恐れずにエホバに奉仕する
― 1965年度エホバの証者の年鑑より
日本
最高伝道者数: 3,318人
人口: 96,160,000人
比率: 28,981人に1人
昨年は,エホバの聖名の立証のため,また日本における神権活動の拡大のために,新しい支部の建物が献納されました。エホバの証者はいまこの新しい建物を用いて,すべての会衆によりよい奉仕を行なっています。伝道者の数が増加の一途をたどっている現在,この新しい建物が建てられたのは時機にかなったことでした。日本全国で,良いたよりの定期的な伝道者が18パーセント増加したことを報告できるのは協会の喜びです。次に,日本沖縄,先島群島での興味深い経験をいくつかお伝えしましょう。
ひとりの若い姉妹は,高等学校卒業まえの勉強の忙しい時でしたが,機会をとらえては級友に聖書の話をしました。卒業してしまえば友だちともわかれてしまうので,御国の良いたよりを伝えるために彼女は協会のパンフレットを使いました。卒業後友だちのひとりと連絡をとり,巡回大会に案内しました。巡回大会に出席したその友だちは,神の民の一致を目のあたりに見,それ以後家庭聖書研究が始まりました。しばらくしてその姉妹は他の友だちとも連絡をとり,大会に招待し,研究を始めました。5年後の現在,彼女自身が特別開拓者であるばかりでなく,学校の時の友だち4人も特別開拓奉仕をしています。
ある宣教者は,雑誌の日の活動で雑誌を求める人を再訪問すると良い結果のあることに気づきました。この宣教者は,日本基督教団に属する人に2冊の雑誌を配布し,再びその人を訪問しました。この人は雑誌を読んでいるうちに,聖書の教えと教会で教えられる教理が違うことに気づきました。そこでそのことについて牧師に尋ねたところ,牧師は次のように答えました。「聖書というものはあなたが八百屋で買う大きなかぶらのようなものです。あなたはそれを全部使いませんね。おいしい部分だけ使ってあとは残すでしょう。だからむずかしい部分がわからなくても心配はいりません」。この説明にすっかりあいそをつかしたその人は,よろこんで家庭聖書研究をはじめ,その後もエホバとその御言葉の真理を学びつづけています。最近彼女はこう言いました。「私は迷える羊でしたが今は真理を学んでいます」。
一度も再訪問をしたことのなかったある姉妹は,巡回の僕が会衆を訪問する時に一緒に働くことになったので,その準備をするために特別の努力をしました。つまり便利のよい区域にひとりで出かけて行き,文書をいく冊が配布し,配布した家を手帳に書きとめておきました。そうしておけば巡回の僕と一緒に再訪問できます。しかし,その姉妹が巡回の僕と一緒に再訪問をしたとき,話に耳を傾けたのは,まえに本を求めないで無料のパンフレットを受け取った婦人ひとりだけでした。姉妹は巡回の僕と一緒にその婦人と聖書研究を始めることができました。非常に喜んだ姉妹は,これからは定期的に再訪問をして,教えるわざの面でももっと多くのことを成し遂げたい,と話しました。
ある宣教者は戸別伝道で,神道の勉強をするために仕事をやめた若い男の人に会いました。その後宣教者はその人を何度か訪問しましたが,聖書に関する討論はできても,定期的な家庭聖書研究をはじめることはできませんでした。というのはその人は神道の勉強のため奈良に行くことになっていたからです。奈良は,「永遠の福音」大会が行なわれる京都に近いので,宣教者はその人に大会に出席することをすすめました。若い男の人はそのすすめを受け入れ,5日間ずっと出席しました。聖書の話を聞き,暖い,親しいふんいきに心を動かされたその人は,自分が将来何をすべきかわからなくなってきました。しかし,「聖書を調べてみたらどうですか」という励ましを受け入れて,神道の学校にはいる予定を変え,故郷の広島に帰りました。広島ではエホバの民と毎週3回勉強し,御国会館と奉仕中心地で行なわれる集会全部に出席し,早く真理を学びました。京都大会から4ヵ月半後に伝道をはじめ,バプテスマを受けました。真の神エホバを知り,理解し得た喜びと感謝を表わすために,その人は休暇開拓奉仕を申し込みました。午後4時15分に仕事をやめ,7時まで伝道するのです。いまその人は正規開拓者であり,自分が一緒に勉強した人のひとりが奉仕者になったため,いっそう大きな喜びを経験しています。たしかにエホバは,大いなるバビロンの手中から多くの人を集めておられます。
沖縄
最高伝道者数: 220人
人口: 779,159人
比率: 3,542人に1人
昨年の顕著な出来事は,首都那覇市で開かれた「御霊の実」地域大会でした。8月には220名という伝道者の最高数に達しました。それは21パーセントの増加です。しかし公開集会に356名の人が集まったとき,兄弟たちはどんなに喜んだことでしょう。
また昨年は,沖縄から初めてギレアデ学校に行った兄弟が戻り,巡回の僕として奉仕し始めました。8月に伝道者の最高数に達したので,いまはすべての伝道者が,今奉仕年度の活動に期待をかけています。
先島群島
最高伝道者数: 8人
人口: 123,841人
比率: 15,480人に1人
東支那海にあるこの島で良いたよりの伝道が開始されたのは昨年のことでした。エホバ神とエホバ神のおたてになる新しい秩序について学ぶことを心から望む人が多くいることは,わずか1年のうちに279の雑誌の予約が得られ,1万3169部の雑誌が配布された事実をみてもわかります。ひとりの島の人は,6ヵ月研究しただけで伝道を始めました。そして最初の月に20時間奉仕して166冊の雑誌を配布しました。その後3人がその人に加わって伝道をはじめ,群れとして一人平均13.7時間奉仕し,47.7冊の雑誌を配布しました。最近巡回の僕が訪問しましたが,その時は公開講演に61人が出席しました。協会は今年度さらに大きな発展があることを期待しています。