序文
聖書は,地上のすべての人に対する,主権者なる主エホバからの啓示を書き記したものです。霊感によるこの書は,全地の人々に訴えるものを持っています。それは,一致した楽園<パラダイス>となる地上に義と平和を永久に確立する,神の意図されたメシアによる王国の良いたよりを収めているからです。この書は,堕落した人類世界のために,神が,み子イエス・キリストの贖いの犠牲によって,死からの法的な回復の道を,愛をもって備えてくださったことをも示しています。―ヨハネ 3:16。
一巻にまとめられた聖書は,適切にも「神の書庫」(ラテン語,ビブリオテーカ ディーウィーナ)と呼ばれており,正式に目録に入れられ(つまり,正典とされ),真理を見極めるための霊感による導きとして受け入れられた66冊の書から成っています。多くの人は,聖書全体を大きく二つの部分に分け,「旧約聖書」および「新約聖書」と呼んでいますが,わたしたちは,一般に主張されている,「契約」による区分ではなく,むしろ,そこに用いられている言語に基づいて,初めの39冊を「ヘブライ語聖書」,残りの27冊を「クリスチャン・ギリシャ語聖書」と呼びます。―『聖書全体は神の霊感を受けたもので,有益です』(「霊感」),298-304ページ,および付録7ホ参照。
この「新世界訳聖書」,1985年改訂版は,欄外(相互)参照,広範に及ぶ脚注の比較研究資料,用語索引(「聖書語句索引」),また付録など,幾つかの大きな特色を備えており,聖書に関する正確な知識を大いに増し加えさせるものとなるでしょう。これら種々の特色ある資料を整えるに当たっては,コンピューターによる現代の処理技術が大いに助けになりました。
神の書庫のために用いられた言語
聖書は元々,ヘブライ語,アラム語(ヘブライ語と類縁の言語),および共通(コイネー)ギリシャ語で書き記されました。今日これらの言語を理解する人は比較的に少数ですから,命を与えるその音信をあらゆる国の人々に提供するため,聖書を現代の諸言語に翻訳することが必要になりました。
ヘブライ語本文: 「新世界訳」のヘブライ語聖書部分の英語訳のために用いられたヘブライ語のマソラ本文は,R・キッテルの「ビブリア・ヘブライカ」(BHK),7版,8版,および9版(1951年から1955年)に載せられたレニングラード写本B19A(ソ連邦所蔵)です。この1985年版参照資料付き聖書の脚注にある研究資料を準備するに当たっては,「ビブリア・ヘブライカ・シュトゥットガルテンシア」(BHS)として知られている,上記出版物の1977年最新版が用いられました。「ヘ語」の略号のもとに掲げられた片仮名の語は,BHSに基づく翻字です。
ヘブライ語聖書の中の幾つかの部分は,実際にはヘブライ語の文字を用いたアラム語で書かれました。それらの部分から翻字された語には,その前に,「ア語」という略号が付してあります。他の幾つかのアラム語訳についても,それぞれの略号によって示してあります。
ギリシャ語本文: 「新世界訳」のクリスチャン・ギリシャ語聖書部分の英語訳の底本として用いられたギリシャ語本文は,ウェストコットとホートによる「ギリシャ語原語による新約聖書」(1881年初刊)です。ボーベル,メルク,UBS,ネストレ-アラントなどの,他のギリシャ語本文も参考にされました。クリスチャン・ギリシャ語聖書部分でギリシャ語から翻字された語は,「ギ語」として表示されており,それらは,「ギリシャ語聖書王国行間逐語訳」(1969年)に載せられた,ウェストコットとホートの本文から取られています。ヘブライ語聖書部分にある「ギ語」の略号は,それが,シュトゥットガルトのドイツ聖書協会,1935年発行の,A・ラールフスによる,「ギリシャ語セプトゥアギンタ」(七十訳)からの翻字であることを示しています。ギリシャ語の他の文献はそれぞれの略号によって示してあります。
シリア語本文: 「シ語」という略号は,それが,聖書協会世界連盟,1979年再版の,S・リーによる1826年版「シリア語ペシタ」(シリ訳)から翻字された語であることを示しています。他のシリア語訳はそれぞれの略号によって示してあります。
ラテン語本文: ラテン語ウルガタ訳(ウル訳)として用いられたのは,シュトゥットガルトのウュルテンベルク聖書出版社,1975年発行の,「ウルガタ訳聖書」です。「ラ語」という略号は,この本文から取られた語であることを示しています。他のラテン語訳はそれぞれの略号によって示してあります。
英語および他の言語への翻訳
翻訳の方針: 聖書は宇宙の主権者なる主の神聖なご意志を明らかにするものですから,יהוה(YHWH)としてヘブライ語本文に7,000回近くもはっきり示されている,その方の,神としての独特のみ名を省略したり,隠したりすることは,その方の威光また権威に対する非常な不敬,まさに侮辱の行為となります。ですから,この翻訳の最大の特色は,訳文中の正当な箇所に神のみ名を復元していることです。これは,一般に受け入れられている「エホバ」という語形を,ヘブライ語聖書部分に6,973回,クリスチャン・ギリシャ語聖書部分に237回用いることによってなされました。この点に関する詳細な研究のためには,付録1イ-1ニをご覧ください。
この「新世界訳」の中では,ヘブライ語およびギリシャ語聖書原典の持つ威厳,力,躍動性,直截さをとらえて,その特色を現代の言葉で伝える努力が払われています。
この翻訳は現代語でなされ,今日の普通の話し言葉が用いられており,神に対する様々な祈りや語りかけの中にも古風な表現は用いられていません。
聖句の意訳のための言い換えはなされていません。むしろ,今日の表現法が許すかぎり,また字義通りの訳出によるぎごちなさによって考えが覆われてしまわない範囲で,できるだけ字義通りの訳出を行なうよう努力が払われています。これにより,原文の述べている事柄を努めて字句通りに知ろうと細心の注意を払う人々の願いは満たされるのです。
単なる簡潔さのために原文の言い回しを変えたり,原文の字義通りの訳出で十分意味が通じるのにそれと類似した今日の表現法で置き換えたりすることはなされていません。それぞれの主要な語に一つの訳語を当て,文脈上許されるかぎり努めてその語を用いることによって,翻訳の一貫性が保たれています。ときにこれは訳語の選択の面で制約となってはいますが,相互参照や,関連した聖句の比較対照のために助けになります。
原語の表現の持つ平明さ,情感,風格,また力強さなどをとらえるために,ヘブライ語およびギリシャ語の動詞の訳出に当たっては特別の注意が払われています。古代ヘブライ語やギリシャ語の時制の持つ趣,人々の考え方,推論の仕方,話し方,また他の人々との接し方などをそのまま伝える努力がなされました。これは,元の話し手や筆者が述べた事柄に関して翻訳者が気ままに推測することを阻むものとなりました。こうして,熟語の訳出を現代の表現に変えて,古代におけるその背景を認識できなくしてしまうことのないよう注意が払われています。これは,読者がヘブライ語やギリシャ語の慣用表現に数多く接することを意味しています。ある種の表現については,脚注がその字義通りの意味を示している場合もあります。
ヘブライ語の原文は,その言語構造が簡潔な表現を可能にしているため,きびきびと引き締まった文体になっています。しかしながら,ヘブライ語動詞の表わす動作や状態に含まれる意味合いや感触を訳出しようとする場合,訳語として用いられる動詞の種々の形に,ヘブライ語に対応する色彩が欠けているために,原文の簡潔さをそのまま伝えることはいつでも可能であるわけではありません。そのため,元の動詞の表わす生気,イメージ,劇的動作,また聖書筆者たちが言い表わしている観点や時の概念を明示するために,表現を長くする補助的な語句がときに求められました。ギリシャ語の動詞についても概して同じことが当てはまります。こうして,動詞の未完了形は進行的な動作を表わす未完了の形に,分詞は,継続的な動作を表わす形に訳されています。ヘブライ語動詞の訳し方に関する詳しい説明については,付録3ハをご覧ください。
原語の幾つかの言葉はそのまま訳文の中に取り入れられていることにも注目してください。その例としては,「シェオル」,「ハデス」,「ゲヘナ」,「アーメン」,「マナ」,「メシア」などがあります。
専門的な特色: 章と節の番号は欽定訳の章節番号に従っていて,簡単に比較することができるようになっていますが,節ごとに独立した段落となっているのではなく,まとまった考えを正しくとらえることができるように,幾つかの節がまとまって段落をなすようにしてあります。また,詩編など,聖書の詩の部分は,詩の形式に組んであります。アルファベット詩,すなわち折り句<アクロスティック>の部分は,そのことを示してあります。―詩編 119編参照。
全体にわたり統一的な句読法が採用されています。クリスチャン・ギリシャ語聖書のヘブライ語的な背景を考慮に入れて,人物や場所を表わす固有名詞はすべて,ヘブライ語聖書のギリシャ語セプトゥアギンタ訳(七十訳)に倣うギリシャ語本文のつづりより,ヘブライ語のつづりのほうにおもに従っています。
上部欄外見出し(ラニングヘッド): これは,この翻訳の本文のほとんどすべてのページの上部に印刷されています。それらは聖書の種々の記述を手早く見つけ出す助けとなるでしょう。
角かっこ: 一重の角かっこ[ ]は,そこに挿入された語が訳文の意味を明確にするための補足であることを示しています。二重の角かっこ[[ ]]は,その部分が原文への書き入れ語句(別の資料からの挿入)である可能性を示唆しています。―ルカ 23:19,34参照。
下線: 下線の付された語は,英文新世界訳の中でそれに対応する普通名詞の語頭が大文字化され,特定のものを指して用いられていることを示しています。
この新しい版の特色
用語索引: この本の巻末部分には,「聖書語句索引」と題する用語索引が載せられています。選び出された語句,およびそれが本文中のどこに出ているかが書き出されており,大抵はその語の前後の語句が短く抜粋されています。脚注の利用を助けるための,「脚注語句索引」と題する有用な項目も設けられています。
付録: 付録の記事は幾つかの項目に類別され,聖書の基礎的な教理やそれに関連した事柄を説明する助けとして用いることができるように配列されています。それら付録の各記事には番号と片仮名の文字とが付けられています。(例えば,1イ,1ロ,2イ,2ロ,2ハ)1から9までの番号は論題の類別で,イ,ロ,ハなどの文字は,類別されたそれらの論題のもとでの副項目を示しています。その付録の終わりの部分には,貨幣,度量衡,聖書の暦月の表があり,また,聖書の土地の地理に関する情報や地図も載せられています。付け加えられたこれらの詳しい情報は,いっそう綿密な聖書の研究者となり,また聖書の真理を擁護する面でさらに資格ある者となるよう多くの人を助けることでしょう。―ペテロ第一 3:15。
欄外参照: この版には12万5,000を超える欄外(相互)参照が載せられています。それらの引照聖句は,聖書に記録されているほとんどすべての事柄に関して少なくとももう一つの証言が得られることを実証しています。欄外参照の聖句を注意深く比較し,付随する脚注を調べてみるなら,聖書の66冊の本が相互に関連し合っており,それが,神の霊感による一巻の本を構成していることが明らかになるでしょう。
欄外(相互)参照は各ページの中央の欄に収められ,聖書の各書の略称が用いられています。本文中の,ア,イ,ウ,エ,オの記号は,どこの相互参照を見るべきかを読者に指示しています。提出されているすべての引照聖句がそこの参照欄に収まらない場合,あふれ出た分はそのページの右の欄の下部に収められています。章が変わるときには,参照聖句の欄にもそのことが指示してあります。
ある参照聖句の後に「脚注,七十訳」とあれば,それは,その部分の引用句がセプトゥアギンタ(七十訳)からであることを示しており,そこに引照されている聖句の脚注の中でさらに詳しい情報が与えられています。一例を挙げれば,ローマ 9章17節は,出エジプト記 9章16節の脚注にある七十訳を引照しています。
参照聖句は,その箇所の記述と並行する考えや出来事や記述,伝記的情報,地理的情報,聖書そのものの中にある聖書預言の成就の例,聖書の他の部分から直接引用された語句・表現・節,また,律法契約のひな型とクリスチャン・ギリシャ語聖書の中に述べられているその成就との関係などに関して挙げられています。このすべては豊かな聖書の知識を与えるものとなるでしょう。
脚注: この出版物のもう一つの目立った特色は,1万1,000を超える脚注の中にまとめられた広範囲な情報です。聖書本文に関する重要な情報を簡潔な方法で提示するための努力が払われました。これらの脚注は,聖書の三つの原語であるヘブライ語,アラム語,ギリシャ語の述べる事柄に一致が保たれていることを知るのに役立つでしょう。
さらに,訳文が原語の本文と異なっている場合,その部分の脚注は,そのような異なった訳し方を支持する写本や訳本を挙げて,その訳文の根拠を示しています。ヘブライ語やギリシャ語の本文に対する別の訳し方,また他の写本や訳本に基づく異なった読み方も示してあります。
本文そのものが概して字義的に訳されていますが,多くの脚注は,価値のある,いっそう字義的な訳し方を示しています。それは,(1)語句の基本的な意味,(2)言葉の由来,また,(3)元の言葉や句について一般に認められている辞典の定義を挙げている場合もあります。クリスチャン・ギリシャ語聖書の部分で挙げられているさらに字義的な訳し方については,「ギリシャ語聖書王国行間逐語訳」の行間の読みと比較できるでしょう。
こうして備えられたものは,聖句に関する注解というよりは,むしろ翻訳のための比較研究資料です。しかし,専門的性質のない有用な情報も提出されています。
「魂」,「シェオル」,「贖い」,「復活」,「贖罪」,「神」,「キリスト」,「王国」,また「千年期」など,聖書の基本的な主題に光が投じられています。節番号の付け方の多少の相異を含む,ヘブライ語,ギリシャ語またラテン語本文における異同,言語による相違,ヘブライ語以外の言語からの借用語,種々の写本の欄外からの意味ある注釈なども提出されています。
また,価値ある別の訳し方,字句通りの意味に関する情報,基になるヘブライ語やギリシャ語の本文とは異なる訳し方が採用されている理由なども示されています。聖書の書名,人物名,地名の意味に関する情報,また地理に関する資料も提供されています。貨幣,度量衡,暦法は今日の普通の単位や用語で示してあります。―付録8イ,8ロ参照。
脚注の研究資料は神のみ名の復元のための十分な根拠を提出しています。エホバ神を指す称号や描写的表現には慎重な注意が払われています。聖書の科学的正確さを裏付ける脚注資料が備えられ,また,いわゆる矛盾とされる箇所を解明する情報も含められています。聖書の中で重要な年代計算に関する有用な情報も見いだされます。神聖な奉仕,伝道活動,組織,道徳上の行動に関する聖書用語の意味を明らかにするための項もあります。脚注はまた,『主エホバ』と『主イエス』との違いを明確にするのにも役立ちます。
文体,修辞的表現,しゃれ,慣用語法,隠喩,婉曲語法などに関する短い注釈も脚注の中に提出されていて,聖書原語の味わいを伝えています。性,数,格,動詞の形などに関する文法的な情報は,元の原語に関するものであり,訳文に関して述べているのではありません。
脚注の中の丸かっこは一般に,そのかっこに先行する語や句と替わりうる語や表現のために用いられています。角かっこで囲まれた語や句は一般に,それが補足ないしは説明となる情報であることを示しています。
脚注は一連の記号のいずれかによって示されており,その記号は,脚注で取り上げている本文中の語や句の最後に付いています。聖書本文の各欄の下にある脚注には,太文字で印刷された節の番号,および本文にあるのと同じ記号が付いています。同一の節に幾つもの脚注がある場合,それぞれは以下の記号によって区別されています: *,#,*,*,*,*。
翻字: 脚注はまた,ヘブライ語,アラム語,ギリシャ語,シリア語,ラテン語の言葉から翻字された,啓発となる言葉を豊富に提出しています。翻字とは,外国語の言葉を自国語の表音文字に一字一字写し換えたものです。それは実際の発音に近づけてあります。
ヘブライ語の多くの言葉には接頭辞や接尾辞が付いており,それらはときに基本となる語と結びついていて,翻訳文の中では一つの句のようになっています。このような場合,翻字されたヘブライ語の言葉の主な部分は太文字で印刷され,脚注で取り上げた訳文からの引用句の太文字部分と対応して,その基本語に注目することができるようになっています。翻字された語の細文字の部分については特に翻訳の必要でない場合もあります。この細文字と太文字の区別は,ギリシャ語,シリア語,ラテン語の句についても当てはまります。しかしこの対照は主としてヘブライ語に当てはまるものですから,他の言語については,該当する語が示されているだけの場合もあります。その例は次の通りです:
創世記 23:8*: 字義,「あなた方の魂(単)が共にある」。集合的に用いられている。ヘ語,エト・ナフシェケム; ギ語,プシュケーイ。
マルコ 10:30*: または,「事物の秩序」。ギ語,アイオーニ; エ17,22(ヘ語),ウーヴァーオーラーム,「そして……事物の秩序で」。
翻字された語で太文字と細文字の区別がないものは,脚注で取り上げた語や句にそのまま対応します。さらに,翻字は,引用された語句は示していますが,省略によって省かれている語句は示していません。接頭辞と接尾辞に関するさらに詳しい情報については,付録3ロをご覧ください。
本文に関する略号: 脚注全体を通じて,本文に関する情報を提供するさい,古代のさまざまな写本やパピルス,冊子本,印刷版,および近年の権威ある出版物に言及することが必要となります。次に掲げるのは,この聖書の脚注で用いられている参照資料のおもな略号です。
アキュ訳 アキュラによる,ヘブライ語聖書のギリシャ語訳,2世紀。
アル訳 アルメニア語訳,4世紀から13世紀,ヘブライ語聖書およびギリシャ語聖書。
アレ写 アレクサンドリア写本,ギリシャ語,5世紀,大英博物館,ヘブライ語聖書およびギリシャ語聖書。
アレポ写 アレッポ写本,ヘブライ語,930年ごろ,イスラエル,ヘブライ語聖書。
ウル訳 ラテン語ウルガタ訳,ヒエロニムス訳,原本が作られたのは400年ごろ(Iuxta Vulgatam Versionem,ウュルテンベルク聖書出版社,シュトゥットガルト,1975年)。
ウル訳ク ラテン語ウルガタ訳,クレメンス校訂版(S・バグスター・アンド・サンズ社,ロンドン,1977年)。
ウル訳シ ラテン語ウルガタ訳,シクストゥス校訂版,1590年。
ウル訳WW 「信頼の置ける写本に基づく,聖ヒエロニムスのラテン語新約聖書」(Novum Testamentum Latine secundum editionem Sancti Hieronymi ad Codicum Manuscriptorum Fidem),J・ワーズワースおよびH・J・ホワイト共編,オックスフォード,1911年。
エ1 マタイによる書,ヘブライ語,J・ドゥ・ティエ編,メルシエによるラテン語訳付き,パリ,1555年。
エ2 マタイによる書,ヘブライ語,「エヴェン・ボーハン」[「試みを経た石」]の一つの章に収録,シェム・トブ・ベン・イサーク・イブン・シャプルト,1385年。16世紀,17世紀の写本,ユダヤ神学校,ニューヨーク。
エ3 マタイによる書およびヘブライ人への手紙,ヘブライ語およびラテン語,セバスチャン・ミュンスター訳,スイス,バーゼル,1537年と1557年に別々に発行。
エ4 マタイによる書,ヘブライ語,J・クインカルボレウス訳,パリ,1551年。
エ5 典礼用福音書,ヘブライ語,F・ペトリ訳,ウィッテンベルク,1573年。
エ6 典礼用福音書,ドイツ語,ラテン語,ギリシャ語,およびヘブライ語,ヨハン・クラーユス訳,ライプチヒ,1576年。
エ7 クリスチャン・ギリシャ語聖書,ヘブライ語を含む12の言語,エリアス・フッター訳,ニュルンベルク,1599年。
エ8 クリスチャン・ギリシャ語聖書,ヘブライ語,ウィリアム・ロバートソン訳,ロンドン,1661年。
エ9 福音書,ヘブライ語およびラテン語,ジョバンニ・バティスタ・ヨナ訳,ローマ,1668年。
エ10 「ヘブライ語と英語による……新約聖書」,リチャード・カディック訳,マタイによる書からコリント人への第一の手紙までを含む第1-第3巻,ロンドン,1798-1805年。
エ11 クリスチャン・ギリシャ語聖書,ヘブライ語,トーマス・フライ他訳,ロンドン,1817年。
エ12 クリスチャン・ギリシャ語聖書,ヘブライ語,ウィリアム・グリーンフィールド訳,ロンドン,1831年。
エ13 クリスチャン・ギリシャ語聖書,ヘブライ語,A・マッコール,M・S・アレクサンダー,J・C・ライハルト,S・ホーガ共訳,ロンドン,1838年。
エ14 クリスチャン・ギリシャ語聖書,ヘブライ語,J・C・ライハルト訳,ロンドン,1846年。
エ15 ルカによる書,使徒たちの活動,ローマ人への手紙,ヘブライ人への手紙,ヘブライ語,J・H・R・ビーゼンタール訳,ベルリン,1855年,1867年,1853年,1858年に別々に発行。
エ16 クリスチャン・ギリシャ語聖書,ヘブライ語,J・C・ライハルト,J・H・R・ビーゼンタール共訳,ロンドン,1866年。
エ17 クリスチャン・ギリシャ語聖書,ヘブライ語,フランツ・デリッチ訳,ロンドン,1981年版。
エ18 クリスチャン・ギリシャ語聖書,ヘブライ語,アイザック・サルキンソン,C・D・ギンスブルク共訳,ロンドン。
エ19 ヨハネによる書,ヘブライ語,モシェ・I・ベン・メアー訳,米国,コロラド州,デンバー,1957年。
エ20 「ギリシャ語聖書語句索引」(A Concordance to the Greek Testament),W・F・モールトン,A・S・ゲデン共編,第4版,英国,エディンバラ,1963年。
エ21 エンファティック・ダイアグロット訳(The Emphatic Diaglott,ギリシャ語-英語行間逐語訳),ベンジャミン・ウィルソン訳,ニューヨーク,1864年; ものみの塔聖書冊子協会による再版,ブルックリン,1942年。
エ22 クリスチャン・ギリシャ語聖書,ヘブライ語,聖書協会世界連盟,エルサレム,1979年。
エ23 クリスチャン・ギリシャ語聖書,ヘブライ語,J・ボーチェット訳,ローマ,1975年。
エ24 「バチカン写本に基づく……新約聖書の字義訳」(A Literal Translation of the New Testament……From the Text of the Vatican Manuscript),ハーマン・ハインフェッター訳,ロンドン,1863年。
エ25 「ローマ人への聖パウロの書簡」(St.Paul's Epistle to the Romans),W・G・ラザフォード訳,ロンドン,1900年。
エ26 詩編およびマタイによる書 1:1–3:6,ヘブライ語,アントン・マルガリータ訳,ライプチヒ,1533年。
エ27 「新約聖書」(Die heilige Schrift des neuen Testaments),ドミニク・フォン・ブレンターノ訳,第3版,ウィーンおよびプラハ,1796年。
エフ写 エフラエム写本,ギリシャ語,5世紀,パリ,ヘブライ語聖書およびギリシャ語聖書。
カイ写 カイロ写本,ヘブライ語,895年,エジプト,カイロ,ヘブライ語聖書。
行間訳 「ギリシャ語聖書王国行間逐語訳」(The Kingdom Interlinear Translation of the Greek Scriptures),ものみの塔聖書冊子協会,ブルックリン,1969年,ギリシャ語本文の英語への逐語訳。
ギンス 「ヘブライ語聖書マソラ批評本文」(Massoretico-Critical Text of the Hebrew Bible),C・D・ギンスブルク編,ロンドン,1926年。
ギンスマソ 「マソラ」(The Massorah),C・D・ギンスブルク,クタブ出版社,ニューヨーク,1975年再版。
ギンスInt 「ヘブライ語聖書マソラ批評版緒論」(Introduction to the Massoretico-Critical Edition of the Hebrew Bible),C・D・ギンスブルク著,クタブ出版社,ニューヨーク,1966年再版。
クム1イザa イザヤ書死海写本,エルサレム,1947年にクムラン第1洞くつで発見。
公本 ギリシャ語聖書のテクストゥス・レケプトゥス(公認本文),R・ステファヌス編,1550年。
古ラ訳 古ラテン語訳,イタラ訳,2世紀から4世紀,ヘブライ語聖書およびギリシャ語聖書。
サマ五 サマリア五書,原本が作られたのは西暦前4世紀ごろ(印刷版: 「ビブリア・ポリグロッタ」,ブリアン・ウォルトン編,ロンドン,第1巻,1657年; 「ヘブライ語サマリア五書」[Der Hebräische Pentateuch der Samaritaner]A・フォン・ガル編,1914-1918年[1963年再版,ベルリン])。
シナ写 シナイ写本,ギリシャ語,4世紀,大英博物館,ヘブライ語聖書およびギリシャ語聖書。
シュン訳 シュンマコスによる,ヘブライ語聖書のギリシャ語訳,200年ごろ。
シリ訳,シリ訳ペ シリア語ペシタ訳。クリスチャン・アラム語,最初の翻訳は5世紀(S・リー編,ロンドン,1826年,および聖書協会世界連盟による再版,1979年)。
シリ訳ク シリア語クレトニア写本,原本が作られたのは5世紀(印刷版: 「四福音書のクレトニア訳」,F・クローフォード・バーキット,第1巻,英国,ケンブリッジ,1904年)。
シリ訳シ シリア語シナイ写本,4,5世紀,福音書。
シリ訳ヒ エルサレム(Hierosolymitanum)訳,古代シリア語,6世紀; ギリシャ語聖書。
シリ訳ヘ シリア語フィロクセヌス-ヘラクレア訳,6,7世紀; ギリシャ語聖書。
新世訳 「新世界訳聖書」,ものみの塔聖書冊子協会,1985年改訂版。
スネ 「ヘブライ語旧約聖書」(Hebrew Old Testament),N・H・スネイス編,イスラエル,1970年。
ゾレルギ語 「新約聖書ギリシャ語辞典」(Lexicon Graecum Novi Testamenti),第3版,F・ゾレル編,パリ,1961年。
ゾレルヘ語 「旧約聖書ヘブライ語・アラム語辞典」(Lexicon Hebraicum et Aramaicum Veteris Testamenti),F・ゾレル編,ローマ,1968年。
「助け」 「聖書理解の助け」(Aid to Bible Understanding),ものみの塔聖書冊子協会,ブルックリン,1971年。
タル タルグム,アラム語。ヘブライ語聖書部分の意訳。
タルエ 第1エルサレム・タルグム(偽ヨナタン・タルグム)および第2エルサレム・タルグム(断片タルグム)。
タルオ タルグム・オンケロス(バビロニア・タルグム),モーセ五書。
タルパ パレスチナ・タルグム,ローマ,バチカン市国,モーセ五書。
テオ訳 テオドティオンによる,ヘブライ語聖書のギリシャ語訳,2世紀。
七十訳 セプトゥアギンタ訳,ギリシャ語,最初の翻訳は西暦前3世紀および前2世紀,ヘブライ語聖書(A・ラールフス編,ドイツ聖書協会,シュトゥットガルト,1935年)。
七十訳アレ写 アレ写参照。
七十訳シナ写 シナ写参照。
七十訳トムソン セプトゥアギンタ訳,C・トムソンによる英訳,ペルス版,ロンドン,1904年。
七十訳バグスター セプトゥアギンタ訳(ランセロット・ブレントン卿の英訳付き,S・バグスター・アンド・サンズ社,ロンドン,1851年)。
七十訳バチ写 バチ写参照。
七十訳ラ セプトゥアギンタ訳(P・デ・ラガルド編,ドイツ,ゲッティンゲン,1883年)。
ネストレ-アーラント 「ギリシャ語新約聖書」(Novum Testamentum Graece),第26版,シュトゥットガルト,1979年。
バウアー 「新約聖書・初期キリスト教文献希英辞典」(A Greek-English Lexicon of the New Testament and Other Early Christian Literature),W・バウアー編; F・W・ギングリッチおよびF・W・ダンカーによる英語第2版,シカゴおよびロンドン(1979年)。
バチ写 バチカン写本1209号,ギリシャ語,4世紀,ローマ,バチカン市国,ヘブライ語聖書およびギリシャ語聖書。
パピ写45 チェスター・ビーティー・パピルス1号,ギリシャ語,3世紀,英国,ダブリン,ギリシャ語聖書。
パピ写46 チェスター・ビーティー・パピルス2号,ギリシャ語,200年ごろ,英国,ダブリン,米国,ミシガン州,アナーバー,ギリシャ語聖書。
パピ写47 チェスター・ビーティー・パピルス3号,ギリシャ語,3世紀,ダブリン,ギリシャ語聖書。
パピ写66 ボドメル・パピルス2号,ギリシャ語,200年ごろ,ジュネーブ,ギリシャ語聖書。
パピ写74 ボドメル・パピルス17号,ギリシャ語,7世紀,ジュネーブ,ギリシャ語聖書。
パピ写75 ボドメル・パピルス14,15号,ギリシャ語,200年ごろ,ジュネーブ,ギリシャ語聖書。
ベザ写 ベザ写本,ギリシャ語およびラテン語,5,6世紀,英国,ケンブリッジ,ギリシャ語聖書。
マソ本 BHKおよびBHSに載せられているレニングラード写本B19Aのヘブライ語マソラ本文。
「霊感」 『聖書全体は神の霊感を受けたもので,有益です』,ものみの塔聖書冊子協会,1983年。
レニングラード レニングラード写本B19A,ヘブライ語,1008年,ヘブライ語聖書,サルティコフ-シチェドリン共和国立図書館,ソ連,レニングラード。
ワシ写 フリーア福音書,5世紀,米国,ワシントン特別区。
B19A レニングラード参照。
BDB 「旧約聖書ヘブライ語-英語辞典」(Hebrew and English Lexicon of the Old Testament,ブラウン,ドライバー,ブリッグズ共編,オックスフォード,1978年再版)。
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BHS 「ビブリア・ヘブライカ・シュトゥットガルテンシア」,エリガーおよびルドルフ編,ドイツ聖書協会,シュトゥットガルト,1977年,ヘブライ語聖書。
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WH 「ギリシャ語原語による新約聖書」(The New Testament in the Original Greek),ウェストコットおよびホート共編,1948年版(王国行間逐語訳に転載)。
* 最初の写字生によるギリシャ語写本の読み方。
c 他の校訂者によるギリシャ語写本の読み方。
略称: 聖書各書の略称に加えて次の略称が用いられています。
ア語 -アラム語
ギ語 -ギリシャ語
シ語 -シリア語
ヘ語 -ヘブライ語
ラ語 -ラテン語
(単) -単数形
(複) -複数形
(男性) -男性形
(女性) -女性形
§ -節
結論
この「新世界訳」,1985年改訂版に載せられた,豊富な相互参照資料と専門的情報は,聖書の66冊の書が相互に関連のある,霊感を受けた一つの統一体を成し,真理の「清い言語」を組み成していることを理解する助けとなるでしょう。(ゼパニヤ 3:9)この徹底的な研究により,エホバの聖なるみ言葉に真に『おののく』人々には,聖書理解の新たな展望が開けることでしょう。(イザヤ 66:2,5)聖書のこの版の持つ幾つもの特色を十分に活用することによって,読者ひとりひとりが真理の正確な知識を得るように助けられ,『神の言葉は生きていて,力を及ぼす』ものであることをいっそう深く認識するようになること,これがわたしたちの願いです。(ヘブライ 4:12)エホバの生きたみ言葉である聖書により,その豊かな霊的食卓で常に宴を楽しむ人々は真に幸福です。―マタイ 5:3。