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あなたの手紙をあて先に届ける仕事目ざめよ! 1971 | 1月22日
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鉄道は今まで何年もの間,郵便物運送の速度と能率をあげることに貢献してきました。特別車両の中では,汽車がある遠距離の地点に向かって昼夜走る間に,郵便物を区分できるようになっています。路傍の小さな駅では,汽車は止まらずに郵便物を投げ落としていきます。そればかりか,走っている汽車の中から郵便袋を拾い上げることができる精巧なクレーンさえあります。
ですから,あなたの手紙を配達するには,あなたが近所の郵便局で見ること以外にも,たくさんのことが行なわれるのです。郵便物を取り集め,区分けし,郵袋につめ,さらに配達を速くするために郵袋を配達道順に整理することなどは,世界をもうらする郵便網の日常業務にすぎません。すわって地球の反対側に住むだれかに手紙を書くと,たとえ名あて人が捕虜であろうと,民間人の被抑留者であろうと,それが彼らの手に届くという期待がもてるのはすばらしいことではないでしょうか。しかもたいていの場合,あなたの手紙の内容が明らかにされることはないのです。毎日殺到する莫大な量の手紙を検閲するために係り員を置いたり,またはそうしたことをしたがる国はまずありません。
万国郵便連合の運営のおかげで,郵便料金は,ほとんどの人が支払える範囲に保たれています。政治的事情や経済状態に制約されて,遠い外国に住む親せきや友人を訪れることができなくても,あたたかい文通が,家族や友人とのきずなを保つのを助けます。
ペルシアの騎馬飛脚の駿足と能率は,ギリシアの歴史家ヘロドトスの称賛を買いました。ニューヨーク中央郵便局の入口の上方には,その賛辞の一部が刻まれています。「これらの飛脚は,雪も,雨も,炎熱も,やみ夜も辞さず,迅速な任務の完遂に務めた」。あなたの手紙は,あなたが寝ている間も,その道をまっしぐらに進んでいるのです。
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V字型の隊形を組んで飛ぶのはなぜか目ざめよ! 1971 | 1月22日
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V字型の隊形を組んで飛ぶのはなぜか
★ カリフォルニア工科大学の二人の気体力学専門家がこのほど出した結論によると,大きな渡り鳥がV字型の隊形を組んで飛ぶのには実際的な理由がある。この隊形を組むことによって,互いにあと押しをして,飛行範囲を71%も延ばしているらしい。この理論は,飛行中の鳥の観察よりも,ほとんど気体力学の法則にもとづいている。ところが,この二人の専門家が算出したV字型の角度と間隔は,渡り鳥が飛ぶときに見られるそれに酷似している。
彼らが到達した結論によると,飛行中の鳥はそれぞれ,翼の先端で強い上昇気流もしくは空気の上昇運動をひき起こす。飛行隊形の中に位置を占めると,この揚力に便乗できるので,後続の鳥は,いっそう容易に前進できるのである。これはタカやグライダー・パイロットが上昇気流を利用して滑空するのに似ている。この方法で飛ぶと,鳥の前進速度は落ちるが,飛行距離は長くなる。渡り鳥が何百キロも旅をすることを考えれば,この飛行方法がきわめて実際的なわけがわかる。
V字型の隊形では先頭の鳥がいちばん重労働をするように思えるかもしれない。ところが,専門家の計算が示すところによると,この型の隊形においては,先頭の両側の鳥の起こす上昇気流が,先頭の鳥にまで十分に達するので,先頭の鳥も助けられるのである。とはいっても,これは,鳥たちの間隔とV字型の角度で左右される。先頭の鳥は,他にくらべれば働きが重いのかもしれぬ。だから,一番強い鳥か,または一番飛行の上手な鳥なのだろう。V字型の両端のしんがりは,少しうしろに下がると飛行がらくになる。
では,渡り鳥がこの隊形を組んで飛ぶとき,どうして鳥はそれぞれの位置にとどまるのであろうか。専門家の分析によると,もし鳥が自分の正しい位置を離れて,先に出ると,負担が増すのをすぐに感じるので,余儀なく元の位置にもどるのだろうということだ。もしうしろにさがれば,少しらくに飛べるが,そうすると,いわゆる「社会的圧迫」を加えられて,おくれずについて行くように強制される。分析家の推測によると,野生のシジュウカラガンが渡るとき,絶えず鳴き声をたてるのは,なまけ者のガンに,自分の場所を離れぬよう催促しているのだろうということである。
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