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驚くべきイルカの習性目ざめよ! 1979 | 8月8日
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関して,著者バーロイとエアハルトは,「その意味を正確に理解することは到底できない」と率直に認めています。なぜでしょうか。「信号と特定な行動との関係を確証することができていない」からです。イルカの意思伝達に関するあらゆる研究にもかかわらず,二人はさらに次のように述べています。「イルカが,二語から成る正真正銘の文を作れるという証拠はない」。
最近行なわれた英国放送協会のワールド・サービスのインタビューの中で,大英博物館の海生ほ乳動物の管理者は,イルカが知的な交流を行なえるという説に対する強力な反論を展開しました。営利的なマグロ漁が行なわれた間に,イルカが大量に捕獲された事件(水揚げされたマグロ十匹につき一匹のイルカが殺されたと推定されている)をふまえ,その管理者は次のように述べました。「『船のスクリューに似た音には近付くな……そこから十分離れていろ』ということをイルカ同士で連絡できたとすれば,それほど大量のイルカが捕獲されるはずはない」。
イルカの将来についてはどうでしょうか。19世紀以上前に弟子ヤコブは次のように記しました。「人間は,あらゆる種類の……海の生き物をならして従わせますし,実際従わせてきました」。(ヤコブ 3:7)これはイルカにも適用されるに違いありません。誘導弾のノーズコーンのような貴重な物を海底から回収するためにイルカが用いられたということを何かで読んだことがあるかもしれません。イルカに海岸のパトロールをさせたり,サメに襲われないように泳いでいる人を守らせようとする案もあります。それが実現するかどうかはまだ分かりません。しかし,聖書は,動物の命が至るところで尊重される時がくることを指摘していますから,わたしたち人間は,驚くべき習性のイルカをも含め,周囲のすばらしい動物について一層よく知ることができるに相違ありません。
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中国料理の味をおぼえる目ざめよ! 1979 | 8月8日
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中国料理の味をおぼえる
“肉とじゃがいも”ばかりを食べる男。私はいつもその部類の人間でした。レストランへ行っても,子供のころからよく食べている料理ばかり注文していました。ところがある日のこと,中国風の料理をぜひ食べてみるようにと勧められ,それが意外においしいことを発見したのです。
私の選んだ料理は肉のトウガラシ煮でした。主な材料と言えば牛肉とアマトウガラシと玉ねぎですから,特に外国風のものではありません。ですからなぜこれが中国料理なのだろうと思われる方もいるでしょう。メニューに出ている幾品かの広東料理を作った親切な料理人に,私も同じことを尋ねてみました。
中国料理の講習
その料理人はこのように説明しました。「中国料理ではよく肉と野菜を一緒に料理します。肉の風味が野菜に移り,野菜は肉を飾ります。それから,中国料理ではナイフやフォークでなくて,はしを使って食べますから,材料は一口大に切っておきます。
「味付けがおいしいのも中国料理の特徴です。肉のトウガラシ煮を作るときには,牛肉(腹部肉のほうが良い)をまず細長く切り,お酒としょうゆと砂糖で作ったつけ汁に浸しておきます。これをかき混ぜながらいためて,少し火が通った程度でなべから取り出します。それから,刻んだ新鮮なにんにく,玉ねぎ,トウガラシをかき混ぜながらいため,お酒とスープまたは水を少量加え,ふたをして数分間煮ます。味を見ながら砂糖としょうゆを加え,冷水で溶いたコーンスターチを入れて煮汁にとろみを付けます。最後に,火を通しておいた肉を野菜の中に戻して混ぜ合わせます。
「実際には,同じやり方で色々違った肉と野菜の料理が作れます。中国料理の味付けには,ほかにも根しょうがやごま油,オイスター・ソースなどを使います」。
店の主人の説明によれば,中国料理で野菜や肉を下ごしらえするときには主な材料は大きさや形を大体そろえるということでした。「鳥肉の薄切り」という意味のガイ・パンを作るときには,野菜も薄く切ります。また,サブ・ガム・チョウ・メインという料理のように,材料を全部さいの目に切るものもあります。ユク・スーングの場合はすべてを細かく刻むことが必要で,チョウ・ハー・キュウというえび料理の場合は,野菜を大きめの塊に切りそろえます。
焼き飯を作りましょう
私は焼き飯が気に入りました。その料理人は細かい分量までは教えてくれませんでしたが,焼き飯を作るときの秘訣を教えるのをいやがる様子は全く見られませんでした。
その人はこう言いました。「まず,米を炊いて冷ましておきます。それから一日位おくほうが良いでしょう。最初にいり卵を作って,わきへ置いておきます。それから油を少しひいて,細かく刻んだ玉ねぎを薄いきつね色になるまでかき混ぜながらいため,小さく切った肉を入れます。これは牛肉でもハムでも豚肉でも鳥肉でもえびでも差し支えありません。もし豆もやしがあれば,このときに入れて混ぜ合わせます。次にこのおいしい具の中にご飯を入れ,両方がよく混ざり合って火がよく通るまでかき混ぜながらいためます。好みに応じてしょうゆを加えますが,これはご飯に風味や色を付けるためです。砂糖も少々加えますが,これは甘味を付けるというより,しょうゆの辛味を抑えるためです。中国料理店では焼き飯に色を付けるために糖みつを使いますが,これは必ずしも使う必要はありません。それからいり卵を加えて,最後にシャロットを刻んで入れれば出来上がりです」。
「中国人の主婦も焼き飯を作るのですか」と私は質問しました。
主人の答えはこうでした。「もちろん作りますが,これはもともと残ったご飯と材料を合わせて作った料理ですから,お客には出しません。中国料理ではお客に炊き立てのご飯を出すのが一番良いとされてきたからです。でも最近では,焼き飯も立派な料理とみなされるようになっていて,世界中の中国料理店のメニューに載せられています」。
今度はあのおいしい春巻です
「家庭で春巻を作るときには,どんなものが必要ですか」。食欲の増すこの料理を好む人が多いことを知っていたので,私はこう尋ねてみました。
次のような答えが返ってきました。「具を包む皮は,東洋料理の食料品店かめん工場で買ったほうが良いと思います。こういう春巻用の市販の“皮”があれば,料理の手間が随分省けます。その外にも,クレープや薄いホットケーキを作る要領でこの皮を作ることもできますね。具は,ぱりぱりした野菜と火を通した肉かえびを合わせて,ごま油,塩,砂糖,ガーリック・パウダー,こしょうで味を付けて作ります。具を皮で包んで,端は生卵を塗ってしっかり押さえ,これをたっぷりの油できつね色になるまで揚げます」。
台所を“視察”する
「調理に使う主な道具だけでもご覧になりますか」と,この親切な料理人は申し出てくれました。
喜んでその申し出を受け入れると,私たちは台所へ通され,ウォクというものを見せてもらいました。これは大きな丸いフライパンのことで,底が平らな普通のフライパンとは違い,底が丸くなっています。その後ろには可動式のじゃ口があり,そこから出る水でウォクを洗います。ウォクの載せてあったガス台は,ほんの数秒間でこのフライパンを熱することができるほど大きなものでした。料理人の手の届く所に調味料や野菜のこし器などがきちんと並べられているのを見て,どうして五分もかからないうちに何人分もの料理を一遍に作れるのか分かりました。
「今の人は色々な国のものを好みますから,中国料理と同様にウォクに関心を持つ人が多くなっていて,大きな店の家庭用品売場へ行けばたいていどこでも手に入ります。ただし,家庭用の鉄のフライパンがひとつあれば,中国料理を作る場合でも,十分間に合います」と,この道の大家は話してくれました。
こうした事柄を聞いたお陰で,うれしいことに,私は食べ物に対する自分の好みを広げることができました。食べ物から得られる楽しみを私はこれまでどれほど得損なっていたのでしょう。ほかにも食べてみたいと思った料理はたくさんありました。美食家になるつもりはありませんが,これからは知らない食べ物に無関心でありたくはないと思います。また,妻にも中国料理の本を持たせようと思いました。
帰り際に,私は「こんな料理が毎日食べられてあなたとご家族はいいですね」と感想を述べました。すると,この料理人は破顔一笑,こう答えました。「確かにこういう食事は多いですが,毎日ではないのです。今夜は,ラザーニャとグリーンサラダとガーリックブレッドを食べようと思っています。たまには少し変化があったほうがいいでしょう」。
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宣教者たちは前途にある障害を洞察する力を得た目ざめよ! 1979 | 8月8日
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宣教者たちは前途にある障害を洞察する力を得た
「私たちはどこへ行くか,どんな状況に直面するかを知っています。そして喜んで行くつもりです」,とマーク・アルバースははっきり述べました。この言葉は,11の国々への割当てを受けた,ものみの塔ギレアデ聖書学校の第66期生である仲間の宣教者たちが抱く進取の精神を表わすものでした。
それらの宣教者たちの前途に横たわる挑戦はやさしいものではありません。彼らの大半は,新しい言語や新しい生活水準,異なった習慣などに直面するでしょう。それらの宣教者たちは,そうした大変化に対処する際に助けとなる有益な諭しを確かに必要としていました。
卒業式(1979年3月11日)のプログラムが進むにつれて,1,952名の出席者たちは,与えられる諭しが26名の卒業生だけでなく自分たちをも益するものであることを知りました。一人の話し手V・ワイズガーバーはこう言いました。「この体制の下で私たちは様々な問題にしばしば悩まされます。真の試練となり得る挫折感などの障害があります。私たちは時折,生活に影響を及ぼすような困難な状況,自分では決して変えられないような状況に直面します」。
自分では変えられないそうした状況に対処する上で何が助けになりますか。その話し手は「しんぼう強さです」と答えました。ワイズガーバーは,農夫が示すべきしんぼう強さについて述べているヤコブ 5章7節に注意を引き,「植えることと耕やすこと以外に農夫には何ができるでしょうか」と,問いかけました。「大変に気をもむこと
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