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  • 何百万もの人びとは問う: 「何を食べたらいいのですか」
    目ざめよ! 1973 | 10月22日
    • などの国々も,食糧不足を経験しています。また,海洋の中の島々や南アメリカ,中央アメリカなどの食糧不足も報告されています。

      事実,国連食糧農業機構(F・A・O)の事務局長バーマ博士は,『世界は飢きんに見舞われようとしている』と警告しています。1973年2月に同博士は,援助を必要としている国はみな,『今のうちに』他の国々と『交渉を行なっておく』べきである,と勧告しました。

      しかし,他の国々は際限なく援助をつづけることができるのでしょうか。農産物の豊富なことで知られている国々は今どんな状態にあるでしょうか。

      他の国々にはどれほどの食糧があるか

      アメリカはどうですか。アメリカは,ひどい不作には見舞われなかったとはいえ,当局が「まずまずの生活水準」と呼ぶ水準の生活をしていない人びと,言い替えれば,貧しくて空腹な時の多い人びとを,2,500万人以上もかかえています。

      それと同時に,アメリカの食料品の値段は高騰を続けています。1972年には,食料品の小売価格は前年にくらべ4.8%上がりました。1973年には6%上がるものと予想されています。一方,隣国のカナダでは1972年中に食品価格は8.6%もはね上がりました。

      こうした価格の上昇には,在庫の食糧の量が直接に影響しています。在庫に対する需要が大きければ大きいほど価格は高くなります。こうしてアメリカでは,1972年中に,「2等硬質小麦」の価格が61%上昇しました。在庫に対するソ連の需要が大きかったことがおもな原因です。図が示しているとおり,今やアメリカの貯えは底をついてしまいました。

      昨年のオーストラリアの小麦の収穫は,ひどい干ばつに見舞われたため,予想高の半分以下でした。アルゼンチンの1971年の小麦の収穫も「思わしくなかった」と言われています。ビルマ(東南アジアの米びつとよく言われる)の余剰穀物も今は非常に限られています。

      当然のことながら,ますます多くの専門家が,わずかの穀物大生産国だけで世界の残りの部分をいつまでも養いつづけることはできない,という結論に達しつつあります。ハーバード大学のR・O・グリープは,1969年に次のように述べました。

      「世界情勢にとって非常に重要な要素は,アメリカ,カナダ,オーストラリア,アルゼンチンといった,農産物の大生産国の穀物の貯えが,急速に減少しているということである。……将来の状態が分かる立場にある人びとにとっては不安はつのるばかりである。……アメリカにおいてはこの問題はとりわけ深刻なものになるだろう。というのはアメリカは主要な穀物供給国と見られているからである。……飢きんが襲来し,食糧が足りないということになれば,そのときこそ,だれが生き残るか,という恐ろしい問題に直面しなければならないであろう」。

      1973年になって,小麦関係のカナダ当局者は,カナダが引きつづき世界に小麦を供給するかどうかについて質問を受けたとき,「持っていないものを売ったり,与えたりすることはできない」と答えました。

      全人類は現実に食糧危機に直面しています。解決は可能でしょうか。この質問に答えるには,まず飢きんが今人類にしのび寄っている理由を知らねばなりません。

  • これほど多くの人びとが飢えているのはなぜか
    目ざめよ! 1973 | 10月22日
    • これほど多くの人びとが飢えているのはなぜか

      「およそ20億人もの人びとは,毎朝目を覚ますたびに,食物に対する……欲求だけで生活が支配される世界に直面している」と,海外開発会議のL・R・ブラウンは述べています。幾百万という人びとが,もっと多くの,あるいはもっと良い食物を必要としています。人間がこの面で不自由をしているのは,地球に人間を養うだけの能力がないからでしょうか。

      そうではありません。現在の地球の人口は37億ですが,地球はそれより幾十億も多くの人びとを養う能力を持っているように思われます。一部の専門家に言わせると,地球には,ここ数十年間使用されて来た土地の2倍の広さに当たる,耕作に適した土地があります。

      食糧不足を招く異常気象

      しかし,良質の土壌の耕地の生産高でさえ大幅に減少させるひとつの大きな要素は天候です。「気まぐれな天候への対策はまだ発見されていない」と,ニューズウィーク誌の一記事は述べています。

      アジアとアフリカの飢きんの大部分は干ばつによるものです。インドでは1972年のモンスーンの雨が少なすぎたり,おそすぎたりで,夏の作物はその恩恵に浴すことができませんでした。バングラデシュの降雨量は,平年の作物生長期の降雨量の40%以下でした。フィリピンでも異常気象は食糧生産に深刻な影響を与えました。北部地方は今世紀最大の洪水で稲作がだめになり,南部は干ばつで収獲高はかなり少なくなりました。

      一方ソ連は,過去2年にわたり,穀類の減収に苦しみました。冬季に雪が少なく,穀物が霜害にさらされたためです。新華社の伝えるところによると,中共では,干ばつや洪水や霜ばかりでなく,暴風,ひょう,害虫なども作物にかなりの害を与えました。世界が今経験している食糧危機は,自然力の前に人間がいかに無力であるかを痛感させずにはおきません。

      天候の不順は,「緑の革命」の効果をほとんど帳消しにしてしまいました。しかし,「緑の革命」のとぼしい成果はさらに削減されるかもしれないことが懸念されています。なぜでしょうか。

      なぜなら,広範囲の地域に1種類だけの作物を植えると,たったひとつの病害で大きな災いを招く恐れがあるからです。同様に,ひとつの種類の穀物を好む害虫が発生すれば,作物は全滅してしまいます。事実,パキスタンのある地方には,「新しい奇跡の小麦は,新しい奇跡のイナゴを発生させた」という冗談があります。

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