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ガンという疫病に光を当てる目ざめよ! 1979 | 4月22日
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研究対象を有しています。彼らはハワイの主要な人種グループである中国人,日本人,白人,フィリピン人,ハワイ人の5人種について調査を行ないました。これらの人種の間に見られるガンには著しい相違があるようです。胃ガンは日本人の間ではフィリピン人の5倍も多く,多方,乳ガンは白人の婦人に多く,フィリピン人の3倍にもなっています。
この研究では,これらの統計と,それぞれのグループの食生活を関連づけることが試みられました。最初に得られた結果では,各グループの脂肪摂取総量が,男子では前立腺の,女子では乳房のガンの発生とかなり近い相関関係を示しています。
実際的な面では,日本の研究者が,肺ガンの予防にビタミンAのよく効くことに注目しています。緑また黄色の野菜を多く食べる人は,肺ガンになりにくいことが観察されました。同様なことはシンガポールの中国人の間でも見られると報告されています。
ガンと他の病気
東洋における研究は,他の病気がガンのきっかけになる場合のあることを示してきました。例えば,エジプトでは男子に最もよく見られる悪性腫ようはぼうこうに生じます。どうしてそうなのですか。研究者はその国に非常に多いカタツムリ熱との関連を指摘しています。このような関連がなぜあるのかをつきとめるための研究がいま進められています。
日本の科学者は,ビールスのひき起こす肝臓病B型肝炎が肝臓ガンの原因になる場合もあると今や考えています。この肝炎にかかった母親が,生まれる子にそれをうつした例も発見されました。またこれは輸血によってもうつることの多い病気です。それで輸血から生ずるおそれのある副作用のリストには,明らかにガンも加えられることになります。
フィリピンにおいても他の国におけると同様,婦人に最も多いのは乳ガンと子宮頸部のガンです。乳ガンをホルモン活動と結びつける人もいますが,乳ガンの原因は本当にはわかっていません。脳下垂体を取ると乳ガンの抑えられることがあり,一方,卵巣を取ることはそのひろがるのを防ぐかもしれません。他方,男性にこの種のガンの見られることはまれです。しかし“性転換”手術の場合などのように多量の女性ホルモンを与えられると,その危険はずっと高くなります。
統計の示すところによると,出産も影響を及ぼします。結婚してまだ若いうちに最初の子供を産むことはこの病気の可能性を減ずるようです。一方,子供を持たない婦人はこの病気にかかりやすいと言えます。授乳がガンの予防になるのかもしれません。もっともこれには反対の説もあります。香港の漁師町には右の乳房だけを授乳に使う婦人がいます。このグループについて乳ガンの例を調べると,中年以後,乳ガンになった人々は意味深いことにその大多数が左の乳房つまり授乳に用いなかったほうをガンに冒されていました。
他方,子宮頸部のガンは外部からの刺激 ― たぶん精子でさえも ― がおそらく原因です。統計の示すところによると12歳から16歳までの若い時期に性生活を始めた女性は,この種のガンになりやすいようです。売春婦や不道徳な生活を送る女性も同様です。このタイプのガンはインドのパールシー教徒や回教徒のように厳格な宗教グループの婦人には,ごくまれにしか見られません。独身で,しかも道徳的な生活を送っている婦人に,このガンはまず見られないのです。
肺ガン
たばこと肺ガンの関係について欧米で明らかにされた事柄は,開発途上国における発見によっても裏づけられてきました。オーストラリア人である国際対ガン協会のナイジェル・グレイ医師は,マニラにおける最近の記者会見でたばこは口,のど,くちびる,ぼうこうおよび肺ガンの原因になることがあると語りました。たばこはまたガン以外のいくつかの病気とも結びつけられています。
日本の平山博士も同じ記者会見の席上,ガンは他の多くの物との関連を強く疑われているけれども,因果関係を示す,ずばぬけて明白な証拠があるのはたばこと肺ガンとの結びつきであると語りました。第三世界の欧米化が進むにつれて,この疫病は欧米におけると同じように広がっています。フィリピン,日本その他多くの国において今日,肺ガンは男性の間に見られるガンの中で最も多くの死者を出しています。そのおもな原因はたばこの習慣です。
解明された事実から益を得る
ガンは今なお非常に難しい病気ですが,それでも昔のようにガンすなわち死の宣告ではありません。この問題に関する文書には,「特にもし早期に発見するならば,治ゆの可能性はきわめて高い」といった言葉がよく見られます。治療法の改善を図る研究が東洋でも西洋でも進められています。日本ではガンの原因となるB型肝炎のワクチンが開発されつつあり,一方,フィリピンでは抗腫瘍成分を含むフィリピン特有の植物の研究を促進するために予算が計上されました。化学療法(化学物質を用いる療法)と免疫療法(身体の免疫系統を利用する)のさまざまな組み合わせが,放射線や手術と共に試みられ,ガンの治療と治ゆの改善が図られています。
一方,個人や環境の役割について明らかにされた事柄も有用です。最も急速にふえているガンのあるものが,たばこを吸わず,びんろうの実をかまないだけで大方防げるのは心強いことです。子宮頸部のガンは,ほとんど,どの国においても病院で受けることのできる簡単な検査により早期に発見するならば,100パーセント治ると言われています。乳ガンでさえも,容易に覚えることのできる自己診断の方法で早期に発見できます。
さらに,強い日光が皮膚に腫瘍をつくる場合のあることを知っておくのは有益です。また鉄分と緑黄野菜を十分にとり入れてバランスのとれた食事をすること,かびの生えた食品を避けること,毎日,風呂に入ること,加えて道徳的な清い生活を送ることは,この疫病のまんえんを防ぐことになるかもしれません。それでこのような事柄を行なって損をすることはありません。将来,ガンの研究によってどんな事柄が明らかになるとしても,これは確かです。
言うまでもなく,ガンの数多い原因はまだ不明であり,ガンを治す奇跡的な薬や食事療法,“必ず治る治療法”はありません。それでもこの病気を避けるために適正な予防策を講ずることはでき,またそうすべきです。また警告となる初期の徴候に気をつけねばなりません。何よりも良いことにわたしたちは,人間の病すべてがやがて無くなるという神の約束によって心を強められます。キリスト・イエスによる神の支配の下で人類のこの疫病は永久になくなるのです。―啓示 21:4,5。
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婦人労働者が最も少ない国目ざめよ! 1979 | 4月22日
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婦人労働者が最も少ない国
● ヨーロッパで労働人口に婦人労働者の占める比率が最も低いのはどの国ですか。イタリアの統計によれば,この点で一位を占める国はイタリアです。労働人口に婦人が占める割合は,ベルギーの34パーセント,フランスの37パーセント,ドイツの38パーセント,英国の39パーセント,デンマークの42パーセントに比べてイタリアでは28パーセントとなっています。
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