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親族に話しましたかものみの塔 1965 | 11月1日
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しかしエホバの証人はあきらめずに,二,三ヵ月毎に親切に訪問して,その人たちに機会を与えます。親族に対しても愛のこもった同じ思いやりが必要です。
また時の経過や状況の変化によっても親せきの者の気持ちが和らぐ場合もあるので,投げ出してはいけません。ミシシッピー州の一証人に,御国の真理など聞きそうにもないと思われた祖母がいました。その人はしばらく何も話しませんでした。しかし次のように報告しています。「母は祖母に聖書のパンフレットを送りました。祖母はそのことを私に手紙で教えてくれました。そこで私は,その時伝道に使っていた聖書の話を返事に書きました。4ヵ月がすぎました。私はまた手紙を書きました。やはり何のさたもありません。それから約1ヵ月後,驚いたことに祖母がひょっこりたずねてきて,3日間滞在しました。祖母は御国会館にもついて来て『バビロン』の本を求めました。その時から私たちは絶えず手紙をやりとりしています祖母は『ものみの塔』と『目ざめよ!』も予約しています。ごく最近の手紙によると『バビロン』の本を読み終わって,こんどはそれを勉強することを望んでおり,このごろは,聖書と聖書関係の本しか読まないと言っています」。親せきの証人が伝道をあきらめなかったために,ついに真理に答え応じた人は少なくありません。
ですから,親せきに口頭で証言しようと手紙で証言しようと,それは時間のかかるものであることを知っておかねばなりません。ニューヨークの一証人は,チェコスロバキアにいる家族に8年間手紙を書きつづけました。7年後,母親が真理を理解しはじめ,だれかに聖書の勉強を手伝ってほしいと手紙で知らせてきました。そこで土地の証人が彼女と聖書の勉強をはじめ,彼女は目ざましい進歩をみせました。そして最近むすこに次のような手紙をよこしました。「あなたとあなたの家族のつきない思いやりにより,私も真理においてあなたの姉妹となつたことをお知らせします。これは私の大きな喜びです。先週の日曜日にバプテスマを受け,今後私もエホバのしもべになれるという喜びでいっぱいです」。これが7年間手紙で証言したのちの結果でした。
ゆえに巧みに,そして愛と忍耐をもって親族に証言しましょう。あきらめないで,できるかぎりの援助をしましょう。カリフォルニア州の一証人の手紙によると,彼女と夫は真理を学んだとき,熱意をこめてそれを肉親に話しました。「ところが私たちは予期しなかった扱いを受けました。しかし私が開拓者になったとき,彼らはいろんな質問をしました。そのために私は,電話のそばに『すべてのことを確かめよ』という本を備えておいて,話しながらそれをめくり,彼らの問いに対して聖書にもとづいた答えをしました。こういうことがしばらくつづきました。それで先方は,教会で学ぶよりも,私と電話で話して学ぶことのほうが多いのに気づき,一緒に勉強してくれと言い出しました。それから間もなく妹とその主人および子どもたちは野外奉仕に興味をもち,実際に奉仕を初めました。そして妹はバプテスマを受けました」。それまでに9年かかりました。
配偶者を助ける
クリスチャンが聖書の真理を伝えたいと思う人の中でまず筆頭にあがるのは自分の配偶者です。この人に真理を知らせないのは愛の行いではありません。にもかかわらず妻たちはためらいます。おそらく主人が御国のおとずれに反対すると思うのでしょう。しかしその反対も妻の思いすごしにすぎない場合があります。ブラジルのサンパウロに住むある婦人は,聖書に関心をもっていたので,証人は再訪問することを取り決めました。しかしその婦人は,「主人が家にいる時はいらっしゃらないでください。主人は私がほかの人と宗教について話すのをあまり好みませんから」と言いました。ところが勉強の最中に突然主人が帰ってきて二人はびっくりしました。しかし証人は主人も会話に加わるように仕向けて聖書の話を進めたところ,彼は関心を見せ刺激され,いろいろな質問をしました。そして最後に,私も宗教の本を1冊もっているけれど読んでもわからないと言ったので,ではその本を見せて下さいというと,「神を真とすべし」を持ってきました。証人はその本の価値を説明し,一緒に勉強することをすすめたところ賛成したので,その夫妻との聖書研究が始まりました。宗教に対する彼の考えはすっかり変わってしまいました。
しばしば経験することですが,聖書研究をはじめたことを夫に話すのは,はじめたばかりのときがいちばん理想的です。夫もその勉強に参加できるからです。証人も妻も,一緒に勉強するように巧みに夫を励まします。夫が,聞くだけにしたい,という場合でも,それは関心をよび起こし,質問を刺激する機会になるので非常によいことです。
妻が夫に聖書の真理を説明しようとしても,聞こうとしなかったり,反対したりするばあいは,ほかの証人の助けを求めるのもよいことです。ニューカレドニアでのこと,タヒチ人の婦人が聖書の勉強をはじめました。その人の夫は真理に反対していました。彼女が学んだことを夫に説明しようとするとそのたびに彼は,「お前から何かを学ぼうなんて思わないよ」と言いました。そこで妻は賢明にも,兄弟に頼んで夫に話してもらいました。夫は自分の質問すべてに対して,聖書にもとづいた答えが与えられたのに驚きました。聖書の勉強がはじまりました。いまその人は,神の真理を述べ伝える伝道者です。
しかし,夫が御国のおとずれに反対で,だれの言葉にも耳を傾けないならどうしますか。使徒ペテロはこの問題をとりあげて次のように述べています。「妻たる者よ。夫に仕えなさい。そうすれば,たとい御言に従わない夫であっても,あなたがたのうやうやしく清い行いを見て,妻の無言の行いによって,救に入れられるようになるであろう」。(ペテロ前 3:1,2)妻の立派な行いは,言葉による証言のなしえない変化を未信者の心にもたらすかも知れません。ですから正しく振舞うことは,親族が真のクリスチャンになることを願うすべての人にとり非常に大切です。
アンデレやコルネリオのように,親族に真理を伝えると,家族を神の真理のうちに一致させる機会が生まれます。それにこの時代は,ハルマゲドンという神の戦争に直面するため,彼らの生命は危険にさらされています。彼らがハルマゲドンを生き残って,神が御国の支配下にたてられる楽園の新秩序にはいるには,あなたの助けがどうしても必要です。
ですから,忍耐と,愛と,巧みさと,優しい言葉とをもって真理を伝えましょう。自分の区域の伝道をやめないのと同じく,何度拒絶されてもあきらめないようにしましょう。たとえ相手が聞かなくても,クリスチャンらしい行いによって証言しましょう。何年もそのような愛に満ちた思いやりを示すとき,ついにはあなたの助けによって親族が霊的な兄弟,姉妹になるという喜びを経験できるでしょう。なんという祝福された喜びでしょう! あなたはこの喜びを経験すべく,すでに親せきの人々に真理を伝えておられますか。
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ひる休みを利用するものみの塔 1965 | 11月1日
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ひる休みを利用する
● ブラジルのあるエホバの証人は他の250人と共に橋の建設工事に従事しました。ひる休み中に一人の同僚に聖書の真理を伝え,「失楽園から復楽園まで」の本を配布しました。彼はこう語りました,「その本は次々と他の人に貸し渡され,その結果,私はひる休みを利用して同僚に14冊の本を配布し,その一人と家庭聖書研究を始めることができました。」
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