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神々の戦いものみの塔 1965 | 6月15日
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ゆえにバビロンが敗北をこうむったとき,ネボとベル自身,「自分」も捕われて行き,その崇拝者はクロスの民になりました。これらは神などと言えるものではありません。バビロニア人の最も偉大な神々さえも,真の神エホバの前に敗れて恥をこうむり,かがまざるを得なかったとき,ベルとネボの崇拝者は幻滅と困惑を感じたことでしょう。バビロニア人が神として崇拝した偶像は自らを全うできず,まして崇拝者をクロスの軍隊から守ることができません。生命のないこれらの偶像は,獅子や龍(サーラッシュ)のような獣に運ばれて行かねばなりません。あるいは家畜の背に乗せられて,ただの重い荷物のように家畜をかがませます。それはイシュタルの神殿に通ずるバビロンの行列道路を毎年のように行進して,崇拝者から歓呼と賛美を受けたバビロンの偽りの神々のパレードではもはやありません。それは屈辱の逃走です。獣の背に乗せられて逃れようとしているバビロンの神々を想像してごらんなさい。バビロンの神々は恥をこうむりました。
エホバに匹敵する神はない
ゆえにエホバはこれら偽りの神々にくらべて,どのようにはるかにすぐれていますか。
エホバは生ける神であるゆえに,どんなものであれ,崇拝者がご自身の像を造ることを許しません。(出エジプト 20:4,5)エホバはその力強いみ手によってご自身の民を導きます。それはあわてまどった逃走ではありません。エホバは,バビロンのみならず,バビロンの無益な神ネボとベルの手からも,ご自身の民を救うことを預言されました。エホバはその民に次のことを言われます。
これらの神々とは対照的に,エホバはご自身の民のために何をされますか。
「ヤコブの家よイスラエルの家の残ったすべての者よ,生れ出た時から,わたしに負われ,胎を出た時から,わたしに持ち運ばれた者よ,わたしに聞け。わたしはあなたがたの年老いるまで変らず,白髪となるまで,あなたがたを持ち運ぶ,わたしは造ったゆえ,必ず負い,持ち運び,かつ救う」― イザヤ 46:3,4。
イスラエルの民はたとえ年老いても,なぜ心配する必要がありませんか。
エホバは偶像の神と異なります。初めも終わりもない無限の神エホバは老いることも疲れることもなく,力のつきることもなく,ご自身を保たれるだけでなく,ご自身の民を守り,敵とその神々を砕き,ご自身の民を支え,負うことができます。紀元前1711年の族長ヤコブの死からイスラエルが1000年以上のよわいを重ねたにしても,永遠の神エホバの力はおとろえず,その祝福する能力は変わっていません。それは彼らがバビロンから救われることを保証しています。―詩 90:1,2。ヤコブ 1:17。
「あなたがたは,わたしをだれにたぐうか」との質問に対し,エホバは簡明などんな道理を述べていますか。
エホバがご自身の民と論ずる次の句は簡明な道理を述べています。「あなたがたは,わたしをだれにたぐい,だれと等しくし,だれにくらべ,かつなぞらえようとするのか。彼らは袋からこがねを注ぎ出し,はかりをもって,しろがねをはかり,金細工人を雇って,それを神に造らせ,これにひれ伏して拝む。彼らはこれをもたげて肩に載せ,持って行って,その所に置き,そこに立たせる。これはその所から動くことができない。人がこれに呼ばわっても答えることができない。また彼をその悩みから救うことができない」― イザヤ 46:5-7。
捕われのイスラエル人は何を心に留めるべきですか。
ゆえにイスラエル人が後にバビロンにとらわれるとき,彼らは無力な神々を恐れてはなりません。力と頼むのは,たぐうべきもののない神エホバです。エホバは軍隊をひきいて彼らをバビロンから救う者の名前を預言しました。そのことを忘れてはなりません。彼らは耐え忍んで解放を待つ勇気を与えられました。
エホバの目的を変え得る神はない
イザヤ書 46章8-11節において,エホバは彼らを励ますどんな言葉を述べていますか。
エホバは更に次のことを彼らに告げています。「あなたがたはこの事をおぼえ,よく考えよ。そむける者よ,この事を心にとめよ,いにしえよりこのかたの事をおぼえよ。わたしは神〔エール〕である,わたしのほかに神〔エローヒーム〕はない。わたしは神である,わたしと等しい者はない。わたしは終りの事を初めから告げ,まだなされない事を昔から告げて言う,『わたしの計りごとは必ず成り,わが目的をことごとくなし遂げる』と わたしは東から猛禽を招き,遠い国からわが計りごとを行う人を招く。わたしはこの事を語ったゆえ,必ずこさせる。わたしはこの事をはかったゆえ,必ず行う」― イザヤ 46:8-11。
(イ)何時から,また何に関してエホバは結末を預言しますか。イスラエル人にはその事のどんな証拠がありましたか。(ロ)エホバはだれかと相談しますか。なぜ?
イスラエル人は,彼らのため,また遠い昔の先祖たちのためにエホバが行なわれた事柄を,捕われの最中に思い起こさねばなりません。エホバは他のどんな神よりも前から存在しており,ご自身の行なわれようとする事柄の結末を初めからご存知です。悪鬼も他の偽りの神々も,エホバの言われた事柄の成就を妨げることはできません。記録に留められた最初の預言,創世記 3章15節をはじめとして,神はまだ起きない事柄を預言しました。イスラエル人は,エホバが前以って告げた事柄の成就するのを何回も見ました。エホバはご自身のはかり事を定め,またなし遂げるのに助けを必要としません。また助言や知恵を他の者に求める必要もありません。エホバは他の神のすすめを行なったのではなく,他の者に影響されたのでもありません。エホバはご自身のはかり事と目的を成し遂げられたのです。それは空しくならず,エホバの言われた通りに成就しました。
(イ)エホバがその喜ぶところを行なわれることは,クロスの場合にどのように証明されていますか。(ロ)クロスはどんな標章を用いましたか。
エホバの喜び給う事柄は,文字に書かれた神のことばに記録されています。他の者の思惑とは無関係に,エホバはご自身のはかり事を成し遂げました。エホバはクロスを名指しました。クロスの成し遂げた事は彼自身のはかり事ではなく,エホバのはかり事でした。クロスはユダヤ人ではありません。彼は東のかた日の昇るところから,そしてユダから遠く離れたところから来ました。彼はバビロンとチグリス川の東,エラムおよびペルシャ湾よりも東にあったペルシャの人です。クロスは猛禽と呼ばれています。興味深いことに,クロスの標章はきんわし,すなわち猛禽でした。エホバは,猛禽のわしのようにクロスをバビロンに襲いかからせました。e
クロスに関連した歴史は,エホバが唯一の真の神であることをどのように証明していますか。
エホバの言われた通り,その導きによって事態は,象徴的な「猛禽」クロスがエホバのはかり事を成就する方向に発展しました。聖書と世俗の歴史はその事を証明しています。バビロンの神々を圧倒し,この強力な都をくつがえす力をクロスに与えたエホバは高められました。
バビロニア人がエルサレムを滅ぼす前に,エホバはバビロニア人にどんな警告を与えましたか。
エホバはバビロニア人に対し,預言的に次のことを告げられています。「なんぢら心かたくなにして義にとほざかるものよ,我にきけわれわが義をちかづかしむべければその来ること遠からず,わが救おそからず我すくひをシオンにあたへ,わが栄光をイスラエルにあたへん」― イザヤ 46:12,13,文語。
(イ)バビロンが第3世界強国となるはるか以前に,エホバは何を行なうことを目的とされましたか。どんな見地から,この救いは遠くなく,またおそくありませんか。(ロ)エホバのこのみわざは,どのようにエホバの義を近づかせますか。
イスラエルの民が不義と反逆のゆえにバビロンにとらわれることを定めたのはエホバであり,時を経て彼らがバビロンから解放されることを図ったのもエホバご自身にほかなりません。エホバが永遠に存在し,そのみ前では千年も一日のようであることを思えば,バビロンからの救いは遠くありません。(ペテロ後 3:8)その救いは神の定めの時に施されます。神はご自分の民を何時までも罰しておくのではなく,シオンが長く荒廃しておくのを許しません。あまり長い時間が経過しないうちに,神はイスラエルに栄光を与えます。それはエホバのみ手によってバビロニア人から救われた栄光です。神はご自身の義を近づかせます。神は間もなくご自身を立証するからです。エホバがバビロンの神々をことごとく滅ぼすとき,イスラエル人のバビロン捕囚によってエホバのみ名にもたらされた非難は一掃されます。それゆえにこれは神にとって義の行いです。
バビロニア人はイザヤの預言に照らして何をさしひかえるべきでしたか。
ベル神とネボ神を誇った「心かたくな」なバビロニア人はこの告知と警告を心に留め,捕らわれた神の民イスラエルに対して高慢と残酷をほしいままにすべきではありませんでした。
エホバは象徴的な猛禽を何時バビロンに向かわせましたか。時に関するどんな疑問に答えなけれなりませんか。
預言された70年の荒廃の時が終わるわずか2年前の紀元前539年,神はバビロンに対するご自身のはかり事を成就させるため,疾風のようにバビロンに襲いかかる猛禽,ペルシャのクロスをつかわしました。(エレミヤ 25:11)しかし堅固な城壁に囲まれたビバロンは,難攻不落と考えられていました。強固なとりでの中に鎮座したバビロンの神々は何年も持ちこたえて,エホバのはかり事が預言された時に成就するのを妨げますか。クロスはわずか2年のうちにバビロンを倒し,そのうえユダヤ人の解放まで手がけることができますか。
バビロンに対する戦いにおいて真の問題点はどこにありますか。この戦いの結末は何を予告していますか。
エホバのことばとみ名がそれにかかっています。それは神の民イスラエルのためにエホバが単にバビロンに対して行なう戦いではありません。それは神々の戦いです。エホバは偶像の神々,神ならぬものの上にご自身の至上なることを表わし,これらの神々を倒して恥をこうむらせます。それはサタンと悪鬼にとって手痛い敗北であり,神の敵対者が敗北して滅び,あらゆる国のすべての神の上にエホバが全く立証さることを予告しています。ゆえにバビロンは,神の定めた時に倒れなければなりません。本誌の次号においては,バビロンが倒れた晩の出来事をとりあげます。
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貴重なブドラクを産出した土地ものみの塔 1965 | 6月15日
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貴重なブドラクを産出した土地
◆ 金としまめのうを知っていても,ブドラク樹膠が何であるかを知っている人はあまりいません。ハビラの土地はこの三つの物を産出しました。(創世 2:11,12)しまめのうや金と一緒に述べられている事から,それは貴重な物に違いありません。またモーセがマナの外観をブドラク樹膠にくらべた事からもわかるように,イスラエル人はそれを知っていたに違いありません。この香りの高い樹膠はむかし,ユダヤ人や異邦人に高く評価されました。樹膠は木から採れるもので,プリニイによれば,透明でろうのようであり,さわると油のような感じのある物です。かなり離れたところからでもそのよいにおいをかぐことができます。そのかおりと味は没薬に似ていますが,いくぶんやわらかいようです。ブドラク樹膠を燃やすと香油のようなかおりを放散します。昔の人はそれを没薬のように香料,香,薬として用いました。
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