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偽りの宗教に対する神の裁きの執行ものみの塔 1964 | 3月15日
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41 世界指導者のどんな言葉から見て,国連はその前のものと同じく神を汚す名でおおわれていますか。
41 これらの人々は赤い獣の生き返ったことに感嘆しました。世界平和と安全を保証するものとしてこの獣の力に大きな信頼が寄せられており,大きな期待がかけられています。また聖書から見て神をけがす名前がそれにつけられました。なぜならば,神の国とメシヤすなわちキリストだけのものである権力とわざが,この「獣」に帰せられているからです。1919年のこと,国際連盟は由々しくも「神の国の地上における政治的表現」と呼ばれました。さていま連盟の後継者である国連は,平和をもたらす最善の手段,いやそれ以上に「平和実現の最後の希望」とさえ称されています。そこで今日私たちは使徒ヨハネが象徴によって見たもの,すなわち赤い獣は「神を汚すかずかずの名でおおわれ」ているのを見ているのです。赤い獣を称賛するこのような言葉は,偽りの崇拝をする人々を創造主エホバ神の崇拝に導かず,人間の作ったものの崇拝すなわち偶像崇拝へ導いています。それは政治的な像,世界平和と安全を目ざす国際的な組織の崇拝です。―黙示 17:3,新口。
それに乗る者
42 (イ)この獣を崇拝する人々はなぜ救われませんか。(ロ)どんな時宜を得た質問が提起されますか。その驚くべき答は何ですか。
42 赤い獣のこのような崇拝は,驚き怪しんでいる地の人々にとって救いとなりますか。そうではありません。その人々は「世の初めからいのちの書に名をしるされていない」からです。(黙示 17:8,新口)しかしその人々はエホバ神の十戒を教える宗教を持ちながら,なぜ十戒の第一と第二の戒めに反する偶像崇拝をしているのですか。黙示録は象徴的にその理由を告げています。それは赤い獣に女が乗っているためなのです。次のように書かれています。
43 (イ)獣に乗る女の様子を説明しなさい。(ロ)彼女の名前はなんですか。彼女は何に酔いしれていますか。
43 「御使〔ヨハネに現われた天使〕は,わたしを御霊に感じたまま,荒野へ連れて行った。わたしは,そこでひとりの女が赤い獣に乗っているのを見た。その獣は神を汚すかずかずの名でおおわれ,また,それに七つの頭と十の角とがあった。この女は紫と赤の衣をまとい,金と宝石と真珠とで身を飾り,憎むべきものと自分の姦淫の汚れとで満ちている金の杯を手に持ち,その額には,一つの名がしるされていた。それは奥義であって,『大いなるバビロン,淫婦どもと地の憎むべきものらとの母』というのであった。わたしは,この女が聖徒の血とイエスの証人の血に酔いしれているのを見た。この女を見た時,わたしは非常に驚きあやしんだ。〔もちろん感嘆したのではありません〕」― 黙示 17:3-6。
44 (イ)神の僕の血で酔いしれていることは,何を証明しますか。(ロ)大いなるバビロンという名には,どんな意義がありますか。
44 この女が「〔神の〕聖徒の血とイエスの証人の血に酔いしれている」という事は,何を証明しますか。それは女がエホバ神に敵対し,メシヤすなわちキリストである御子イエスに敵対していることを示しています。従ってこの女は真の崇拝,唯一の真の宗教を支持していません。その額の名は奥義ではあっても,女の正体を物語っています。その名前のおもな部分は,むかしエホバに敵対したバビロンの名です。しかしこの女は,ニムロデがユーフラテス河畔に建設した町よりも大きく,従って「大いなるバビロン」と呼ばれています。昔のバビロンの都は紀元前539年に滅びるまできわめて宗教的であり,偽りの崇拝の指導者でした。いまわかるように,神秘的な大いなるバビロンは七つの丘に建てられた異教のローマではなく,全世界をその支配下におさめているバビロン的な宗教の世界帝国です。
45 (イ)淫婦の坐っている水は何を表わしますか。彼女はどの位の間この水の上に坐ってきましたか。(ロ)この淫婦はこれまでにどんな敏捷さを示しましたか。
45 ヨハネに奥義を説明した天使が次のように語ったのは,そのためです。「あなたの見た水,すなわち,淫婦のすわっている所は,あらゆる民族,群衆,国民,国語である。あなたの見たかの女は,地の王たちを支配する大いなる都のことである」。(黙示 17:15,18,新口)赤い獣が偶像崇拝の像として現われるずっと前から,この女は象徴的な水の上に坐り,地の支配者たちの上に勢力をふるっていました。第一次世界大戦後,この象徴的な獣が現われるやいなや,彼女はその背によじのぼりました。彼女の宗教的権力をもってすれば,それは容易です。第二次世界大戦中,「赤い獣」が底なき所にはいった時にも,彼女は相変らず「多くの水の上」すなわちあらゆる民族,群衆,国民,国語の上に坐りつゞけ,「地の王たちを支配」しました。(黙示 17:1,新口)とくに英米世界強国の助けを得てこの「獣」が底なき所から出ると,大いなるバビロンは再びその背に乗り,今日に至るまでそこに坐っています。
46 この悪しき女は「淫婦どもの母」であることをどのように示しましたか。
46 この獣が政治組織すなわち世界強国であってみれば,彼女がその背にまたがるのも不思議ではありません。大いなるバビロンは淫婦であり,「淫婦どもの母」と呼ばれています。「地の王たちはこの女と姦淫を行い,地に住む人々はこの女の姦淫のぶどう酒に酔いしれている」と,神の御使は語りました。(黙示 17:1,2,新口)赤い獣は政治的な組織すなわち第八の世界強国を象徴し,その七つの頭は「七人の王」つまり七つの世界強国を象徴するゆえに,大いなるバビロンは以前の七つの世界強国や他にも「地の王たち」と姦淫を行なった通り,例によって赤い獣とも姦淫を行ないます。象徴的に言って獣と淫を結ぶこの女は,獣姦を犯しているのです。神の律法はこの忌むべき行いを罪に定めています。―レビ 20:15,16。
47 この淫婦はなぜ世界政治に関心を持っているのですか。世の政府の歓心を買うため,彼女はどんな事までしましたか。
47 彼女の姦淫は,彼女の宗教が政治と手を結び,自らを肥やすために政治とたわむれたことにあります。彼女は政治にきわめて大きな関心を持っていますが,それは自分自身の利益のために政治を支配し,政治家を利用するためなのです。彼女は王を即位させ,また退位させる権威を神から授けられているかに振舞います。彼女は政治支配者の淫婦となりました。また支配者の野心を遂げさせるために自らの宗教的権力を用い,人殺しと変らない軍隊を祝福し,利己的な戦争を聖戦ととなえ,人を殺すため戦場に出て殺された人々に天国行きの直通切符を与ました。彼女がきらびやかに身を飾っているのも不思議ではありません。
48 「地に住む人々はこの女の姦淫のぶどう酒に酔いしれている」と述べた言葉を説明しなさい。
48 しかし彼女が世の支配者と姦淫を行なったことから,一般大衆は何を得ましたか。それは次の言葉に述べられています,「地に住む人々はこの女の姦淫のぶどう酒に酔いしれている」。多額の報酬をくれる情夫すなわち政治支配者を喜ばせるために彼女が協力し,また祝福したあらゆる種類の利己的,野心的かつ貪欲な企てのために,人々は苦しめられてきました。大いなるバビロンの「金の杯」から飲まされたもの,すなわちあらゆる災,苦しみ,略奪,圧迫のために,人々は酔いしれ,よろめいています。苦しむ人々にとっては,それが神のみ心であると宗教家に言われても,苦しみが軽くされるわけではなく,その傷をいやされ,心に慰めを得るわけではありません。彼女の杯の中は汚れで満ちています。
49 バビロンの生み出した娘の組織とは何ですか。
49 大いなるバビロンはその姦淫によって私生児の母となりました。その子供たちは母親の道を踏み行ないます。彼女は「淫婦どもと地の憎むべきものらとの母」です。彼女は娘ともいえる組織をいろいろな国に生み出してきました。それは宗教組織が政府と手を結んで教会と国家の連合を形づくっていたり,あるいは宗教が政治組織と密接に結びついてめかけになっているものだったりします。彼女は神の目に憎むべきもの,たとえば寺院の後援を受けてその神域で売春を営む者,不正な利益の分け前にあずかるために行なうとばく行為,偶像崇拝などを生み出しました。
50 バビロンには色々の面で重い流血の罪があることを説明しなさい。
50 創造主なる神のみ前における重い流血の罪が大いなるバビロンの上にのしかかっています。その宗教的な力を用いて戦争を防止しなかったことに対しても責任があり,また敵同志になった信者が信者と戦う破目になっても一向に頓着せず,彼女が祝福して戦争の神の祭壇にささげた人々の血に対して責任があります。彼女は宗教の名によって迫害をし,残酷な宗教戦争をおこし,戦死者に天国の報いを約束して聖戦を宣言してきました。またいわゆる異教徒に対してだけでなく,彼女が炎と剣をもって抹殺しようとした宗教を持つ人々に対して,狂信的な十字軍をおこし,悪魔的な異端審問所を作りました。人類史上もっとも流血の甚しかった第一次および第二次世界大戦に,彼女が強力な役割をはたしたことは歴史に記録されています。このようにして大いなるバビロンが殺した人々は,おもに大いなるバビロンの宗教を持つ人々ですが,それでも人間は神に造られたものであって,神はその血に対する責任を求めます。
51 彼女は神に対してとくにどのように罪を犯しましたか。
51 宗教的な迫害を行なった大いなるバビロンは,とくにこの点で創造主なる神に対して罪を犯しました。使徒ヨハネはこの点における彼女の流血の罪に注意をひいています。「わたしは,この女が聖徒の血とイエスの証人の血に酔いしれているのを見た」。(黙示 17:6,新口)ニムロデの曾祖父ノアに対して,血を禁ずる神の律法が与えられているにも拘わらず,彼女は平気で血を飲んできました。(創世 9:3,4)大いなるバビロンは,神の聖徒とイエス,キリストの証人を異端呼ばわりし,バビロン的な宗教の社会をおびやかすものとして国家の手を借りて迫害し,死においやりました。こうして神の聖徒とイエスの証人の血を飲んで酔いしれてきたのです。
52 七人の天使の一人が次に述べたどんな言葉は,とくに興味深いものですか。
52 それでバビロン的な宗教の世界帝国に神の裁きの執行される模様が,苦しめられていた「イエスの証人」の一人に幻によって示されたのも,不思議ではありません。ヨハネは黙示録のこの部分を次のように紹介しています。「それから,〔神の怒りの盛られた〕七つの鉢を持つ七人の御使のひとりがきて,わたしに語って言った,『さあ,きなさい。多くの水の上にすわっている大淫婦に対するさばきを,見せよう。地の王たちはこの女と姦淫を行い,地に住む人々はこの女の姦淫のぶどう酒に酔いしれている』」。(黙示 17:1,2,新口)裁きはどのように執行されましたか。
裁きを執行する
53 そこでどんな裁きが行なわれますか。この裁きが執行されるのはどなたのみ心ですか。
53 ヨハネは次の言葉でそれを描いています,「あなたの見た十の角と獣とは,この淫婦を憎み,みじめな者にし,裸にし,彼女の肉を食り,火で焼き尽すであろう。神は,御言が成就する時まで,彼らの心の中に,御旨を行い,思いをひとつにし,彼らの支配権を獣に与える思いを持つようにされたからである」― 黙示 17:16,17,新口。
54 赤い獣の十の角は何を表わしますか。なぜ十ですか。
54 これら十の角は赤い獣の七つの頭についていました。その十の角は何を表わしていますか。天使はヨハネに次のように告げました,「あなたの見た十の角は,十人の王のことであって,彼らはまだ国を受けてはいないが,獣と共に,一時だけ王としての権威を受ける。彼らは心をひとつにしている。そして,自分たちの力と権威とを獣に与える」。(黙示 7:12,13,新口)このように角は政治支配者を象徴します。(ダニエル書 8章2-8,20,21節とくらべて下さい)十という数は聖書の中で全体を象徴しますから,「十人の王」はすべての政治支配者,とくに赤い獣つまり世界の平和と安全を目ざす国際的な組織の一部になっている政治支配者を表わします。
55 バビロンあるいは十の角は,第一次世界大戦の終ったとき何をしませんでしたか。
55 第一次世界大戦の終ったとき,大いなるバビロンはこれら「十の角」にむかって,おのおの国家主権を神の国に渡すようにと命じませんでした。メシヤによる神の国は,全地を支配するためその時すでに天に建てられていたのです。「十の角」自らもまた神の国に主権を渡す考えはありませんでした。第一次世界大戦中彼らはエホバのクリスチャン証者を迫害し,設立された神の国の音信を軽べつし,それを受け入れることを拒絶しました。
56 いま十の角は,どのように神のみ心を成しとげますか。
56 神のお目的は,むかし預言された通りこれら象徴的な「十の角」を滅ぼすことです。いま十の角が滅びにむかって導かれているのは,神のお考えによるのです。その全部は同時に滅ぼされます。こうして目に見えないさまで「神は……彼らの心の中に,御旨を行(う)……思いを持つようにされ」ました。彼らはどのように御旨を行ない,心を合わせて神に敵対するのですか。世界平和と安全のための国際組織を作ることに彼らの考えは一致し,諸国家の連合とくに今日の国際連合が設立されました。こうして彼らは神に立ち向かったのです。それで国家主権をメシヤの政府に渡して国を神に与える代わりに,彼らは黙示録 17章17節の言葉の通り「御言が成就する時まで……思いをひとつにし,彼らの支配権を獣に与える」ことをしました。
57 諸国家はどのように権力と権威を「獣」に与えましたか。
57 こうして国際連盟規約が批准された1919年以降,彼らは赤い「獣」に彼らの国を与え始めました。すなわち権力と権威を与えたのです。第八の世界強国すなわち世界の平和と安全を図る国際組織に加盟することによって,「彼らは……獣と共に,一時だけ王としての権威を受け」ます。(黙示 17:12,13,新口)比較的に言えばそれは獣が滅びるまでの「一時だけ」に過ぎません。
58 バビロンは「獣」についてどう感じましたか。彼女と獣は最後にどうなりますか。
58 この国際的な行為は,エホバのクリスチャン証者が宣明していた神の小羊の国に敵対するものです。それにも拘わらずこのような獣に乗ることを熱心に望む大いなるバビロンは,それを是認しました。大いなるバビロンのペットである「獣」に国家主権と権力を与えることは,どんな結果になりますか。黙示録 17章14節はそれに答えています。「彼らは小羊に戦いをいどんでくるが,小羊は,主の主,王の王であるから,彼らにうち勝つ。また,小羊と共にいる召された,選ばれた,忠実な者たちも,勝利を得る」。底なき所から上っていま存在している赤い獣は,このようにして,またこの理由で「滅びに至る」のです。この事が起こるとき,「御言が成就」します。―黙示 17:8,17,新口。
59 しかしだれがまず滅びますか。だれの手によって?
59 赤い「獣」の背に乗る大いなるバビロンが滅ぼされるのは,獣の滅びと同じ時ですか。淫婦である彼女は獣の最後を見届けるまでその背に乗っていることができますか。そうではありません。すでに定められ書きしるされている神の裁きによれば,決してそうではありません。すでに下された神の宣告によれば,彼女の愛したものが,それ自身滅ぼされる前に彼女を滅ぼします。彼女は長い間この「獣」と十の角に対して淫婦の利己的な愛を抱いてきました。そして何時までも魅力を失わず,彼らの利己的かつ不道徳な快楽の欲求を満足させることによってその保護を得られると考えています。しかしそう考えるのは大間違いであり,彼女は意外な目にあわされてショックを受けるでしょう。
60 淫婦のすさまじい最後を述べなさい。
60 全能の神は,十の角がある獣と淫婦との利己的な結びつきを切りたちます。神は彼らの利己的な愛を激しい憎しみに変らせ,その結果,獣と十の角はその背に乗る淫婦を憎み,激しい憎しみを彼女にそそぎます。そのため彼女の宗教的パラダイスは荒廃に帰するでしょう。彼らは紫と赤の衣を彼女からはぎ取り,金と宝石の飾りを奪い,汚れで満ちている金の杯を彼女の手からたたき落とします。彼女は偽りの宗教として裸にされてしまいます。もはや彼女の肉体は愛撫と不道徳を行なわせるだけの魅力を持っていません。「獣」と十の角は彼女の肉をひき裂いて食べ,その骨を燃やして灰にしてしまいます。こうしてバビロン的宗教の世界帝国は灰に帰し,真の神エホバの崇拝者すなわち支配している御子イエス・キリストの忠実な追随者の足の下に踏みつけられるでしょう。―マラキ 4:3。
61 どなたが赤い「獣」を滅ぼしますか。
61 そのあとで赤い「獣」と十の角が滅びます。今度は底なき所ではなく永遠の滅びに陥るのです。彼らが戦いを挑む小羊は勝利を得,そのことが起こるようにします。
62 バビロンと共に滅びたくない人々に,何がすすめられていますか。
62 偽りの宗教の上に間もなく裁きが執行されることを知ったいま,私たちは何をすべきですか。バビロン的な淫婦は「多くの水の上」,あらゆる民族,群衆,国民,国語の上に坐っています。彼女は今なお私たちの上に坐っていますか。もしそうであれば,神の裁きの執行されるときに彼女と共に滅びるのを避けるため,いますぐにしなければならないことがあります。唯一の真の宗教を愛し,彼女の下から出て離れ去りなさい! 彼女は滅びに定められています! エホバ神の裁きによって大いなるバビロンは1919年に倒れました。その年以来,100万人以上に上る男女,子供がその中から出て来てエホバのクリスチャン証者となり,宗教的な自由を享受しています。いまや倒れた状態にある大いなるバビロンは,恐るべき永遠の滅びを間近にひかえています。そこで今なお,宗教的に大いなるバビロンの支配下におかれ,神を求める人々に向かって私たちは言います,大いなるバビロンを見捨てなさい!
63,64 バビロンと共に滅びることを避けるため,このような人は何に加わりませんか。しかし永遠の救いを得るため,どなたに組しますか。
63 これは「獣」とその「十の角」に加わって,バビロン的な宗教の世界帝国を滅ぼすことに手をかすという意味ではありません。この暴力行為をする「獣」とその「十の角」は救いを得ることがなく,また一緒になってそのような暴力をふるう人々も救いを得ません。偽りの宗教に対する裁きの執行者として神に用いられることは,盲目的な政治国家にまかせなさい。それは私たちのする事ではありません。
64 唯一の真の宗教が私たちの救いです。その宗教によって私たちは,メシヤすなわちキリストである御子イエスを通して救いを差しのべて下さる唯一の真の神を崇拝します。エホバ神に祈って「あなたの御言は真理であります」と言われたイエスの言葉を,心に留めて下さい。(ヨハネ 17:17,新口)大いなるバビロンから私たちを解き放つものは真理です。聖書におさめられた神のことばを心に深く受け入れ,勝利を得た神の小羊の足跡に従って,この栄光ある崇拝の自由を享受する身となりましょう。神の小羊は大いなるバビロンの政治的な情夫に対して勝ちを得,神の勝利の御国の下にある完全な自由の中に私たちを導き入れます。メシヤによる神の国の治めが永遠のものでありますように!
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聖霊に満たされて大胆に神の言を語るものみの塔 1964 | 3月15日
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聖霊に満たされて大胆に神の言を語る
(1964年度エホバの証者の年鑑から)
フィリピン共和国
最高伝道者: 36,836
人口: 27,473,000
比率: 746人に1人
フィリピン諸島で新たに2342名の人々がバプテスマを受けて兄弟や姉妹となり,御国の良いたよりを伝えるエホバの証者の隊伍に加わったのはよろこばしい事です。昨奉仕年度中の目立つ出来事は「永遠の福音」大会でした。これはフィリピン最大の大会となっただけでなく,最も楽しく最も充実した大会となりました。支部の僕から興味ある経験がいくつか送られて来ましたが,ここにその二,三を紹介します。
世界一周大会の迎え役になり得た事は私たちの大きな特権でした。この最大の行事を準備するために数百人の兄弟たちが早くから良く働き,大会の組織は円滑に進みました。
しかしながら,大会の始まる1日前の8月13日,暴風警報が放送されました。「ルディング」台風が近づいていたのです。台風の猛威は大会の初日に最高潮に達し,演壇と聴衆席につくられた仮屋根をこわし,スタジアムの各所を水びたしにしました。そのため野外奉仕のための最初のプログラムは取り止めになりました。しかしながら,昼近くなって風が静まると共に,たくさんの人たちが進んで働き始め,各所のこわれを修繕しました。プログラムはその午後から予定通り行なわれ,次第に高まる大会の雰囲気は最後の美しく晴れた日曜午後の公開講演会に,3万7806人を集めて最高潮に達しました。これは大方の楽観的予想をもはるかに上まわる数でした。
こうして奉仕年度は大きな喜びのうちに終りましたが,年度の始めにはフィリピンの兄弟たちにとって心配な問題がありました。フィリピン政府が外国人宣教者のすべてを国外に追放するとの威嚇的な態度を示したからです。支部の僕は20日間の猶予を与えられ,その間に宣教者の追放措置に反論する覚え書の提出を求められました。
これに対する回答として62年12月10日,追放局から支部事務所に宛てて1枚の手紙が届きました。その文面は次の通りです。「貴下ならびに貴下に所属する『エホバの証者』の国旗敬礼拒否に対する訴えはこのたび却下されましたので,これをお伝え致します」。この事件の却下をすすめた司法大臣の言葉が1962年12月6日付マニラタイムス紙に引用されていました。「宗教的信条の故に国旗を敬礼しないからといって,その市民は他に比べて愛国心がすくないとか,遵法精神に欠けているという事にはならない」。
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