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電力危機 ― 供給を上回る需要目ざめよ! 1972 | 11月8日
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電力危機 ― 供給を上回る需要
あなたの家には電気がありますか。多くの家庭は電化されていて,電灯,電気冷蔵庫,テレビ,また種々の電気器具を使っています。スイッチひとつひねればそれでことは足ります。しかし電力は不足しているのです。
場所によってはすでに需要が供給を上回り,電灯が薄暗くなったり,一時的に消えてしまったりしています。昨年の夏,ニューヨーク・タイムズ紙は次のように伝えました。「何百万というアメリカ人は,毎日,電圧低下,停電,電力使用制限などの事態が生じはしないかと心配しながら生活している。これは単なる季節的な電力不足ではなく,国家的な危機に属するものである」。
サイエンス・ダイジェスト誌の12月号はアメリカの昨年の夏の電力状況について,「電圧低下など珍しくはなく,場所によっては,停電は毎日のことであった。一部の電力網は,電力危機のふちの上でシーソーのように揺れながら,大事に至らずに,かろうじて事態を切り抜けた」と述べました。あなたもその影響を受けましたか。
この停電である人々は,一時的でしたが,たいへん不便な思いをしました。エレベーターは動かなくなり,空気調節装置は動かず,ラジオやテレビもつきません。冷蔵庫の中の食品は暖かくなり,電気の料理用具を持つ家庭は,食事の準備にそれを使うことができませんでした。
危機を認める
しかしあなたは,電力危機があるということを聞くだけで,その影響は受けていないかもしれません。そしてあなたの地方の電力供給は心配ないように思われるので,この問題についてあまり考えたことがないかもしれません。しかし問題は深刻です。あなたの想像以上かもしれません。それは,一時的な電力不足や送電設備の故障による不便といった程度の問題ではないのです。エネルギーの専門家ソートン・F・ブラッドショウが,USニュース・アンド・ワールド・リポート誌がインタビューしたときに述べたように,その脅威は全面的な崩壊です。
「ほとんどの人は,電灯のスイッチのところに行ってそれをひねっても電灯がつかないという状態になるまで,この危機を認めはしないだろう。いやそういう状態になってもなお,送電設備に何か故障が生じたのだろう,くらいにしか考えないであろう。…われわれはいつも安価なエネルギーに豊かに恵まれてきたので,人々はエネルギーの危機があることなど信じられないのである」。
しかし,危機は現実にあるのです。そしてそれはすでに感じられるようになっています。たとえば,昨年の夏,ニューヨーク市の大口電力消費者たちは,何度も,電話で呼び出され,電力の使用量を減らすよう頼まれました。一般の人々はおそらくそのことには気づかなかったでしょう。ニューヨーク市公益事業委員会の委員長ウィリアム・K・ジョーンズは,77ページにわたる報告のなかで次のように述べています。
「結局,ニューヨーク市とウェストチェスター郡の関係ある部分が,現状を乗り切る希望の持てないことは明らかである。これらの地域は,きわめて必要な電力を十分に供給してもらえないために窒息しつつある」。
この問題は,アメリカの一地方に限られた,局地的な問題でもありません。連邦電力委員会のメンバーであるジョン・A・カーバーは,国家全体について語り,「向こう30年間,われわれはエネルギーの需要を満たすために必死の努力をしなければならなくなるだろう」と述べました。
ヨーロッパや日本を含めて,他の国々も同じ問題をかかえています。日本の首相によると,日本の最大の問題は十分の電力を確保することです。「向こう30年間は電力がかぎになる」と同首相は言いました。
しかし,電力の需要が今日そんなにも大きいのはなぜでしょうか。どれほどの電力が使用されているのでしょうか。それはどこからくるのでしょうか。
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電力はどこから得られるか目ざめよ! 1972 | 11月8日
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電力はどこから得られるか
多くの家庭が消費する電力は膨大な量に上ります。たとえば,1個の電気フライパンと1台のテレビを使うには,2頭の馬がいっしょになって引く力に相当する動力が必要です。それは相当の動力です。というのは,普通の荷馬は82㌔の力で馬具を引っ張るからです。
電力は,ワットおよびキロワットと呼ばれる単位で測られます。テレビ1台は300ワット,電気フライパンは1,200ワットの電力を消費します。他の電気機器はさらに多くの電力を必要とし,洗たく物乾燥機はほとんど5,000ワット,電気レンジは1万2,000ワット以上を消費します。
消費される電力量はキロワット時で測られます。したがってキロワット時は,1時間のうちに1キロワットの電気によってなされる仕事を表わします。しかし,1キロワットは1時間にどれほどの仕事をするでしょうか。
それは驚くべき量の仕事をします。計算によると1頭の荷馬は,1時間に,約90万キログラムの重量を地面から30㌢持ち上げるのに相当する仕事をします。電力の1キロワットは1時間にそれよりもさらに3分の1ほど多くの仕事をします。
消費量と料金
ニューヨーク市のひとつの地区では,1世帯が毎日17キロワット時,つまり23馬力時近くの電力を消費します。これは1頭の馬が,毎日毎日,24時間休まずに,または疲れずに働きつづけて生産する電力に近い量を,1世帯が消費していることを意味します。
この電力に対して1世帯が支払う料金は,ニューヨークのある地区では,1キロワットにつき3セントをやや下回り,1日分17キロワット時の料金は50セント(154円)にもなりません。しかし米国内の他のある地域ではその量に対する料金はずっと安く,1キロワット時につき1セントくらいです。それに消費量がふえるにつれて,1キロワット時当たりの料金は安くなります。そういうわけで大口工業消費者が支払う料金は,小口消費者にくらべるとわずかなものです。
この比較的に廉価で利用しやすい形の働力に対する需要は驚くべきものがあります。1970年にアメリカは約1兆5,500億キロワット時の電力を消費しました。1950年の消費量の約5倍にあたります。1969年から1970年までに消費量は9.2%急増しました。アメリカは,世界の電力の約35%,ソ連は15%を生産します。
アメリカでは,工業が最大の消費者です。エジソン電力会社によると,工業は,生産される電気の約41%を消費します。そして32%は一般家庭,23%は商店,ショッピング・センター,オフィス,ビル,病院また他の商業関係の会社によって消費されます。最後の4%は,街灯をともし,地下鉄その他を動かします。
この大量の電力はどこから来るのでしょうか。
電気はどのように生産されるか
電気は大部分,「掘り出した燃料」と呼ばれる石油,石炭,天然ガスから生産されます。これらの燃料は,発電所の大きな炉の中で燃やされ,その炉は水の入ったボイラーを熱して,過熱された蒸気をつくり出します。するとその蒸気は時速1,600余㌔で巨大なタービンの中に突入し,羽根車を回します。水力発電所では,蒸気の代わりに高い所から落下する水を利用してタービンを回して,タービンは発電機を回転させて電気を発生させます。
アメリカでは,電気の80%以上が汽力発電所で生産され,残りの大部分は水力発電所で生産されます。最初の汽力発電所は90年前に,ニューヨーク市内で操業を開始しました。今日では全国に3,400の発電所があります。
実際問題として,汽力発電は能率があまりよくありません。石炭,石油,またはガスなどのエネルギーは,変換過程においてわずか3分の1しか電気に変わりません。残りの3分の2はむだな熱や,汚染物質の形で逃げてしまいます。また生産された電気の20%までは,発電所から,使用場所に送られるまでに失われます。
発電所が発掘された燃料を消費する量は想像を絶するものがあります。巨大な火力発電所なら,1時間に600トン以上の石炭を燃やすでしょう。アメリカでは電力の半分近くが石炭の使用によって生産され,残りはだいたい水力,天然ガス,石油などによって生産されています。
もちろん,電気は動力のひとつの形にすぎません。自動車を走らせ,飛行機を飛ばすための動力や,暖房その他に必要な動力の需要もふえています。こうした目的に対しては,石油と天然ガスがおもなエネルギー源です。
環境におよぼす害
これら種々の燃料の中でも,石炭はいちばん環境を害します。たとえば,1日に1万トン余の石炭を消費するバージニア・エレクトリック・アンド・パワー会社の発電所は,毎時約60トンの浮遊塵と約20トンの刺激の強い亜硫酸ガスを出し,その大部分を空気中に排出しています。ことしの初め,デラウェア市のデルマルバ・パワー・アンド・ライト会社は,毎日74,000トンの亜硫酸ガスを排出しているということで訴訟通知を受けました。
原子力委員会の委員長ジェームス・R・シュレシンガーは,大気の汚染問題に関する説明で最近次のように述べました。「[火力]発電所は,大気中に大量の硫黄酸化物と相当量の窒素酸化物を放出している。微粒子類[固形物質]は言うまでもない」。
また環境を破壊するもののひとつは石炭の掘りかたです。昨年は,石炭の44%が露天掘りされて,アメリカ国内のもっとも美しい山岳地帯の多数の地域が荒されました。このやりかたに対する最近の抗議の代表的なものは,ケン・ヘクラー国会議員の抗議で,同議員は去る2月に次のように述べました。
「石炭王や電力王,および西部のある立法者たちは,アパラチア山脈諸州の人々を服従させて,大都市のあくことを知らない電力の必要に奉仕するために,われわれの丘を引き裂き,われわれの河川を汚そうとしている。われわれが立ち上がって,この政策に反対して戦わねばならないところまできている」。
しかし,発電所で,石炭の使用をやめてほかのものに切り換えても ― ニューヨーク市はことし,相当の費用をかけてこれを完了した ― 問題は解決しません。石油やガスも汚染源になるからです。石油に含まれる硫黄も空気中に排出され,天然ガスは燃焼するときに窒素酸化物を出します。また,近くの川や湖に流される,発電所から出る廃棄熱の問題もあります。これは川や湖の温度を危険なまでに高めることがあります。
現在の電力危機はこの環境に対する脅威によるものでしょうか。あるいはそれ以上に深刻な原因があるのでしょうか。
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今日,電力危機が存在するのはなぜか目ざめよ! 1972 | 11月8日
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今日,電力危機が存在するのはなぜか
すべての力には源があります。たとえば馬は,その食料である植物の中に貯蔵されている化学的エネルギーから力を得ます。植物は,動物と人間の筋力の源です。
今世紀まで人間は自分の仕事を成し遂げるのに筋力に大きく依存し,人間自身の筋力か,または動物の筋力を用いてきました。また人間は,植物 ― まき ― を燃やして,それから出るエネルギーを利用しました。1870年というごく最近まで,まきから出るエネルギーが,人間の動力の必要の大半をまかない,初期の蒸気機関,河川用ボート,機関車などを走らせていました。
掘り出された燃料の使用
しかしながら,産業が発達するにつれて,人間は新しく発明された機械を動かすのにさらに多くの動力を必要とするようになり,遠い昔に地中に埋没したものが燃料として掘り出され利用されることになりました。石炭が採掘されて,その使用量は増加しました。1910年までには石炭は,人間の必要とする動力の4分の3のエネルギー源となっていました。
1859年ごろ,人間は掘り出した燃料を大量に使用しはじめました。その年に油井を掘ることに成功したのです。今日における石油の主要な用途は,自動車や他の輸送機関に動力を供給することです。アメリカだけでも現在,1日に平均24億4,500万㍑ほどの石油(重油)を使います。
もっと最近になって,とくに第二次世界大戦以来,地下に埋蔵されている天然ガスが採取されるようになりました。アメリカでは,128万㌔以上におよぶ,地下を走るガス・パイプライン網が敷設されました。これは国のオイル・パイプラインの長さの4倍に当たります。主婦が料理に使うガスは,何百㌔も離れた遠い天然ガス発生地から直行したものかもしれません。
今日では,アメリカの必要とするエネルギーの95%以上が,これらの掘り出された燃料によってまかなわれています。1970年には,国のエネルギーの全必要量の約43%を石油が,約33%を天然ガスが,20%余を石炭が供給しました。残りの動力はおもに水力発電施設によって供給されました。動力危機の根本をなすのは,地下から掘り出す燃料へのこの依存です。
危機
1972年3月19日のニューヨーク・タイムズ紙は次のように説明しています。「エネルギー資源 ― 石炭,石油,天然ガス ― がなくなりはじめたのに,世界の他の国々のこれらの資源に対する需要は,アメリカにおける需要よりも急速に伸びているため,まさつが感じられるようになった」。
もしこれらのエネルギー資源が突然尽きたら,どんなことが起こるのでしょうか。現在の工業化された人間の生活様式はすたれてしまうでしょう。自動車,パス,汽車,飛行機はとまり,ほとんどの電灯,テレビ,冷蔵庫,電気機器は使えなくなるでしょう。これが危機の根底をなすものです。
それにしても,地下から掘り出す燃料はほんとうに「なくなりはじめた」のでしょうか。ある人たちは,これらの燃料はほとんど無尽蔵で,少なくとも何千年かはもつ,と考えていました。いったいどうしたのでしょうか。
急激な枯渇
動力の需要は予想よりも早く伸びました。掘り出される燃料は異常な速度で消費されてきました。世界は毎日75億7,000万㍑ほどの石油を地球から採取しています。1970年には,世界の石油採取量は前年を9.5%上回りました。もしこの上昇率がつづくなら,石油の使用は10年のうちに倍以上になるでしょう。西ヨーロッパの石油消費量は実際に過去10年のうちに3倍になりました。地下から掘り出す燃料のこの驚くべき需要について,昨年10月のサイエンス・ダイジェスト誌は,次のように述べています。
「1968年現在で,人間が今までに使ってきた石油の量の半分が,その前の12年間に生産されたということを考えると,これらの重要な原料の世界の貯蔵量の急速な枯渇は,きわめて深刻な意味をおびてくる。たしかに堀り出された燃料の世界の消費の大半は,この四半世紀に消費されている」。
そのような消費率は雪だるま式の影響力をもっていて,信じられないほどスピードを増します。たとえば,アメリカにおける電力消費量は10年ごとに倍以上になっています。これは,1971年9月のサイエンティフィック・アメリカン誌が述べているように,「アメリカが,向こう10年間に,電気時代の開始以来生産してきたのと同じ量の電気を生産する」ことを意味します。10年ごとに消費量が2倍になる結果は想像にあまるものがあります。
どれほどの石炭と石油とガスが地下に埋蔵されているかはだれにもわからないとしても,例として,今までに全埋蔵量の5%を消費したと仮定しましょう。これは,次のことを意味します。もし10年ごとに消費量が倍になるなら,地球に埋蔵されている燃料の全部は,40年あまりで使いはたされてしまうということです。
「なくなりはじめている」
地下から掘り出す燃料の消費率におびえている人は少なくありません。一部の専門家たちに言わせると,それらの燃料は,『わずか一世代と少しで』尽きてしまいます。1969年に,アメリカのナショナル科学アカデミーは同国の大統領に,「もう50年もすれば,回復可能な世界の最初の重油と天然ガスは大部分使いはたされる」と報告しました。
しかし,3年前になされたこの推測はかなり楽観的なものであるといってよいでしょう。天然ガスの量はすでに尽きようとしています。連邦電力委員会は,2月に作成した職員報告書の中で,昨年始まった不足が「歴史的な転換期,つまり,供給に関する問題に制限されることなく天然ガスの企業が成長するという時代に終わりを画することになった」点を指摘し,「この不足のしわ寄せは,他の燃料の上にかかってくるだろう」と結論しています。
しかし,アメリカでは石油も不足しています。すでに国の石油の4分の1以上 ― 平均すると,毎日6億2,300万㍑の石油が輸入に頼っています。しかし内務省の最近の報告によると,この輸入の量は,1980年までには倍以上になるということです。
外国産の石油への依存
アラスカで石油が発見されたとはいえ,知られているあとの石油資源の大部分は海外,とくに中東にあります。ですからホリス・M・ドール米内務次官は,「わが国は,燃料の不足を補うために,石油のあるところ ― アフリカと中東 ― まで行かねばならなくなるだろう」と述べています。
しかし,中東の石油への依存度の上昇は,動力危機を強調するにすぎません。1971年12月7日のニューヨーク・タイムズ紙が述べたとおりです。
「米国公益事業委員会の主張によると,わが国の発電設備は,『くすぶりつづけるアラブ,イスラエル間の紛争』をも含む『現在の政治的実状』のために,余剰の石油燃料の供給を妨げられがちである。余剰石油はほとんど全部輸入されている」。
また,マイアミ・ヘラルド紙は,「中東の石油はきわめて重要であるから,それを保護するためには,アメリカは核による対決さえ辞さないだろう」と伝えています。たしかに今日の諸国家は,産業を継続させ,自動車を動かし,テレビジョンセットを働かせ,電灯をともしつづけるのに必要な石油を手に入れるためには,戦争の危険さえおかしかねません。
それにしてもなぜ石炭ではなくて石油が,主要なエネルギー源として頼られるのでしょうか。アメリカはまだ莫大な量の石炭を有すると言われています。
使用可能な石炭が豊富?
問題は,大部分の石炭が,硫黄を多量に含んでいて,現在の環境規準に合わないということです。硫黄を1%以上含む石炭を燃やすことを禁ずる都市がふえています。そのために,しだいに多くの地域社会が,発電所の燃料を,石炭から,汚染の少ない石油と天然ガスに切り替えています。ある人々が考えていることとは反対に,人間は,石炭と石油から硫黄汚染物質を除去する知識を持たないようです。ニクソン大統領は,1971年6月4日のエネルギー教書の中で,次のように説明しています。
「きれいなエネルギー計画における主要な隘路は,現在のところ,含有物の硫黄を大気中に排出せずには,石炭または石油を燃やすことができないということである。われわれは,空気中に排出する前に硫黄を除去する新しい技術を必要としている」。
硫黄含有量の少ない石炭があることは事実です。しかしその種の石炭はたいてい地表の近くにあるので,露天掘りでしか採掘できません。ところが露天掘りは土地をひどく荒すので,これを非合法化する法案が出されています。
一方,地下の深いところにある石炭は採掘に費用がかかり,硫黄の含有量も高いことが考えられます。ですから,アトランティック・リチッフィールド会社の社長T・F・ブラッドショウは,「実際のところ石炭は,埋蔵量は多いが ― 少なくともしばらくの間 ― 不足するだろう」と述べています。
ジレンマ
人間はほんとうにジレンマに陥っています。今日の工業化された社会は,その運営に莫大な量の動力を必要とします。ところが燃料は,とりわけ汚染の少ない燃料は尽きかけています。もし手にはいる燃料を使うならば,人々は汚染によって徐々に毒されていきます。しかしもしその燃料を使わないなら,現代の工業化された社会は,動力不足のために,しだいに絶えていくでしょう。
察するところ人間は,現在の工業化された動力を消費する生活様式を維持するという危険な選択をするようです。ですから,ニクソン大統領の元エネルギー顧問S・デイビッド・フリーマンは,地下から掘り出す燃料の深刻な不足を認める一方,次のように述べています。
「エネルギー資源の枯渇そのものが最重要点ではない。…向こう20年間に排出される一酸化炭素,微粒子類その他の潜在汚染物質の量は,われわれの環境の基本的変化の可能性を暗示するほど大きなものである」。
変化の必要なことは明らかです。そしてその変化は早くこなければなりません。現在の発電手段は変更の必要に迫られており,そのことは一般に認められています。事実,これに代わる手段はすでに選択されているようです。それは原子力です。アメリカは実際にこれを利用しています。
しかし原子力は安全でしょうか。それは賢明な選択でしょうか。核エネルギーからどのようにして発電するのでしょうか。こうした問題はまたのちほど取り上げることにしましょう。
[17ページの図版]
われわれの主要な動力源はなくなってしまった!
もう打つ手がない!
現在の危機はこうした事態を招くだろうか
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メソジスト教会の牧師の所見目ざめよ! 1972 | 11月8日
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メソジスト教会の牧師の所見
1971年1月,アメリカ,テキサス州のテイラーで開かれたエホバの証人の大会に出席した1,649人の群衆の中に土地のメソジスト教会の一牧師がいた。その牧師は聖書の公開講演を聞くことに加え,18の会衆から出席していた証人たちのふるまいや会話を観察する機会を持った。翌週,そのメソジスト派の牧師は,証人たちの大会に関する所見を教会新聞の中でこう述べた。
「多くの祈りや会話は,神のことばの内容や,決して古びることのない事柄に関するものであった。エホバの名前には深い敬意が払われ,誉れが帰せられていた。これらエホバの証人は確かに風変わりな人たちである。彼らは何かを代表しており,また非常に明確な訓練を受けている。彼らは系統だった仕方で定期的に神のことばを勉強している。親は子どもたちを肝要な事柄で忙しくさせている。エホバの証人には明るさや喜びがあるが,これは人を引きつけるもので,健全なものである。彼らにはまじめな態度が見られるが,それは注目すべきことであり,また尊敬すべきことである。彼らは自分たちの信じている事を知っており,また自分たちの信じているかたを知っている。そして彼らは会合を開くさい,集まるのに十分大きな場所を見つけるのに苦労している。絶えず,筋違いな事柄を扱っている他の教会の場合,集まるのに手ごろな小さな場所を見つけるのが問題である。みなさんは,世間ずれした宗教家である我々が,これらの人々から何か価値ある教訓を学べるとお考えだろうか。それとも我々は,自分たちに成し遂げうる事柄をすでに成し遂げていると考えているのだろうか」。
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