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  • 歴史に予表されていたキリスト教世界の荒廃者
    ものみの塔 1971 | 3月1日
    • のわざを遂行しなければならなかったのです。(マタイ 24:9-14,新。マルコ 13:9-13)「また,すべての国で,まず良いたよりが宣べ伝えられねばならない」のです。(マルコ 13:10,新)神の王国の証を広める,このわざを完遂するのに,イエスはご自分の使徒と弟子たちに,ごくわずかな時間しか与えておられなかったのではありません。西暦60年ないし61年,神の王国を伝道したためローマの獄につながれていた使徒パウロは,小アジア,コロサイのクリスチャンたちに,すでにこう書き送ることができました。「この福音は汝らの聞きし所,また天の下なるすべての造られし物に宣伝へられたるものにして,我パウロはその役者となれり」― コロサイ 1:23。

      10 当時の伝道の結果,だれがどんな安全な道について聞き,かつ,その道を取ることができましたか。

      10 使徒パウロがこう言いえたのは,ユダヤとエルサレムにいたユダヤ人が,ローマ帝国に対する反乱を起こした時,つまり西暦66年より五,六年前のことで,エルサレムとその神殿が荒廃したのは,その反乱の3年半後です。それで,西暦70年,ユダヤ人の宗教上の首都エルサレムがローマ人によって滅ぼされる以前に,異邦諸国民のみならず,全地に散在していた割礼を施されたユダヤ人にまで,神のメシヤによる王国に関する良いたよりを宣べ伝える機会が与えられました。こうして彼らは,例年の宗教的な祝いのため,エルサレムに上るのを避け,それによって,エルサレムとともに滅ぼされる事態を回避できたのです。ユダヤのエルサレムに「終わり」が実際に臨んだ時,彼らは驚きませんでした。

      イエスによって実体を明らかにされた,「けん悪すべきものの」ひな形

      11,12 (イ)伝道が成し遂げられた後,エルサレムには何が臨むことになっていましたか。(ロ)「災いによる苦しみのはじまり」は,エルサレムの終わりが危険なほどに切迫していることを最終的にさし示すものとなるかどうかを,マルコ伝 13章14-20節にしるされている,イエスのどんなことばが明らかにしていますか。

      11 予告された,神の王国の伝道が全世界で完遂された後,「終わり」はエルサレムとその神殿に臨むことになっていました。では,この伝道のわざと,「苦しみのはじまり」をなす事柄の起きた後に,エルサレムとその神殿に対する「終わり」がいよいよ切迫していることを示す,何か特別な事態が見られることになっていましたか。見られることになっていたのです。イエスは,その事態がどんなものか,また危険区域にいるクリスチャンが時を移さず,どんな行動に出るべきかを事前に告げられました。マルコ伝 13章14-20節(新)によると,イエスは次のように語っておられます。

      12 「しかし,あなたがたが,荒廃をひき起こす,けん悪すべきものが,立ってはならないところに立っているのを認めるなら(読者は識別力を働かせなさい),その時,ユダヤにいる人々は,山にのがれはじめなさい。屋根の上にいる人は,降りてきてはならない。また,何かを取り出すために,自分の家の中にはいってもいけない。畑にいる人は,自分の上着を取るために,後ろにあるもののところに戻ってはならない。それらの日には,妊婦と,赤ん坊に乳を飲ませている女たちはわざわいである。それが冬の時期に起こらないよう,祈っていなさい。というのは,それらの日は,神の造られた創造物のはじめからその時に至るまで起こったことがなく,また,再び起こらないようなかん難の日となるからである。実際のところ,エホバがその日を短くされなかったなら,肉なるものはひとりも救われないであろう。しかし,神はご自分が選ばれた者たちのために,その日を短くされた」。

      13 (イ)マルコとマタイの記述によると,その時ユダヤとエルサレムには,何が起ころうとしていましたか。(ロ)ルカの記述によると,その時,だれの復しゅうが表明され,だれの憤りが発せられることになっていましたか。

      13 この預言からわかるとおり,ユダヤ地方には,その宗教上の首都エルサレムをも含めて,それ以前にも,あるいはそれ以後にも再び起こらないような,かん難が臨もうとしていたのです。イエスの預言をしるしたマタイ伝 24章21,22節(新)で,それは「大かん難」と呼ばれています。ルカ伝 21章22,23節(新)の記述によると,イエスはこう言われました。「これらは,書かれた事柄すべてが成就する,応報の日だからである。……地には深刻な窮境が,また,この民には,憤りが及ぶからである」。これらの「日」とは,まさしく,きたらんとしている「大かん難」の日のことです。それは「応報の日」,字義どおりに言うと,「復しゅうの日」であり,その復しゅうとは,神の側からの「復しゅう」です。それは,ユダヤとエルサレムの住民に注がれる,神の「憤り」です。イエスはここで,「わたしたちの神の復しゅうの日」を告げることにより,イザヤ書 61章1,2節(新)の預言を成就しておられたのです。―王国行間訳(英文)のルカ伝 21章22節をごらんください。

      14 エルサレムとともに滅ぼされることを免れるため,ユダヤとエルサレムにいたユダヤ人のクリスチャンは,いつ,何をすべきでしたか。

      14 ユダヤとエルサレムにいた,ユダヤ人のクリスチャンたちは,この「大かん難」で滅ぼされないよう,全速力でのがれねばなりませんでした。しかし,いつのがれるのですか。「その荒廃が近づいた」ことを彼らに悟らせる事態が,エルサレム周辺に生じるや,即刻のがれるのです。(ルカ 21:20。新)しかし,エルサレムの「荒廃」をもたらすのはだれですか。それは,言うまでもなく,その都市を「包囲」することになっていた,「野営を張った軍隊」です。マルコ伝 13章14節(新)によると,荒廃をひき起こす手段となるものを,イエスは,「けん悪すべきもの」と呼ばれました。その聖句は,イエスが語ったことを,こう告げています。「しかし,あなたがたが,荒廃をひき起こす,けん悪すべきものが立ってはならないところに立っているのを認めるなら(読者は識別力を働かせなさい),その時ユダヤにいる人々は,山にのがれはじめなさい」。

      15,16 (イ)「けん悪すべきもの」が立ってはならない場所とはなんですか。(ロ)当時,エルサレムはどのような都市とみなされていましたか。その資格のゆえに,エルサレムは滅亡を免れましたか。

      15 しかし,「けん悪すべきもの」が立ってはならないところとはなんですか。けん悪すべきものには,神聖とみなされる場所にいる権利がありません。ですから,マタイ伝 24章15,16節(新)は,それを神聖な場所と呼んで次のように述べています。「それゆえ,あなたがたが,預言者ダニエルを通して語られたように,荒廃をひき起こす,けん悪すべきものが,神聖な場所に立っているのを認めるなら(読者は識別分を働かせなさい),その時,ユダヤにいる人々は山にのがれはじめなさい」。その神聖な場所とは,エルサレムおよび,それに接する周囲の土地でした。

      16 たとえば,マタイ伝 4章5節(新)と27章53節(新)で,エルサレムは「神聖な都」と言われています。西暦66年,ユダヤ人が反乱を起こし,ケスチウス・ガルス将軍の率いるローマ軍団が敗走した後に,エルサレムのユダヤ人は新しいシケル銀貨を鋳造しました。その一面には,「神聖なるエルサレム」ということばが刻まれました。しかし,その城壁のすぐ外でイエス・キリストが殉教の死を遂げるまで,エルサレムが享受していた神聖な資格をもってしても,都市はおろか,特別に神聖視されていたエルサレムの神殿でさえ,西暦70年における荒廃を免れなかったのです。(使行 21:28)神が「復しゅう」を執行するための手段として用いようとしておられたのは,「けん悪すべきもの」でした。

      17,18 (イ)この「けん悪すべきもの」は,どの預言者によって予告されましたか。その預言はヘブル語本文のどこに出て来ますか。(ロ)その表現はまた,ギリシア語七十人訳本文のどこで使われていますか。

      17 「荒廃をひき起こす,けん悪すべきもの」が,「預言者ダニエルを通して」語られたものであることは,注目すべき重要な点です。(マタイ 24:15,新),イエス・キリストの使徒たちは,「荒廃をひき起こす,けん悪すべきもの」に関し,聖書のダニエル書 11章31節と12章11節のヘブル語本文にしるされている事柄を,まちがいなく知っていたはずです。そして,マタイとマルコのしるした,イエス・キリストの生がいの記録は,ギリシア語で書かれましたから,「荒廃をひき起こす,けん悪すべきもの」に触れている個所は,ギリシア語七十人訳によるダニエル書 9章27節をも含んでいたと思われます。その聖句には,同様なギリシア語の表現が出てきますが,次のように書かれています。

      18 「さて,一週,多くの者のために契約が確認され,その週の半ばに,私の犠牲と献酒は取り去られるであろう。そして,荒廃の忌まわしいものが神殿に臨み,一時の終わりに,その荒廃に終わりが打たれる」。―チャールズ・トムソンによる「七十人訳聖書」。バグスター訳も参照してください。

      19 (イ)ゆえに,「けん悪すべきもの」は,何と関係を持っていますか。したがって,イエスがそれを述べたのは,なぜ適切なことでしたか。(ロ)しかし,ダニエル書 9章27節のヘブル語本文にはどう書かれていましたか。

      19 このダニエルの預言は,エルサレムの70年間にわたる荒廃の終わりごろに与えられたものですが,エルサレムの都,およびきたるべきメシヤに特別な関係を持っていました。したがって,イエス・キリストがマタイ伝 24章15節でこの預言を取り上げられたのは,きわめて適切なことでした。ゆえに,このダニエルの預言は,そのギリシア語七十人訳から明らかなとおり,再建されたエルサレムの神殿に関係がありました。それは,「荒廃の忌まわしいもの」,あるいは,荒廃をひき起こす,けん悪すべきものがエルサレムの神殿となんらかの関係を持っていること,また,そこにメシヤが現われることを示していました。ダニエルの預言のヘブル語本文は,ユダヤ聖書評釈書本文にあるとおり,いくぶん異なっています。ダニエル書 9章27節の後半は次のとおりです。「そして,けん悪すべきものの翼[忌まわしいものの翼,ヤング訳]の上に,荒廃をひき起こすものが至るでしょう。そして,絶滅に及ぶまで,まさしく定められた事柄が,荒廃して横たわっているものの上にも注ぎ下ることになるでしょう」。

      20 したがってダニエル書 9章26節のこの預言は,「荒廃をひき起こしている,けん悪すべきもの」がだれであることを示していますか。

      20 「荒廃をひき起こすもの」は結局,「けん悪すべきもの[あるいは,忌まわしいもの]の翼の上」に乗って来るはずでした。荒廃をもたらす,その者は,当然,「荒廃をひき起こしている,けん悪すべきもの」,あるいは,「荒廃の忌まわしいもの」(七十人訳)と言えます。この「もの」が引き起こすのは,エルサレムとその神殿の荒廃でした。それは,ダニエルの預言のその前節(26)の後半に預言されており,次のとおりです。「そして,その都市と神聖な場所とを,きたるべき,ひとりの指導者の民が,破滅させるでしょう。そして,その終わりは洪水によるでしょう。また,その終わりまで,戦争があるでしょう。定められている事柄は荒廃です」。(ダニエル 9:26,新)この預言は,「荒廃の忌まわしいもの」,つまり,「荒廃をひき起こす,けん悪すべきもの」が,『きたるべき指導者』と,その率いる「民」であることを明らかにしています。

      21 歴史が明らかにするところによると,ルカ伝 21章20,21節と調和して,荒廃をもたらした「民」と「指導者」はだれですか。

      21 歴史の示すところによると,「きたるべきひとりの指導者の民」,つまり,イエスが西暦29年に,「指導者なるメシヤ」として油を注がれた後,実際に到来し,エルサレムの都とその神殿の神聖な場所を廃滅させた民はだれですか。それは,ローマ皇帝ウエスパシアヌスのむすこチツス将軍,すなわち「指導者」の配下にある軍隊の「民」でした。この事実は,ご自分の使徒たちの質問に対する,イエスの次のことばと調和します。「エルサレムが,野営を張った軍隊に包囲されるのを見るなら,その時,その荒廃が近づいたことを知りなさい。その時,ユダヤにいる人々は山にのがれはじめなさい」― ルカ 21:20,21,新。

      22 (イ)エルサレムの周囲に「野営を張った軍隊」は,だれに属していましたか。(ロ)ゆえに,ダニエルとイエスの預言の中で述べられているどんなものは,同一であることがわかりますか。

      22 西暦66年にエルサレムを包囲した,「野営を張った軍隊」,および西暦70年に同じ都を包囲した,「野営を張った軍隊」は,いずれも第六世界強国,すなわちローマの軍隊でした。西暦66年,その都を包囲したのは,シリアから下ってきた,ケスチウス・ガルス将軍の率いる軍隊でした。ガルス将軍の率いる,その軍隊の「民」が意外にも退却した後,エルサレムとユダヤにいたクリスチャンのユダヤ人は,イエスの助言に基づいて行動し,「山にのがれ」はじめました。改宗したそれらユダヤ人は,神に油を注がれた,「選ばれた者たち」の中にはいっていたのです。西暦70年にエルサレムを包囲した,「野営を張った軍隊」は,チツス将軍に率いられたローマの4軍団でした。つまり,西方に第12軍団,北方に第5,15軍団,そして東側に第10軍団が配置されました。それらの軍団の軍事力は最終的には,抵抗するユダヤ人を餓死させる目的で,ローマ人がエルサレム周囲一帯に構築した防壁によって補強されました。したがって,ルカ伝 21章20節(新)に述べられている,「野営を張った軍隊」,ダニエル書 9章27節(七十人訳)に述べられている,「荒廃の忌まわしいもの」,マタイ伝 24章15節(新)とマルコ伝 13章14節(新)に述べられている,「荒廃をひき起こす,けん悪すべきもの」は同一のものです。

      23 ローマ帝国自体が「けん悪すべきもの」であったかどうかは,どのように明らかにすることができますか。

      23 以上のことから,第六世界強国であるローマ帝国は,「荒廃をひき起こす,けん悪すべきもの」ではなかったことがわかります。ローマ帝国は紀元前63年,(紀元前40-37年を別にして)ポンペイウス将軍の時代からユダヤを占領し,クリスチャン使徒パウロがエルサレムで群衆に襲撃された西暦56年ごろ,さらに下って,西暦66年のユダヤ人の反乱に至るまで,(使徒行伝 21章31節から23章31節まで)エルサレムにローマ軍隊を駐留させていました。ユダヤのユダヤ人が,その反乱後独立を享受した数年の間,エルサレムの内外にはローマの兵士はひとりもいませんでした。

      24 (イ)結局,「けん悪すべきもの」の役割は,だれによって確かに果たされましたか。(ロ)荒廃者はそのために神から恵みを受けましたか。

      24 もちろん,西暦70年,チツス将軍配下の,「野営を張った軍隊」は,ローマ帝国の軍隊であり,第六世界強国である,その帝国を実際に代表するものでした。しかし,「神聖」とみなされ,かつ,エホバのお名前と崇拝が関係していた,問題の都を荒廃させるわざを直接遂行したゆえに,その「野営を張った軍隊」が,「荒廃をひき起こす,けん悪すべきもの」だったのです。彼らは,エホバの預言者たちの預言を成就していたとは言え,エホバからの恵みをなんら受けませんでした。彼らはやはり異邦の軍隊であり,兵士により神々として崇拝される,ローマ軍旗を携えていました。

      25 今日のローマ軍隊が,「荒廃をひき起こす,けん悪すべきもの」かどうかに関しては何が言えますか。

      25 20世紀の今日,ローマは依然,都市として存続しています。しかし,ローマの軍隊は,その全体にしろ一部にしろ,現代の「荒廃の忌まわしいもの」,あるいは,「荒廃をひき起こす,けん悪すべきもの」を構成していません。それは,ローマが,4世紀のコンスタンチヌス帝の時代から,「キリスト教」を奉じていると唱えてきたからではありません。ローマ帝国は遠い昔に終わりを告げ,第七世界強国である英米二重世界強国がそれに取って代わりました。

      26 特にダニエル書 11章31節と12章1節との預言を考慮する際,第七世界強国に関してどんな質問が生じますか。

      26 この第七世界強国は,キリスト教を奉ずると唱えていますが,この強国の軍隊が,現代の,「荒廃をひき起こす,けん悪すべきもの」なのですか。神の預言(ダニエル書 11章31節と12章11節)によると,「荒廃をひき起こすけん悪すべきもの」は,この20世紀において驚くべき役割を演じることになっていました。それはなんですか。それはまた,予告されていた,宗教的キリスト教世界を荒廃させる者となるでしょうか。わたしたちは,さらに検討を進めねばなりません。

  • 「けん悪すべきもの」によるキリスト教世界の荒廃
    ものみの塔 1971 | 3月1日
    • 「けん悪すべきもの」によるキリスト教世界の荒廃

      1 どんな事柄を考えると,キリスト教世界の荒廃に関して疑問が生じますか。

      キリスト教世界は,数百に上る宗派によって代表されており,その教会員は9億を上回ると記録されています。そのようなおびただしい数の人々を包含する強大な組織が荒廃し,破滅に帰する,ということがいったいありうるのでしょうか。ところが,それがありうるのです。

      2 そのような,およそ信じがたいことを言い出したのはだれですか。どのようにしてですか。

      2 しかし,そのような,およそ信じがたいことを言い出したのはだれですか。それは預言をするかたです。しかも,その預言は,今日に至るまで一つとして成就せずに終わったことがないのです。聖書の著者で,全能の神であられるエホバ神こそ,そのかたです。エホバ神は,ご自分の子イエス・キリストをも含め,幾人もの預言者によって,そのことを予告されました。キリスト教世界の崩壊の預言的な型は1,900年前に作り出されました。その預言的な型は,それ自体,真実の預言であることを,まもなく実証するでしょう。どうしてそう言えるのか,どのようにしてそうなるのか,と読者は不思議に思われるでしょう。

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