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人類の地上の楽園ははたして実現するかものみの塔 1968 | 8月1日
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に満ちよ,地を従わせよ。また海の魚と,空の鳥と,地に動くすべての生き物とを治めよ』」― 創世 1:28。
これから明らかなように,神の目的はアダムとエバが子供を生みだし,家族のふえるにつれてエデンの楽園の境界を越えて地を治め,地を耕やすことでした。彼らは子供をもうけましたが,神がもくろまれたようにエデンの楽園で完全な子供を生みだしたのではありません。彼らもその子孫も地を「治め」て全地を楽園にすることをしませんでした。また神の目的どおりに動物を正しく治めることもしなかったのです。彼らは罪に陥りました。しかしエホバはこう宣言されています,「このように,わが口から出る言葉も,むなしくわたしに帰らない。わたしの喜ぶところのことをなし,わたしが命じ送った事を果す」。(イザヤ 55:11)それで地を楽園にする神の目的はなお成就することを確信できます。
そのためには悪人を地から根こそぎにすることが必要ですが,神は近い将来にそのことをすると約束されています。しかし「正しい者は国を継ぎ,とこしえにその中に住むことができる」のです。(詩 37:29。箴言 2:21,22)それで生き残る人々 ― エホバ神に献身し,御子イエス・キリストのあがないの犠牲に信仰を働かせる人々がいます。また神は死人をよみがえらせるでしょう。神の正義の新しい制度の下で彼らは神の恵みにふさわしいことを証明して永遠の生命を得る機会を与えられます。―使行 24:15。ヨハネ 5:28,29。
地球はこれらすべての人が住むほど広いか
しかしこう言う人がいるかもしれません。「何十億の死人が復活するには,地球は狭すぎる。すべての人を養うだけの食物が生産されないので人々は飢えてしまう」。これは正しいですか。今まで地球上に生きた人はどれほどの数に上りますか。地球はどれだけの人口を養うことができますか。聖書にしるされた年代によれば,最初の人間が神によって創造されたのは6000年たらず前です。人間家族がふえるには時間がかかりました。有名な科学者ジュリアン・ハクスレーは,興味深いことを述べています。「文明のあけぼの,言ってみれば今から5000年前に世界人口が2000万を越えていたとは考えられない」。a キリストが地を歩まれた時でさえ,世界人口は約2億5000万人にすぎなかったものと推定されています。ワールド・ブック百科事典(1966年版)は1億3300万人と低く見積っています。当時の世界人口が比較的に少なかったことは明らかです。
この点に関してアメリカ化学協会の会長アルバート・エルダー博士は興味深い見解を述べています。1960年9月,同協会の第138回全国大会の席上,同博士は次のように述べました。「世界人口が11億に達したのは,1820年ごろであり,それまでに人間の歴史は5000年以上経過しています。次の世紀の間に人口は2倍になりました。現在28億を数える人口は1960年代の初めに30億に達するでしょう。したがって最近の50年間に見られた人口の増加は,最初の50世紀の間における増加に相当します」。
このような知識に基づいて計算すると,地球上にかつて生きた人の数はそれほど大きなものではありません。たとえば1966年5月,フロリダ州薬剤師会第76回年次総会において,ある人はこう述べています。「今日生きている人の数は地球上にかつて生きた人の25パーセントに相当するものと推定されています」。b
現在の世界人口は約35億ですから,この推定をもとにして言えば人類史をとおしての人口累計はおよそ140億にすぎません。しかしもっとおおまかな推定をして140億がその2倍になったとしても,それは決して多すぎる数ではありません。地球上には1億5000万平方キロの陸地があり,人口が240億の多くに達したとしても,ひとりあたり1エーカー半以上の土地があります。
今日,十分な食糧を生産することに問題があるのは,広大な土地が耕作に適さないからです。事実,現在,耕作されている土地は地球上の陸地の7.7パーセントにすぎないと言われており,多くの場合,土地の生産力は低いままにとどまっています。しかし理想的な状態の下で,また神の祝福を得て,地球がどんなに豊かに産出するかを考えてごらんなさい。(申命 28:12。詩 67:6)復活した人々を含め,たとえそれが100億また200億に達したとしても,地球は今よりはるかに大きな人口を容易に支えることができるでしょう。
さらに大きな人口を養う地球の潜在能力について,1962年7月23日付ニューズウィークは次のように報じていました。「カルテックのジェイムス・ボナー博士の推定によれば,世界は500億人,つまり現在の人口の17倍を養うことができる。いっぽうカルテックの別の科学者ハリソン・ブラウンは,1000億人を養う方法さえ考えられると述べている」。
エホバ神のあわれみにより,復興した地上の楽園によみがえらされるすべての人は,楽に養われます。地球にその力があることは疑いありません。しかしこの死人の復活はいつ起こるのですか。地球はどのように美の楽園となるのですか。
地が楽園となる時は近い
聖書の預言によれば,まちがいなく今は,現存する事物の制度の「終りの時」です。(テモテ第二 3:1-5。マタイ 24:3-14)ふつうハルマゲドンと呼ばれる,「全能の神の大いなる日(の)戦い」において,まもなく「悪しき者は地から断ち滅ぼされ」ます。(黙示 16:14,16。箴言 2:22)悪しき者の世が一掃されて,柔和な者,正しい者は地に残り,豊かな平和を楽しむでしょう。聖書には次のように述べられています。「世と世の欲とは過ぎ去る。しかし,神の御旨を行う者は,永遠にながらえる」― ヨハネ第一 2:17。
神のみこころを行なう,これらハルマゲドンの生存者には,輝かしい前途があります。霊感による聖書の詩篇はその人々にあてはまります。「正しい者は国を継ぎ,とこしえにその中に住むことができる」。(詩 37:29)地球を美化して全地をみごとな公園のようにする,栄光ある特権は彼らのものとなるでしょう。復活した何十億の人々をこの地上の楽園に迎え入れるのも,その人々の特権となります。復活する人の中には,イエスのかたわらで死んだ悪人もいます。イエスは次のことを約束されました。「あなたは……わたしと一緒にパラダイスにいるであろう」― ルカ 23:43。
人類がまもなく迎えようとしている前途はなんとすばらしいのでしょう。楽園の地に住む人のすべてに関して,次のことが確かに約束されています。「神自ら人と共にいまして,人の目から涙を全くぬぐいとって下さる。もはや,死もなく,悲しみも,叫びも,痛みもない。先のものが,すでに過ぎ去ったからである」。(黙示 21:3,4)ハルマゲドンに生き残ってこの祝福を享受するには,今神の御心を学んでそれを行なうことが肝要です。
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パンフレットを通して見いだされた「羊」ものみの塔 1968 | 8月1日
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パンフレットを通して見いだされた「羊」
● パンフレットがきっかけとなって,13歳の一中学生と聖書研究が行なわれています。セント・キッツでのこと,その少年はある学校にはいるため首都バステルに行き,一人の友だちの家で1枚のパンフレットを見つけました。そのパンフレットには聖書をさらに深く理解するための助けを望む方はものみの塔協会に手紙で連絡するようにと書かれていました。少年はさっそく手紙を書いたところ,一人の開拓者の住所が少年に伝えられ,今では文通で聖書研究が行なわれています。確かに神の組織は,神のみことばである聖書の知識を追い求める誠実な人々にいつでも援助の手を差し伸べる用意があるのです。
― エホバの証人の1968年度年鑑より
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