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  • 生活を改めた犯罪者や麻薬常用者たち
    目ざめよ! 1973 | 10月8日
    • 生活を改めた犯罪者や麻薬常用者たち

      人びとを助けて犯罪を阻止したり,人びとの生活から犯罪を根絶したりする上でエホバの証人が大いに貢献していることは十分に証明されています。最近,アメリカの合同メソジスト派の牧師,ディーン・M・ケリーは,伝統的な教会がこの点で無力であるにもかかわらず,エホバの証人は「われわれの社会の犯罪者や麻薬中毒者を救っている」と述べました。

      それが真実であることは,以前犯罪者だった人たちが聖書を勉強し,エホバの証人と交わった結果,生活を変化させた数多くの経験からも明らかです。つい昨年の夏に開かれたエホバの証人の「神の支配権」地域大会で次のような経験が話されました。

      ● アメリカ,ミシガン州,デトロイト市の一青年は麻薬に深入りし,学校や家の近所で麻薬を売ることさえしました。また,彼は腕ききの泥棒で,錠のこじ開け方を小さい時に覚えました。窃盗グループの一味として働き,自転車を盗んでは,足がつかないよう,盗品を改造したりしていました。また,彼は若者たちの反抗的な活動のリーダーで,学校では生徒の衣服のスタイルを変えさせる影響を与えていました。

      そのころ,青年の母親はエホバの証人と聖書を勉強し始めました。青年も勉強に応じましたが,それは彼のことばによると,「スリルのため,何かをやってみるため,何か変わったことをやってみるため,ただそれだけのことで」応じたに過ぎませんでした。勉強が進むにつれて,麻薬中毒に関する,ものみの塔協会の出版物の資料が考慮されました。そのころ,青年は麻薬の作用で特にひどい「旅<トリップ>」(麻薬の引き起こす幻覚状態)を経験したので,真剣に考えさせられました。

      やがて,青年はエホバの証人の会衆の集会に出席し始め,麻薬をやめ,長い髪を短くし,奇抜な服装を改めました。その青年はオハイオ州トリドで開かれた「神の支配権」地域大会でバプテスマを受け,今や,自分の生活に劇的な変化をもたらした聖書の真理を他の人びとに教えるわざに全時間を費やす道を歩みたいと願っています。

      ● 多くの場合,麻薬常用癖は一見してそれとは気づかないうちに始まるようです。オハイオ州マンスフィールドのある青年はせき止め用のシロップの処方薬を飲み始めました。ところが,それからマリファナ,アンフェタミン,そしてLSDを用いるようになりました。彼は約4年間麻薬を常用し,大酒を飲んだり淫行を犯したりして放蕩生活を送りました。そのころ彼は結婚し,麻薬の乱痴気パーティーを自宅で開き,また麻薬密売人にまでなりました。

      そんなある日,ひとりのエホバの証人が彼の妻を訪ね,聖書研究を始めました。いっしょに参加するように勧められたので,彼も加わりました。しかし,何かを学ぶというよりもむしろ,研究を司会するその女性の誤りを暴露し,ろうばいさせるのが目的でした。

      ところが,青年はやがて,自分が有益な人生を送っていないことに気づき始めました。また,何人かの友人や自分のおいまでが,麻薬を常用したために堕落していくのを見ました。それで彼は熱心に聖書を勉強するようになり,会衆の集会にも出席し始めました。そして青年は生活を改め,夫婦そろって昨年の夏のトリドの大会でエホバの証人の手によりバプテスマを受けました。

      ● 麻薬を常用すると,恐ろしい影響をこうむる場合があります。ウィスコンシン州マジソンに住むある若者は直接そのような経験をしました。現在の事物の体制にあいそをつかした彼は麻薬に走り,マリファナから始めて,LSDなどの幾つかのさらに強い麻薬を用いるようになり,麻薬を用いなくとも幻覚が生ずるほどになりました。

      彼はこう説明しました。「しばしば,教室で授業を受けていると,突然幻覚が生じたかと思うと,また再び正気を取り戻すことがありました。現実と幻覚の経験を区別することは非常に難しくなり,私の頭は全く混乱してしまいました」。

      麻薬を常用した結果,両親との間でいざこざを起こした彼は家を去って旅に出ました。やがてスペインに行き,そこで英語を話すスペイン人のエホバの証人の宣教者に会いました。2週間にわたって彼はその宣教者と聖書を勉強し,スペイン語はわからなかったため集会で話されていることは理解できなかったにもかかわらず,会衆の集会にさえ出席しました。そして,ぜひもっと多くを学びたいと考えるようになり,集会で話される事がらを理解できる英国へ行く決心をしました。

      英国に入国する許可が一時的に得られなかったため,彼はフランスで数週間を過ごしました。青年は次のように語りました。「フランスにいる間,私は毎日7,8時間を費やして,エホバの証人から求めた1冊の本と聖書を通読し,また読み返しました」。

      ついに英国に入国した青年は,エホバの証人のベテル・ホームと印刷工場を見学しましたが,そこで受けた親切なもてなしはもとより,見聞きした事がらに大いに感銘を受けました。そして,急いでウィスコンシン州のマジソンに戻り,土地のエホバの証人の会衆の主宰監督と直ちに連絡を取りました。やがて聖書研究が取決められ,9か月後,マジソン市で開かれた「神の支配権」地域大会でバプテスマを受けました。彼は生活をすっかり改め,事情が許せばできるだけ早く,全時間の宣べ伝えるわざに携わる日を一心に待ち望んでいます。

      ● エホバの証人になった,かつての麻薬常用者は,他の麻薬中毒者が行ないを改めるのを助ける点でしばしば功を奏しています。何年か前にサウス・カロライナ州で人気を博したロックンロール・バンドのメンバーだったある青年の場合はそのよい例です。そのバンドが解散した後,彼はハリウッドで,以前契約していたレコードの吹き込みを行なう一方,妻といっしょにエホバの証人と聖書を勉強し始め,そしてふたりは,自分たちの学んでいる事がらが真理であることを認めました。

      その結果,青年は霊的に成長できるより良い立場に身を置くため,有名な「ロック」グループといっしょに働くことを含め魅力的な仕事の申し出を断わりました。そのことを聞いたサウス・カロライナの友人たちはショックを受けました。また,彼があごひげをそったことを知ったのも彼らにとってはショックでした。それらの友人のひとりがカリフォルニアの彼のもとに訪ねて来た時どんなことが起きたかを彼は次のように説明しています。

      「彼は家の中に入るなり,ロサンゼルスでは一番いい『やく』(麻薬)はどこで手に入るか,またどこに行けば『かわいい子』が見つかるかを尋ねました。私が『知りません』と答えると,彼はまたもやショックを受けました。……

      「私たちが彼の妻を含め,他の何人かの人たちと聖書研究を始めると,彼はソファーに腰をおろしてにやにや笑ったり,外に出てマリファナを吸ったりしていました。しかし数日後,彼の様子を伺ってみると,私たちの話にいくらか耳を傾けている姿が目につきました。次いで彼は,当『目ざめよ!』誌の『ヒッピーが生まれるのはなぜか』と題する記事を読みました。それがきっかけで質問をするようになり,それから2週間ほどのうちにヘブル語聖書と『「その時,神の秘義は終わった」』(英文)の本を読んでしまいました。彼はたちまち態度を改め,集会に出席し始め,やがてひげをそり,髪を短く切りました。

      「このふたりが初めて集会に出席した後,彼の妻は,私が前もって全部のエホバの証人に電話をかけ,『風変わりな人間』を連れて行くから,特別親切にしてくれるように話したのか,と私に尋ねました。彼女の夫は穴のあいたジーパンに汚れたTシャツをまとい,頭にはインディアンバンド,首にはビーズの首飾りをつけ,それに裸足といういでたちでした。『もちろん,そのようなことはしていません。エホバの証人は,人がどんな身なりをしていようとも,すべての人にそのように接するのです』と私は答えました。彼女は偽りの宗教にあきあきしていたので,エホバの証人こそ神の民であって,真理を持っているということを直ちに認めました」。

      こうして生活を改めたそれらのヒッピーや麻薬常用者は,短期間のうちにエホバの証人の手でバプテスマを受けました。昨年中,彼らは以前いっしょに働いていたロックンロール・バンドの何人かの人びとと聖書を勉強し,そのうちの数人は昨年の夏にサウス・カロライナ州のコロンビアで開かれた「神の支配権」地域大会でバプテスマを受け,また目下勉強中の他の人びともエホバの証人になることを望んでいます。

      現在の腐敗した,偽善に満ちた事物の体制にあいそをつかして犯罪に走ったり,麻薬に手を出したりするようになった人は少なくありません。ですから,そのような人びとにとって現在の世界を支持している宗教は忌まわしく感じられます。しかしそうした人たちも,この体制に対する神の見解を,つまり神も現在の体制を嫌悪しており,それを滅ぼして正義の新しい事物の体制を招来するよう意図しておられることを聖書から示されると,この偉大な神エホバを喜ばせるためにしばしば自分たちの生活を改めるのです。―ペテロ後 3:5-7,13。

  • すべてのものからの逃避を求めますか
    目ざめよ! 1973 | 10月8日
    • すべてのものからの逃避を求めますか

      人びとが『すべてのものから逃避する』ことについて話しているのを,わたしたちはよく耳にします。生活の問題や心配事にうんざりした,あるいは物質主義と今日の圧力に悩まされているそれらの人びとは,どこか孤立した場所へ行って,『すべてのものから逃避』できたらと願っています。おそらく,あなたもそのように考えておられるかもしれません。しかし,それは実際に解決となるでしょうか。

      アメリカのカリフォルニア州に住む一青年は1960年代にはいってまもなく,周囲の物質主義的な人びとの追い求める,一般の目標や物質の追求に幻滅を感じるようになり,「ヒッピー」の生活を始めました。彼はまた,東洋のさまざまな宗教を勉強したり,人生の意義を見いだそうと,共産主義者の青年たちの集まりに出席することさえしました。のがれる道を求めて,あらゆる種類の麻薬や酒に手を出しましたが,満足は得られませんでした。

      最近行なわれたエホバの証人の大会で,その青年は麻薬と酒に走った後,どんなことが起きたかを説明しました。その話によると,ついに青年夫婦は,麻薬と酒におぼれた生活はほんとうの生活ではないことをさとるようになりました。「そこで,わたしたちは麻薬を飲むのをやめ,清い生活を始めるために,メーン州に引っ越しました」と彼は語っています。青年は人のあまり住んでいない所で生活したいと願っていました。「自給自足の生活をし,そうすることによって社会から離れたいと考えて,森の中に家を建て,畑を耕やしました。へんぴな森林地帯に住み,めったに人を見ることがないにもかかわらず,私はすぐに,自分が人びとから逃れてはいないことに気づきました」。それはなぜでしょうか。

      まもなく,強力な機械を携えた人びとがやって来て,大住宅地,ショッピングセンター,そして海軍基地を建てるため,家のまわりの美しい樹木を根こそぎに引き倒し始めたのです。彼はさらに次のように述べています。「ラジオのニュースは,世界のいたる所で人びとは飢えに苦しみ,数多くの人びとが戦争で殺されているごとを私に絶えず思い出させました。今までの努力がむだに思え,私は全く希望を失ってしまいました。私は再び大酒を飲み始め,あきらめて死のうと思いました。事実,私はほとんど毎日のように酒に酔っていました」。

      『すべてのものから逃避する』ことは問題の答えになりませんでしたが,答えは見いだされました。彼は次のように説明を続けました。「そのすぐ後に,エホバの証人の奉仕者が私の家を訪問し,私はその証人と聖書の研究を始めました。初めて,私は希望があることを知りました。たばこも酒もやめ,聖書とものみの塔協会の出版物を読むために時間を費やしました。それは非常に望ましい希望に思えたので,私は新たに見いだしたその希望について他の人びとに話し始めました」。それは単なる想像上の希望ではありませんでした。それは信頼の置ける神のみことば聖書に基づいていました。聖書には,人類が現在直面している諸問題が説明されており,まもなく神がそれらの問題をどのように解決しようとしておられるかが示されています。

      ですから,『すべてのものから逃避したい』と感じておられるかたは,どこかの寂しい森の中でひとりで暮らそうなどと考えないでください。むしろ,聖書に述べられている,神の目的を学ぶ機会を受け入れて,エホバが人類に差し伸べておられる確かな希望を得てください。このことは明らかに,あなたの問題をまるで魔法にでもかけたかのようになくしてしまうというのではありません。それはここで述べられている青年の場合と同様です。しかし,この青年がしたように,それらの諸問題に立ち向かう力を得て,聖書から得られる神の導きのもとに問題を解決することができます。そして,現在の彼と同様に,あなたも,「ついに,幸せと平安な思いは真実に私のものになった」と言うことができるでしょう。

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