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『あわれみ深い人々は幸福 ― 彼らはあわれみを示される』目ざめよ! 1971 | 11月8日
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おける永遠の命の希望が彼の前に差し伸べられたことを意味します。―使徒 10:1,2,42-48,〔新〕。
エホバ神はご自分の大きな愛,思いやりと同情の念をもって,邪悪な人たち,また義人の上にも太陽を照らさせ,雨を降らせてくださいます。また,『神の恩恵によって』イエスは,『万民のために死を味わわれた』だけでなく,「神は,義者と不義者」つまり,『墓にある者がみな神の子の声を聞いて出て来る』備えをも設けられたのです。(ヘブル 2:9。ヨハネ 5:28,29。使行 24:15)しかし,神の過分の恵みの十分の益にあずかり,それを引き続き享受し,神のあわれみを受け続ける人であるためには,その人もあわれみ深い人でなければなりません。仲間の人たちに親切や同情を示すことをならわしにしなければなりません。
今日成就しつつあるマタイ伝 25章31節から46節までの羊とやぎに関するイエスのたとえは,あわれみの重要性について同じ点を強調しています。その中でイエスは,ある人たち,つまりさまざまな親切やあわれみを示した人たち,ご自分の『兄弟たち』に対してそのように振舞ってイエスに対して同情を表わした羊のような人たちのことを述べています。彼らはどのようにしてそうしたあわれみ深い同情の念を示しましたか。キリストの霊的な兄弟たちが空腹のときに食べさせ,着る物が必要なときに着る物を供え,病気のとき,また獄にいるときに尋ねることによってです。そうしたことすべてを行なったゆえに,彼らには親切,恵みそして思いやりが示されるであろうとイエスは言われました。「わが父に祝せられたる者よ,来りて世の創より汝等のために備へられたる〔王国〕を嗣げ」〔新〕。そして特に神の怒りの日に,神によって保護されるという点で彼らは同情を示されるでしょう。
また,家族内はもとよりクリスチャン会衆内でもあわれみを示す機会があります。意気消沈している人,落胆している人,内気な,あるいは恥ずかしがりやの人がだれかいるかもしれません。「意気消沈した魂に慰めをもって語る」のは,確かにあわれみを差し伸べることであり,そうすることによって人は,「施与を好むものは肥え人を潤ほす者はまた利潤をうく」とあるように,あわれみを受けることを期待できるのです。(テサロニケ前 5:14,新。箴言 11:25)そうしたあわれみの贈り物は霊的なものだけに限られているというわけではありません。使徒ヨハネが示すように,クリスチャンはまた,困っている仲間のクリスチャンに物質上のものを与えて愛を示せます。あなたはそうしておられますか。―ヨハネ第一 3:17,18。
クリスチャンは互いに進んであわれみを示すべきであり,また,喜んでそうするようさとされています。「憐憫をなす者は喜びて憐憫をなすべし」と使徒パウロは書きしるしました。そうです「吝むことなく,強ひてすることなく」そうすべきです。「神は喜びて与ふる人を愛し給(ふ)」からです。喜んであわれみを示すことがあわれみであり,親切なのです。そうすれば,それだけで同情を示すものとなります。なぜなら,それはあわれみをいっそう快く受け入れられるようにするからです。わたしたちは霊的に建て起こしてもらう必要のある,もしくは,物質面で苦境に陥っている仲間のクリスチャンを援助できるでしょうか。―ロマ 12:8。コリント後 9:7。
あわれみを示せば,エホバ神からあわれみを受けることに加え,ことわざにもあるとおり,『立場が逆転した』場合,あわれみを示してあげた人からあわれみをかけてもらうことも期待できます。このことはイエスの次のことばからもわかります。「人に与へよ,然らば汝らも与えられん」― ルカ 6:38。
困っている人に霊的にも,また物質面でも同情と親切を示すとともに,あわれみにはもちろん人を許すということを含めるべきです。ですからイエスはご自分のたとえ話の一つの中で,自分の多額の借金を許してもらっていながら,相手のわずかな負債を許そうとしなかったひとりの奴隷に向かってその主人にこう言わせておられます。「悪しき〔奴隷〕よ,なんぢ願ひしによりて,かの負債をことごとく免せり。わが汝を憫みしごとく汝もまた同僚を憫むべきにあらずや」。その結論としてイエスは言われました。「もし汝等おのおの心より兄弟を赦さずば,我が天の父も亦なんぢらに斯のごとく為し給ふべし」。きわめて間近い将来に起ころうとしているできごとは,この問題においても聖書の述べる事柄が真実であることを明白に証明するでしょう。―マタイ 18:23-35。
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世界展望目ざめよ! 1971 | 11月8日
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世界展望
歴史の転換点か
◆ ニクソン米大統領が1972年5月までに中共を訪問したいとの計画は大きな期待を呼んでいる。元イギリス国連大使カランド卿は,「これは世界史の転換点をなすものである。私の生涯中これ以上に胸のおどる,あるいは励みを与えるできごとは思い出せない」と語った。NATOの新事務総長である,オランダのジョセフ・ランズは,「これは世界史上重大な時機の一つである」と述べた。しかし,神の時間表によれば,その訪問がどんな結果になるかにかかわりなく,あらゆる国家に影響を及ぼす,史上はるかに重大な転換点が間近に定められている。―ダニエル 2:44。
鉛筆をかむ人のための警告
◆ アメリカでは鉛筆には鉛が含まれていないことが再三保証されてきた。ところが今や,ニューヨーク保健局鉛中毒課は,鉛筆をかまないよう人々に警告している。塗料中に30%もの多量の鉛を含む鉛筆のあることがわかったのである。ある検査員が1歳の幼児の鉛中毒の原因が鉛筆にあることをつきとめた結果,そのことが明らかにされた。その幼児は鉛筆をかんでいたのである。
コレラのまん延
◆ 最近,東パキスタンから500万人以上の難民がインドに殺到し,衛生状態の悪い生活をしていることからすれば,コレラがまん延しているのも不思議ではない。すでに8,000名を越える死者が出ている。親族はコレラを恐れるあまり,遺体を埋葬せずに道端に捨てたままにしているため,ハゲタカやカラスや犬が奪い合っている。難民の生活は悲惨をきわめている。
核融合によるエネルギー
◆ 世界の多数の科学者は水素原子の核融合によるエネルギー,すなわち水素爆弾に秘められている力を取り出すことに努めている。科学者は,そうした原子核融合を制御しさえすれば,人類が必要とするエネルギーの問題を解決できると考えている。推定によると,核融合の方法を用いれば,4㍑の海水からガソリン1,200㍑分のエネルギーを生み出せる
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