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世界展望目ざめよ! 1984 | 8月22日
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余りにも不快かつ破壊的で,余りにも非能率的である」と述べた。バーガーによれば,法律を職業とする人々が多大の犠牲を払いながらも一般の人々からの敬意をあまり受けていない要因としては,多額の謝礼を必要とする「不合理」でつまらない訴訟,「からし・化粧品・下剤などから中古車に至る他の商品」に用いられるのと同じような宣伝の技術,不正直な悪徳弁護士たちに対して一致した懲戒処分を取らないこと,法曹界の成員が急増していることなどがある。同長官は,「今日の全体的な状況を公平に調べれば,我々のこれまでしてきた事が,必要とされるレベルからはほど遠いことが明らかになる」と述べた。
自殺の周期
● “憂うつな月曜日”は単なる比ゆ的表現ではないようだ。ハーバード大学公衆衛生学部の一研究により,自殺が月曜日と5月に企てられやすいことが判明している。一方,12月と土曜日には最も自殺が生じにくい。18万5,887件の自殺を分析したこの研究で,4月を除く月は毎月5日に自殺率がピークに達することも分かっている。4月のピークは,所得税の締め切りである15日の前の週に見られる。研究者たちは,このデータが「以前には知られていなかった顕著な周期的変動を明らかにする」と述べている。
ネパールの天然資源
● エベレスト山やヒマラヤ山脈の他の幾つかの山々は,世界中の登山家たちを魅了しているだけではなく,ネパールの重要な財源ともなっている。観光省の当局者によると,昨年は700人ほどの登山家がネパールを訪れ,1,700万ルピー(約2億7,000万円)以上のお金を費やした。そのほかにも同国政府は,合計100万ルピー(約1,580万円)に上る登頂料を獲得した。この登頂料は登頂の試みられた山の高度に応じて上下する。同当局者の話によると,これらの登山隊のおかげで同国内の6,000人のポーターと700人のガイドに職が与えられた。その上,部外者に関する限り,この国は確かにこれらの山々によって有名になっている。
交通事故死の傾向
● 米国運輸長官の報告によると,1983年の同国内の交通事故による死者は4万3,028人でここ20年間の最低だった。その成功の大部分は,交通事故死の原因の約50%を占めている酒酔い運転を撲滅しようとする政府の努力に帰せられる,と全米幹線道路交通安全局は推測している。しかし,こうした措置の影響も概して長くは続かないと専門家は警告している。ヨーロッパで実施された同様の計画を研究した結果,当初は成功を見ても,逮捕されるという緊迫感が薄れると酒酔い運転が以前のレベルに戻ってしまうことが明らかになった。一当局者は,現在の取締りのレベルは「我々の達成できるぎりぎりの線に極めて近い」と考えており,「我々は酒酔い運転をする人々300人につき一人しか逮捕していないことについて言っているのである」と述べている。『問題を真に解決するためには,酒酔い運転に対する国民の態度を変えなければならない』という点で権威者たちの意見は一致を見ているが,それには幾年も,恐らく幾世代もかかるかもしれない,と彼らは述べている。
虫を救え
● ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると,「国際自然保護連合(IUCN)」は「IUCN無脊椎動物資料一覧表」という出版物の中で,絶滅寸前で保護すべき動物として,甲虫の類,カタツムリ,クモ,ミミズなど,247種を明示している。しかし,どうしてそのような動物が挙げられているのだろうか。大部分の人々はそうした動物を単なる害虫と考えるが,「それらの虫が数多くの点で人間に益を及ぼしていることはほとんど考慮されていない」とその出版物は述べている。例えば,それらの虫は植物の受粉を助け,土壌を肥沃にし,水をきれいにし,栄養物を再生利用し,食物連鎖の重要な鎖となっている。IUCNの科学者たちは,幾百万という種の無脊椎動物に見られる「遺伝的な多様性」は人間がまだ開拓を始めてさえいない情報源である,と述べ,「発見されないまま失われてしまう,ガンや他の病気の治療法はどれほどの数に上るだろうか」と問いかけている。今世紀の終わりまでに,それらの動物の絶滅が広範に及び,100万種に上るものと見られるが,そのために,「人間自身の存在の基盤となっている自然界の平衡に潜在的な悪影響」を与えつつある。
悪い薬
● 「我が国には薬漬けになっている人が驚くほど大勢いる」と,米国のボストン大学のハーシェル・ジックは述べている。サイエンス・ニューズ紙の報道によると,約7,500万人の成人の外来患者が週に1度1種類以上の薬を服用しており,「人院患者は入院中に9ないし10種類の薬を受け取っている」。どんな結果が生じているだろうか。入院した30人に一人は,ある薬に対する悪い反応が出たために入院し,入院患者全体の約30%は,入院期間中に少なくとも一度そのような反応を経験している,とその報告は述べている。
日本人の離婚
● 日本における結婚の件数は昨年1万人に付き65件という空前の低い数字に下がったが,離婚率は歴代第2位に相当する1万人に付き15件にまで上昇した。これ以前の最高数は15.3件で,明治時代の社会制度の影響下にあった1899年のことだった。英文毎日によると,離婚の第一原因は,「性格の不一致」である。男性が挙げる他の理由としては,「妻が舅や姑と同居することを拒むこと,妻の浮気,妻が舅や姑,また親族と親しくならないこと」があり,女性が挙げる理由としては,「残虐行為,夫の浮気,夫が生活費を渡さないこと」などがある。日本では,離婚の約半数は裁判にかけられず,離婚に際して金銭が支払われることもない。
ブラジル人の護身
● 「護身用の宝石」。これは,ブラジルの一流の宝石店が昨年の12月,ダイヤモンドをちりばめた女性用のピストルを宣伝するに当たって用いたうたい文句である。他の広告では,65㌦(約1万5,600円)ないし135㌦(約3万2,400円)のピストルに,「これがあればもう安心」という約束が付されている。国家保安局によると,サンパウロ市では1983年の最初の9か月間で4万丁のピストルが合法的に販売され,不法な銃が7,000丁押収された,とニューヨーク・タイムズ紙は伝えている。錠前,警報器,番犬の売行きが伸びていること,ガードマンの雇用が増加していること,銃の売買が活況を呈していることなどはみな,ブラジル人の心に犯罪と暴力の波に対する恐怖心が植え込まれたために生じた結果である。ギャラップ調査により,サンパウロでは10人のうち4人が少なくとも一度は被害に遭っていることが判明している。当局者は犯罪の波の激化を,「人々の経済状況,仕事の不足,全般に,生き延びることの難しさ」によるものとしている。
高くつく弾丸
● 大多数の人は,政府が核爆弾や他の現代的な戦争兵器に巨額のお金をつぎ込んでいるのを聞いて不安を覚える。しかし,M-16ライフル銃用のごく普通の弾丸を米国の兵士に供与するための経費についてはどうだろうか。ニューヨークのデーリー・ニューズ紙のコラムニストであるアンディー・ルーニーは,国防省が1983年にM-16用の弾薬6億1,370万発を購入し,1984年分として新たに7億5,00万発を注文したと伝えている。「このことを銘記されたい。戦争をしているのではないのに,だれを殺すためにでもなく,1発50㌣として,我々は弾丸のためだけに6億5,000万㌦(約1,560億円)も使っているのである」とルーニーは書いている。
驚嘆に値する脳
● 1,000億もの神経細胞つまりノイロンを持つ人間の脳は,10秒間に1,000万ビットもの情報を処理できる,とブレーシャ大学薬理学研究所の所長マルコ・トラブッキ教授が,ミラノで開かれた会議の席で述べた。(ちなみに,スペースシャトル・コロンビア号に搭載された5台のコンピューターを合わせても,1秒に32万5,000回の演算しかできない。)同じく驚嘆に値するのは,その10秒間に,1,000万ビットの情報がすべて集められ,体の様々な器官を通して脳に伝えられなければならないという事実である。同教授の挙げた数字によれば,400万ビット以上が目から,500万ビットが皮膚から,30万ビットが耳から入り,残りは嗅覚と味覚を通して伝えられる。
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聖書に関してどんなことをご存じですか目ざめよ! 1984 | 8月22日
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聖書に関してどんなことをご存じですか
だれが聖書を書き記しましたか
書き記したのはどの時代の人々ですか
聖書の各書の概要はどのようなものですか
「聖書全体は神の霊感を受けたもので,有益です」と題する本は,これらの質問をはじめ聖書に関する数多くの質問に答えています。この本は78章から成り,聖書の66冊の書各々について一つの章が割かれています。堅表紙で,352ページあり,この雑誌と同じ大きさの本です。わずか800円のご寄付でお求めになれます。
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