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教会の指導者が憂慮するのはなぜか目ざめよ! 1970 | 7月22日
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ブラジル政府の調査によれば,1960年から1968年までにブラジル人司祭643人が僧職を去りました。ペルーのエルコメルシオ紙は,「ペルーのカトリック教会は崩壊しつつある」と述べ,「人口は1,400万に迫ろうとしているにもかかわらず,ペルー人の司祭は400人にも満たない」と指摘しました。1969年中,アルゼンチンのカトリック教会はその史上最悪の危機に直面しました。ロサリオ大司教管区だけで一時に28人の司祭が辞職したのです。
ですから,教会の指導部があわてるのももっともです。もしあなたが大型客船の船長だったなら,乗組員が群れをなして離船するのを見て,驚かないでおれるでしょうか。
さらに深刻な減少
教会指導者の多くは,未来の牧師を養成する,教会諸派のたいていの神学校の事態を見て,さらにあわてふためいています。ディビッド・ポーリングは自著「教会最期の時代」の中でこう述べました。
「教会問題の観察者が聖職制の崩壊を示す初期の徴候を書き留めていたとすれば,神学校入学者数の減少傾向にまず気づいたであろう。近年,恐るべき減少を見せてきたその入学者数は,10年前,毎年少しずつ減少しはじめたのである。
「ゆえに今日では多くの神学校が閉鎖されており,なかには最後の試みとして,あわてて合併したところもある」。
つい二,三か月ばかり前のザ・オーストラリアン紙も同様のことを報じました。「しかし聖職者の辞職以上にきわだっているのは,過去4年間に[オーストラリアの]神学生が25%減少したことである。……これは今年のさらに重大な減少を暗示するものである」。チリのメンサジェ紙は,「今日,幾つもの大きな神学校が,まるで人気のない兵舎のように立っている」と報じました。
オランダでは過去わずか2年間に,僧職に任命された人々の数は36%も減少し,フランス,リヨンの大司教は,1969年,その地のカトリック神学校の入学者数が41%減少したことを明らかにしました。英国では過去5年間に英国国教会の司祭の任命者数が22%減りました。
多くの修道会にも同様な事態が生じています。カナダのウィンザー・スター紙はアイルランドからのある報告を伝えています。「最近この地のフランシスコ会司祭は,アイルランドの多数の修道院は今後10年以内にホテルに改装されざるをえないだろうと語った」。
「1969年カトリック公式人名簿」によれば,その前年アメリカでは修道女が一挙に9,175人も減少しました。ノートルダム大学のカトリック司祭アーネスト・バーテルは述べました。「修道院の新規入籍者数は軒並みに大きく減少した。私の知っているある修道院では,女子100人の養成に用いる新しい建物を設計させたが,わずか4人の女子を迎えただけである」。同様な報告がキリスト教国のほとんどすべての国から寄せられています。
減少する教会の出席者
僧職者層の辞職者数の増加と相まって,教会の出席者も減少しています。“乗組員”ばかりか,“乗客”も今や離船しているのです。
英国の教会の出席者数は驚くべき減少を見せ,英国国教会におけるイースター(復活祭)の礼拝に出席するのは,今やバプテスマを受けた信者100人につきわずか8人だけです! カナダのトロント・デーリー・スター紙はこの国の事情を示す典型的な報告を掲げました。「首都トロントの150の合同教会の会員がこのままその恐るべき減少を続けるとすれば,15年以内に教会も会員もなくなってしまうであろう」。また西ドイツのカトリック教会は,年に5万人の割合で信者を失っていると推定しています。
オランダからはデ・ステム紙がこう報じています。「オランダの教会の出席者数はローマ・カトリックまたプロテスタントの別なく減少している」。ツァイストのカトリック教区からは左上のような典型的な報告が寄せられました。
年 出席者数
1965 1,639
1966 1,426
1967 1,208
1968 983
1969 832
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悪い知らせが良い知らせ目ざめよ! 1970 | 7月22日
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悪い知らせが良い知らせ
◆ ある男の人がエホバの証人といっしょに聖書を学びはじめたところ,その人の属している教会の牧師が尋ねてきて,こう言いました。「わたしはあなたのことで悪い知らせを耳にしました。あなたが改宗してエホバの証人になったと知らされたのです」。男の人は答えました。「わたしにひとこと言わせてください。それはあなたにとって悪い知らせかもしれませんが,わたしにとっては良い知らせです。教会に属していたあいだ,わたしは何ひとつ学びませんでした。ところがエホバの証人はわたしに聖書を教えてくれました。わたしはその真理を他の人々に伝えることができるので喜んでいます」。これを聞いた牧師はただちに立ち去りました。
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