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アフリカの森林に住む巨大な動物目ざめよ! 1977 | 10月22日
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強いきずなは群れを強固なものにし,子象の生存に役立ちます。
アフリカ象が完全に成長すると,それは本当に見事なものです。それは,現存する陸地の動物の中で世界一大きな動物なのです。アフリカ象の肩高は平均3.5㍍を越え,重さは約7㌧です。しかし,1955年に殺されたアフリカ象は肩高が4㍍以上あり,重さは12トンもあったと言われています。まさに巨大な動物です!
巨大な動物の死
“象の墓地”と呼ばれているものは本当にあるのでしょうか。確かに象は,死んだ仲間の骨やきばに関心を示すようです。この奇妙な行動を実際に調べるために,草を食べている象の群れの近くに死体を置きました。象はにおいをかぎ付けると,熱心な様子で近付いてきて,鼻で注意深く死体を調べました。
象がきばを持ち去ろうとするのを見たと言っている人もいますし,実際に骨を死体から一㌔も離れたところまで運んで行くのを見たと報告している人もいます。しかし,年老いた象がひそかに死ぬと言われている“象の墓地”について,最近,確証されたことは何もありません。事実,骨やきばを一か所に集めるのではなく散在させるという前述の事柄は,それとは正反対のことを示しているようです。
これは少し前に起きた悲しい実例ですが,生まれたばかりの象の子供が死んでしまいました。猟区管理官は,その母親が三日間程,きばの上に死んだ子象を載せ,ぐにゃぐにゃの体を支えるために鼻でそれをおおって運んでいるところを見ました。後日,母親だけが木のそばにいて,何も食べず,近付いて来るものすべてを襲っているのが見られました。数日後母親がようやくいなくなったとき,管理官は,雌象が木の下に小さな墓を掘り,そこに子供の死体を埋めたことを知りました。
これらの驚嘆すべき動物の知恵こそ,現在,彼らの生存が脅かされている一要因となっていると言われています。象は,アフリカの国立公園が,象の生息する国の大部分を管理している農場主や牧場主だけでなく,象牙をねらう密猟者の銃や毒矢による広範囲に及ぶ乱獲からの避難所であることを知るようになっています。このようにして人手により自然が損なわれてきた結果,象は幾百㌔の地域に生息する代わりに,公園の鳥獣保護区域へと群らがっています。象が食べすぎて,森林を丸裸にしてしまい,そうした場所を象には不向きな広い草原に変えてしまうといったことがよく起こります。
このように創造者の知恵と力のすばらしい証しとなっている動物の生存が今や脅かされているのは残念なことです。その魅力的な特質は,人間に対する創造者の寛大な備えの別の証拠となっています。人間は,象やその習性を見て喜びを感じているからです。わたしたちは,「森林に住むすべての野生動物」や「一千の山々の獣」の所有者である創造者が,人類の永遠の楽しみと益のためにそうした動物を備えてくださったことに感謝できます。―詩 50:10,新。
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備え付けの扇目ざめよ! 1977 | 10月22日
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備え付けの扇
象の大きな耳は,音を集めることに加えてほかの目的も果たしています。扇状の耳は体を涼しくするためにも用いられているのです。スリランカ(セイロン)で象を観察した科学者たちは,様々な天候状態の下で象がどれほどひんぱんに耳をはためかせるかに注目しました。暑さが激しくなればなるほど,耳をはためかせる回数も増えました。そのようにして,冷たい空気が耳の表面に近い血管の上を流れるようにするのです。
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