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エホバの証者が困難な状態下で働く国々からの報告ものみの塔 1963 | 8月1日
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戸を閉めてしまいました。その妻はどうしてそんなに不親切な仕うちをするのですかと夫にたずね,同じ年頃の自分の娘の手を引いて,二人をさがしに外に出ました。二人はまだ,家の通路に立っていました。二人の小さな姉妹は近づいてきた婦人が何しに来たのか分からなかったので,ちょっと緊張したたたずまいになりました。ところが女の子の一人が婦人に向かって言いました。「かわいらしいお子さんですね」。この簡単で,親しみのある言葉によってその場の雰囲気はかわり,二人は家の中に招き入れられ,ゆっくり証言できました。二人は兄弟に再訪問をたのみ,その結果,今この家族は喜んで家庭聖書研究を続けています。
一人の伝道者はカトリックの一婦人に聖書を配布しました。婦人は非常に喜び,クリスマスの朝には,その聖書をテーブルの上に置いておきました。村人をまわって来る司祭が聖書を見てなにか言ってくれるだろうと思ったからです。ところが,司祭は聖書を見つけるなり,床の上に投げつけ,その上足でけりつけました。そんなことを考えもしなかった婦人はすっかり驚いてしまいました。婦人は司祭にその場を引きさがる事を求め,それ以来,聖書を配布した伝道者の助けを得てする聖書の研究にいっそうの努力を注ぐようになりました。数ヵ月もするうちに,婦人はエホバに献身する心の準備をすっかりととのえ,それとともにバプテスマを受けました。このように,司祭が聖書に嘲笑的な態度をとった事が,かえって助けとなり,この婦人はエホバの側に自分の立場をはっきりと定めました。
エホバの証者の間に見られる一致とお互いに対する愛情とは,外部の人たちに対し強い印象を与え,証者が真のクリスチャンとして生活していることを多くの人々に知せます。蔵書の中にエホバの証者の出版物を持っていたとの理由で一人の兄弟は逮捕されました。ちょうど秋の取り入れの時期で,この兄弟も自分の農場の仕事をしなければならぬ立場にありました。しかし,周囲の人々が驚いたことにも,その週の土曜日には,35人の人が来て兄弟の農場で働き,日曜日の朝,人々が教会に行くころには50人もの伝道者が来て収穫物のとり入れのために働いており,その日の昼ごろまでに,仕事は全部終わっていました。司祭もこれこそ愛の模範であると語り,教区民に「なぜ我々の場合はこのようでないのか」と問いかけました。
この奉仕年度中にも,逮捕され,服役を命ぜられた伝道者はかなりありました。敵対する者たちは,先に自ら述べた言葉,すなわち,「やがて証者を消し去る」をなし遂げようと努めたに違いありません。一人の兄弟は当局者に宛てた手紙の中でこう書きました。「私たちは命をねらわれた獲物のごとく狩り立てられ,しかもこの場合には禁猟期さえありません」。明日を保証されているエホバの証者は一人もありません。国家に危険な者のごとく見なされ,いつなんどき,逮捕され,法廷に引き出されるか分からないからです。
昨奉仕年度中に法廷で裁判に付された者は,兵役拒否による場合を別にしても140人でした。そのうち11人は放免されましたが,すでに,約100の宣告が言い渡されています。
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いちばんはやい増加率ものみの塔 1963 | 8月1日
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いちばんはやい増加率
◆ カナダのウインザー・スター紙は,最近の統計調査の結果を報道した。同紙は「エホバの証者が最大の増加率」という見出しで,オタワのモリス・ジェフリー氏の記事をのせた。「統計覚えがき: 宗教団体に関する最新の報告からみると,カナダにおいては,エホバの証者がもっとも早く増加している。過去10年間に,エホバの証者は,3万4596人から,6万8018人と2倍になった」。この統計においては,子供や,エホバの証者と共に勉強しエホバの証者が自分の属する宗教団体であると答える人すべてが信者として数えられている。これが普通一般の宗教団体における信者の数え方であるので,統計員はエホバの証者についてもその方法にならったものである。しかし,エホバの証者自身は,活発に奉仕活動に参加する人だけを数えるが,その人たちの数だけでも,1962年にはカナダに4万121人のエホバの証者がいた。
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