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  • ヱホバの伝達の経路
    ものみの塔 1955 | 8月15日
    • いますが,この『ヱホバの言葉』という合法の言葉はその霊感の啓示に真実を証する印を押しているものです。その表現は,伝達の根源を良く表わし示しています。それで,この後『ヱホバの言葉』という句を聖書の中で読むとき,神の伝達の大切な音信を指していることに注意して下さい。

      伝達系統の地的な末端

      16 天の伝達は,どのように地に達しますか? 伝達に用いられている地的の代理者を説明しなさい。

      16 聖書に記録されている多くの事柄から,次のことを知ります。すなわち,公式な『言葉』は,人間の形に表われる御使を用いるか,あるいは神の聖霊を用いて音信を伝え,伝達の次の代理者を霊感します。特別な時には,言葉御自身も形を表わし,次の代理者に会いました。それでは,次の代理者は誰ですか? 地に達する超自然の伝達のため,その代理者(一般に人間ですが,しかし一度だけバラムの驢馬は用いられました)は,聖書の中で予言者と言われています。予言者は,地上における神の代弁者として,伝達されるものを語ります。神はひとり以上の多くの人に述べて知らせたいと思われるとき,予言者はその多くの人に発表しますが,予言者は,直接の地的な径路となります。そして,生命を与える真理の水はその径路を通して,渇いている地上の人々にもたらされます。このようにして,ヱホバの地的な伝達の径路は,はつきりと示されます。つまり,地的な径路は予言者あるいは予言者のごとき集合の制度です。

      17 予言者として仕えるため,アダムはどのような資格を備えていましたか?

      17 私たちの先祖アダムは,全く完全な人であつて,広範囲の言葉数を持つ言語を話しました。そして,神の最初の地的な予言者または代弁者として奉仕するのにふさわしい者でした。アダムは又言葉を書いて,記録することを学びました。彼は神の地的な代弁者となり,その子孫全部に仕えるべきでした。神の伝達を通してなされた啓示により,アダムは天地創造の概略の話を知りました。そして,アダムとエバは,地に人を殖やすため,産めよ殖えよの命令をうけました。アダムは聖書の最初の記録,創世記 1章1節より2章4節(新世)の中で,この霊感されて伝達されたものを忠実に書き留めました。その巻末,すなわち結論にこう書かれています。『これは,ヱホバ神が地と天を造られた日に,天と地が創造されたその歴史である。』

      18 アダムは神の伝達の径路として,どのように仕えたかを示しなさい。

      18 アダムはまた聖書の第2番目の記録,創世記 2章5節より5章2節までをも書きました。そして,エデンの園にいたアダムは神の伝達の言葉をうけたと記録されています。(創世 2:5-24)アダムは,すべての木の実を思うまま食べることができても,しかし善と悪を知る木の実を食べてはならないと告げられていました。また,彼は動物に名をつけることを神より命ぜられました。自分の妻エバが創造された時,つまり彼の結婚の日に,アダムは最初の詩をつくつて結婚についての神の言葉を述べました。『それで,人はその父母を離れて妻につき,二人は一つの肉にならねばならない。』予言者のアダムは,伝達されたこれらの言葉を述べましたが,そのことは後の誘惑の時にはつきりと分ります。その際,エバは,善と悪を知る木について,またそれに関連する死の宣告については,アダムより指示をうけたとはつきり認めていました。―創世 2:23,24; 3:3,新世。

      サタンの模擬の伝達系統

      19,20 (イ)サタンの模擬の伝達系統を説明しなさい。(ロ)アダムの時,彼はその模擬の伝達系統によつて何を成し遂げましたか? 今日,何を成し遂げていますか?

      19 さて,ここで誘惑者サタンがどのように反逆を始めたかを見るのは,興味深いものです。サタンは自分の欺瞞を上首尾に行うため,霊界より伝達の独立した模擬系統を設けました。予言者アダムは神の律法を強く守つているために,霊的の惑しにかからず,自分の支配下につく偽りの予言者にならないとサタンは知つていました。それで,悪魔は地上にいた被造物,蛇を用いました。彼は蛇の機能に影響を及ぼして,間違つた悪い考えについての偽りの宣伝を述べさせ,嘘偽と背教の宗教を始めました。この地上にいた代理者である蛇は,実際のところ,サタンの模擬の伝達系統内で偽りの予言者になりました。その伝達系統は,人間の目に見えない主権者と僭越にも考えていたサタンと,エバとのあいだの系統でした。そして,サタンは,エバを新しく改宗した臣民にして彼女を支配しようと欲したのです。―創世 3:17。

      20 エバはだまされて惑わされました。そして,真の主権者ヱホバ神に対して,許すことのできない大逆の罪を犯しました。狡猾なサタンは,それからエバを用いてヱホバの予言者アダムに影響を及ぼしました。彼はエバに対する肉慾のために,その影響に屈しました。アダムは惑わされたのではありません。彼はその悪い結果を充分認識しつつ,叛逆に加りました。サタンは,その時以来つねに偽りの予言者と霊媒を通して,悪い考えを伝達しています。その偽りの予言者と霊媒は,偽りと慾望でもつて地上にいるヱホバの真の崇拝者たちを不純にし,汚すため嘘偽を伝えています。―テモテ前 2:14。ヤコブ 1:13-15。

      21,22 (イ)アベルはどのように奉仕しましたか?(ロ)エノクは,どのように奉仕しましたか?

      21 簡単に言えば,アダムとエバはエデンの園から追放され,神の忠実な奉仕者の制度より追い出されました。そしてアダムは,神の予言者としての特権を失いました。(創世 3:16-24)エデンにおける叛逆の後,アダムは900年生きてから死んでしまい,存在を永久に失いましたが,その間ヱホバの伝達の系統は二度とアダムを通してなされなかつたのです。神は,アダムの子孫の中から正義の人を見出し,それらのものと霊的な伝達を復興し,そして地に真の宗教を建てました。アダムの後,アベルは最初の義人でした。アベルは罪人アダムの子孫であり,堕落した罪人でしたが,信仰の道を歩み,正しい犠牲を捧げました。その犠牲は,ヱホバの御旨にかない,彼は恩恵をうけました。アベルは神のエデンの契約にもとづき,地上はエデンの園のごとき完全さと永遠の生命を再び得るという希望を建てました。(創世 3:15)彼は,ヱホバの伝達の系統を通して啓示された真の宗教の代弁者になり,ヱホバの最初の証者として奉仕しました。サタンは再び現われた真の宗教を亡ぼすため,カインをそそのかして,悲惨にも忠実なアベルを殺させました。―創世 4:2-12。

      22 幾年か後,神は別の正義の人エノクを見出しました。神は,偽りだらけのサタンの宗教的な世にのぞむ最後の亡びについて,いちじるしい予言をエノクに伝達しました。予言者エノクは,長年の伝道の業をなし終えた後,神は平和な死の眠の中にエノクを取り去られたため,宗教的な敵が加える非業の死を避けることができました。彼はおそらく回復された楽園内における将来の生命の栄光に充ちた幻を見つつ死んだことでありましよう。―創世 5:21-24。ユダ 14,15。

      予言者ノアは径路

      23,24 (イ)予言者ノアは,径路としてどのように奉仕しましたか?(ロ)ノアを助けた取り極めを説明しなさい。

      23 天廷の伝達をうけたと記録されている次の人は,予言者ノアです。約50年のあいだ,彼は地上にいて,ヱホバの唯一の伝達の径路となつて奉仕し,神の真理の言葉を人々に分け与えました。そして,大洪水の後の約350年間,ヱホバの族長の代弁者として奉仕しました。ノアは自分に与えられた宣教の任務に従い,熱心な正義の伝道者になりました。洪水前当時の者たちへの明白な裁きは,ノアを通して述べられました。ノアは唯一の真の宗教を大胆に述べ伝えました。彼は恐れを感ぜぬヱホバの証者であつて,その世の危機にあつて自分の家族と自分自身を救いました。多分サタンは模擬の予言者たちを多く送り,平和であるという偽りの宣伝を述べさせて,人々を惑わし,偽りの宗教的な欺瞞を支持したことでしよう。ノアは唯一の真の宗教を持つと主張しましたが,宗教的な敵はノアのその主張を嘲笑したに違いありません。ノアを『径路主義』であるとさえ言つて,侮蔑し嘲笑したことでしよう。

      24 ヱホバはノアだけを通して,霊感の指示を伝達していましたが,ノアはそのことをたしかに知つていました。ノアの妻,3人の息子とその妻はノアを信じ,ノアこそ神の唯一つの径路であると認め,その指導に従いました。彼らも正義の伝道者であるノアに加り,ノアを援助して大きな方舟をつくりました。ノアは天にいる神よりの直接の伝達をうけつつ,地上における長なる代理者かつ正式な予言的な径路となり,この小さな伝道者制度を指示しました。予言者ノアを通して語られた神の御言葉は,聖書に書き留められて今日の私たちのために保存されており,宗教的真理の一部になつております。―創世 6:1-22。

      予言者アブラハムは径路

      25,26 (イ)アブラハムは,予言者としてどのように奉仕しましたか?(ロ)彼に伝達された啓示は,今日なぜ特別に大切なものですか?

      25 『いま彼の妻を返しなさい。彼は予言者であり,お前のために祈りを捧げるであろう。』(創世 20:7,新世)これは霊感の夢の中で,アビメレク王に語られた神御自身の御言葉です。そして,アブラハムはヱホバの予言者であると示されています。神の友,大いなる信仰の人,そして順次に啓示されてきた真の宗教を忠実に宣明した人,アブラハムは,地上におけるヱホバの正式の伝達径路として本当に長年のあいだ奉仕をしました。彼も又有名な伝道者であつて,その割当ての地である約束の地を隅なく伝道しました。ヱホバの証者として,彼が伝道したことについては,こう書かれています。『それから,彼はそこで(ベテルの近くで)ヱホバに祭壇を建て,ヱホバの御名を宣べ(伝道し)始めた。』― 創世 12:8,新世。脚註ろ。

      26 アブラハムがヱホバの天的な伝達系統と接触をしていたということについて,次の出来事に注意しなさい。『これらの事の後,ヱホバの御言葉は幻の中にアブラムに臨んで,こう言つた。アブラムよ,恐れてはならい。私はお前を守り,お前は多くの報いを得るであろう。』さて,神の誓の言葉を伴う大きな約束がアブラハムに与えられました。その約束とは,アブラハムの裔(キリスト・イエスと彼の14万4000人の御国共同相続者たち)を通して,地上の全家族は正義の新しい世で祝福をうけるということです。(創世 22:17,18)神よりアブラハムに伝達された啓示のいくつかは,今日の宗教的真理の一部になりました。次の記事では,神の伝達に用いられているヱホバの地的径路を更に表わし示しています。

  • 伝達のクリスチャン経路
    ものみの塔 1955 | 8月15日
    • 伝達のクリスチャン経路

      『いまや,天界にあるもろもろの支配や権威が,会衆を通して,神の多種多様にわたる智恵を知るためである。』― エペソ 3:10,新世。

      1 真のキリスト教は,何に依存しますか?

      啓示宗教である真のキリスト教は,アダムの時より使徒ヨハネの時まで順次地に伝達されたヱホバの聖なる言葉の啓示にまつたく依存しています。さらに,神は西暦33年の五旬節<ペンテコスト>以降,クリスチャンの僕たちに信頼すべき径路を備えられました。クリスチャンの僕たちは,その径路の導きをうけて,神の御意と御目的のすばらしい啓示を理解することができます。その予言的な前影と実体から判断しても,神の備えたこのクリスチャン径路は,油注がれた者の集合の会衆であると分ります。彼らは伝達をなす頭キリスト・イエスの指導をうけつつ,予言者のごとき制度として奉仕します。―エペソ 5:23。

      2 (イ)予言者のモーセは,どのように奉仕しましたか?(ロ)伝達のどんな司法系統が設立されましたか?

      2 アブラハムの時より後,ヱホバの伝達の系統は神の地的径路であつたイサク,ヤコブ,そしてヨセフと結ばれていました。むかし,神よりの伝達が一番多くなされた時期は,大予言者モーセの奉仕の時でありました。40年間,ヱホバからの伝達は,殆ど絶えることなくいつもモーセになされました。モーセはその伝達から力をうけて,イスラエルの会衆を神権的に制度化し,それをヱホバの国民となして約束の地に導き,その地に定住させました。神の取り極めた政府は,シナイ山で始められましたが,それは律法にもとづく正義の政府でした。それは,人間の支配者が支配する政府ではなかつたのです。地的の聖所が建てられましたが,それは限定された径路となり,司法に関する神からの伝達をつたえました。神の任命した大祭司は,その国の最高裁判官でした。大祭司はウリムとトンミムを与えられましたが,それらは,政府の最高裁判の権威,すなわち主権の王であるヱホバの決定を要する程の重大な国家的問題に対して『肯定』または『否定』の答を得るためでした。―創世 26:24; 28:13,14; 41:39。出エジプト 3:2-22; 28:30。ガラテヤ 3:19。

      3 (イ)イスラエルの国民に対して,なぜ別の伝達の系統は必要でしたか?(ロ)『審判人』と関連して,これはどのように行われましたか?

      3 律法契約の制度は,前に述べた司法についての限定された伝達と共に政府を運営させて行きました。しかし,神権的に任命された国民の支配者にヱホバの特別な伝達をつたえ,そして国民に霊的な助言を与えることは時折り必要になりました。この附け加えられたヱホバの伝達の系統は,モーセから始めて,特別に選ばれた男と女を通してなされました。後日,約束の地の各地にいた他の人々も,それに加えられました。彼らは,必要のとき,伝達の奉仕をするよう用いられました。国民全体がヱホバへの信仰を失つて,異教の宗教的な考えに染まり,その結果非神権的な隣人の支配をうけるようになると,神は『審判人』と知られる特別な信仰の僕を起しました。神は,御使や聖霊によつてこれら『審判人』に音信を伝えました。それで,彼らは行動をなし,国民をはげまして正義の途に戻らせることができたのです。そのある者は,戦士となつてイスラエルの勝利の軍勢を指導し,そして異教の侵略者たちを追い払いました。モーセの後継者ヨシュアは,その一人でした。その名前を少しだけ言えば,ギデオン・デボラ・バラク・サムソン,そしてエフタのような人もいました。―ヘブル 11:32。

      4 「予言者の系統は何でしたか? 予言者たちは,径路としてどのように奉仕しましたか?

      4 サウロ王の時以後,国民は人間の王を政府行政の長につけようと欲しました。ヱホバは『予言者』として知られる献身した人を起し,彼らはヱホバの伝達の地的な径路として仕えました。サムエルは,イスラエルの最後の『審判人』であるとともに,長年続いた『予言者』時代の最初の者でありました。ヱホバは,洗礼者ヨハネの時にいたるまでの1000年以上のあいだ,これらの予言者を用いて,国民を導き,こらしめ,そして改正しました。予言者たちは,力強い伝道者となり,ヱホバからうけた神の音信を人々に伝えました。どんな問題に面しようとも彼らは決して妥協の態度を取らず,ヱホバの証者として神の側に立ちました。彼らは一般人の意見や迫害に耐え忍び,そしてその献身に妥協を拒み,ヱホバの予言者として身を保ちました。―ヘブル 11:33-38。

      5,6 (イ)昔の予言者たちのうけた神の音信に,何が生じましたか?(ロ)誰が『予言者の徒』でしたか?(ハ)イスラエルは,どのように予言者たちをうけ入れましたか?

      5 予言者たちによつてうけた神の音信の大部分は,私たちの益のために聖書の中に記録されています。その数冊の本には,それを書いた予言者たちの名前が実際につけられています。神から出たこれらの言葉はみな豊かな相続財産です。その啓示は,今日における真のクリスチャン宗教の一部になります。エリヤやエリシヤのような著名な予言者には,『予言者の徒』と呼ばれる弟子たちが交つていました。これらの徒は,ノアの3人の息子のように,予言者とともに伝導者となり,予言者の群または制度を形づくりました。この援助者によつて,予言者は神からうけた音信を短時間の中に国民全部に伝えることができました。ヱホバの聖霊が,これら『予言者の徒』にも働いたと知るのは,興味深いことです。―列王紀略上 20:35。列王紀略下 2:3,15。

      6 イスラエルの背教と不忠実は,ついに最悪のものとなり,彼らは,繰り返して述べられたヱホバの恵みの助言と警告を棄てました。それで,ヱホバはバビロンの異教の王ネブカデネザルを用いて,ダビデの血統をつぐ王朝を終らし,エルサレムを亡しました。『その先祖の神ヱホバその民とその住所(エルサレムの宮)とを恤むが故に,しきりにその使者を遣して之を諭したまいしに,彼ら神の使者たちを嘲けり,その御言葉を軽んじ,その予言者たちを罵りたれば,ヱホバの怒その民にむかいて起り,遂に救うべからざるに至れり。』イスラエルの背教の会衆は,ヱホバの天的伝達の径路に全く耳を閉ましたが,その事に関する記録はなんと長いものなのでしよう! ―歴代志略下 36:15,16。

  • 家から家の伝道の忠実
    ものみの塔 1955 | 8月15日
    • 家から家の伝道の忠実

      セント・ヘレナ島にいるヱホバの証者にとつて,家から家の伝道の業は,きわめて難しいものです。島の住民は5000人以下であつて,40人の伝道者は各家庭を定期的に訪問しています。伝道に行く度ごとに,区域はだんだん小さくなるように見えます。伝道者が自己紹介することは,もう必要でありません。多くの場合,家の戸が開けられる前に,― もしも開けられるならば,― 家の人の決定はできあがつています。伝道の業に反対する偽りの非難をかかげる注意書は,一般公共の場所に掲示されています。ある人々は,偽りの羊飼の圧迫をうけて,もう二度と訪問しないようにと兄弟たちに言いました。他の人々は,真理は何処にあるかを知りながらも,無関心の態度を取つています。この難しい状態にあつても,すべての兄弟たちは,家から家の伝道の業を行い,帰るときは幸福な気持で充たされます。そして,いつも與味深い経験談を語り合います。(1955年度のヱホバの証者の年鑑より)

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