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大都市の学校は崩壊に面しているか目ざめよ! 1975 | 8月8日
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を子供たちは知っているのだ」― 1974年6月17日付。
実を言えば,正しい道徳の価値を学校で教えることは,特定の思想を吹き込むも同然で,教師にはそうする権限がないとみなされています。昔のように品性を子供の中に築き上げることは,もはや教師の関心事ではなくなりました。
さて,大都市の学校における事態が悪化している理由やそうした学校の多くが今にも崩壊しそうになっている理由がお分かりになったでしょうか。
どうすればよいか
教育者たちは問題を正すための計画に着手しようと必死になっていますが,何をすべきかについてはほとんど合意に達していません。大半の教師たちは,堕落の一途をたどる事態のさ中にあって,ただ耐え忍ぼうとしているにすぎません。
教師は子供たちを教育するために給料をもらっているのだから,子供を教育することができるはずだと考える親が少なくないのをわたしは知っています。ところが,意外に聞こえるかもしれませんが,子供の教育の質は教師や学校よりもむしろ親によって左右されるのです。経験はそれが正しいことを示しています。
親が子供の中に知識欲や静かに座って注意深く聞く能力を徐々に植え付けるならその子供は,訓練や動機付けを与えられていない子供よりもずっとよく勉強することをわたしは観察してきました。「相違をもたらすのは家庭である」と述べているのは,教育に関する調査のおびただしい調査結果を要約したハーバード大学の一教授です。そして大都市の学校の多くが崩壊に直面している今日ほど,そのことばが真実味を帯びている時代はありません。
それで,もし親が子供に良い学び手になってもらいたいと思うのであれば,子供の教育に誠実な関心を払う必要があります。それには単に子供が安全に学校へ行って帰ってくるよう見守る以上のことが関係しています。子供の教育に誠実な関心を払うということは,学校における子供の学習上の進歩に純粋の関心を示すことをも意味しています。一緒に話したいという教師の求めに応じようとしない親の子供は,ほとんど決まってクラス中で最もしつけが悪く,最も成績の悪い学生です。
親の皆さん,お子さんを助ける方法は多くあります。まず最初に,お子さんが幼児のころから本を読み聞かせることができます。そして,お子さんが少し大きくなったなら,一緒にことばの発音練習をさせてください。読書能力は学習にとって不可欠ですし,4,5歳の子供が前述のような方法で字を読めるようになった例は少なくありません。
お子さんが成長するに従って,知識を尊ぶ気持ちを培い,学習を高く評価するふん囲気を家庭の中に作り出してください。子供たちが百科事典や辞書そして特に聖書や聖書研究の手引きのような出版物を用いたり,その真価を認めたりするよう助けられるなら,子供たちは概して良い学習者となります。
子供の教育が本当に挑戦となるのをわたしは知っています。人を教えるというのは容易なことではありません。しかし,本当にお子さんを愛しておられるのなら,お子さんが学ぶのを助けるためにどんなことでもするはずです。今日の学校の実情を見れば,そうするのは今までになく重要なことと言えます。―寄稿。
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適正を欠いた教育目ざめよ! 1975 | 8月8日
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適正を欠いた教育
● ニューヨーク大学の高等教育学の名誉教授F・L・レディファーは,大学が本当に実生活のための備えをさせる所だとは考えていません。なぜですか。それは大学が生活に対する視野を狭めるからです。同教授は次のように記しています。「今日の危機的な諸問題の新しい点といえば,そのどれをとっても一つの国の中だけでは解決できないということである……人は弁護士,医師,会社の社長あるいは教師などになる前に人間であることが要求される。それは自分自身と他の人々をよく知り,自分は一国の国民であると考える前に,人間であると考える人だ……その人は惑星である地球に他の人々と共に住み,かつ地球を共有する備えのできた人間でなければならない」。
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