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神と人との契約ものみの塔 1961 | 4月1日
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されました。「『それで,もしあなたがたが,まことにわたしの声に聞き従い,わたしの契約を守るならば,あなたがたはすべての民にまさって,わたしの宝となるであろう。全地はわたしの所有だからである。あなたがたはわたしに対して祭司の国となり,また聖なる民となるであろう』……民はみな共に答えて言った,『われわれは主が言われたことを,みな行います』。」(出エジプト 19:5,6,8,新口)この契約は犠牲の動物の血により成立しました。「そこでモーセはその血を取って,民に注ぎかけ,そして言った,「見よ,これは主がこれらのすべての言葉に基いて,あなたがたと結ばれる契約の血である」。―出エジプト 24:8,新口。
レビとの契約
ホレブ山で営をはっていた時,イスラエルの人々は崇拝の対象として金の子牛を作りました。この時レビの息子たちは,まずモーセと共に立ってこの悪い行いに反対しました。清い崇拝に対する熱心な気持から,彼らはただちにモーセに従い3000人の偶像崇拝者を殺しました。この後神が彼らに与えられた祝福は,祭司職の契約でした。エホバに対する特別な奉仕のために,ほかの人々と分けられました。「エホバはつづけてモーセに語って言われた,『見よ! 私はイスラエル人々のうちの初めに生れたすべてのういごの代りに,レビびとをイスラエルの人々のうちから取るであろう。レビびとは,わたしのものとならねばならない。』」。―民数記 3:11,12,(新世)出エジプト 32:26-29。
エホバの清い崇拝に対する,同じような熱心な気持から,アロンの孫でレビ人のピネハスは,ひとりのイスラエル人と,その男が神の律法に反して自分のところに連れてきたバアル崇拝者のミデアン人の女を殺しました。ピネハスはこのように熱心だったので,エホバは彼と平和の契約を結び,祭司職が彼の家族とともにとどまると約束しました。ピネハスは聖なる幕屋と営の入口を守っていたコラ人の家族の指導者になったようです。これは祭司職の契約ですから,レビと結ばれた契約の一部と見ることができるでしょう。「わたしは平和の契約を彼に授ける。これは彼とその後の子孫に永遠の祭司職の契約となるであろう」。―民数記 25:12,13,新口。
御国契約
その信仰と従順のゆえに,ダビデ王は顕著な契約の相手としてエホバにより選び出されました。それは御国契約でアブラハムの契約を補足したものでした。なぜなら地のすべての国民と家族を祝福するという約束の成就をたしかなものにしたからです。「わたしはあなたの身から出る子を,あなたのあとに立てて,その王国を堅くするであろう。彼はわたしの名のために家を建てる。わたしは長くその国の位を堅くしょう」。―サムエル後 7:12,13,新口。
神はダビデから裔をおこし,その国を堅くすると言いました。その裔はイエス・キリストです。「この者は,偉大な者となり,最高者の子と呼ばれるであろう。エホバ神は父ダビデの座位を彼に与え,彼はヤコブの家の永遠の王となるであろう。彼の御国には終りがない」。―ルカ 1:32,33,新世。
人類にとって御国契約はきわめて重要なものです。なぜならそれは地上における永遠の平和と,すべての人に対する正しい支配をたしかに打ちたてるからです。神はその契約を必ず守ります。―詩 89:33-37。
新しい契約
ずっと以前にエホバは,律法契約がその目的を果たした時には,新しい契約がその代りにつくられるということを,前もって告げられました。律法の目的はアブラハムの子孫を約束の裔イエス・キリストに導くことでしたから,キリストが御自分の命をあがないとしてなげうった時,終ることになっていました。「キリストは……律法の終りとなられたのである」。―ロマ 10:4,新口。
預言者,エレミヤを通して,エホバは新しい契約を前もって告げられました。「エホバいひ給ふみよ我がイスラエルの家とユダの家とに新しき契約を立る日きたらん」。(エレミヤ 31:31)。イエスは死ぬ前の晩に,この契約のことについて弟子たちにこう言いました。「この杯は,わたしの血による新しい契約である」。(コリント前 11:25,新口)イエスの完全な犠牲の血はこの契約を有効にし,成立させました。イエスが復活してから50日たった時に,この契約は完全に働きはじめました。そしてその時に,14万4000人の霊的イスラエルの最初の者がその契約にいれられました。
新しい契約は肉のイスラエルと結ばれたのではなく,ユダヤ人と非ユダヤ人により構成されている霊的イスラエルと結ばれました。「もしキリストのものであるなら,あなたがたはアブラハムの子孫であり,約束による相続人なのである」。(ガラテヤ 3:29,新口)この霊的なイスラエル人は,天の御国でキリストと共に祭司とされ王とされるという,すばらしい約束を与えられました。彼らが神の名を負う民として諸国民の間からとられたことは,この契約の目的を果たしました。罪をあがなうキリストの完全な犠牲の価値は,次の約束の成就を可能にしました,「わたしは彼らの不義をゆるし,もはやその罪を思わない」。(エレミヤ 31:34,新口)この犠牲に基づいて,彼らの不義や,遺伝的罪は許されて,正しい者とされ神の霊的子として生まれることができます。―詩 50:5。
新しい契約はアブラハムの契約や御国契約を無効にしませんでした。かえってそれらの成就を可能にするためにつけ加えられた価値あるものです。14万4000人の霊的イスラエル人だけがその契約にいれられますが,益を受けるのは彼らだけではありません。予定の時にそれは忠実な人々でなる大いなる群集にも祝福をもたらすでしょう。
以上のいろいろな契約により,神は御自分の大きな愛と無私の気持を現わされました。そして,御自分の偉大さ,高さにもかかわらず,ひくい人間に関心を持っているということを証明されました。人間を無視せずに,過分の御親切を示されました。神が忠実な人間と結ばれた契約は美化された地における栄光に輝く将来の希望を与えます。神の言葉は「むなしく」彼に帰りません。―イザヤ 55:11,新口。
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「彼らは一致の中に伝道する」ものみの塔 1961 | 4月1日
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「彼らは一致の中に伝道する」
1961年のエホバの証者の年鑑より
多くの国で感謝されている
南アフリカのバストランドではじめて開かれたエホバの証者の地域大会に,376人が出席して公開講演を聞きました。この講演を聞いた人々の中には,弁護士,教師,看護婦さんなどもいました。しゅう長の弟さんも出席しました。講演が終わりに近づいた頃彼は,「われわれの国ではこういうことがもっと必要なんだ」と言っていました。
西インド諸島のカイマン島に住んでいるある中年の婦人は,エホバの証者と数回聖書の研究をした後,自分の属する教会で次のようなあかしをしました,「私はすべての兄弟に頭をさげてお願いします。どうぞエホバの証者にげんかん払いをくわせないで下さい。私がそういうのは彼らが真理をもっているからです」。
ニカラグアでのこと,ひとりの無神論者の教師が,エホバの証者の大会の土曜日のプログラムに出席して,つぎのような感慨をもらしました,「教えることは私たちの仕事なのに,私たちはこんなに準備のよくととのったプログラムさえもっていない」。
聖書の質問に対する正しい解答を受け取ったカメルーンのある若いアフリカ人は叫びました,「やっぱりぼくの言った通りだろ! ひとりのエホバの証者は,ふたりの司祭とひとりの司教を一緒にしたよりも値うちがあるんだ!」
リベリアで,ペンテコスト派の人がエホバの証者のところへきてこう言いました,「白人が黒人の家に泊まったり,交際したり,一緒に食べたり ― 私は,ここで行なわれているこのようなことをいままで見たことがありません。私たちの宗派にも宣教者はいます。彼らは私たちに説教をしに来ます。しかし私たちの家にきて食べたり交わったり泊ったりしょうとは決してしません。私たちはしばしばあなたがたを批判しようとしました。でもどうしても否定できないことがひとつあります。つまりあなたがたは心から互に愛しあっているということです。それこそ真の真理の道です」。
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