはひなり」。―詩 84:11,12。
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占いによる水脈さがしものみの塔 1963 | 9月15日
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占いによる水脈さがし
1962年11月15日号ザ・ワッチタワー誌に出た記事,「悪霊から自分を守る」(「ものみの塔」は1963年2月15日号)を読んで,アメリカ・ダウサー協会の会長はこの記事の結論すなわちクリスチャンはそれが超感覚の知覚すなわち霊媒術と結びつきを持つゆえに,占いによる水脈または鉱脈さがしを避けるのがよいという言葉に反対しており,そのことを手紙で書き送ってきました。しかしアメリカ・ダウサー協会の会長は,占いによる水脈また鉱脈さがしの仕組について,ダウサー協会の見解を明らかにしています。その手紙は次のことを述べていました。「この記事の言おうとしている事は正しいかも知れない。占いによる水脈さがしがESPの一種であり,ESPに携わる人は,注意しないと悪鬼につかれることがあるという論には同意できる。……占いによる水脈さがしに興味を持つ人に対しては,我々はその危険を積極的に警告することにしている」。
アメリカ・ダウサー協会は,防護手段をとることによって悪鬼につかれるのを防ぐことができると考え,またESPに大きな効用を認めています。しかしクリスチャンが留意すべきことは,どんな形のものでも占いや霊媒術は,その本質のゆえに神から禁ぜられているという事実です。ESPの背後にいるのは聖なる天使ではなく,人間を惑わそうとしている悪鬼なのです。あらゆる種類のESPを避けることは,聖書から見て正しい防禦法であるばかりか,神に従順を示すことです。―黙示 21:8。
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