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いたずらザル,お手上げの農夫目ざめよ! 1980 | 7月8日
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引き裂いたり,掘り起こしたりして満腹するまで食べます。群れの全員が食べ飽きると,見張りに分け前が与えられます。しかし,この見張りは,もし農夫が近づいて来るのに十分な警告を発しないと,群れの雄ザルたちに殺されてしまいます。
畑で作物にありついている母ザルは,作物を食べている場所に自分の子を連れて来ないで,逃げ道のそばの丈の高い草の中に隠しておきます。見張りが危険の近づいている合図を出すと,母ザルは,子ザルに急を告げる叫びを発しながら一目散に畑を飛び出します。母ザルが突進して来ると,子ザルはその横腹に飛び付き,夢中でしがみ付きます。時には,動転して飛び付きそこなったり,別の母ザルに飛び付いたりして,子ザルが取り残されてしまうことがあります。このような子ザルを見つけると,農夫はそれをよく子供のペットにします。
時々,追いつめられた母ザルがあわれみを請うことが知られています。無力な者に同情を示して欲しいといわんばかりに,子ザルを持ち上げます。また,妊娠しているサルは,腹をたたいて,自分が妊娠していることに注意をひこうとすることも知られています。生まれたばかりの子ザルは,毛のない小さなネズミに似ています。皮膚の色は美しい空色がかった緑色をしています。(生後1,2年の間これが観察されます。)“ミドリザル”と命名されているゆえんはここにあるのでしょう。成長すると,灰色がかった黄色になり,胸や足と腕の一部は白くなります。成長し切ったサルの体重は7㌔弱です。
絶えず繰り返されるサルと農夫の闘いにおいてどちらが優位に立っているでしょうか。容易には決めかねます。フランク・アービン博士の下で行動科学協会のメンバーが最近行なった野外観察の結果によると,セントキッツ島には現在のところ7,000匹から1万2,000匹のミドリザルが生息しているものと思われます。この島では,現在の生息域だけでも,年間を通じて最高3万4,000匹のサルが生息していける食物がある,と報告書は告げています。この数字によれば,人間とほぼ同数のサルがこの島で快適に生きていけることになります。
もっとも,これには,お手上げの農夫が同意しないかもしれません。
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新しい航空燃料?目ざめよ! 1980 | 7月8日
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新しい航空燃料?
● 現在,石油に代わる航空燃料として液体水素が真剣な考慮の対象となっています。ドイツ連邦共和国のシュツットガルトで開かれたこの問題に関する国際シンポジウムの席上,ロッキード・エアクラフト社のスポークスマンは,こうした燃料は「航空機の効率の点で最大の飛躍」となろうと語りました。また,液体水素は,「ピストン式のエンジンからジェットエンジンへと移行した以上に重要な進歩をもたらす」ものと思うとも述べました。
● 英国のニュー・サイエンティスト誌の伝えるところによると,「最も安い方法 ― カナダの水力発電を利用して得られた電力を用いて水を電気分解する方法 ― によって造られた液体水素は,石油を原料にした燃料に対抗できるところまですでにいっており,1990年代に石油の生産量が減少すれば,液体水素のほうがかなり安上がりになるものと思われ」ます。シンポジウムに出席した航空会社の代表者たちはとても深い感銘を受けたので,貸物機の燃料に水素を用いてみるという提案された“デモンストレーション段階”は必要ないかもしれません。1985年に,水素を燃料に用いる定期旅客機を飛ばすといった楽観的な見込みまで討議されました。
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