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世界展望目ざめよ! 1984 | 1月22日
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イスラムの近代化?
● 43の国々を集めてメッカで開催されたイスラム教徒会議の日程の冒頭で,サウジアラビアのファハド国王は,イスラム教徒の律法を改革して「現代の生活にかかわる挑戦」に対する答えを見いだすことを目的とした,全世界的な規模の新しい神学団体の結成を要請した。イスラム法の一部の適用を再評価する手段としてイジティハード ― 神聖なるイスラム法の解釈 ― の復活を提唱したのである。イスラム教徒の全指導者がこうした変化を願っているわけではないが,マレーシアの一閣僚であるアンワル・イブラヒムはこう述べた。「イジティハードを復活すれば時代遅れの思想や考えを除去できる。……イスラム法を現代の世界と調和させるのは我々にとって必要なことだ」。
栄養障害性貧血
● 発展途上国の大勢の婦人,少なくとも2億3,000万人に貧血症が見られる,と世界保健機関(WHO)の統計季刊誌は推測している。これらの婦人たちは一つないしはそれ以上の必須栄養素,おもに鉄分の不足が原因で貧血症にかかっている。WHOが「今日の世界で最もひんぱんに観察される病気の一つ」と呼ぶもの ― 鉄欠乏性貧血症に一番ひどく冒されるのは妊娠した婦人である。WHOの統計学者エリカ・ロイストンは,「妊娠していない婦人の約半数,および妊娠している婦人の3分の2近く」に栄養障害性貧血が見られると述べている。アフリカ,アジア,中南米の地域を調べた後,その報告は,「栄養障害性貧血のほとんどは予防できる」と述べた。
子供がいないまま年を取る
● 「子供がいないとしたら,年を取った時にどうなるのか」。これは子供のいない人々によく出される質問である。「家族関係」誌は,「子供のいない人々が老年期にどのように生活しているか,および子供を持つ同年配の人々よりも生活がしづらいかどうか」に関する,アイオワ州立大学社会学部のパット・M・キースによる最近の研究を公表した。72歳以上の,子供のいない人といる人を対象にした面接に基づくキース教授のこの研究の結果,「子供がいるからといって,必ずしもこれら年老いた親たちの孤独感が薄らぐわけでも,そうした親たちが人生をより積極的に評価できるわけでもなく」,したがって,「子供の有無は非常な高齢に達した人々の生活を著しく変えるとは思えないという結論が下された」。
罪を退けるフランス人
● カトリック系の週刊誌レ・ペルランに掲載された調査によれば,フランスに住む人々の90%までがもはや罪があるということを信じておらず,罪の概念を受け入れているのは4%にすぎない。加えて,全人口の82%までがローマ・カトリック教徒であるこの国で,告解に一度も行ったことがないと言った人が69%おり,年に一度かそれ以下しか行かない人が13%いることがこの調査で明らかになった。
シナイで明らかにされる古文書
● 1975年にシナイ山の聖カタリナ修道院でギリシャ語聖書の写本が発見されたことは大きな衝撃を与えた。ドイツ連邦共和国のミュンスター市にある新約聖書本文批評研究所のバーバラ・アーラントとクルト・アーラント両神学教授はついに同修道院との合意にこぎつけ,それらの本文の研究と分析を行なう許可を得た。これまで知られていなかった60以上のギリシャ語聖書の写本がフィルムに収められたが,この資料はミュンスター市の研究所において,聖カタリナ修道院で発見された既知の1,200に上る古代の他の写本と比較されることになっている。ドイツの新聞ベストフェーリッシェ・ナッハリヒテンによると,同研究所と同修道院の間のこの合意は,著名なギリシャ正教会の当局者を仲介者とする独占的な契約の形を取っている。
非常に長い尾
● 最もよく知られた短周期のすい星の一つ,テンペル-2が初めて3,200万㌔におよぶ尾を見せて,英国レスター大学の英国人天文学者たちを驚かせた。かつては目に見えなかったその尾は,直径1.6ないし3.2㌔の核から太陽の力で吹き払われた塵で構成されているものと見られ,IRAS(米国,英国,オランダの赤外線天文衛星)がその尾をキャッチした。比較的ひんぱんに戻って来るこれら短周期のすい星(テンペル-2は約5.28年の周期で戻って来る)には目に見える尾はないものと考えられていた。しかしIRASの赤外線がテンペル-2の非常に長い尾をキャッチしたということは,どのすい星にも尾があることを意味するのかもしれない。
歯を救う方法
● 歯をみがけ,デンタルフロスを使え,と子供たちに文句を言うことには飽き飽きしているだろうか。しかし,もう文句を言う必要はない。代わりに,親自身が子供の歯をみがき,デンタルフロスを使えばよい,と南カリフォルニア大学小児歯科の医長,ロナルド・ジョンソン博士は提案している。「7歳ないし8歳以下の子供たちには徹底的に歯の掃除をすることはとても不可能である。手先が器用でない子もいれば,責任感のない子もいる。親がしてやったほうが子供の歯はずっときれいになる」とジョンソンは述べている。ジョンソン博士は,就寝前に毎日完全に歯をみがき,デンタルフロスを使うことは非常に重要なので,子供たちに任せきることはできない,と考えている。
ぴよぴよ鳴くペット
● オランダで貸しニワトリが大変な人気を博している。オランダ・ヘラルド紙の伝えるところによると,ブラバントのニュネン子供農園財団は,子供と動物の親睦を深める運動を後援するというアイディアを実行に移した。しかしニワトリについて考えてきたのはなぜだろうか。貸し羊や貸し牛,あるいは貸し豚にならなかったのはなぜだろうか。ニワトリは比較的扱いやすく,その上ニワトリを飼う家族はカゴに入った2羽のニワトリ分として11㌦(約2,640円)を支払うだけで卵という収益が得られる,ということである。
ポーランドでの堕胎
● アメリカン・メディカル・ニューズ誌の報告によると,ポーランドでは堕胎の数が出産の件数を上回っている。政府の統計が示すところによると,同国で1982年に80万ないし100万件の堕胎が行なわれたのに対し,出産の件数は70万2,000であった。堕胎を厳しく禁じるローマ・カトリック教会が3,600万の住民に強力な社会的影響を及ぼしているこの国で,なぜそれほど多くの堕胎が行なわれるのだろうか。その報告によれば,ある専門家は「食糧不足」や「深刻な住宅不足」に原因があるとしているが,「一方,使用可能な産児制限の唯一の合理的な方法として堕胎を考える夫婦が多いと論じる人もいる」。そしてこの報告には,「ポーランド政府と共産党機関は,[無料の診療サービスという]堕胎のための誘因を備えている」と示されている。
中国の犯罪の問題
● 3年間にわたって犯罪の取り締まりを強化してきたにもかかわらず,中国には依然として不法に関する「多くの問題」が存在する,と中国の新しい公安相,劉復之が人民日報の中で述べている。劉氏の話によると,1981年以降,「殺人,盗み,強姦,窃盗などの主立った犯罪の明確な減少は見られなかった」。中国の新しい中産階級が犯罪者の主要な目標となっている。オーストラリア,メルボルンのザ・エージ紙は,「公安省は,裕福な農民の保護を目的とした『敏速な行動』を命ずる回報を全国の同省職員に送った」と述べているからである。犯罪の問題をいっそう悪化させているのは,「多くの農民が『財産はすべて公平に分割すべきだ』との考えを捨てないことである」と,ザ・エージ紙の北京通信員は伝えている。
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宗教の実状についてお読みください目ざめよ! 1984 | 1月22日
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宗教の実状についてお読みください
宗教は,過去において,また現代において,どんな記録を残していますか。今日の様々な問題に関して教会はどんな立場を取っていますか。道徳にかかわる問題については何と述べていますか。その答えが衝撃を与えることもあります。
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