-
あなたの体内にあるこの驚くべき液体目ざめよ! 1976 | 7月8日
-
-
ん。もし水ぼうそうのビールスが体内に侵入すると,抗体は直ちにビールスを攻撃します。人は一生の間に数多くの,異なった特定の抗体を自然に作り出しており,それによって多くの病気から守られています。
グロブリンおよび抗体は,ジフテリアなどの病気にすでにかかっている人を治療するために時として用いられます。病気がそのまま進行して悪くなる危険を避けるため,医師はすでにその病気に対する抗体を有する動物あるいは人間の血から作られた血清をすすめることがあります。a
人間の血液について最も広く知られていることのひとつは,さまざまな血液型の存在です。A型の血液あるいは他にもよくある血液型としてB型,AB型,O型などが一般に知られています。ある血液型の人が別の型の血液を輸血されると,おそらく重い病気になり,死亡することもあります。それで病院では血液銀行からの血液と患者の血液の型とを“適合”させることに努めます。現在までのところ,十五種類の異なった血液型が識別されています。
しかしあなたの血液には抗体,ホルモン,たん白質および他の成分が独自に組合わされており,その組合せは数え切れないほど複雑なものであるゆえに,医師はあなたの血液をだれか他の人の血液と完全に“適合”させることができるでしょうか。1966年にサイエンス・ダイジェスト誌は次の事を述べていました。「血液は人によって異なるが,その相違をきたす要因として知られているものの数を考えると,完全に適合した輸血は一万件にひとつに過ぎないものと推定される」。
あなたの血液が他のだれのものとも違う独自のものであるという事は,その記事の書かれた時以後に明らかになった事柄に照らしてみてもますます確かです。それで1974年にはリーダース・ダイジェスト誌に次の事が出ています。
「[ある人の]血液は世界中の他のどの血液とも異なっており,指紋と同じぐらい独自のものである可能性が増している。事実,大きなスタジアムに座っている各人から血液の標本をいま採取し,一年後にもう一度,採血して各人の血液の特性に基づき,前に座っていたと同じ席につかせることもあながち不可能ではない」。
輸血によって肝炎や梅毒などの病気がうつる可能性は言うにおよばず,輸血した血液から危険な反応が起こる可能性は,医学界において次第に広く認められるようになっています。これらの諸問題は,動物や人間の血を体内にとり入れて命を支えることを禁じた聖書の知恵を強調するに過ぎません。―創世 9:3,4。使徒 15:19,20。
血液がその組成や働きにおいて驚くべきものであることは全く確かです。しかもその成分のいくらかと,日ごとに命を支え,命を守るその働きについて基礎的な知識を得ただけで,創造者が血を命の象徴にされていることを十分に認識できます。創造者はこう言われました,「其は肉の生命は血にあればなり……是をもて我[汝らに]いへり 汝らの中何人も血をくらふべからず」― レビ 17:11,12。
-
-
長寿は「偶然ではない」目ざめよ! 1976 | 7月8日
-
-
長寿は「偶然ではない」
米国ウィスコンシン大学のロバート・サンプ博士は,「高齢」になるまで生きることは,単に遺伝学上の偶然ではない,という結論を出しました。平均寿命よりも長く生きた人々の生活の型を分析した結果,同博士はこう語りました。「それは終生持っていた習慣によるものである。これらの老人には,性格の面である一定の型が見られる。その生涯は極端な事柄を避ける穏和なもので,平静さ,他の人への関心と将来に対する希望を伴うものであることを我々は知った」。
-
-
血に警戒するドイツ医学目ざめよ! 1976 | 7月8日
-
-
血に警戒するドイツ医学
医学の進歩はふつう医療の効果を高める結果になってきました。しかし医師たちは輸血の経験を積めば積むほど,また輸血の結果に注目すればするほど,それだけ多くの問題と危険を発見しています。
この事はドイツの新聞ディー・ウェルト(1974年12月9日付)に出た長い記事の中で強調されました。それは次のように述べています。
「『血液は危険な医薬とみなされるべきであり,例えばモルヒネと同様な注意をもって使用されるべきである』。ハンブルク大学病院の輸液医療部長H・ブッシェ教授は第114回北ドイツ外科医大会において,輸血の過誤と危険に関する報告をこの強い言葉で結びました。
「輸血は免疫,新陳代謝,感染の面で危険を伴う。これら三つの危険のどれにしても,きわめて重大な,致命的な結果さえも招くことがある。……免疫学の上から見て血液には個性があり,それは血球および血漿の,遺伝による不変の特性に表わされている。そのうえ,リーサスおよび他の血液型因子によって各人の血液は独自のものとなっている。循環系に異物が入った時に生ずる物質すなわち特異的抗体も,異なった血液を区別する別の要素である。
「供血者の血液と受血者の血液の免疫学的特性が異なる場合,受血者の体は供血者の血液に対していつでも不適合反応をおこす。ゆえに供血者と受血者について綿密な血清学上の血液検査を行なわねばならない。
「輸血の安全性に対する責任は,最終的には輸血を指示した医師にある。しかし彼は一連の作業に携わる人々の一人に過ぎない。……安全のための規則すべてに周到な注意を払ったとしても,取扱い上の過誤や,ありふれた見落しを全く無くすことはできない。輸血を行なう医師は,輸血前にすべての記録を注意深く調べるのに加えて,いわゆる交差試験を行なうことにより,起こり得る過誤を未然に発見できよう。
「しかし北ドイツの病院に問い合わせたところでは,全国医師連盟の定めている,輸血に関する安全基準は,すべての病院で,あるいはすべての場合に守られている訳ではない。人員の不足また夜勤をする外科医の過重な負担が,ひとつにはその理由である。したがって,そうでなければ避け得る免疫上の危険が受血者にとってまだ存在することになる。
「新陳代謝の面における危険には,保存血液の老化および劣悪化から生ずる,さまざまな危険が含まれる。……新陳代謝の面における危険を最小限に抑えるため,供血者の新鮮な血液が次第に多く使われるようになっている。しかしこれによって人は感染の危険に直面する。供血者に発見されない梅毒は,血液が通常の72時間,保存されない場合,感染し得るからである。……また肝炎をうつされる危険もある。……輸血によってうつる危険のある病気としては他にマラリヤ,サイトメガリ・ビールスの感染があり,後者はとくに子供にとって危険である」。
外科医たちが“厳重な医学上の警戒体勢”を呼びかけたのも,十分にいわれのあることです。世界各地の有能な外科医の多くは,出血を最小限に抑える細心の外科技術を用い,輸血が明らかに必要となるような事態をそれによって避けています。
-