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言葉探しゲーム目ざめよ! 1984 | 9月8日
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言葉探しゲームの答え
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「うちの子は活動過多だろうか」目ざめよ! 1984 | 9月8日
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「うちの子は活動過多だろうか」
オーストラリアの「目ざめよ!」通信員
「娘は,産まれた時から,ほんの二,三時間しか眠らず,眠りがとても浅く,ひどい悪夢にうなされて眠りながら泣きわめいたり,壁に頭を激しく打ちつけたりしました。じっとしていることができず,この子を抱いたり抱き締めたりすることは不可能でした。夜中に何時間も泣きわめいたり足でけったりしたものです。お医者様が眠り薬をくださいましたが,何の効果もありませんでした」。こう嘆くのは,活動過多と診断されたデアンという女の子の母親です。a
母親はこう続けています。「あの子がほかの子と違っていることははっきりしていました。でも,学校へ行き始めると,子供たちや先生方から苦情がきました。娘は周りの人に迷惑をかけ,非常に攻撃的な子供でした。少しでもうまくいかないことがあると,きまって気が狂ったように大騒ぎし,通り道にあるものには何にでも触るのです。ほかの子の図画を引き裂いたり,物を壊したり,引っかいたり,つまんだりしたのです。先生方からは,あの子は集中力がなくて数分ともたないと言われました。ひどい時になると,まるで娘の中にある何かが娘を狂気に駆り立てているかのように,自分を引っかいたり引っぱったりしました」。
下線の施された部分は,活動過多症候群,すなわち,MBD(微小脳機能障害),H-LD(運動機能亢進-学習困難症),SLD(特殊学習困難症),ADD(注意力異常欠如)と関連のある行動の型の幾つかです。Hyperkinesia(運動機能亢進症)という言葉は,近代ラテン語とギリシャ語を語源として,「過度の」あるいは「余分の」という意味のhyperと,「運動」もしくは「動き」を意味するkinesisとから成っています。学齢期にある子供たちの約5%はこの病気にかかっていると言われ,推定35%もの高い罹病率を示す地域もあるということです。したがって,うちの子は活動過多だろうか,と心配する親は少なくありません。
どんな症状があるのか
自分の子供がこの問題を抱えているかどうかを判断する上で,活動過多症の典型的な症状の幾つかに注意するのは助けになることでしょう。(囲み記事をご覧ください。)次の点を考慮しましょう。うちの子はいつも落ち着きがなく,頭を揺すったり,打ちつけたり,じっとしていることができないだろうか。いつもかんしゃくを起こしており,衝動的だったり異常なまでに不器用だったりして,危険に対する感覚が全くなく,はっきりした理由もないのにほかの子供がしていることに手を出して迷惑をかけてばかりいるだろうか。眠ること,愛情を示すこと,割り当てられた仕事を果たすことに問題があるだろうか。集中力がなくて,数分ともたないだろうか。学習上特別の問題を抱えているか。普通以上の知能があるのに,学校の成績がよくないか。
このうちのどれか,あるいは幾つもの症状が子供に見られるなら,ことによるとその子は活動過多かもしれません。しかし,子供はみな同じではないことを覚えておきましょう。また,活動過多の程度も様々であり,ほとんど目立たない場合もあれば,重症で,明らかにそれと分かる場合もあります。
活動過多か,それとも懲らしめの欠如か
お子さんを活動過多と決める前に,注意を一言。一貫性があり,き然としていて,しかも愛情のこもった懲らしめを施すことを親の側が怠っているために,子供が手に負えない振る舞いをしたり,悪さをしたりしていることはないか,調べてみなければなりません。子供は,大抵,自分の思うとおりにならないと,かんしゃくを起こしたり,いら立ったり,言うことを聞かなくなったり,周りの人に迷惑をかけたりします。人間行動に関する,世界でも指折りの権威者の一人は,次のように述べました。「子供たちがばかげた,そそっかしい事をするのはもっともなことだが,十分にお尻をたたけば行儀よくするよう子供を教えられる」― 箴言 22:15,今日の英語聖書。
しかし,活動過多の子供の場合,お尻をたたくことは解決にはならないかもしれません。事実,もっとひどいかんしゃくを起こさせることになりかねません。それは,ある医師が述べているとおり,「その行動は子供自身どうすることもできないもの」だからです。したがって,懲らしめに対する反応は,子供の状態を知るもう一つの手がかりとなります。活動過多の子供を持つ母親はこう語っています。「ほかの人たちは私のところへやって来て,『息子さんはこんなことをした』,『あんなことをした』と言います。友だちの意見で特に一致していたのは,息子にはおしおきがまだまだ足りないということでした。とんだお笑い草です! うちのちびちゃんはずい分たたかれました。それに生き残っているのが不思議なぐらいなんです」。
活動過多の子供は普通の子供と違って,言い聞かせる方法であれ,何かを取り上げる方法であれ,あるいはお尻をたたく方法であれ,その方法には関係なく,懲らしめが効かないようです。懲らしめを受けたそばから同じことをします。子供が何人かいて,どの子にも同じように懲らしめを与える親なら,そのことがすぐに分かります。ですから,活動過多の子供の場合,懲らしめは必ずしも解決策とはなりません。
子供が一人しかいない場合,その子が活動過多か,あるいは単に懲らしめを必要としているだけかを判断するには,次のようにすると助けになるかもしれません。知り合いの人,できれば数人の子供の母親であるような人に一日お子さんを預け,その後その人の率直な意見を聞きます。家で母親をてこずらせる子供でも,き然とした中にも愛情深い人に預けられると,驚くほど協調性を示し,従順になる場合があります。そのような場合,お子さんは活動過多ではないと思われます。むしろ,お子さんはただ,き然とした中にも愛のこもった懲らしめを必要としているのかもしれません。
食べ物で事態を変えることができるか
懲らしめについて正直に判断した上で,子供に活動過多のおそれがあると思える場合,子供の食べ物を変えてみるとよいかもしれないと一部の医師は言います。食べ物を変えるというこの方法は故ベン・フェインゴールド博士によって考え出された方法で,次のような理論に基づいています。すなわち,活動過多は,活動過多の患者のおよそ50%に影響を及ぼしていると思われるある種の物質 ― 自然のものも,人工的なものもある ― を食べた結果であるという理論です。結局,それらの物質はある人にとっては有毒であり,脳の機能を幾分妨げ,それが行動に影響を及ぼすのです。
フェインゴールド博士の研究によれば,その元凶となる物質はある種の果物と野菜の中に自然の形で含まれ,人工の着色料や香料の入った食品の中には問題となるほど多く入っています。ですから,活動過多の患者に勧められている食餌療法は,活動過多の行動を引き起こす原因と思われる,害となり得る化合物を除くことを目的としています。報告によれば,ある親はこの方法で良い結果を得たということです。しかし,フェインゴールド博士は,同博士の患者のうち,食べ物を変えて効果があるのは50%ほどである,と述べているにすぎません。
冒頭で紹介したデアンの話ですが,この場合には食餌療法が取り入れられました。デアンが活動過多と医師から診断されたことを述べた後,母親はこのように続けています。「4年ほど前,私たちはフェインゴールド食餌療法について聞きました。それを守るのは容易ではありませんでしたが,確かに違いが見られました。去年1年の間に娘はとても変わりました。ずっと落ち着きが出て,1時間ぐらいは座って本を読んだり勉強をしたりすることができます。また,ほかの子供と仲良く遊んだり,気持ちを集中したりすることもでき,何かがっかりすることがあってもひどい反応を示すようなことはありません。ずっと辛抱強くなりました」。
砂糖は影響しているか
食べ物に関連してですが,やる気のない態度,緊張,神経過敏,疲労,いら立ち,情緒不安定,行動を制御できないことなど,活動過多の症状を示す子供は,軽い低血糖症,つまり血液中の糖分が少なくなる病気にかかっている可能性があるとされてきました。b ブドウ糖の不足は,普通,インシュリンの過多に原因があるとされています。インシュリンが血液中のブドウ糖を取り除く速度が速過ぎて,ブドウ糖の補充が間に合わないのです。脳の機能は血液からブドウ糖が絶えず供給されることに依存しています。低血糖症にかかると,脳の働きが鈍り,その結果,行動に乱れが生じます。でん粉を含んだ,甘いものを欲しがるのは,血液中の糖分が少ないことの表われかもしれません。
こうした低血糖症のための食べ物では,人工の着色料や香料ばかりでなく,ほとんどの糖分,特に蔗糖が除かれます。低血糖症の患者にとって,砂糖は危険です。砂糖を取り入れて血糖値が突然高くなると,それを下げるためにインシュリンが多量に出るからです。「学習困難症の治療」と題する記事の中で,アラン・コット博士はその点を次のように述べています。「子供の栄養状態を評価するそれら研究者たちが皆述べているのは,子供たちの食べ物として,砂糖,キャンデー,砂糖菓子,また砂糖でできた食品が非常に多いということである。そうした食品をとらせないようにすると,活動過多症が驚くほど減る」。それで,医学の権威者の中には,砂糖を主にした食品や飲み物は活動過多の子供にふさわしくないと助言する人がいます。
4歳のベッキーの例があります。この女の子は,ことに夕方になってくると,落ち着きがなくて怒りっぽくなり,かんしゃくを起こしました。砂糖を含まない食べ物を与えることが母親に勧められました。母親はこう報告しています。「子供よりも親のほうに自制が求められました。でも,努力したかいがあり,娘は愉快で落ち着いた子になりました。家族全員にとって大変ありがたいことです! 砂糖を取り除いただけで,娘の行儀がよくなりました」。
環境汚染も原因の一つか
英国の医学雑誌,「ザ・ランセット」は次のように述べています。「体内の鉛の量が増え(必ずしも有毒な量とは限らない),その状態が長期間続くと,活動過多症候群に存在すると思われる,微小脳機能障害の起こる可能性がある……と判断するのは妥当であろう」。そのことは,後の研究結果からも証明されています。
したがって,環境汚染,とりわけ,大気中に放出される多量の鉛が,都市部における活動過多の子供の増加の一因となっていることは十分に考えられます。そうした鉛は,主に,ごったがえす自動車の排気ガスから出るのです。
胎児期や出生時の経験が活動過多の原因となるか
食餌療法を行なってもよくならない子供がいます。したがって,これまで考えてきた理由以外の理由を調べてみる必要があります。「誕生前の生命」と題する本の著者,アシュレー・モンタギューは,人が形造られる時の極めて重要な段階に触れて,次のように述べています。「生命は出産の時ではなく,受胎の時に始まる。したがって,発育中の胎児は,単に生きた組織から成っているという意味で生きているのではなく,受胎の瞬間から種々の事柄を経験しているという意味でも生きているのである。……誕生前に生じる事柄,および胎児がそれに対して示した反応はその後の人生に影響を及ぼす」。受胎後,主要な器官が形成される3か月の間,恐れや異常なストレス,不安といった母親の感情は胎児の身体的発育に影響を及ぼしかねません。
胎児が出生の時最初に経験する事柄も活動過多の重要な要因と考えられてきました。一研究調査員は次のように書いています。「胎児が直面する危険は陣痛の間に最も大きくなる。誕生は,大多数の人がさらされる最も危険な経験である」。複雑で危険な出産の過程で,低酸素症,すなわち酸素の供給不足が生じると,神経に微妙な影響があると考えられています。その影響は,その後の生活でさらにストレスにさらされた時に現われてくるかもしれません。
では,妊娠中のストレスや出産時の酸素の欠乏と関連のある微小脳機能障害については,薬物が答えとなるでしょうか。確かに,重症の活動過多を抑えるのに,興奮剤が使用されています。活動過多に薬物治療を施すことに関して,15人の専門家から成る米国の一諮問委員会が,「意見の一致を見ているのは,その療法は障害を『治した』のではなく,教育したり助言を与えたりする努力に子供が比較的応じやすくなると思われるという点」です。しかし,同委員会は,「興奮剤による薬物療法は,そうした薬物の使用が認められている患者のうち約半数から3分の2に対して効果を発揮しているにすぎない」と結論しています。他方,心理学者のジェイムズ・スワンソンは,運動機能亢進症の患者の40%は薬物を絶対に取り入れるべきではないとしています。ですから,親は,実際には活動過多を治療するものではない薬物治療を受け入れることに関して慎重でなければならないでしょう。息子に6か月間薬物治療を受けさせた後,食べ物を制限させているある人は次のように語りました。「薬物が,リチャードの学習能力を高める魔法の杖などではないことが今になって分かりました。必要だったのは,息子を助けるために私たちが時間という個人的な犠牲を払うことでした」。
励ましを与えたり,ほめたり,無理のない目標が達成されたならほうびを与えたりすることに力点を置く行動療法は,運動機能亢進症の子供を助ける治療法として,即効性はないにしても,比較的成果が上がり持続性のある療法かもしれません。助けとなる家庭的雰囲気と親の首尾一貫した態度は絶対に必要なものです。それは丁度,苦しんでいる子供に深い愛が重要であるのと同じです。なぜなら,それなくしては,どんな治療も決して成功しないからです。
では,要するに,どうすればよいのでしょうか。あなたのお子さんは活動過多ですか。多分そうかもしれません。しかし,まず,活動過多のように見えるだけで,実際は懲らしめが与えられていない,ということがないか確かめてください。愛に満ち,一致のある家庭的雰囲気の中で,首尾一貫した懲らしめをき然とした態度で与えてみてください。次いで,お子さんが,人工の着色料や香料の添加されている糖分の多い食品を食べ,栄養価の低いスナック食品で生きているというようなことがないか確かめます。これらの方法で成果が得られなかったなら,お子さんの活動過多の原因を正しく突き止めるために,さらに医学的検査を受けることが必要かもしれません。
[脚注]
a 活動過多と学習困難症に関するさらに詳しい考察については,「目ざめよ!」誌の1983年8月8日号,3-13ページをご覧ください。
b 低血糖症に関する詳しい情報については,「目ざめよ!」誌の1978年11月8日号,12-15ページをご覧ください。
[21ページの拡大文]
お子さんは活動過多ですか。それとも懲らしめを必要としているのでしょうか
[23ページの囲み記事]
活動過多の幾つかの症状
(1)絶えず動いていて,落ち着かない。幼児期には,サークルベッドを揺すったり,頭を打ちつけたりする。
(2)突飛な行動; すぐにかんしゃくを起こす; 非常にわがまま。
(3)なかなか寝つかない; 眠りが浅い; ひどい悪夢にうなされる。
(4)何をしていてもすぐにあきる。
(5)攻撃的で,他の人がしていることに手を出して迷惑をかける; 何にでも,まただれにでも触りたがる。
(6)自分がけがをするようなことでも,しつこく行なう; 懲らしめられた後でも,再び同じことをしかねない。
(7)つめをかむ; 皮膚をつついたり,皮膚に傷をつけたりする; 自分を引っかく。
(8)うそをつく,盗みをする,けんかをする,不従順,内向的,口汚い,といった反社会的な傾向を示す。
(9)自分の行動の型を制御することができない。
(この指針は「フェインゴールド便覧」に基づく)
[22ページの図版]
妊娠中および出産の際のストレスのために子供が活動過多になることがある
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