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認識の目をもって物事を見る目ざめよ! 1970 | 12月8日
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あなたは2羽のカモメが,一片の食物をめがけて舞いおり,正面衝突しそうなところを見たことがありますか。しかしそれはいつもしそうなだけです。負けたほうが避ける動作を起こす際,激しい翼のはばたきのために,2羽の鳥がもつれあって飛んでいるように見えるからです。
あるいは,カラスが金網の垣にとまるところを見たことがありますか。失速して不安定になる恐れなどさらにありません。着陸態勢にはいるとき,目標よりも先に飛びすぎるのではないかと思えますが,それまで性能のよいプロペラの働きをしていた強力な翼の先端は向きを変えて速度を落とします。またなんという止まりかたでしょう。鉄線に向かって静かに舞いおりるときの,その制御ぶりはみごとなものです。しかしカラスはとても疑い深いので,止まろうともせず,失速の状態から,またゆっくりと翼をはばたかせて,のんきそうに鳴きながら飛び去ることもあります。いまやってのけたその驚くべき芸当など気にもとめません。
航空機設計者は一般に,多能性を得るにも,鳥のような着陸の仕方をするのに必要なむずかしい動作をなしとげるにも,動く翼,形を自由に調節できる翼に多くの利点があることを認めています。しかし,はばたく翼と,形を変える翼の研究で,人間の技術者がえたみじめな結果は,人間が鳥の高等飛行のまねごとをするまでにも,前途ほど遠いものがあることを物語るものです。
多能性や空気動力学上の性能の面からにせよ,また機動性の面からにせよ,鳥を考察すればするほど,この航空機の創造者が名匠であることをうかがい知ることができます。目に美しく,動作が静かで優美な飛ぶ生き物を見るとき,わたしたちは感動し,彼らの偉大な設計者にひきつけられる思いがします。
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おとなのためのベビー・フード目ざめよ! 1970 | 12月8日
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おとなのためのベビー・フード
マーケットでミルクを買うとき,あなたはおそらく,それが赤ちゃんの食物であるとは考えないでしょう。しかし実際にはそのとおりで,ミルクは赤ちゃんの食物です。にもかかわらずミルクはおとなの食物として人気を得,料理や種々の飲物に使われています。しかしこの赤ちゃんの食物は,ほんとうにおとなにもよいのでしょうか。
わたしたちに一番なじみの深いミルクは,なんといっても牛乳でしょう。しかしほかの動物のミルクを人々が使いなれている国もあります。たとえば地中海周辺の国々や,ノルウェー,スイス,ラテンアメリカ,およびアジアとアフリカの一部では,ヤギ乳に人気があります。北極地方の人々は,馬やトナカイの乳を用います。スペインやイタリアでは羊の乳が好まれます。インドとかフィリピンでは水牛のミルクがふつうに使われており,南米ではラマのミルクが使われます。
どんなミルクを使うにせよ,ミルクは危険です。なぜかというと,ミルクは病原菌に汚染しやすく,また病原菌の急速な繁殖にうってつけの培養基だからです。結核,波状熱,腸チフス,敗血性扁桃腺炎,しょう紅熱,ジフテリアなどの病気は,ミルクによって広がることもあるのです。
ミルクの保護
それで,もしミルクを使うとすれば,きれいなミルクだけを使うことがたいせつです。ミルクを買って帰ったならば,冷たい場所におかねばなりません。これは,バクテリアの急速な繁殖を防ぐのに必要です。汚れた容器に入れたり,ハイやほこりにさらすことは,好ましくない細菌を招くおそれがあるので禁物です。
ミルクの会社は,容器の消毒やミルクの
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