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目ざめよ! 1970
目70 10/22 20–23ページ

とけいはどうしてカチカチ音を立てるのですか

とけいが,カチカチと規則正しく音を立てるのは,どうしてなの。これはたいていの男の子が尋ねたことのある質問です。相当数の女の子も同じ質問をしたことでしょう。あなたはそれに答えることができますか。

とけいの立てるこの音の回数は,思ったより多いものです。とけいは,1時間に平均1,800回,カチカチと音を立てることをご存じでしたか。つまり,1秒間に5回,1分間に300回,1日に43万2,000回 ― 1か月間にすると,1,300万回ということになります。

時を計る器具 ― その昔

時間を計るための他の方法に比べて,とけいは比較的最近考案されたものです。人間は最初,太陽を観測したり,木々の影の角度を計ったりして,時を計ったようです。やがて,影を計って,時を刻む日どけいが紹介されました。しかし,曇った日,また夜には用をなさず,人はとけいなしで生活しなければなりませんでした。

別の時間測定器が必要なことは明らかでした。初期の文明社会の多くは,水どけい,つまり“クレプシドラ”を使用しました。いろいろな種類がありましたが,その原理は同じで,水か他の物質が,一つの容器から別の器に流れるようにしたものです。流れた物質の量が測れるようになっており,それにより時の経過に区切りを設けたのです。

機械を使って時を計る方法が発明されると,著しい改良がもたらされました。その最初のものはヨーロッパで紹介されたものらしく,14世紀のことです。次いで1500年ごろ,ドイツのニュルンベルクに住む錠前かじが,携帯用のとけいを発明しました。といっても,たいへん重く,腰に回してあるバンドからつり下げねばならないほどでした。

初期のとけいは,ばかでかいうえに,あまり正確ではありませんでした。時針しかついていなかったのです。けれども,改良がなされ,ついに精巧なとけいが造られるようになりました。初期のこうしたとけいはすべて手で造られました。

19世紀の半ばになって,今度は大量生産の原理がとけいの製造にも応用されるようになりました。何年間にもわたり,製造技術に高度の改良が加えられ,今では,ほとんど少しも狂わないとけいが製造されるほどです。

装飾の施された,優雅な婦人用の指輪にはまるほどの小さなとけいを造ることが今日可能です。そうしたとけいに使用されるネジは非常に小さく,何千本ものネジが指ぬきにはいるぐらいです。また,いろいろな輪の小さい軸をはめる穴の中には,人間の髪の毛が通らないほど細いものがあります。

仕組み

それにしても,機械どけいはどのような仕組みになっているのでしょうか。どうして正確に時間を刻むのですか。カチカチと音を立てるのはなぜでしょうか。

とけいの働きを目に浮かべるため,壁から突き出ているくぎに糸巻きをかけるとよいかもしれません。次に,のりを少し使って,糸巻きの端にようじをつけます。ようじは分針がわりになるわけです。それがすんだら,糸まきの糸を引っぱってごらんなさい。すると,糸巻きと分針がわりのようじが回ります。糸をちょうど適当な速度で引っぱると,その分針は1時間で1回転します。こうして,非常に簡単な仕掛けではありますが,時間を計る道具ができあがります。

機械どけいも,基本的には同じようなものです。針を正確な速度で,文字板の上に移動させ,それによって1日を,秒・分・時といった単位で区切るのです。しかし,針の動きを正しい速度で維持するための装置,また,とけいを標準時に合わせることは非常に複雑です。

とけいにはまず,針を動かす動力原が必要です。前述の例では,糸を引っぱることによって動力が得られました。そうすることによって糸巻きが回り,次いで,ようじ,つまり分針が回るようになっていました。普通のとけいでは,“大ぜんまい”が動力として用いられています。それは,入念に焼き入れされた鋼鉄からできており,薄くて細いリボン状をしています。

大ぜんまいは,外周に歯車式の歯が切ってあるぜんまい箱の中にはいっています。動力をたくわえるために,回す装置があり,それによって大ぜんまいを回すことができます。つまり,とけいのねじを回すと,大ぜんまいに動力がたくわえられるのです。大ぜんまいはぜんまい箱の内部に取り付けられていますが,ぜんまいにその巻きを解こうとする力が加わる時,ぜんまい箱が回転するような仕組みになっています。

したがって,ぜんまい箱が回ると,中心の輪が動きます。次いで,この輪は,“歯車輪列”と呼ばれている,適当な数の他の輪を動かします。歯車輪列の役目は,ぜんまい箱の非常におそい動きをとけい全体に伝えることです。そのために,一連の減速歯車が使用されており,大ぜんまいの供給する動力が長く持つよう,一度に少しずつその動力を使っているのです。

輪の中のあるものに,とけいの秒針・分針・時針が取り付けられています。歯車の歯数間のいろいろな比や輪の大きさと速度などが基礎となって,それぞれの針は適当な速度で動き,時を刻みます。

しかし,輪が正しい速度で回転し,時の経過を正しく示すよう,輪の間を伝わる動力を調整するものはなんですか。

この仕事を受け持っているのが,とけいの心臓あるいは頭脳にあたる“がんぎ”です。とけいが正確かどうかは,がんぎの精巧さ・品質・状態によって決まります。もう一度,壁にかけられた糸巻きの例を思い出すと,がんぎの働きを少しは具体的に理解できるかもしれません。

今度は,糸巻きの縁に注意深く歯を彫ったと仮定しましょう。次に,振り子のついた,特別に設計された,二またの脱進機を,糸巻きの下に位置するよう壁にかけます。その際,二またの軸にあたる所にくぎを打ちます。また,脱進機の二つのつめが,糸巻きの歯にかみ合うようにします。

こうしておいて糸を引っぱると,糸巻きの一つの歯は,脱進機の一方のつめを糸巻きから遠ざけ,振り子は一方に傾きます。同時に,脱進機の他方のつめは,糸巻きの歯の一つにかみ合わさります。さらに糸を引っぱると,振り子はもとに戻り,脱進機の最初のつめは,次の糸巻きの歯にかみ合います。この動作を繰り返して行くと,これらの部品がはまったり,はずれたりして,カチカチと言う速い音が聞かれます。普通のとけいの場合,この音は毎秒5回するはずです。

腕どけいには一般に,たいへん精度の高いがんぎが使用されています。がんぎ車には15枚の歯がついており,脱進機のつめには2個のルビーの石が用いられています。この脱進機はパレット脱進機と言われています。その他,とけいには,テンプ輪として知られている輪があります。それは,下のがんぎ図の中の,振り子の位置するあたりで連結しています。テンプ輪が左右に動く速度は,ひげぜんまいによって定められます。テンプ輪とひげぜんまいは,1秒間に5回,つまり,1時間に1万8,000回右左に動くよう調整されています。

自動巻きと電気どけい

現代のとけいの中には,自動巻きのものがあります。大ぜんまいにおもりが取り付けてあり,それが振動します。とけいをはめた人が自分の腕を動かすと,おもりが振動し,大ぜんまいが巻かれる仕組みになっています。自動巻きのとけいの値段は,手で巻く普通のとけいより,5,000円から7,000円高くつき,修理費も5割増しにつきます。

電気どけいには,約1.35ボルトの非常に小さい電池が使用されています。そのエネルギーが,テンプ輪に取り付けてある,一巻きのコイル(電磁を帯びる)に送り込まれます。そうすると,テンプ輪が作動し,大ぜんまいで動くとけいとは全く逆の方法で,針を動かします。電気どけいは,1957年,アメリカで紹介されました。

電気どけいの中には,音さを使って追歯車を動かし,それによって針を動かすものがあります。動力をコイルに連結させるのに,開閉器ではなくて,トランジスターを使います。このとけいは時間が正確で,カチカチという音ではなく,ハミングでもしているような音を立てます。他の普通のとけいと違って,その秒針はジャンプするのではなく,電気どけいの秒針と同じくなめらかに動きます。このとけいがはじめて用いられるようになったのは,1961年のことです。

とけいの調子が悪くなった場合

とけいが進んだり,遅れたり,あるいは完全に止まってしまったりする場合,その原因はどこにありますか。

まず,多くのとけいには,200におよぶ小さい部品が非常に精巧に組み合わされ,かつ正確に調整されていることを覚えておくとよいでしょう。油なしで動く部品もありますが,石の中で回転しているきわめて小さい軸は,極度に精製された高価な油,たいてい魚油を必要とします。

この油が一,二年のうちにどうなるかは,容易に想像がつきます。油が切れてしまうかもしれません。そうすると,とけいは不正確になったり,止まったりします。とけいを熱い所に置いておくと,油は速く切れてしまいます。とけいの調子を悪くさせる第一の原因は,油が切れることです。

とけいの修理人は油を注入する際,非常に小さい,ねじ回しに似た道具か,先に微少な金属製のパイプのついた,人間の髪の毛ぐらいの大きさのガラスの管を使います。そしてそれぞれの石に,この文中に用いられている読点の4分の1に相当する微量の油を1滴落とします。自動車のクランクケースを満たすのに,この種の油を約4リットル要するとすると,1回のオイル・チェンジに7万2,000円以上かかることになります。

とけいのガラスぶたが曇ったり,湿気を帯びたりしたら,すぐ修理に出さねばなりません。さもないと,油がそこなわれてしまいます。とけいを水に浸してしまい,すぐに修理人が見つからない場合は,そのとけいをアルコールにつけるとよいでしょう。文字板と針はだめになりますが,水分を吸い取ってくれます。しかし,文字板と針をみがいてきれいにするのは,とけいの内部の部品を取り替えることに比べると,問題ではありません。

婦人は腕どけいをはずすのを忘れたまま,お皿洗いをすることがときどきあります。一方,激しい労働をする男の人は,おびただしく汗をかき,汗の中の酸がとけいを腐食させます。雪の中でころげ回って遊ぶのは楽しいことですが,ある地方では雪がとけいをだめにするおもな原因となっています。

また,とけいの装置の中にはいり込んだごみや糸くずのために,微少な歯車が引っ掛かって,その結果ついにとけいが止まることもあります。止まったために修理に出されるとけいの中には,石と各調速機の間に,顕微鏡でなければ見えないような極小のものがはさまっているのがあります。それが取り除かれないと,とけいは調子よく動きません。

とけいがいかに複雑なものかは,その修理費がよく物語っています。しかし一般に言って,分解掃除をして油をさすのに要する時間は1時間半から2時間で,費用は場所によりたいそう差があります。

しかし,とけいの修理人が,とけいのねじを巻きすぎましたね,と言うようなことがあったら,とけいを返してもらって他の修理人を捜すのが賢明です。とけいのねじは一定以上回せないようになっており,調子がよければ動くはずです。工場に出さねばなりません,と言われたら,その修理人は時間をごまかそうとしているか,そうでなければ,その人の技術が不足していると判断してよいでしょう。とけいについて専門の知識を持っている修理人を捜すべきです。

とけいの修理技術

あなたはとけいにたいへん興味を持っておられるかもしれません。カチカチと音を立てる理由のほかにも,とけいに関してもっと知ってみたいと思っておられるかもしれません。とけいをいじるのが好きかもしれません。とけいを修理する技術は,習得できます。時にはいらいらさせられることもありますが,興味深く,やりがいのある仕事です。しかも,それには報いがあります。

とけいについてさらに知りたいなら,大都市の電話帳から,とけい店を捜し出すことができます。良い本が学校にないか尋ねてごらんなさい。手始めに約3万5,000円から7万円相当の道具を用意すれば十分です。商売としてとけい修理を始められるまでには,かなりの時間とたいへんな忍耐が必要でしょう。しかし,これで生計を立てながら,大部分の時間をさらに重要な仕事に費やしている人もいるのです。手不足で困っている宝石店や,宝石店ではあってもとけいを修理する人がいないところから,仕事をもらうのです。その仕事は,自宅でしかも自分の都合のよい時にできます。

とけいの修理に関心がなくても,とけいがカチカチと音をたてるわけを知っておくとためになります。とけいに関して少しの知識があるだけでも,自分のとけいを大事にするようになるからです。

[22ページの図版]

とけい内部のがんぎ車と,振動するパレット脱進機

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