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    目ざめよ! 1980 | 7月22日
    • 家庭が破綻をきたしている原因

      今から80年か90年ほど前には,ほとんどの人は小さな農場で生活しているか,さもなくば農村部に住んでいました。ところが今日の社会は主に都市を中心としており,工業技術がめざましく進歩したため,人々の生活様式は急激に変化してきました。そのような変化は,家庭が破綻をきたしていることと関係していると言えないでしょうか。

      現代の都市生活は人間性をはなはだしく欠いていることが少なくありません。幾年も前と比べると,他の人の福祉に対する気遣いが薄れています。次のような例があります。米国のオクラホマ・シチーの歩道に一人の老人が倒れて死にそうになっていました。その老人はおびただしく血を流し,舌を見せていました。ある新聞は次のように報じています。

      「大勢の歩行者が老人のそばを通り過ぎた。その人をまたいで行った者もある。何台もの自動車がそこを通ったが,運転者は自動車を止めようとはしなかった。

      「自動車で通りかかった弁護士のヘンリー・W・ニコラス2世は,被害者に応急手当てを施すために自動車を止めた。被害者は郊外のベタニーに住む77歳になるクリントン・コリンズさんであることが後に判明した。ニコラス氏が老人の手当てをしているとき,大勢の通行人があったが,援助を求めてもそしらぬ顔で気にも留めずに立ち去った」。

      嘆かわしいことではありませんか。しかし,残念ながら,このようなことがむしろ普通になっているのです。そして,人々の冷淡な態度は,その家族に影響を与えているに違いありません。他の人に対する気遣いがなぜそれほど薄れているのでしょうか。

      態度の変化

      それは人々の態度が根本的に変化したためです。そして,現代の工業技術はそうした態度の変化を助長しました。どのようにでしょうか。工業技術の所産である数々の新製品を売りつけるために,世は人々に,それがなければ幸福になれないと感じさせているのです。“人生は一度限りなのだから,今,得られるものはすべて手に入れるべきだ”という意味のことが至るところで叫ばれています。

      このようにして,人々は自分を満足させ喜ばせることを第一に考えるように教えられています。その結果,今日の“自己<ミー>の”社会が生まれました。昨年の夏開かれたある頭脳集団<シンク・タンク>の会議の席上,数名の著名な哲学者は,そのような考え方がもたらす結果に懸念を表わしたようです。会議の司会者アルフレッド・E・ケーニグは次のように語っています。「将来と言っても一,二年先のことしか考えず,それより先のことを考えない人々があまりにも多い。道のずっと先にあることを気に掛けたり,そのために努力を払うということは実際ほとんどなされない」。

      確かに,将来が非常に不確かなため,多くの人は“刹那主義的”になって,今人生からできるだけのものを得ようとします。このように刹那的な快楽を追い求めることは家族にどんな影響を与えているでしょうか。

      家族への影響

      今日多くの人は,この世の宣伝にのせられて,主に自分が喜びを得るために結婚します。性を楽しむことを最も重要な関心事としている人は珍しくありません。そのような人は,結婚関係から得られる満足に対して実現不可能なほど大きな期待を寄せます。それで夫婦はすぐに離婚し別の相手から喜びを得ようとします。

      結婚生活の長い人々でさえ,自分を満足させることを強調する“自己<ミー>の”社会の犠牲になっています。自分が何かを得損なっており,別の人と性関係を持てば本当の喜びが得られると考えるように仕向けられています。この問題に関する著書の多いロバート・テイラー博士は,「私は“自己<ミー>の”哲学が今日の高い離婚率の一因になっていると思う」と語っています。

      最大の被害者は恐らく子供たちでしょう。多くの親は,自分を満足させることにかまけて,子供のために自分を犠牲にすることをいとうようになっています。数年前に,米国のデトロイト・フリー・プレス紙はこう述べました。

      「間もなく成人に達しようという子供を持つ,郊外に住むある母親は,30歳前後の若い夫婦は自分たちと違っていると語った。その母親によれば,若い夫婦は非常に利己的で,自分のことだけしか考えない。金と出世と自分のことがまず第一で,子供のことは顧みず,物質のことばかり気にしている,というのである」。

      この“自己<ミー>の”哲学の下地を作ったのは,「それ自体常に『悪い』と言えるものは何もない」という考え方をする,いわゆる新しい道徳です。その考え方によれば,配偶者以外の人との性関係も悪いと言えず,婚前交渉も悪いとは言えません。何事も状況次第である,というわけです。しかし,そうした考え方は悲惨な結果を招き,家庭が実際に破綻をきたす一因となりました。

      家族の起源も関係しているのはなぜか

      現代の工業技術のすばらしい所産によって,いろいろな楽しみが得られるようになり,新しい道徳は人々を“解放”してそれらの楽しみを十分に味わわせると考えられていました。しかし,現代の工業技術が出現する以前に比べて今のほうが,幸福で満ち足りている家族は少なくなっています。問題はどこにあるのでしょうか。

      根本的な問題は次の点にあります。すなわち,人間は自分たちの知恵と業績にのぼせ上がり,結婚も家族という制度も人間の考え出した事柄であって,自分たちの必要を満たすためいわば長年にわたって発達させてきたものだという考えを説いたという点です。しかし,それがそもそも,今日の悲惨な家庭生活の破綻の根底にある重大な誤りなのです。

      どうしてでしょうか。なぜなら,愛と結婚は,家庭や子供と同じく,もっと高いところに源を有しているからです。最初の男女を創造された方はその二人に生殖力を授け,二人をめあわせて家族とされました。(創世 2:21-24。マタイ 19:4-6)その家族が増え,さらに多くの家族を生み出して地を満たすことが,エホバ神の明言された目的でした。―創世 1:28。

      家族を創始された方が家族生活を成功させる秘けつをだれよりもよく知っておられるのは当然ではないでしょうか。現に,家族が幸福になれない根本的な原因は,創造者が人間のために聖書に書き記させた実際的な導きを人間が適用していないことにあります。少なくとも,その聖なる書物に書かれている事柄に照らして家族の問題を調べるのは賢明なことではないでしょうか。

      目に見えない敵の働き

      聖書は,わたしたちの世代に,『親に対する不従順』や『自然の情愛の欠如』を含め恐ろしいほど「不法が増す」ことを予告していました。(マタイ 24:3-12。テモテ第二 3:1-5)また,家族を破壊させるそのような問題の主要な原因が目に見えない強力な力であることも示しています。今の時代について聖書は次のように述べています。「地……には災いが来る。悪魔が,自分の時の短いことを知り,大きな怒りをいだいてあなたがたのところに下ったからである」― 啓示 12:9,12。

      では,ここに出て来る悪魔とはだれでしょうか。この者は架空の人物ではありません。神と同様,目に見えない実在者です。そして,聖書が明らかにしているところによれば,その者が人間の思いに働きかけ,人間をそそのかして不法な行為をさせています。―ヨハネ第一 5:19。ペテロ第一 5:8。

      そのように考えることに抵抗を感じる人がいるかもしれません。では,その人たちは,人々が残酷な,多くの場合悪魔的で堕落した行為をしばしば自分の夫や妻や子供や親に対して行なう理由を説明できるでしょうか。普通では考えられないような恐ろしい行為は,悪魔と悪魔に組する霊の勢力の目に見えない影響によるものである,と言う以外に説明のしようがありません。

      過去においては,家庭生活の破綻が衰退の一因となって文明が次々に現われては崩れ去り,歴史は繰り返しているかに見えました。しかし,今はこれまでとは違います。聖書はこの時代を「終わりの日」としています。それは,ギリシャ文明やローマ文明のような単なる一文明の終わりではなく,事物の全体制の終わりです。また,悪魔と悪霊の活動にも終止符が打たれることになっています。エホバ神はすべての悪を終わらせ,全く新しい事物の体制を招来することを約束しておられます。―ペテロ第二 3:13。ヨハネ第一 2:17。啓示 20:1-3。

      では,この多難な時代に住んでいるあいだ,家族生活を幸福にするためにどんなことができるでしょうか。

  • あなたの家族生活を幸福にする方法
    目ざめよ! 1980 | 7月22日
    • あなたの家族生活を幸福にする方法

      おいしいケーキの作り方を見て,その通りに作れば,おいしいケーキができます。幸福な家庭を築く場合も同じで,優れた作り方,つまり導きが大切です。

      家族の創始者がそうした作り方を教えてくださると期待するのは理にかなったことです。そして創造者は確かにそれを教えてくださっています。神は家族生活を成功させる方法に関する導きと指示を聖書の中で与えておられます。

      しかし,次のような異議を唱える人も多いことでしょう。「“キリスト教の”国の人々は今までずっと聖書を持っていたのに,家庭問題は解決されていないではないか。“キリスト教の”国の離婚率がトップを行っている場合は少なくない」,と。

      確かにその通りです。多くの不幸な家族は実際に聖書を持っています。しかし,聖書を読んだことがあるでしょうか。さらに重要なこととして,聖書の原則を生活に適用してきたでしょうか。聖書を持っている人の多くはそれを読まず,その律法や原則を適用してもいないというのが事実です。

      一方,「聖書を導きにしていなくても,また家族の中に神を信じている成員が一人もいなくても,幸福な家族がある」と言う人もいます。

      これもその通りです。では,その人たちはどうして幸福なのでしょうか。それは,実は,その家族の成員が,聖書中に述べられている基準と同様の基準に,そうとは知らずに従っているからなのです。実際,人間は神によって創造された際に良心を与えられているので,それとは知らずに,家族生活に関する神の律法や原則とほぼ一致した生活の仕方をしている人もいるのです。―ローマ 2:14,15。

      神のその律法と原則にはどんなものがあるでしょうか。次の数ページでそれらを調べ,それらを当てはめれば自分の家族の幸福に資するかどうか検討してみてください。

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