-
偉大な陶器師エホバものみの塔 1965 | 9月1日
-
-
にそれぞれの守護神を祭る寺院を建てました。各寺院にはそれぞれ神聖視される動物があり,また大ぜいの祭司がかかえられていました。歴史家ジョン・ロードによれば,祭司が人々の上にふるった権力は,暗黒時代におけるキリスト教国の祭司の権力に似ています。
25 エジプトの宗教の最もいむべき,堕落した面は何であったと言えますか。
25 エジプトの宗教の最も忌むべき,堕落した面は動物崇拝に見られました。猫ならば野良猫でも人間より尊重され,外国人がうっかり猫を殺そうものなら,怒り立った群衆の手で文字通り八つ裂きにされてしまいました。聖牛は神そのものとして崇拝されました。神がその中に住むと信じられていたからです。このような牛は豪せいな寺院に住み,死ぬと高価で巨大な棺に葬られて,エジプト中の人々から嘆かれました。ほかに,わに,オキシリンカス(聖魚),ひめばちが神聖視されました。ある種の動物たとえば猫はすべて神聖視され,他の動物たとえば牛は特別なはん点のあるものだけが神聖視されました。
26 エジプトのパロはどのように見られていましたか。
26 エジプトの宗教の中で大きな地位を占めているのは,支配者のパロです。パロについて次のように述べられています。c 「ファラオ〔パロ〕自身が神の一人であり,臣民の生活の中心を占めていた。統治した各王はかつてタカ神ホルスの化身であった。かつホルス〔は〕 ……父オシリスの正統な王位継承者〔である〕。エジプトの運勢は王のそれと直接に結びついていた……各王は,歴史に残る王朝の系図を越えて……地上の神々の王朝の流れを汲む継承者であり,死後には神々の列に加えられた」。エジプト人はこのような考えを持っていたのです。
27 エホバがエジプトの偽りの崇拝と圧制を長いあいだ許したのはなぜですか。
27 イスラエルがとらわれていたエジプトはこのような国でした。モーセはそこに遣わされようとしていたのです。たしかにそれは「滅びることになっている怒りの器」から成り立っていました。(ロマ 9:17-22)それでもなお偉大な陶器師である神は,エジプトが世界強国として存続するのを許しました。それはご自身の偉大なみ名のためです。そのうえ神はアブラハムの子孫が400年のあいだ悩みに会うことを預言されたではありませんか。ゆえにその時の満ちるまで,エジプトは神の選民を圧迫できました。―創世 15:13。
28,29 かたくななパロのためにエジプト全体が災をこうむったのはなぜですか。
28 記録に残されたところによると,偉大な陶器師である神に対して一人の人間パロがさからっています。では一人のために国民全体が災いをこうむったのはなぜですか。それには幾つかのもっともな理由があります。まず言えることは,パロだけがイスラエル民族を圧迫し,エホバをあなどることはできません。それには強大な組織が必要です。そこで神にさからい,神の民を圧迫したパロの支持者すべてがパロの罪に加担したことになります。それだけではありません。イスラエル人でない「多くの入り混じった群衆」が自由を目ざしてイスラエル人と共にエジプトを離れたではありませんか。(出エジプト 12:38)そうです。従って偉大な陶器師エホバが公正に欠けることはありません。
29 加えて聖書は,連帯責任のことを述べています。昔のイスラエルにおいて未解決の殺人事件は町の長老によって特定な方法で処理されました。町全体が問われた流血の罪を除くために,長老はそのことをしたのです。(申命 21:1-9)一人のレビ人の妾をはずかしめてこれを死なせたギベアの悪しき人々を引き渡さなかったために,ベニヤミンの支族全体が罪を問われたのも同じ理由でした。(士師 20:8-48)このような責任の存在は現代においても認められています。現在,民主的な国家となっていても西ドイツが,ナチスに迫害されたユダヤ人その他に補償を行なったのはその例です。
30,31 十の災いに関する出来事は,今日の私たちにとってどんな意義と重要さを持っていますか。
30 偉大な陶器師であるエホバ神が,むかしモーセの時代にご自身の器をどのように扱われたかを述べた聖書の記録は,今日の私たちにきわめて興味深く,また重要な意義を持っています。それをしらべることは,偉大な陶器師エホバ神の知恵,公正,力と愛をますます深く認識させます。またエホバに従い,そのことば,聖霊および地上の器すなわち地にある伝達の経路にすすんで導かれることの重要さを,私たちの心に銘記させます。神の表明されたみ心にさからって利を得る者はありません。
31 さらにこれらの出来事には,今日それに相当する出来事がそれぞれあるため,私たちの信仰は大いに強められます。最後にそれは,クリスチャンの奉仕者すべてが自分の伝道の使命を深く認識するのに役立ちます。彼らは,大いなるバビロンを含めて現代のエジプトにいま災いをそそぐ特権にあずかっているからです。これらの理由を考えるとき,私たちは深い関心を抱いてこの問題を更に研究する意欲をおぼえることでしょう。
-
-
偉大な陶器師は人間の器を形づくるものみの塔 1965 | 9月1日
-
-
偉大な陶器師は人間の器を形づくる
「我はエホバなり他にひとりもなし われは光をつくり又くらきを創造す 我は平和をつくりまた禍害をさうざうす 我はエホバなり 我すべてこれらの事をなすなり」― イザヤ 45:6,7,文語。
1 エホバはだれのために光と平和を創造されますか。暗黒と災いはだれのためですか。なぜですか。
偉大な陶器師エホバは,その至上のみ心に従って被造物のために事を行なわれます。イザヤ書 45章7節にある通り,エホバはみ心のままに光と平和をつくり,暗黒と災いを創造されます。正しい者には光と平和が約束されています。「光は正しい人のために現れ……る」「あなたのおきてを愛する者には大いなる平安があ(る)」。しかし悪しき者のためにエホバは暗黒と災を創造します。「悪しき人の道は暗やみのようだ」「主は悪しき者の上に炭火と硫黄とを降らせられる」― 詩 97:11; 119:165。箴言 4:19。詩 11:6。
2 善人の上にも悪人の上にも日をのぼらせ,雨を降らせるほかに,エホバは時として不従順な者に何を下しますか。その事を示すどんな例がありますか。
2 偉大な陶器師は,むかしモーセ時代のエジプトに十の災いを下した時,その事を例証されました。とくに最後の七つの災の場合,それが明らかです。しかし悪人の上にも善人の上にも日を昇らせ,雨を降らせて下さるエホバは,時にはその至上のお目的に従ってご自身の民の上にも,彼らが不従順ならば敵と同様に災いを下します。それで当時においても,神の民イスラエルは最初の三つの災いをこうむりました。―マタイ 5:45。
3,4 (イ)エジプトに臨んだ十の災いは,偉大な陶器師エホバの働きを更にどのように裏づけていますか。(ロ)私たちはその記録になぜ関心を持つべきですか。
3 これらの災いがいろいろな人々に及ぼした影響は,偉大な陶器師エホバの至上者としての役割を更に物語っています。これらの災いはそれをこうむった人々の心の状態を明らかにするという神の目的をはたしました。災いがやむと,パロおよびパロの臣民のうちパロ
-