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危険はどんなところに潜んでいるか目ざめよ! 1976 | 3月8日
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た。これについて,「現代心理学」誌は,次のように述べています。「人々がくつろいでいる時に殺されても驚くには当たらない。結局,我々を殺す者となる可能性の一番高い人々,つまり親族,友人,飲み友だちなどと一緒にいるのは,くつろいでいる時だからである」。この点に気付いておられましたか。
犯罪を犯す大半の人がだれであるかを知ると驚かされます。それは若者です。一昨年,米国で起きた凶悪な犯罪,つまり殺人,強姦,強盗などの半数近く(45%)は,18歳未満の若者によるものでした。15歳以下の子供が,25歳以上の大人よりも多くの犯罪を引き起こしています。
年配の犯罪者でさえ,若者を恐れています。シカゴのある追いはぎはこう述べています。「今時の若い犯罪者ときたら,病気としか言いようがない。自分たちのすることに何の動機も持っていないのだから」。また,四年間に六回追いはぎに襲われたあるニューヨーク市民はこう警告しています。「子供たちに注意したほうがよい。危険なのは子供たちだ」。
従業員の盗みなどホワイトカラー族による犯罪は,表面には出ませんが,一般の犯罪以上にわたしたちを経済的に苦しめています。著名な事業犯罪問題の専門家ノーマン・ジャスパンは,それが「品物の価格やサービス料金を15%まで引き上げている」と述べています。しかし,それに加えて,犯罪組織に支払わされている代価があります。ニューヨークの特別検察官モーリス・ナジャリは,「我々が使うお金の23%は犯罪組織の手に落ちる」と語りました。
そうです,犯罪はわたしたちの身の安全を脅かすだけでなく,見境なく経済的な損失を被らせているのです。ところが,ボストン市警察部長ロバート・J・ディグラジアは最近,次のようなことを認めました。「我々には,犯罪を除去したり,減少させたりする力がない。それは我々の手に負えないことなのだ」。
犯罪との戦いにおいて,警察官がそのように途方に暮れているのはなぜですか。大都市の警察官の語る次の経験は,問題を見極めるのに役立つでしょう。
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犯罪との戦いが不利になっているのはなぜか目ざめよ! 1976 | 3月8日
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犯罪との戦いが不利になっているのはなぜか
あるベテラン警官の語るところをお聞きください
ニューヨーク市ほど犯罪の多い都市はありません。最近の一年間にそこで殺された人の数 ― 1,669人 ― は,ほとんど七年にわたる北アイルランドの内乱で死んだ人の数よりも多いのです!
ニューヨーク市警察の警官になって十四年あまり,わたしはこの犯罪を食い止めるためのあらゆる種類の努力が失敗しているのを見てきました。ニューヨーク州特別検察官モーリス・ナジャリのことばは真実を言いあてたものです。「人々を犯罪から守ることは,もはや我々の力には及ばない」。
殺されたり,襲われたり,暴行されたり,強奪されたりするニューヨーク市民は毎日何百人もい
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