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  • 家庭食品には何が起きていますか
    目ざめよ! 1970 | 10月8日
    • 家庭食品には何が起きていますか

      あなたはどれほどの量の毒を服用したいと思われますか。このような質問をされたなら,あなたはきっとぞっとされることでしょう。毒など少しもほしくない,と考えておられるでしょう。

      ところが,お気づきかどうかは別として,特にアメリカや西欧諸国をはじめ,多くの国々では,多量に摂取するなら死を招く化学物質を,少量ではありますが含んでいる食品が多いのです。そうした化学物質の使用は,第二次世界大戦後,特にふえてきました。

      包装された食品ならいざ知らず,なま野菜,くだもの,肉などを買う場合には問題はないはずだ,と考えられるかもしれません。しかし,そうした食品でさえ,あなたが買うずっと以前に,なんらかの形で,化学物質と関係しているのです。

      食品に加えられる化学物質は,“添加物”と呼ばれています。今日,用いられているものには,文字どおり何百種類もあります。そうした添加物の中の多くのものは,合成品,つまり,人間が実験室の中で公式に基づいて作り出された,化学物質です。

      そうした食品添加物は今日,どれほど広範に用いられていますか。ウイリアム・ロングッドは,自著「食品中の毒物」の中でこう述べています。「口にする食品はことごとく,その生成過程のどこかでなんらかの化学処理を施されていると言える。染色剤・漂白剤・乳化剤・酸化防止剤・防腐剤・調味料・香味高揚剤・緩和物・有毒スプレー・酸化剤・アルカリ化剤・防臭剤・湿化剤・乾燥剤・ガス・拡張剤・濃化剤・消毒剤・枯葉剤・殺菌剤・中和剤・人工甘味料・固化およびあわ立ち防止剤・調節剤・保存剤・加水分解剤・水素添加剤・成熟剤・強化剤,その他多くのものがあげられる」。

      最近の報道で取り上げられる

      チクロが最近,取りざたされたため,食品添加物が紙面をにぎわすようになりました。チクロというのは,アメリカの食料医薬局によって“一般に安全と認められている”(GRASリストと呼ばれる),600種に上る食品添加物の一つです。

      チクロは,健康上の理由や,規定食を取っているために砂糖を摂取できない人がその代わりに用いられるよう造られた人工甘味料で,清涼飲料・アイスクリーム・サラダ用ドレッシング・プディング・ゼラチン・ジャム・ゼリー,その他,ピックルスにまで使用されています。この添加物は,ほとんどすべてのダイエッド・フード(規定食食品),それに幼児用の味つけビタミン錠の中にもはいりこみました。

      しかし,実験の結果,チクロはハツカネズミや普通のネズミの体内で,ガンを引き起こし,奇形のひよこを生む原因となることがわかりました。これは,『人あるいは動物によって消化されたものが,ガンの誘因となる場合,その添加物は安全とみなされないものとする』と述べたアメリカの法律に反します。―1958年の食品・薬品および化粧品法令に対するデラニー修正条項。

      こうして,チクロを含むダイエット飲料は製造が禁止されました。ただし,それを含むダイエット・フードおよび薬品は,正しい標示がされているかぎり,処方せんがなくても売ってよいことになっています。アメリカの例にならって,チクロの使用を禁止した国は,数か国に上ります。

      二つの意見

      人工甘味料が取りざたされたことに端を発して,多くの人々は他の食品添加物の使用についても,次のような疑問をいだきはじめました。非常に多くの食料品に,化学人工物質が添加されているが,危険はないのだろうか。GRASリストにすでに載せられているものでも,安全性を確認するテストを満足に施されていない添加物があまりにも多すぎるため,不安を感じた当局者もいました。

      問題の化学物質は,多量に摂取するなら害を招き,死因となることさえあるが,指定された使用量においては安全である,と言う人たちがいます。他方,ある化学物質が多量に用いられて有毒なら,少量の場合でもやはり有毒だ,と主張する人がいます。つまり,それがどんなに少量添加されようが,砒素は砒素であることに変わりはない,と言うのです。後者の意見を持つ人は,さらに,それら添加物の中で栄養価値のあるものがほとんどない以上,なぜ危険を冒してまで使用するのか,と論じます。

      食品添加物の安全性に関して,疑問点が残っているのはなぜですか。なぜなら,ハツカネズミや他のネズミなどを使った動物実験では,それら化学物質の中で,多量に使用すると,ガンその他の有害な結果の原因となるものがありますが,ごく少量を食事を通して摂取する人間に,はたして同じことが起こるかどうかは,はっきりしないからです。それに,それら添加物は,まだそれほど大量に,しかも長期間用いられていないので,どちらの意見が正しいのか判定できないのです。

      食品添加物を使用するのはなぜか

      多くの化学添加剤,特に人工添加物が,一般に認められているように,食品としての価値が全然なく,長期的に見て危険でさえあるなら,なぜ使用されているのですか。人の健康に不可欠な食べ物に,なぜそうした物質をわざわざ加えるのですか。

      大都市の誕生に伴って,食料品を遠くに発送するだけでなく,長期間それらを倉庫や商店のたなに貯蔵する必要がますます増大し,食料品が,いたまないようにするため,何らかの処置を講じなければならなくなりました。その結果,普通ならば食品を腐らしてしまう有機物の成長を阻止する化学物質が添加されることになったのです。

      次いで,ダイエット・フード,特に太らないようにする食品や飲料が要求されるようになりました。つまり,清涼飲料を例にとると,その中に砂糖を甘味料として使用することは,好ましくなくなりました。砂糖にはカロリーがあるからです。そのため,甘味を持つ化学物質が,砂糖の代わりに用いられるようになりました。

      食品添加物が使用されるようになった別の理由は,“テレビ・ディナー”のような,すでに料理されている食事が人気を持つようになったからです。家庭の主婦は,それを暖めて,食卓に出しさえすればよいのです。しかし,消費者が求めるまで貯蔵し,かつ味や外観をよくするために,化学物質が添加されることになりました。

      消費者の側にも,責任がないわけではありません。栄養価を顧みず,とにかくよさそうに見えたり,感じられたりするもの,また,おいしそうな味がしたりするものをほしがる人が多すぎます。製造元は当然,そういう効果を発揮する,化学物質を食品に添加します。たとえば,白いパンは柔らかく,おいしそうで,実際に舌ざわりがよいかもしれません。しかし,たいていの白パンは,漂白された粉で作られており,栄養となる部分はほとんど加工中にすでに除去されています。それに,外見や感じ,また味をよくし,かつ,長もちさせるために,化学物質が加えられます。しばしば合成ビタミンが数種類添加され,“強化パン”として売り出されます。消費者は,そうした商品に手を出さないどころか,むしろ,好んで求めます。

      パンに関して,ロングッド氏は,「無邪気な小麦の粒のたどる運命は,食品に関する論文で取り上げるより,犯罪の記録にしるすほうが適切ではないかと思う」と述べ,次のように語っています。「今日,商業的に売られている白いパンは,おもに,化学的創意や巧妙な機械技術,それに巧みな宣伝の産物と言える。化学物質をやつぎばやに浴びせられ,栄養価のある部分は,ほとんどと言ってよいほど取り去られ,合成ビタミンを幾種類か加えられ,柔らかさを保つよう乳化剤を注入され,そして……強化食品として,だまされやすい大衆に売りつけられる。普通のパンをはじめ,他の市販のカンパン類は,自然よりも試験管にさらに密接につながっている」。

      欧米諸国に住んでいる人なら,食肉さえ化学処理を施されていると考えてよいでしょう。多くの動物は,生まれてまもない時に性ホルモンを注入され,合成ホルモン,抗生物質その他の化学物質を食べさせられます。ある種の病気を予防し,最大限に太らせるためです。さらに,化学肥料を施されたうえに,化学薬品を散布された飼料から摂取した,殺虫剤が体内に含まれているのです。多くの食肉類,特に冷凍肉の切り身などは,保存・味つけ・着色・貯蔵の過程で,さらに化学処理を施されます。

      そうした化学物質を,一般の人々は平均どれぐらい摂取するかというと,年間約1,400グラムと推定されています。それにしても,それら化学添加物はどんな影響をもたらすのでしょうか。

  • 化学添加物は有害ですか
    目ざめよ! 1970 | 10月8日
    • 化学添加物は有害ですか

      食品に添加される化学物質は,普通一日の摂取量が非常に少ないから無害である,と一般大衆は信じ込まされています。しかし,そうした理由づけを深く考える人は,次の疑問をぬぐいとることができません。ある化学物質を多量に摂取すると,有毒かつ有害であるなら,毎日,少量摂取してもやはり有害で,ただ,その効果が現われるのには時間がかかる,というのが真実ではないのか。

      食品添加物の安全性を主張する人は,少量の塩はたいていの人の健康に益があるが,塩を多量に摂取すると死ぬことがある,という事実をよく引き合いに出します。したがって,他の化学物質を少量摂取することも同じく安全であると,結論するのです。この結論は,そうした化学物質が,過剰の塩分と同様に排せつされ,DDTのように体内に蓄積されないという前提があれば,正しいと言えるかもしれません。

      それら化学添加物が人間の害になる,という明確な証拠はまだないではないか,と論ずる人がいます。しかし,それは本末を転倒した論議ではありませんか。むしろ,逆の言い方をしたほうが賢明でしょう。つまり,それら食品添加物が人間の害にならない,という明確な証拠はまだありません。したがって,その安全性に対する疑いが完全に晴れるまで,そうした添加物の使用は最少限にとどめておくほうが,分別ある策と言えませんか。

      この点に関して,適切な例があります。かつて,喫煙はたぶん有害であろう,と言う人々がいました。しかし,一日単位では,健康上これといった変化を認めることができなかったため,タバコの奨励者は,タバコは無害である,と言いたがったものです。ところが,それから数十年を経た今日,喫煙が健康に害をもたらすことは,疑いのない事実となりました。ガン,心臓疾患その他の病因となることがあります。しかし,その証明には,長年を要しました。食品の添加物も,その影響が現われるのにたとえ長期間かかろうとも,有害でないとだれが言いえますか。

      人間の体質は人によって大いに異なります。たとえば,寒い野外に長時間いても,いっこう病気にならない人をご存じでしょう。そうかと思えば,寒い屋外に少しでもいると,すぐぐあいが悪くなる人もいます。

      他人のからだの抵抗力の限界を言いあてることのできる人はいません。十分の活力があるため,有害なものを取り除く力を持っている人に無害に見えたものが,それほどの活力を持っていない人を死に追いやってしまうようなことがあります。ですから,実際に,化学物質が人の健康を害するに至る量を,だれが知りうるでしょうか。害を受ける人が人口の数パーセントに過ぎないとしても,あなたはその中のひとりでありたいと思われますか。

      ある見解を支持する人は,特定の実験結果を指摘するかもしれません。しかし,そのような証拠は常に決定的と言えますか。たとえば,6か月間,良いえさをたっぷり与えたネズミに,コーラ飲料しか飲ませなかったところ,その歯は,はぐきのところまで溶けてしまいました。その結果から,コーラ飲料水に含まれていた酸は,鉄分と石灰質とを溶かす,と言う人がいます。それは一見,非常に感銘を与える実験のように見えるかもしれません。そして,そうした飲料を人間が摂取するなら,それが長期間連続であれ,あるいは時おりであれ,必ずや害が及ぶであろう,と結論を下す人もいることでしょう。

      しかし,この議論は,レモンジュースや酢に含まれている酸も同様に,鉄分や石灰質を溶解するという事実の前には,もろくもくずれ去ってしまいます。つまり,少量のコーラ酸を長期間摂取すると有害であるなら,レモンジュースや酢も同じく,健康に悪いということになります。このことから,正しい結論を下すには,広範な知識の必要なことが明らかです。

      だれがもっとよく知っているのか

      食品添加物をめぐる論争において,意見が極端に分かれていることがわかります。感覚を快く刺激するものならどんな添加物でも,十分に楽しむ人がいます。一方,慎重な見方をする人は,次のように尋ねるかもしれません。人間の食物に,ある種の化学物質を含有させるのが創造者の目的であったなら,そのものは,はじめから食物の中に含まれているはずではないだろうか。食物の正しい成分や平衡という点で,最善の知識を持っているのは,創造者であろうか,それとも不完全な人間だろうか。

      次の推論を押し進めてみてください。あなたが,高級なガソリンを必要とする,りっぱな自動車を持っているとします。ところが,そのガソリン・タンクにごみや安い燃料を入れると,どんな結果になりますか。やがて,機能が低下し,ついには,寿命でもないのにこわれてしまいます。

      ガンの研究者,ウイリアム・E・スミス博士はこう述べています。「商業上の種々の利益を上げるために,生物学的な異質分子をのべつまくなしに人体に取り入れる習慣が盛んになってきたが,これは,ナットやボルトをごたまぜにして,世界で最も精巧な機械にほうり込むようなものだ」。

      化学添加物が有害かどうかは,もう問題ではない,という結論を下す人が大ぜいいます。その人たちの意見によると,問題は,添加物がどの程度有害かと言うことだけです。以前,「デンタル・ダイジェスト」誌の編集員であったエドワード・リヤン博士はこう述べています。「食物に自然に備わっている何物かが取り除かれるたびに,そして,食物に何か混和物が加えられるたびに,自然界の平衡は乱される。……人体細胞内の化学的かつ細胞質上の作用は,化学者の一時的な思いつきに供せられると,必ず機能障害を起こす」。

      結局どういうことなのか

      1969年12月10日付,「ケミカル・ウィーク」誌はこう評しています。「コーネル大学医学部の准教授モーリス・シルズは,次のように述べた。食品の中に,多量の化学物質を添加する傾向が増大しているが,これは『汚染問題の一部である。食料品に,新しい化学物質を添加するには,十分の理由がなければならない』」。

      ここで,それら化学物質が,汚染の原因となっているものと比較されていることから,別の問題点が出てきます。普通の人が,日ごとに,ある一種類の添加物を有害なほど摂取することはないかもしれません。しかし,実際には,毎日の食事の中に含まれている化学物質が,たった一種類であるということはありえません。それに加えて,食事以外の方面でも,人間は,多くの化学物質にさらされています。

      自分たちの住んでいる環境が汚染されている事態を憂慮する人々は,ますます多くなっています。飲料水の中に異質的な化学物質が含まれている場合も珍しくありません。食物の多くを産出する土地は,殺虫剤や化学肥料を浴びています。そして,わたしたちの呼吸する空気はどうですか。多くの国の実状は,ぞっとさせられるほどひどいものです。たとえば,アメリカの大気科学研究センターの科学者たちが行なった発見に関する報告は,次のとおりです。「当センターが気づいた,アメリカにおける空気の清い最後の拠点はアリゾナ州フラッグスタフの近辺であった。しかし,カリフォルニア州沿岸からの汚染された大気が,同都市の北方に達するに及んで,6年前にその地の清い空気も姿を消した」― 1969年12月21日号ザ・ニューヘブン・レジスター誌。

      1970年1月26日号,ニューズウィーク誌の報道は次のとおりです。「アメリカの大気中にある廃棄ガスは,フロリダの畜牛を不具にし,メイン州リンカン市の家屋や自動車のペンキを変色させ,ロスアンジェルスから約100キロ離れたところにある松を枯らし,テキサスやイリノイ州のラン,それにカリフォルニア南部のホウレンソウまで台なしにしてしまった。大気汚染のため,命を危険にさらされているアメリカ人さえいる。ぜん息・気管支炎・肺ガン・肺気腫といった呼吸器系の疾患が,恐ろしい勢いで広がっている」。

      結局,一種類の少量の化学物質というような簡単な問題ではないことがわかります。食品中の化学物質・呼吸する汚れた空気・飲料水に含まれている異質物といった,人を襲う不自然な要素が,今日のいろいろな病気の,あるものの原因となっていることは大いにありえます。

      どう対処すればよいか

      どうすれば,多くの化学物質を摂取しないようにすることができますか。今日,化学物質を完全に避けることは,世界の多くの場所では不可能になっています。それは非常に広範に使用されているうえ,食品の外見からだけでは,それが使用されているかどうかは,わからない場合がたいへん多いからです。しかし,7ページに載せられている提案を実行することができます。

      あなた個人が,提案されている事柄を行なわれるなら,自分自身だけでなく,家族にも必ずある程度の益がもたらされることでしょう。しかし,それだからといって,不健康と病気の根本的な原因が除去されるのではありません。たとえ,汚染を知らない環境に住んでいたとしても,あるいは,食品添加物が法律で禁止されたとしても,人類は罪と死の影響に引き続き悩まされることでしょう。人間が,アダムに起因するのろいから,自分自身の働きによって解放されることは不可能なのです。さらに,汚染という問題は,わたしたちの住んでいる現在の事物の体制には付き物ですし,この事物の体制は,わたしたちが変えることのできないものです。

      しかし,神はわたしたちをその両方から自由にすることができ,そのみことば聖書の中で,神はそうなさると語っておられます。神は,ご自分の創造されたこのすばらしい地球を,人間がそこなっていることに特に目を留められ,『地を亡す者を亡す』という,ご自分の目的を宣言されました。―黙示 11:18。

      聖書預言の成就に見られるすべての証拠は,神が現代の利己的な事物の体制と,その現状維持を望む人々に終わりをもたらし,ご自分の偉大な力と権威とを示される時が非常に近いことを示しています。―テモテ後 3:1-5。

      神のその奇跡的なわざが行なわれた後,人類は,神の天における正義の政府の統治を受けます。神のみことばは,地が楽園になることを約束しています。大気・地・水の汚染に永久に終止符が打たれるばかりか,はるかにすばらしいことが見られるのです。それは,人類が再び完全な心身を持つようになることです。痛みや死は過去のものとなります。―イザヤ 45:18。ルカ 23:43。黙示 21:4,5。

      人間の創造者であり,すべての生けるもののために,地から食物を生じさせるかたであるエホバ神は,そうした事態をもたらすには何が必要かをご存じです。エホバ神は,ご自分の不変のことばを通して,その事態を現実にもたらされることを告げられました。―黙示 21:5。

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