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  • たたかれる妻/たたかれる夫 ― その背後にあるのは何か
    目ざめよ! 1979 | 8月8日
    • を認めるのは肝要なことです。(ローマ 5:12)ですから,家庭で暴力を振るうようになる邪悪な種は,貧富の差や学問のあるなしにかかわらず,わたしたちすべてのうちにあるのです。しかし,その種の発芽と開花を促すものは何ですか。欲求不満,アルコール,意思の疎通の欠如,嫉妬,疎外感,あるいは不安などは,暴力の種の発芽を促す水の中の養分のようなものです。こうした要素に関してどんな手を打てるか検討する前に,そのうちの幾つかの要素が今日,多くの家族内でどのように問題を引き起こしているかを見ることにしましょう。

      欲求不満の男性 ― 暴力を振るう男性?

      家庭内暴力のありふれたきっかけに注意を向けて,一人の医師はこう論評しています。「我々は妻を殴るという行為を,多大の欲求不満と緊張の見られる社会という背景に照らし合わせて見なければならないと思う。我々は,経済上の緊張と失業が深刻化する,異常な時代に住んでいる。こうした種類の圧力は,必然的に,家族にもいつの間にか影響を及ぼす」。

      これを日常の言葉に置き換えてみましょう。神経の張り詰めた主人が仕事から帰って来る場面を思い浮かべることができます。その主人は朝,出勤するときすでに疲れていたかもしれず,交通渋滞や地下鉄の騒音にうんざりしていたかもしれません。職場では,再三再四顧客や上司に責められました。しかし,そのうっぷんを内に秘めておかねばなりません。そして,やっと家へたどり着いたと思うと,子供は泣きわめいているし,妻は待ってましたとばかりにもっともらしい不平を並べ立てるといった具合です。さて,どんなことが起きるでしょうか。時には,欲求不満と緊張が高じて,暴力の形で爆発する場合もあります。職を失う恐れがあるので上司を殴り付けることはできませんし,交通渋滞をたたくわけにもゆきません。しかし,その妻子こそいい迷惑です。ある結婚問題相談家はこう述べています。「男は怒っても泣くべきではない。握りこぶしで壁をぶち抜くほうが男らしい。ただ,その壁が自分の妻になってしまうことがあるのだ」。

      夫の立場にある人であれば,そのような仕方で欲求不満をぶちまける自分の姿を思い浮かべることができますか。妻の立場にある人であれば,夫が極めて暴力的な反応を示す様を想像できますか。何か大きな争いがあって初めて暴力沙汰になるのですか。

      実際のところ,暴力沙汰を引き起こすきっかけそのものは,ごくささいな事柄かもしれません。例えば,夕食が時間通りに準備されていなかったり,妻が大学の課程を受けたいと言い出したり,性の営みを持ちたくないと言ったりすることです。緊張して,欲求不満の高じた夫は,そのような要素を自分の権威に対する挑戦とみなすかもしれません。そこで,怒りを爆発させて,暴力を振るうのです。

      箴言 14章29節(新)はこう述べています。「怒ることに遅い者は識別力に富む。しかし短気な者は愚かさを高めている」。自分の妻をたたいた男性の多くは,後になって,この格言の真実さを恥ずかしい思いをしながら悟りました。怒りにまかせて自分の妻子をたたき,積り積ったうっぷんを晴らしてしまうと,大抵,その後にもっと多くの問題が生じるものです。一度殴打してしまうと,大抵,それは二度目の殴打へつながります。それはダムの亀裂のようなもので,結婚生活を水浸しにしてしまう,粗暴行為という奔流にまで,容易に広がってゆきます。

      二人の法律学者は,虐待された妻やそうした問題を扱う役人をインタビューしました。その結論はどのようなものだったでしょうか。

      「妻をたたくことには,一度だけの不幸な怒りの爆発ではなく,慢性的様相を呈する傾向がある。二人が話し合った婦人の[95%]は,結婚して一年以内にもう殴られ,その暴行は年を経るにつれてひん度を増し,一層暴力的になる傾向が見られる。抑制されなければ,最終的には死という結果を招いたかもしれない。……多くの場合,怒りを燃え上がらせたのは,比較的にささいな問題だった。それは明らかに,より根深い憤りや以前からのうっぷんを爆発させるきっかけにすぎなかった」。

      結婚一年目は,新たな圧力がうっ積しやすいので,特に危険な時期です。夫婦双方が互いに相手に合わせようとすることに加え,夫のほうは今や経済上の負担が重くなるのを感じます。そして妻が妊娠すれば,それは夫への圧力を増大させますし,妻がある事柄に感動を覚え,それに掛かりきりになって夫にあまり注意を向けなくなると夫の怒りやねたみを引き起こすことになるのです。

  • 暴力的風潮の中に置かれている子供たち
    目ざめよ! 1979 | 8月8日
    • 暴力的風潮の中に置かれている子供たち

      「毎年,650万人にも上る子供たちが,両親や家族の他の成員に傷付けられている。……毎年,幾千幾万もの子供たちは,医師の手当を必要とするほど,親にひどく打ちたたかれる。さらに70万人は衣食住を奪われ,6万ないし10万人は性的な暴行を受けている」―「US・ニューズ・アンド・ワールド・リポート」誌,1979年1月15日号。

      子供に対する虐待は実に悲痛な問題です。場合によっては,子供の犠牲者たちは親が欲求不満や嫉妬や怒りを発散させる,ただの弱くて,手近な対象となっていることがあります。しかし,他の多くの場合,それは子供が確かに必要としているもの,つまり懲らしめを親が害になるほど極端に与えるという問題です。賢明で,愛のある,家庭生活の創始者はこう述べておられます。「望みのあるうちにあなたの子を打ち懲らしなさい」。「細棒と戒めが知恵を与える。放任された少年は自分の母に恥を来たらす」― 箴 19:18; 29:15,新。

      子供に対する虐待の問題を研究した際,心理学者のD・J・マデンは,「懲らしめを与え過ぎると子供は抑圧されていると感じ,寛大過ぎれば見捨てられたと感じやすい」ことを見いだしました。マデンはこう説明しています。「子供は親が決定を下すことを期待している。親が決定を下さないと,子供は親に依り頼んでもよいかどうか疑問に思う。そして,その子が大人になるとしつけの厳格な人になりかねない」。

      1976年11月8日号の「目ざめよ!」誌は,子供に必要な懲らしめを与えても,子供を強く殴打することがないようにするため親にできる事柄を含め,子供に対する虐待の問題を広範にわたって扱っていました。

      しかし,ここでは,夫や妻の暴力という風土で生活することから子供がどんな影響を受けるかに焦点を当てることにしましょう。そのような虐待行為を目にする子供たちはそれから重要な教訓を学び,その結果,大人になったときに妻や夫をたたかないようになるでしょうか。

      母親や父親が虐待されるのを子供が目にすると,その場面は記憶の中にしまい込まれます。後日,その子が大人になって腹を立てたとき,幼いころ目にした型に逆戻りするのは容易なことです。端的に言えば,暴力は暴力を生むのです。26歳になる,妻帯者のジョンの例を考えてみましょう。ジョンは,自分がその七年に及ぶ結婚生活の間に,妻をひんぱんに殴ったことをカウンセラーに打ち明けました。ジョンが子供のころ,家族内の暴力は日常茶飯事でした。父親は酒を飲んで,しばしばジョンの母親を襲い,ナイフを使うこともありました。自分の父親のことを思い起こしながら,ジョンはむせび泣いて,こう語りました。「私が中に入ると,父は私を壁にたたきつけたものです。私は自分の家ではそのようなことを決して起こすまいと言いました。おかしいと思われるでしょう」。また,5ページに掲げられたサラの夫と息子の事例を思い起こすとよいでしょう。

      そうです,研究の示すところによると,家庭内の暴力的風潮の中で育てられた子供たちは,大抵の場合,自らも暴力を振るうようになります。これは,聖書中の次の自明の言葉を,否定的な見地から裏書きしています。「少年をその道に従って訓練しなさい。年老いても,彼はそれからそれて行くことがないであろう」― 箴 22:6,新。

      「ザ・カナディアン」誌,1978年4月1日号の誌上に,エイリー・カス博士は次のように書いています。「家庭生活が不幸で,暴力的な場合,子供は自分が親になったとき,家族の成員として学んだ暴力の型を用いて問題を解決するようになる」。英国ロンドンに,たたかれる妻のための避難所を開設した人はこう述べています。「これらの男たちの生い立ちを見ると,子供のころ打ちたたかれたか,それを実際に見たことがあるかのいずれかである。……それで,暴力は一つの世代から次の世代へと伝えられて行く。それが普通になってしまう」。

      子供のころに家庭内暴力を見て,後日妻や夫や子供を虐待するようにならなかったとしても,それは悲劇的な代償を求めます。「身体的な虐待は受けなくても,暴力を振るう親の[いる]家庭で生活する子供を対象にしてノースカロライナ州で行なわれた調査によると,「その子供たちの37%に慢性的なうつ病が見られた。……別の40%は不安感にさいなまれており,25%は精神障害の治療を受けたことがあった」。

      それで,子供のいる家庭では,暴力の問題を解決するために,あるいはそれが家庭で起きないようにするために,はっきりした措置を取る十分の理由があることは明らかです。親がこの必要を無視して,子供たちが家庭内の暴力的風潮の中で生活することを余儀なくされるなら,その若者が情緒面での障害を受け,この恐ろしい苦難の種を次の世代に伝える可能性は極めて強いと言わねばなりません。

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