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顕微手術の驚異目ざめよ! 1980 | 1月22日
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上で切断されたものを接合する試みは良い結果を挙げていません。
手の親指が切断された場合は,元に戻すために大きな努力が払われます。というのは,親指がなくなると,手の働きの効率が4割も落ちるからです。切断された親指を接合できない時には,顕微手術によって,患者の足の親指を移植することが行なわれています。足の指の腱や神経,血管や骨をつなぐと,患者にはそれが元の親指とほとんど同じように感じられます。
「実際に移植してみると,足の親指が手の親指のように見えてくるのだから面白い,以前よりは太目でも,それは手術の際に改善できる」とある医師は語りました。足の親指を失うと聞くと,多くの人はためらいを覚えるでしょう。しかし,食べることや字を書くことなど手の親指が毎日行なう無数の仕事をするのに,足の親指は必要ではありません。
短期間の調整と訓練で,再び,歩いたり,走ったり,スポーツをしたりすることができるようになります。足の親指を“手の親指”代わりにしているオーストラリア人はしだいに増えていますが,その中にはプロ・フットボールの選手もいます。
幸いな結果
様々な立場の人が顕微手術の驚異的な技術から益を得てきました。例えば,この記事の冒頭で触れた人々のことを思い起こしてください。幾百人もの人が顕微手術の恩恵に浴してきましたが,これらの人々はその代表的な例です。
あの幼い少女の場合,事故から1年ほどたった今,2本の指とも元どおりになり,どちらの手がけがをしたのかさえ分からないほどです。鉛管工はどの指も失わずにすみました。ただ,寒くなると,いくらか問題があるようです。あの二歳の男の子は,今では八歳になっていますが,普通の子供と同じように,走ったり,跳びはねたり,フットボールをしたりしています。ボイラー製造工の場合も,切断された腕がとてもよくつながり,空手を始め,かつては切断されたその腕で,何枚ものかわらを割ることができるほどです。
顕微手術は実に驚嘆すべき技術であり,困っている人々に大いに役立つものとなっています。しかし,それにもまして驚嘆させられるのは,人体に備わっている驚くべき治ゆ力です。外科医は体の様々な箇所を縫合するかもしれませんが,人体に組み込まれている再生力はわたしたちの体を設計されたかたの偉大な知恵を物語っています。このことを認識するわたしたちは,偉大な創造者に向かって敬意を込めて次のように語った詩篇作者と同じ感慨に打たれます。「わたしはあなたをほめたたえます。わたしは畏怖の念を起こさせるように,くすしく造られているからです」― 詩 139:14,新。
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驚嘆させられる鳥の頭脳目ざめよ! 1980 | 1月22日
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驚嘆させられる鳥の頭脳
遠くまで渡りをする鳥の能力はいつの時にも科学では説明のつかないなぞとされてきました。ハトは,月が見えない時でも,月の位置を感知できることが分かり,そのなぞは今やいっそう深まりました。これ以前にも,伝書バトが地球の磁場の変化を感じ取ることや,人間には見えない光波を見たり,幾キロも離れた所で発される低周波の音を探知したり,気圧の変化を感じ取ったり,いつもかいでいるにおいをかぎ分けたりできることが実証されてきました。そして今や,ハトは日中でさえ月の位置を知っていることが明らかになりました。どのようにしてそれを知るのかは,科学者にとって依然として解決されていないなぞです。
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