幼い子供でも目標を持つことができますか
9歳か10歳の子供にどんな目標を持っているか尋ねたことがありますか。お子さんを持つ方であれば,あなたのお子さんは人生においてどんなことを目ざしていますか。
9歳や10歳の子供では幼すぎて思いの中にどんな目標も持つことができないとお考えですか。では,10歳の少年の語った次の言葉を考慮してみてください。
「ぼくは,今バプテスマ(真の神エホバに対する献身の象徴としての水の浸礼)を受けることができて,とてもすっきりした気持ちです。
「ぼくが初めて真理を聞いたのは生まれて5か月の時でした。お母さんが先に研究を始め,お父さんが少し遅れて研究をするようになりました。でも,1年もたたないうちにお父さんは仕事のほうを選び,お母さんはぼくが集会中よく泣いていたので気落ちしていました。その上,おばあちゃんの強い反対があったので研究をやめてしまいました。でも,ぼくが3歳になった時に,真理が捨てきれなくて,研究を再開しました。
「ぼくが4歳になった時,あまり『エホバ』や『楽園』のことを話すので,おばあちゃんは『とんでもないことを覚えてしまった』と言って,ぼくを田舎に連れて行ってしまいました。ぼくは覚えていないのですが,おばあちゃんと20分間ひざをつき合わせて話し合ったのだそうです。でもぼくは,エホバが本当にいて,楽園も本当にあるということは聖書を読めば分かるから,おばあちゃんも読んでごらん,としか言わなかったそうです。それでおばあちゃんはあきらめて,2週間後ぼくを返してくれました。
「お父さんやお母さんが神権宣教学校(宣教の面で熟達した者になるようエホバの証人を訓練するための学校)の割り当てを準備しているのを見て,ぼくも入学したいと言いました。すると,『5歳になって,文語体の聖書が読めるようになったら申し込もうね』と言われました。6歳になって初めて割り当てを果たしました。その時に,7歳になったら伝道に出ることを計画しました。7歳になって伝道者になった時,10歳になったらバプテスマを受ける目標を持ちました。9歳の時どうしても開拓奉仕をしたくなって,8月にエホバとだけ約束して,同じだけの働きができました。[開拓奉仕をする(全時間の宣べ伝える活動をする)資格があり,会衆によって認められるのは,バプテスマを受けた人だけです。] この時は大変でしたけれど,1か月がとても充実していました。
「そして10歳になった今,バプテスマを受けることができてとてもうれしいです。
「ぼくは大会や集会や交わりや野外奉仕がとても好きです。でも,(地域大会の)二日目のプログラムで,サタンは一番弱いところをねらってくると教わりました。ですから,交わりや時間の使い方には十分気をつけたいと思います。今まで目標を達成する時にも,小さな目標がたくさんありました。今の大きな目標はベテル奉仕(協会の支部の一つで働くこと)です。その前に,正規開拓者になりたいのです。でもそれより前に,好ききらいをなくして,丈夫な体を作りたいと思います。今,楽しみにしている目標はお父さんと一緒に補助開拓をして,エホバに感謝することです。
「それから,今ではおばあちゃんも,『ぼくたち家族が仲良しなのは,聖書を勉強しているからだね』と言ってくれて,だんだん理解してくれるようになり,3月におじいちゃんが亡くなった時も,ぼくたちが崇拝できないことを快く許してくれました。ずっとがんこで反対していたおばあちゃんにも,真理を伝える時がきたのかもしれません。おばあちゃんに会える夏休みが楽しみです。今までの目標が達成できたのは,エホバがぼくの祈りを聞いてくださったからです。ですから,これからも確信を持ってエホバに祈りたいと思います」。
この男の子の親は,この子が自分の目標を達成するのを助ける点で大きな役割を果たしました。子供を気落ちさせたりその強い願いを軽く見たりしませんでした。もしお子さんがおられるなら,あなたのお子さんとの関係はどのようなものですか。改善の余地があるでしょうか。家族の聖書研究は,将来のための基礎を据える良い出発点となるかもしれません。この雑誌をお手元に届けた人から,ご家族との無償の家庭聖書研究を始めるための助けを得るようお勧めいたします。