世界展望
キリストの再臨について考える
◆ 世界のできごとを見て,それが「事物の体制の終結」に関するイエスの預言と深い関連があると考える人はあまり多くない。このことは,クリスチャン奉仕者を自任する人の大半についても言える。しかし,アメリカ,カリフォルニア州ラ・ベルンのブレズレン教会の一牧師は,エホバの証人がこの関連に気づいていることを認めている。エホバの証人との会話について,同牧師は最近の説教の中でこう語った。「わたしはいつもエホバの証人と話そうと努めている。エホバの証人は何が大切であるかを認識している。……彼らとの話し合いは,ブレズレン教会あるいは長老派またはカトリックに属している人との信仰談義とは全く異なっている。証人たちは話題をしぼり,わたしよりもずっと多くの聖句を引用することができる。わたしが,何かの手掛かりを見いだそうと語句索引をめくっている間に,彼らはすでにその章と節を見つけて待っている。……エホバの証人との会話を通して,わたしはキリストの再臨について考えさせられる」。
人を殺す闘鶏
◆ シンガポールに住む年配のある男の人は自分の家の裏庭にいた時,闘鶏の鉄けづめで足をひっかかれた。2日後に治療を受けに病院に行ったが,傷口から入り込んだばい菌のために死亡した。
増加する犯罪
◆ 統計が示すとおり,犯罪は相変わらず増えている。オランダの場合を取り上げよう。アムステルダムで1973年に発生した犯罪は,1972年より12%も多かった。ユトレヒト市では,1972年に毎月平均200件ほど発生していた夜盗事件が,昨年は300件になった。アルンヘム市の刑事事件は1968年以来約60%増えた。アメリカ,マサチューセッツ州ケンブリッジ市では,犯罪発生件数が1973年の最初の9か月間に前年同期より28.1%増えた。ボストンでは14.4%,コネチカット州スタンフォードでは15.6%と,それぞれ増えた。1973年のニューヨーク市の犯罪総発生率は,公式には“減少した”と言われている。それにもかかわらず,インタビューに応じたニューヨーク市民の大半は,犯罪を,同市のかかえる最悪の問題とみなしている,と語った。
進化論者のジレンマ
◆ 4月号の「目ざめよ!」誌は,アフリカのルドルフ湖近辺でなされたR・リーキーの発掘が進化論者の間に困惑を引き起こしていると報じたが,進化論者たちの持つあいまいさは今やさらに増し加わっている。リーキーの発掘現場から北に約320㌔足らずのオーモ渓谷で,別の進化論者C・ハウエルがやはり幾つかの発見をした。両方の現場でブタの化石が見つかった。それぞれの現場の,化石が発見された堆積層の形成年代も進化論者によって算定された。同年代のものと算定されたそれら二つの地層には,同種のブタの化石が含まれているはずである。しかし,リーキーはこう語っている。「われわれのブタは一つのことを告げており,オーモのブタは別のことを告げている」。リーキーは,そうした違いは,『有史以前の,今とは異なった環境』によるのである,との説明を受けた。これも,もう一つの未証明の推論である。
マリファナは“無害”か
◆ マリファナは単なる無害な精神安定剤にすぎず,合法化すべきであるとの議論がしばしばなされている。しかし,マリファナはほんとうに無害だろうか。最近の医学研究が明らかにしたところによると,マリファナは病気に対する人体の抵抗力を大いに弱める。マリファナ吸飲者の場合,病原菌と戦う白血球の増殖能力は普通の人より40%も少なかった。また,マリファナ・タバコの成分は生殖器官に蓄積する傾向がある。コロンビア大学の一研究者はこう語っている。「それゆえ,どれほどの期間マリファナを使用すれば」子孫に悪影響が表われるかを「調べることが緊急に必要である」。
教育の結果
◆ 教育は人類のかかえる問題を解決すると,ときに言われている。しかし,世界の教育機関はどんな記録を残しているだろうか。シカゴのルーズベルト大学の学長でもある教育者ロルフ・A・ワェイルはこの点に対する一つの答えとして次のように語っている。「われわれは,全歴史を通じて人類を悩ましてきた国家主義的な力の政治と,宗教ならびに人種偏見という昔どおりの破壊的な力の働きを今だに見ている。……歴史全体を通じて,正規の教育は一般に,人間の技術と能力を向上させ,より賢い人間を作り出したこともときにはあったが,倫理もしくは宗教上の視点からする場合,ほとんど向上させていない」。これはなぜだろうか。なぜなら,人々は神の意志を知り,かつそれを行なおうとする願いに動かされていないからである。
あふれるアルコール中毒者
◆ 世界の多くの土地で,アルコール中毒が急増している。最近の研究によると,カナダのユーコン地区における最大の保健問題は,おそらくアルコール中毒であると思われる。同地区では毎年,男女子どもを合わせて一人当たり250㌦(約7万5,000円)相当のアルコール飲料が売られている。これは,カナダの全国平均の三倍である。ソ連の新聞リテラトゥールナヤ・ロシアは,青年男女の間にアルコール中毒が急速に広まっている,と報じている。最近,アメリカで発行された「新しいアルコール中毒者: 十代の若者」という小冊子には,酒類は,若者の好む惑溺性薬物としてマリファナをしのいでいると書かれている。アルコール中毒者が増えているのはなぜだろうか。退屈さが原因であるとソ連では言われている。ユーコン地区の場合は,インディアンやエスキモーの伝統的な社会が崩壊していることに原因がある。アメリカの若者は,単に“酔った気分を味わう”ために酒を飲むと言われている。